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魔法つかいプリキュア!第45話『想いは時を超えて・・・!友情のかたち!』 [魔法つかいプリキュア!]

 三作並行視聴を始めて、早くも一年が経ちました。
 当時は魔法使いプリキュアも36話あたりで、
 終盤の展開、特に闇の魔法使い達の復活は想定外の出来事でした。
 そして思い入れの無かった彼が、まさかここまで私の心を揺さぶる存在になろうとは・・・
 バッティさん。あなたの生き様、最高に熱いです。
  
 小学校の同窓会の写真を眺めているかの子さん。
 50年経っても、離れていても、どこかで繋がっていたのかもしれないと感慨深そうです。
『離れていても』
『繋がっていた』
 みらいとリコは、祖母の言葉を噛みしめるように呟きました。
 そうこうしている内に、ナシマホウ界を訪ねてくる校長との待ち合わせ時間がやってきます。
 その校長、なぜか着物で登場し、常春の魔法界と異なるナシマホウ界の冬に身震いしています。

 一方オルーバは、先日のフェリーチェの戦いぶりを見て、徐々に力が目覚めつつあると確信。
 残るデウスマストの眷属を復活させるための策や、
 なぜオルーバやベニーギョ様が復活できたのかという謎の答えについても見当をつけています。
 そしてスパルダとガメッツさんを率いて出撃して行きました。
 スパルダが不敵な笑みを浮かべていることに、気づいているのか否か・・・?

 公園で校長と落ち合った後、ことはが魔法で出したこたつに入って歓談します。
 オルーバに奪われた闇の魔法の本は、未だ反応がありません。
 校長はクシィが袂別した日の事を思い出していました。
 禁断の魔法に手を出したクシィを引き留める校長。その手を払いのけ、去って行くクシィ。
 みらい達は寂しげな校長のために、イチゴメロンパンを買いに行きました。
 水晶さんも同行し、買い物に行く女子?達を見送る校長の視界に、
 一人ベンチに腰かけているバッティさんの寂しげな後ろ姿が入りました。

 買い物帰りの道すがら、水晶さんは校長とクシィの過去を語ります。
 学生時代、寮で同室だった二人。
 夜遅くまで語らって先生に怒られたり、消灯後に一緒の布団で本を読みふけったり、
 真面目なクシィとおおらかな校長は、性格は違えど気が合う二人でした。
 やがて教師となった二人は来るべき災いに備える研究を続けていましたが、
 いつしかクシィは禁断の魔法に魅入られ、そして・・・
 その結果はドクロクシーとなり、人としての生命を失うこととなりました。
『仲の良かった友達同士がそんな事になるなんて・・・』
『校長は時折クシィ様の事を想われては、心を痛めておられるようです』
 
 校長はバッティさんを呼びとめて事情を聴き、こたつに入るよう勧めます。
『もはや私など、ただの抜け殻・・・』
 ところが生きる望みを失ったバッティさんは、自嘲して膝を抱えるばかり。
 みらい達はこたつの傍らにいるバッティさんを見て、血相を変えて駆けつけました。
『校長先生!大丈夫ですか!?』
 ところが校長が誘い込んだと知って拍子抜け。
 微妙な空気の中、イチゴメロンパンを堪能する校長に対し、バッティさんはひたすら項垂れています。
『使命を果たせなかった私など、ここにいる意味がない。』
 その真面目さと責任感はクシィに似ていると校長は指摘します。
『だが今はクシィの書いた本を取り戻さねば。これ以上あの本で苦しむものを出してはならぬのじゃ』
 その時、目当ての「あの本」を手にしたオルーバが登場。
 校長とみらい達を、雲が渦巻く異空間へと引き込みました。

 一人取り残されたバッティさんの瞳に、竜巻のような雲が映ります。
 いつの間にかドクロクシーのカカシが、そして一匹のヤモリが、バッティさんの姿を見守っています。
 かつての主君の象徴と、かつての同僚のなれの果ての、無言の後押しを受けるように、
 バッティさんもまた無言で飛び発ちました。

 雲の中には戦いの舞台がしつらえられています。
 スパルダとガメッツさんに、オルーバは本を通じて闇の魔法を注入。
 この時もスパルダの目が闇の魔法の本を追っていることに、彼は気付いているのか否か。
 迎え撃つみらい達も、トパーズスタイルへと変身します。
 巨大グモとなったスパルダにはミラクルとマジカルが挑み、
 フェリーチェには再戦に燃えるガメッツさんが立ちはだかります。
 そしてオルーバは、本を取り返そうとする校長に、闇の魔法の真相を明かしました。
 
