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5GoGo 第36話『危ない!ファイブDEチャンス!(前編)』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

「アップダウンクイズ」「100万円クイズハンター」「タイムショック」
そして王者的存在だった「アメリカ横断ウルトラクイズ」などなど、
かつて一世を風靡した視聴者参加型のクイズ番組はその数を減らして行き、
今や「アタック25」を残すのみとなりました。
そんな時代の空気を伝えるような「ファイブdeチャンス」に挑むのぞみ達ですが・・・
5人での思い出を残したいというのぞみの想い、くるみの心遣いなど、
5人と1人の姿勢も印象的な一編、そしてミスターマジックのハイテンションぶりと、
イカサマだらけのゲーム展開、ホシイナーを含めた異常なノリが際立つ、
プリキュア屈指のカオス回としても記憶される、強烈なインパクトを残す前後編の前編です。
キーワードは「夏木りんりん夏木り~ん!!」(笑)
  
かれんがナッツハウスを訪れたのは、
みんなが熱心にコイントスの練習をしている時でした。
テレビのクイズ番組「ファイブdeチャンス」出場に応募したところ見事当選し、
5人一組で出場する事、最後のゲームが必ずコイントスだと説明して
盛り上がるのぞみ達を、かれんは冷めた目で見つめます。
『悪いけど、私出ないから』
そうは言ったものの、かれんはのぞみとうららに泣きつかれて困惑し
丁度目に留まったくるみを渡りの舟とばかりに誘い込みました。
くるみもあまり乗り気ではありませんが、優勝賞品がチョコレート一年分と聞くや否や
俄然やる気を出して、のぞみ達を仕切ってリーダー気取りです。
早速特訓だと盛り上がる5人とかれんとの間には温度差があるように見えますが・・・
ところでうらら、千本ノックの特訓って何をする気なんでしょう(笑)

『お紅茶が入りましたよ』
今日のお茶汲み役はなんとアナコンディさんです。
何やら卓上にジオラマを広げ、綿密な策を練るムカーディアさんに紅茶を淹れ、
その策を尋ねると、プリキュア分断作戦という答えが返って来ました。
それは既に手垢のついた作戦だという事はアナコンディさんも承知していますが、
ムカーディアさんはもっと上手くやると自信たっぷり。
出撃の前に、バラを一輪アナコンディさんに差し出して行きました。
一瞬呆気にとられ、そして全幅の信頼を寄せるように見送るアナコンディさん。
この時点では、後のこの2人の確執などは想像もつきませんが、それはまた別の話です。

いよいよ収録本番の日がやって来ました。
楽屋の中には夕凪中とおぼしきチームや、いかにもなガリ勉風組などが集い、
本番を控えて流石にのぞみ達も緊張して来ます。
ところがこの輪の中には、かれんは居ません。
のぞみはその事を意識して一瞬、ほんの一瞬だけ俯くものの、
次の瞬間にはみんなに笑顔で振り返って宣言します。
『みんな!優勝してかれんさんをびっくりさせちゃおう!頑張ろうね、くるみ!』
水を向けられたくるみは、なぜのぞみが優勝にこだわるのか、
その理由を先日ナッツとシロップの話を立ち聞きして理解していました。
それは優勝賞品のチョコ一年分が目当てではなく、もう一つの優勝の証、
トロフィーに5人の名前が刻まれるからです。
それを知っているからこそ、くるみはのぞみの本心が見えた気がしました。
目の前ののぞみはチョコがたくさん食べられると
明るく振舞っていますが、本当に欲しいものは・・・

生徒会の仕事も終わり、校門前で坂本さんの車を待つかれん。
何だかんだ言ってコイントスの練習をしていますが、ハズレが続きます。
車の中でも坂本さんからファイブdeチャンスの話題を向けられますが、
かれんは私はいい、と言いながらも、どこか心ここにあらずといった感じです。
バックミラーに映るかれんの姿を見て、坂本さんは優勝賞品について切り出しました。
チョコレート一年分だけでなく、もう一つのもの。
その先を話そうとした時、こまちから緊急の電話がかかって来ました。

テレビ局へと駆けつけたかれんを待っていたのは、
緊張のあまりくるみの姿を保てなくなってしまってガクブル状態のミルクと、
心配そうに案ずるみんなの姿です。
大丈夫とはいうものの、歯の根が合わない程震えているミルク。このままでは・・・
皆の視線がかれんに集まります。
『私は・・・出ないわよ!』
妙なポーズで後ずさりするかれんに、容赦なくみんなの眼差しが突き刺さり・・・
結局かれんが出場することに決まりました。
そして間もなく本番となり、5人をスタッフが呼びに来ます。

