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Go!プリンセスプリキュア 第48話『迫る絶望・・・!絶体絶命のプリンセス!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 夢を抱き、夢を叶えるための学び舎、ノーブル学園。
 多くの夢を描く舞台は、これより最終決戦の舞台へ変わろうとしています。
 来襲する絶望に対し、普通の人間である生徒達がどう向き合うのか。
 ゆいちゃんをはじめとした「普通の人々」、そしてどん底を舐めたシャットさん。
 プリキュアの活躍を見た者達が主役を務める、最終決戦の第一幕が始まろうとしています。
  
 暗い空。吹き荒ぶ風。稲光。
 厚い雲を破り、ノーブル学園目がけて茨が伸びてきます。
 絡みつかれる学び舎を生徒達やゆめ先生、白金さんが呆然と見上げる中、
『何これ!?何かの撮影!?聞いてないわ!』
 約一名、緊迫感とは無縁のらんこパイセンが流石です(笑)。もちろん特殊なのはこの方だけ。
 不安そうに見守るゆいちゃんの背後に、はるか達が戻って来ました。

『夢に満ちた愚かな世界よ。この世界はこれより我が物となる。
 お前達の夢は絶望に変わり、すべて私の力となるのだ』
 ノーブル学園に響き渡るディスピアの声。
 はるか達は顔を見合わせて頷き、阻止すべく駆け出そうとした矢先、
 はるかはゆうきに、みなみは生徒会役員達に、トワはゆめ先生と白金さんに引き留められました。
 そしてきららはらんこパイセンに何の撮影なのか食いつかれるというオチ要員に(笑)。
 しかし、みんなの前では変身できません。その間にも学園は茨に覆い尽くされてしまいました。
 もはや猶予はありません。校舎へ向けて歩み出すはるかに、みなみも、きららも、トワも続きました。
 そして、生徒達の目の前で変身。
 戦うプリンセスへと姿を変えた四人に、生徒達が驚きの目を向けます。
『春野が・・・フローラ?』
 戦いに赴く四人に続いて、カナタ、パフ、アロマも後を追いました。
『パフちゃんがしゃべった!しかも飛んだぁ~?』ついに如月さんもネタ要員に(笑)
 ゆいちゃんだけが一人冷静に、かつ心配そうにみんなを見送る姿を見て、
 ゆうきは彼女が知っていた事を悟ります。
『はるかちゃん達は、ずっと私たちの夢を守ってくれていたの』
 ゆいちゃんはこれまで見届けて来たことを語り始めました。
『ホープキングダムを救うため、そして絶望からみんなの夢を守るために、ずっと戦っているんです』

 未だ動けぬディスピアは、クローズに代わりに戦うよう命じます。
 そして、これも連れて行けと言いながら、ボロ切れのようなものを取り出しました。
『小賢しいだけの失敗作だったが、多少の使い道はあろう』
 ディスピアのもとへ駆ける皆の前に、ストップとフリーズが登場。
 カナタとシャムール先生が足止めを引き受け、茨の麓へ急ぐプリンセス達の前に、
 今度はクローズが立ちはだかりました。
『やれ、ロック』
 先程のボロ切れは、ロックの本体だったパーカーのなれの果てでした。
 シャットさんが密かに様子を伺う中、ロックのなれの果てに攻撃を畳み掛けるプリキュア達。
『ディスピア様は僕が守る・・・』
 かつてディスピアをも出し抜き、己がトップに立つ野望を抱いていたはずなのに、
 今は操り人形のように同じ言葉を繰り返すだけ。
 以前のロックならこんな事は言わなかったと、戦いながら違和感を覚えはじめます。
 ロックとプリキュアの戦いは拮抗し、決め手に欠くと見たクローズは生徒達に目を付けました。
『ロック、更なる絶望をやろう。プリキュアを倒せ』
 生徒達が全員絶望の檻に閉ざされる中、何度も檻に閉ざされてきたゆいちゃんは必死に抗います。
『負けない!はるかちゃん達が戦ってるのに!絶対に絶望なんか・・・』
 しかし力及ばず、ゆいちゃんも絶望の檻へと閉ざされました。
 絶望の力はロックを強化し、プリンセスロッドとスカーレットヴァイオリンは
 その攻撃に耐え切れず、砕け散りました。
 もうバンダイ様の商戦も終わってるから、気兼ねなく壊せますね(笑)
 プリンセスロッドの欠片が、雪のように降り注ぎます。