 往古、デウスマストの眷属達が、マザーラパーパに敗れ封印されようとした時、
 オルーバは「ある情報」を世界中にばらまきました。
 一つずつは他愛の無いものでも、それらをすべて繋ぎ合わせれば、
 世界を覆う程の強大な負の力がを生み出す方法が指し示されるというもので、
 いずれ知的好奇心に溢れた者が情報を追い始めると見越しての仕込みでした。
 そして狙い通り、筋書き通りに動き始めた者こそが、クシィです。
『僕が蒔いたパズルは、その人間の研究の中に組み込まれる形で完成し、そして名づけられた。
 「闇の魔法」と』
 その話は校長だけでなく、一部始終を聞いていたバッティさんも愕然とさせました。
『我らの誕生が仕組まれていたもの・・・』

 フェリーチェは強く、ガメッツさんは相手にとって不足無しという風に満足そうです。
 ところが劣勢に追い込まれるや、オルーバが戦いの場に割り込み、ドンヨクバールを生成。
『無様だね。まあ、君なんかじゃ敵うわけないか』
 戦いを邪魔され憤るガメッツさんに、
 フェリーチェがマザー・ラパーパの力を受け継ぐ者だと示唆します。
 校長、そしてフェリーチェ本人も、それを聞いて戸惑いを隠せません。

 一方スパルダはミラクルとマジカルに敗れたように見えますが、戦っていた巨大蜘蛛は囮でした。
 本物のスパルダが、オルーバの隙を突いて闇の魔法の本を奪い取ります。
『ずっとこのチャンスを狙ってたんだ。闇の世界を作るのはこの私さ!』
 オルーバを糸で絡め取り、勝ち誇るスパルダ。しかしオルーバがこれで屈する筈もありません。
 今までの物腰柔らかな姿勢から一転、邪悪な目を浮かべると、
『こんな事で出し抜いたつもりなのかい?下等な生き物の分際で!』
 糸を断ち切り、眼鏡を潰して、真の姿を開放します。
 そしてスパルダからあっさりと闇の魔法の本を奪い取り、地に叩きつけて鼻で笑いました。
『闇の世界?地上の全てを負の力で満たし、ラパーパによる封印を外側から打ち消す。
 それが僕の狙い。そのために計画した状況、僕らの復活の舞台こそが、闇の世界。
 君たちがそう呼び、必死に目指したものさ。
 君らの存在も目的も、全て僕らのために生み出されたのさ』
 ところがスパルダは打ちのめされるどころか、逆に笑い返します。
『だからなんだってのさ。私は私のために闇の世界を作る。それだけさ!』
 戦いに信念を持つガメッツさんも、スパルダに続きます。
『我ガメッツ、何があろうと己の拳を、力を信じて生きるのみ!それを笑うならば小僧!覚悟せよ!』
 
 しかし悲しいかな。彼らではオルーバに歯が立ちませんでした。
『そもそも君らの主がプリキュアに邪魔され、失敗したせいで眷属達の復活は中途半端。
 この僕自ら手を下す羽目になったんだ』
 虫けらどもとまで見下されながら、あっさり元の蜘蛛と亀に戻されます。
 同胞達の抗う様、そして敗れた姿を見守っていたバッティさんの中に、何かが目覚めました。
 ドクロクシーのカカシと、それに寄り添うヤモリが、いつからかバッティさんを見つめています。
『ドクロクシー様・・・私は・・・私はッ!』
 再び現れた魔法の杖を、バッティさんは強く握りしめます。

 オルーバの狙いは、戦いのエネルギーを、ステージを通じて闇の本に吸収させることにありました。
 ガメッツさんとスパルダが敗れた今、次はプリキュア達をドンヨクバールと戦わせようとします。
 その時・・・
『待ってもらおう!』
 バッティさんが、ドクロクシーカカシ、ヤモリ、蜘蛛、亀と共に割り込みました。
 皆の想いと力を闇の魔法で掛け合わせ、モットヨクバールを生成。
 オルーバは見下しながら、ドンヨクバールをけしかけます。
『闇の魔法の連中は本当に役立たずばかり。これを作った人間も』
 ドンヨクバールが優勢。しかしバッティさんは懸命に踏ん張ります。
『闇の魔法の欠点は、その中に人間の心がある事。
 人間の弱さや迷いが、ムホーの力の再現を不完全なものにしてしまった』
『弱さや迷い・・・クシィはそんなもののために・・・』
 クシィが去った日を想いながら悔やむ校長にも、オルーバは嘲るような目を向けます。
 