スタジオ入りする前に、かれんはミルクに語りかけました。
かれんにはミルクの魂胆はお見通し。
どうしても行かせたい理由があると悟り、それを優しく尋ねようとした折、
スタッフの呼ぶ声に急かされて理由を聞けずにスタジオへと向かうかれん。
『ミルクより、きっとかれんの方が相応しいミル』
扉の向こうへと消える後ろ姿に向けて、そっとつぶやくミルク。ところが・・・
他の出場チームのみなさんは続々と別のスタジオへ誘導されて行きます。
ならば、のぞみ達が向かったスタジオは一体・・・?

5人が足を踏み入れたスタジオは妙に薄暗く、促されるまま着席するも、
何かがおかしいと思った時には既に遅く、椅子に縛り付けられる5人。
突如、まばゆく灯るスポットライトと共に、
ポンポンを手にしたスクールメイツ達が所狭しとスタジオを踊りまわります。
尤もスクールメイツ達も、盛り上がる客席のギャラリーも、皆ホシイナーの顔。
そしてスクールメイツ達に導かれ、シルクハットの道化の男がステージに現れます。
『ヒャーッハッハッハッハ!!!』
異様なハイテンションの笑いで客席を煽り、その男ミスターマジックの向上が響き渡りました。
『5人の力でチャンスを掴め!失敗したら~大ピンチ!
 ハラハラドキドキ超サイコーのゲーム番組。プリキュア!ファイブdeチャンス!』
彼が仕組んだこのゲームのルールはシンプルです。
5人のうち、誰か一人でもゲームをクリアできれば全員元の世界へ戻れますが、
全員失敗したら、二度と元の世界には戻れない。
単純かつ恐ろしいルールをハイテンションに説明するミスターマジック。
スタジオの外で小々田先生、ナッツ、シロップ、そしてミルクが心配そうに見守る中、
最初のゲームが始まろうとしています。果たしてプリキュア5の運命やいかに?

最初のチャレンジャーに選ばれたのはりんちゃん。挑むゲームは「サッカーヒーロー」です。
サッカーのグラウンドへ招き入れられたりんちゃんは、
客席のホシイナー大サポーター軍団が肩を組んで喝采を送る異様な光景に唖然とするも、
スポーツ万能かつフットサル部のエースの彼女にとっては、
ゴールの中の的を目がけてシュートを打ち、5球で100点を取るというルールは
難なくクリアできそうな内容ですが・・・?
事実、りんちゃんが自信満々に蹴るボールは、
一直線に真ん中の100点へ吸い込まれて行きますが、
突如としてゴールポストそのものが動いてボールを避けました。
唖然とするりんちゃんを余所に、ホシイナーのサポーター達は大喝采。
『ちょっと何よ今の!何なの!どーなってんの!』
りんちゃんの猛抗議も、かれん達の抗議にも耳を貸さず、
ミスターマジックはゴールが動かないなんて一言も言っていないなどと居直ります。
りんちゃんが蹴る2球目、3球目、4球目はいずれもゴールに避けられて、
正々堂々勝負しろという抗議の声はサポーターの大声援にかき消されました。
残るボールはあと1球。追い込まれたりんちゃんに、ミスターマジックの挑発がかけられます。
『どーする、どーなる?夏木りんりん夏木り~ん!!』
こうなった以上、もう100点を狙うしかありません。
静まり返ったフィールドに、りんちゃんの鼓動が響きます。目を閉じて深呼吸。高まる緊張。
そして放たれる渾身のシュートは、100点目がけて突き進む!と思いきや・・・
『そ・・・そんな・・・。手・・・?手・・・?手・・・!?』
ゴールポストから手が生えて、ボールを無情に弾き返しました。
フィールドに膝をつくりんちゃんを待つものは、罰ゲームの魔の手。
背後にホシイナーと化したゴールが迫り、見守るみんなが思わず声を上げますが、
愛するスポーツをコケにされたりんちゃんは静かに怒りを燃やしていました。
『ふざけないでよ・・・何がサッカーヒーローよ。何が5球で100点よ。
 よけたり逃げたりした挙句腕まで出しやがって・・・!
 スポーツを・・・ナメんなあッ!!』