 ところが、いつの間にかバッティさん操るモットヨクバールが優勢になりつつあります。
 ようやく焦り始めたオルーバが、ドンヨクバールを立て直そうとしますが、
 バッティさんの熱い想いと気迫によって押し切られました。
『我らの生き様!茶番などと言わせておくものかッ!!』
 モットヨクバールの強烈なパンチが、ドンヨクバールを殴り倒しました。

『なぜだ・・・僕のムホーの力が・・・出来損ないの魔法なんかに』
 愕然とするオルーバを諭すように、フェリーチェの澄んだ瞳がオルーバを見据えます。
『出来損ないなんかじゃない!弱さや迷いだけじゃない。心には強さや一途な思いがあるのです。
 そこから生まれる魔法。それはあなた達の想像を超えた力になる』

『黙れ・・・黙れ黙れ黙れッ!!!』
 余裕の仮面をかなぐり捨て、激昂して突っ込んでくるオルーバに、エクストリームレインボーが炸裂。
『ちょっとお遊びがすぎたかな。あんな連中のおかげで計画が台無しにされてしまうなんてね』
 虹の彼方へ放逐される事を覚悟し、かつて封じられた時と同様、最期の手を打つことを忘れません
『リンクルストーンの力は手に入らなかったけれど、その代わり捧げよう。僕の残った力の全てを。
 さあ闇よ広がれ!混沌の日はもうすぐだ。せいぜい抗い飲みこまれるがいい』
 最後の力を開放したオルーバの高笑いが、虹の彼方へ消えて行きました。

『私だけが残ってしまったか・・・私にもお前達のような熱い気持ちがまだあったとはな』
 バッティさんがかつての同僚たちと共に見守る中、
 主君の象徴ドクロクシーカカシが、夕焼けの空へ溶けるように消えていきました。
 一礼して見送った後、バッティさんはヤモリ、蜘蛛、亀を連れ、夕陽に向かって飛び発ちます。
『さあ、帰ろうか・・・』

 校長は闇の魔法の本を手に取り表紙を開くと、校長へ宛てたクシィのメッセージが記されていました。
『友よ。君への言葉をもってこの書の始まりとしよう。私はこれより禁断の魔法の研究に手を染める。
 来るべき災いを退け得る手段。そして力を見つけるために。
 君には反対されてしまったがそれでいい。たとえ研究の果てにこの身がどうなろうと覚悟は出来ている。
 しかし君を巻き込むこと。それだけはしたくなかった。
 災いを乗り越え、また、いつか・・・共に飛ぶ日を夢見て』
 闇の魔法の本を抱きしめる校長の目に、涙が溢れます。
『クシィよ。お前はどこまで真面目な奴なんだ・・・馬鹿野郎・・・』
 その姿に、みらいはかの子さんの言葉を思い出しました。
『時が経っていても離れていても、どこかで繋がっていたのかもしれないわ』
 天を仰ぐ校長。その空に、かつて友と飛んだ日の姿が、見えたような気がしました。


 本来、校長とクシィの友情について語るべき話だとは思いますが・・・
 バッティさんだけでなく闇の魔法使いの誇りと生き様に強く魅せられました。
 まさか闇の魔法使い達にこんなに感情移入する日が来ようとは・・・
 
 私はこれまで、魔法使いプリキュアにおける敵キャラクターには
 一時復活時のヤモーに憐みを感じたくらいで、   
 他シリーズと比べてあまり思い入れがありませんでした。 
 それが一気に覆されるほど、今回の彼らの活躍ぶりが心に残ります。

 まずスパルダから。彼女は個人的に印象が薄かったのですが、
 オルーバを密かに出し抜こうとする野心と、腹の探り合い
 そして己の信じる道を信じ抜く意志の強さに感銘を受けます。
 彼女の行いは正義でもなんでもなく、褒められたものではありません。
 しかし、オルーバに凄まれても見下されても、
「私は私のために」やろうとしたことをやり抜く強さ。
 この野心を疑う事無い真っ直ぐな姿勢は、目的が何であれ惹かれます。
 オルーバが彼女を見下していたように、スパルダもまた彼を軽蔑していたように思います。
 オルーバは、「自分が自分のために」「自分の手を動かして」
 動いていません。チクルンであったり、スパルダ達だったり、
 なるべく手を使わずに事を運ぼうとしています。
 もちろんオルーバもその気になれば何でもできるのですが、
 最初は動かずに後ろから眺めているだけという姿勢は
 スパルダにとって蔑視の対象だったのでしょう。
 糸を吐きかける場面では、まるで唾を吐きかけているような描かれ方です。
 それは相手に対する侮辱の最たるもので、
 スパルダがオルーバに対して内心どう思っていたかが分かる気がします。

 続いてガメッツさん。
 復活後も今回も、「いつものガメッツさん」という感じで代わり映えしませんが、
 それでも自身のアイデンティティである、神聖な戦いを汚す者には容赦ありません。
 スパルダと同じ確固たる信念は以前からも感じ取れます。
 これは校長が評した、クシィの「真面目で責任感がある」一面が
 彼らの性格に影響を及ぼしているのではないでしょうか。

 二人ともあえなくオルーバに返り討ちにされてしまいましたが、
 この短い間だけでも、自らの価値観を貫くということを
 敵が体現してみせるという、特殊な役割を果たしていました。

 そして、今回最も輝いていたバッティさん。
 シリーズ前半でも、ドクロクシーへの疑念を抱いたことを恥じてからの
 正々堂々とした戦いぶりや忠臣ぶりに目を惹くものがありましたが、
 まさかここまで熱い魂を感じさせてくれるとは、良い意味で裏切られました。
 そして、バッティさんに自分自身を重ねてみてしまいました。
 自分で言うのもどうかと思いますが、私は「真面目」で「責任感が強い」
 などと言われます。自分では不真面目だと思いますし、
 何より嫌なことから目を背け、誤魔化せるものは誤魔化そうとしたり、
 逃げられるものなら逃げたいと思う事も常日頃あります。
 以前ここを中断した時も、そんな心境だったように思います。
 そんな私でも、異動を志願したり、ここを再開したり(これは当てはまるか?)
 抑えられない熱い気持ち、自分の心に正直に動いた結果、
 辛い日々を送る事になっても「生きている」実感を味わっている気がします。
 
 バッティさんが立ち上がるきっかけも、「仲間」の存在でした。
 竜巻に飛び込む際、そして再び戦う事を決意した際
 どこからともなく現れたドクロクシーカカシとヤモーがバッティさんを見守っています。
 言葉をかける訳でもなく、ただ静かにバッティさんに向き合うだけです。
 バッティさんはこの両者に何かを言ってもらいたかったのではなく、
 この両者を通じて自分自身と向き合ったのだと思います。
 スパルダとガメッツさんがあっさり敗れた相手に、自分で勝ち目はあるのか。
 ならばプリキュアと手を組んで戦うか。
 そうではない、自分達の生きた証は自分達で抗ってこそ。
 そうした考えを集めた結果、あのモットヨクバールを生み出す源泉となったのでしょう。
 プリキュアと同じく、彼らもまた「仲間」「友」と手を取り合い力を合わせて
 勝ち目のない戦いに勝ち抜きました。
 自分達の誕生は仕組まれた事だとしても、 彼らは間違いなく「生きて」いました。
 仕組まれた筋書き通りにしか生きられないのであれば、それは運命に生かされているもの。
『我らの生き様!茶番などと言わせておくものかッ!!』
 この叫びに、運命を切り開き、打ち砕こうというバッティさんと、
 ひいてはクシィの熱い想いが込められています。

 バッティ、という名前はコウモリの「BAT」からつけられたと思いますが、
 映画「ブレードランナー」のロイ・バッティとの関連性があるのでは?
 というのは考えすぎでしょうか。
 しかしあの映画のレプリカントは短い寿命を奴隷のように生き、それに抗い生きる道を探っていました。
 仕組まれた人生、決められた運命に抗い、生きるために戦う。
 なんとなく、同じ「バッティ」の生き様が重なったように思えます。