熱血少年漫画風カットで見得を切り、変身するりんちゃん。
そっちがその気ならと、ファイヤーストライクを蹴り込みますが・・・
今度はバットを持ち出してファイヤーストライクを打ち返すゴールポストを前にして、
もはや文句を言う気力すら失せました。
『バットは・・・サッカーじゃないでしょぉ・・・』

続いてのチャレンジャーに選ばれるのはこまち。ゲームは「常識クイズ」です。
小説家志望で知識の豊富な彼女には、やはり簡単そうに見えますが・・・
ししおどしの音が響く閑静な庭園に面した、
やたらと広い畳の間でミスターマジックと相対するこまち。
ルールは簡単。答えがわかったら目の前のボタンを押して答えるだけのものです。
そして出される第一問目は、子供でも分かるような問題です。
『春、夏、秋、その次の季節は?』
明らかに簡単すぎる問題には当然裏がありました。
こまちがボタンに手を伸ばすや否や、足が生えて広間を逃げ回るボタン。
やたらと広い空間はこのためでした。やっとボタンを捕まえたと思えば時間切れ。
『ちょっと待って、待ってってば!』
出題は待ってはくれず「日本の首都はどこでしょう」「飛んで火に入る何でしょう」
簡単すぎる問題で答えはわかっていても、回答権をもらう事が出来ません。
『これじゃ答えられないでしょー!やだ、待って待ちなさーい!』
そんな中、ボタンが襖の敷居に躓いて、チャンスとほころぶこまちですが、
その直後こまちを嘲笑うようにボタンは分裂して走って行きます。
『そんな・・・ひどい・・・』
3問目も結局時間切れ。そして涙目のこまちにホシイナーと化した無数のボタンが迫ります。
キュアミントへと変身するものの、あまりの量の多さに何もできず、
コマチチャンに埋め尽くされた時のようにたちまち押し込まれてしまいました。
そして、ルージュに続いてミントも罰ゲームボックスへと捕らわれの身になりました。

相次ぐ理不尽を前に憤慨したのぞみが次のチャレンジャーに志願します。
インチキだと分かっていても何とかしなければ・・・
そう意気込むのぞみのためのゲームは「カゲエdeポン」
『ハーイ!みんなコンニチハ!僕ホシイナー君』
『やあ!ミスターマジックだよ!』
教育テレビ(現Eテレ)のマスコットとお兄さんのような2人が、
のぞみの前のテレビの中から話しかけてきます。
のぞみの置かれた空間はと言えば、ロンパールームかピンポンパンか、
いくらなんでもお子様向けすぎる空間で、さすがの彼女もやや腹立たしそう。
ゲームそのものはスクリーンに映る影絵を見て、何か当てるだけという単純そのもので、
大いに意気込むのぞみが最初に見たシルエットは、
長く伸びた首を持つ4本足の動物。どう見てもキリンですが、正解は・・・
『正解は、キリンの格好をしたホシイナー君でした』
『あれ?のぞみお姉さんにはちょっと難しかったかな?』
流石ののぞみもここまでコケにされては顔が引きつります。
次の影絵も、どう見てもヤカンにしか見えないものの、
同じように「ヤカンの格好をしたホシイナー君」でハズレ。
海より広いのぞみの心も、ここらが我慢の限界を迎えそうです。
最後の影絵はどう見てもペンギンですが、もう騙されません。
『ペンギンの格好をしたホシイナー君!』
ところが今度の正解は本物のペンギンというオチが付き、のぞみもゲームオーバーになりました。
テレビの中から出てくるヤカンを持ったキリンのホシイナーを前に変身するのぞみ。
そしてヤカンからあふれる水を避けるドリームは、行く手に先ほどのペンギンを見つけました。
ペンギンを抱き上げて水から守ってあげるドリーム、と思いきや・・・
結局そのペンギンもホシイナーで、騙され続けたドリームの背後にキリンとヤカンが迫り、
ドリームも敗れて罰ゲームボックスの捕らわれの身となりました。

残るはうららとかれんだけ。
不安そうにかれんを見るうららの前で、ミスターマジックが客席を煽り続けます。
『あっとふったり!』『ホッシイナー!』
『あっとふったり!』『ホッシイナー!』
果たしてうららとかれんはこの悪乗りかつ恐ろしいゲームをクリアする事ができるのか、
ファイブdeチャンスは後編へと続きます。