 対して後半の敵達、デウスマストの眷属達には、
 再視聴を進めた今でもあまり思い入れが沸いて来ません。
 私はベニーギョ様、などと書いてますが(笑)、あくまで容姿に魅せられただけで
 その性格や考え方にはほとんど共感を持てず、
 それはシャーキンスやラブーについても同様でした。
「生きている」感が感じにくいのが、その原因かもしれません。
 プリキュアの敵キャラクターは一部を除いて人間臭い者達が多く、
 それ故憎めなかったり、倒されるべき時に倒された時に感慨を覚えたりします。
 ただ一人オルーバだけは、好き嫌いは別として、
 また本人が意識したかどうかも置いておいて「生きて」いたと思います。
 過去に封印された時や、今回の最期の力など、
 いずれもデウスマストの眷属達のために、道を切り開いています。
 生きる事や使命にこだわりがなければ、このような種は蒔きません。
 オルーバに対して特に思い入れがあるわけではないのですが、
 彼には他の眷属にはない知的好奇心がありました。
 自らの知を満たすと、その知を残したいという想いが生まれるもの。
 オルーバもまたクシィ同様、最期に知的好奇心の活用を後に託したのかもしれません。

 さすがに校長とクシィについても語らないといけませんね。
 水晶さんが語る「性格は違っても気が合う二人」とは、
 今作のみらいとリコを暗示しているようです。
 そればかりか、過去の「二人」を意識させられる関係のプリキュア達、
 なぎさとほのか、咲と舞、つぼみとえりか、響と奏、なども
 いずれも性格はかなり異なります。
 少しボタンを掛け違えてしまえば、校長とクシィの悲劇を踏襲しかねない。
 例えば初期の響と奏の関係がそのまま続いていたとすれば、ありえる未来でした。
 校長の悲劇は、クシィの本音に気付く事が遅すぎた事。
 そしてクシィは自分で抱え込み、気持ちを伝えるのが下手だった事。
 過ぎ去った日々は戻って来ません。時の流れは残酷です。
 校長が想いを馳せる若い頃の日々は二度と戻って来ません。
 だから悲しい。だから大人でも涙する。
 せめて若い二人には、この思いをして欲しくない。
 校長のラストの涙は、上に立つ者として、導く者としてそのような意図が伺えました。
『クシィよ。お前はどこまで真面目な奴なんだ・・・馬鹿野郎・・・』
 ラストシーンの台詞。本来の校長の口調ならば
「真面目な奴なんじゃ」となるはずです。
 戻れない過去に、少しだけでも戻りたいという気持ちが
 無意識に口調を変えたのかもしれません。

 それにしても校長とクシィの過去に、まさか最終回の伏線が散りばめられているとは・・・
 あの生真面目なクシィが、回想シーンで大盛りのパフェを美味しそうに食べていたり、
 ペロペロキャンディを舐めていたり、ギャップ全開の絵が挿入されていることに
 今回の再視聴で初めて気が付きました。
 というより、最終回の展開を知らないと見落としてしまう描写だと思います。
 そして伏線といえば、冒頭のかの子さんの言葉。
「離れていても、どこかで繋がっていたのかもしれない」
 これもまた、49話に関連しています。
 終盤だけに、物語のラストへ向けて動き始めた感も感じられました。
 そして、もうすぐこのシリーズも終わる事に一抹の寂しさも感じます。

 ところで校長とクシィの若い頃といい、
 オルーバがスパルダに闇の魔法の本を「返して・・・」と妖艶に迫る描写といい、
 大人の女性ファン向けの描写も目立った気が(笑)。
 これもプリキュアシリーズでは珍しいことと言えそうです。
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前半は過去何度も出された、校長とクシィの話。昔は仲の良かったあの2人、だがクシィが禁断の魔法に手を出して「ドクロクシー」に。校長にとっては辛い事です。

だが後半、オルーバによって「闇の魔法」は「終わりなき混沌」復活のための一つだと知らされるや否や、バッティは激怒!! 「茶番など言わせておくものか!!」の一言はかなりインパクトありました。

過去シリーズでも2種類の敵組織が争うってのは皆無、2種のワル「ナイトメア」と「エターナル」が登場した「5 / GoGo!」でも、ナイトメアの大半が滅び復活もしないとはいえ、争った事は無いです(ブンビーだって単に職替えした程度)。かなり今回は異色でしたよ。

最後オルーバは敗れましたが、最後の力によっていよいよ「終わりなき混沌」側が襲い掛かろうとし、物語はクライマックスへ。
by MP (2017-10-05 23:49) 

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