「名探偵こまち」と双璧をなす、プリキュアシリーズ屈指のカオス回の前後編。
確かにミスターマジック=ムカーディアさんが見せる
これまでの物静かな優男のイメージをブチ壊す異様なテンションや、
理不尽すぎるゲーム展開、ホシイナー君以下個性的すぎるホシイナー達と、
ネタ的には大いに楽しめます。
インチキに振り回されて地団太を踏むりんちゃん、こまち、のぞみの描かれ方も
窮地でありながらどこか微笑ましく、特にりんちゃんの一連の描写のインパクトが強烈でした。
そして、インチキでありながら懐かしさを覚える展開でもありました。
そういえば昔のバラエティ番組ってこういうノリだったな・・・と言う感慨を覚え、
スクールメイツやスタジオの内装など、テレビが今より輝いていた時代の空気を感じさせます。

もはや怒る気力すら失せるりんちゃん、涙目のこまち、珍しく苛立ちを抑えられないのぞみ、
ミスターマジックの理不尽に対して「大人って(嘘つきです!)」と文句を言ううらら、
そしてみんなの期待を一身に受けながら、出たい本心とプライドがせめぎ合うかれん、
今回活躍の場が少ないうららに至るまでもが見事な存在感を発揮しています。
このシリーズの日常話はまだ数回はあるのですが、
残り少なくなったこのメンバーの姿を、生き生きと描き出したい。そんな気概が感じられます。
1年半に及ぶストーリーの中で個々の立ち位置や動かし方もお手の物というべきでしょうか。
夕凪中らしき制服や、「逆うらポジ」など、ファンサービスらしきものも散見され、
まさにおもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさに満ちています。

そんな中、単なるカオス回に終わらないのは
「思い出づくり」に対するのぞみ達の想いが根底に流れている事でしょうか。
本当はかれんに出てほしくても、あくまで無理強いしないところに
のぞみ達の心遣いが伺えます。そしてその心遣いを察したミルクもまた、
くるみ=ミルクにしかできない粋な計らいと気転でかれんを参加させる事に成功しました。
ところがスタジオへと向かうかれんを見送る時、ミルクは妙に寂しそうです。
意図した事とはいえ、自分は5人の中には居られない。
5人の名前が刻まれるのであれば、自分よりかれんの方がふさわしい。
そう思いながらも寂しさを感じるミルクの心境も、
いつも勝気なミルク=くるみを見ているだけに、かえって印象に残りました。

うららは果たしてゲームを勝ち抜けるのか、そしてかれんは・・・?
「運」は自ら招き寄せてこそ価値があると言えそうな後編へ、
そしてみんなの思い出が形となる後編へと続きます。
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コメント 2

ショコラファン

ミスターマジックもといムカーディアの暴走っぷりが凄いですね。
中の人の名演もあり強烈なインパクトを残すキャラになっていますね。クイズはどれもせこくて、爆笑ものばかりで、特にペンギンくんホシイナーが最高ですw
同じ数だけメンバーのいるスマイルプリキュア組がこのファイブでチャンスに挑戦したらどうなるのかも気になりますね。
ちなみにりんちゃんの言葉が少年漫画並みに荒くなっていたのが気になりました。相当お怒りだったのかもしれませんが……

by ショコラファン (2017-06-16 18:27) 

スティクス

>ショコラファンさん
ムカーディアはこっちが素なのでは?と思う程のフッ切れ具合がインパクト抜群でした。そんなムカーディアと息詰まるコイントスを繰り広げたかれんさん、中の人同士がご結婚されるとは・・・。やはりこの前後編がきっかけなのでしょうか。

>ペンギンくんホシイナー
私もこのセコい展開、大好きです。あののぞみがキレる寸前でしたから(笑)

>スマイルプリキュア組がこのファイブでチャンス
こういうパラレル展開を想像するのも楽しいですね。もっとも同じ5人チームでもドキドキ!組は強そうですが、あちらはレジーナ率いるゲーム大会で魅せてくれましたね。

>りんちゃんの言葉が少年漫画並みに荒くなっていた
途中までは「何よ」「何なの」という女性語なんですが、やっぱり相当頭に来たのでしょう(笑)。
ブチ切れ台詞の後の、あきれ果てて何も言えねえ・・・って感じの落差も楽しめました。
by スティクス (2017-06-16 23:38) 

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