 檻に閉ざされたゆいちゃんの下に、プリンセスロッドの欠片が一つ、舞い降りました。
 おぼろげに意識を取り戻したゆいちゃんの目に苦戦を強いられるプリキュア達の姿が見えます。
 諦めずに向かっていく姿を見て、ゆいちゃんは明瞭に意識を取り戻しました。
 外では生徒達を絶望から救うため、みんな懸命に戦っています。
『負けない・・・絶対に諦めない!私たちみんなで夢を叶えるの!』
 ロックが繰り出す茨に縛り付けられても、四人とも微塵も諦めていません。
『そうだよ・・・私もう、こんなところに閉じ込められている場合じゃない!
 自分の夢だもん。叶えたいなら戦わなきゃ!助けてもらってばかりじゃダメだ!』
 戦う四人の姿に触発されて、ゆいちゃんは檻を掴んで渾身の力をこめます。
『戦うんだ!私も!はるかちゃんたちと一緒に!』
 四度目にして、ついに自力で檻から脱出したゆいちゃんを、パフ達は驚いて迎えます。

 檻から出たとはいえ、厳しい状況は変わりません。
 茨に締め上げられる四人の悲鳴が響き、目の前には生徒達を閉じ込めた檻が固く口を閉ざしています。
 ゆいちゃんは意を決して、檻の中の生徒達に呼びかけました。
『私だって檻から出られたんだもの。みんなだってきっとできるよ!』
 パフ達も協力して、呼びかけを続けます。
『プリキュアが、はるかちゃん達が守ってくれた夢を思い出して!』
 檻の中の生徒達に、ゆいちゃんの声が、プリンセスロッドの欠片が降り注いで行きます。
『大丈夫。きっと絶望なんて乗り越えられるよ!ここはノーブル学園。夢を叶えるための場所だもの。
 思い出してよ!自分の夢!あるはずだよ。何度消されても忘れられない夢が!』

 絶望の闇に包まれて膝を抱えるゆうきに、ゆいちゃんが手を差し伸べます。
『一緒に戦おう。最後に夢を叶えるのは自分だよ』
 ゆいちゃんに励まされ、ゆうきはプロテニスプレイヤーとなる夢を思い出しました。
 らんこパイセンもトップコメディアンアイドルの夢を思い出し、
 他にも続々と、生徒達が夢を取り戻して行き、みんな自力で檻を砕きました。
『危うくトップアイドルになり損ねるところだったわ』さすがらんこパイセン(笑)
 溢れる夢の力は、ロックから力を失わせていきます。

 駆け付けたゆいちゃんを驚きと共に迎えるフローラ達。
『私だけの力じゃないよ。みんな戦わなきゃって思ったの。夢を叶えたかったら絶対ここで戦わなきゃ。
 絶望に打ち克たなきゃって!はるかちゃん達が勇気をくれたおかげ』
『ありがとうゆいちゃん!勇気をもらったのはこっちだよ!』
 物陰で様子を伺うシャットさんも思うところがあるのか、
 シャムール先生から貰ったマフラーに手を添えました。

 ロックのなれの果ては、力を失い苦しそうに呻いています。
『あいつ・・・助けられないロロ?なんだか、可哀想ロロ』
 クロロは自分の身体を使って悪行を働いた相手に、一心同体だった故の同情を抱きました。
 様子を伺うシャットさんの手にも力が入ります。そして・・・
『ロックはこれまでだな。まあいい。お前達もこれで終わりだ』
 プリキュアに向けて振るわれたクローズの一撃を、なんとシャットさんが防ぎました。
『シャット!てめえなんのつもりだ!?』
『うるさい!』
 返す刀でクローズの顔面を思いっきり殴り飛ばし、シャットさんはロックに喝を入れます。
『ロック!貴様さんざん私を馬鹿にしておきながら、そのザマはなんだ!
 あれだけ偉そうにしていた貴様はどこに行った!』
 シャットさんは自力で檻を抜け出した生徒達を引き合いに、ロックに激を飛ばします。
『見ろ!私たちが落ちぶれている間にプリキュアどころか妖精も人間どももどんどん変わって行く!
 変わるぞ!私たちもディスピアの呪縛から抜け出すのみ!』
『・・・だね』

 シャットさんに促されて放ったグランプランタンによって、ロックは呪縛から解き放たれました。
 安心したのも束の間、今度はクローズがシャットさんを殴り返し、
 そしてディスピアが動き始めます。
『時は来た・・・』
 生徒達が固唾を飲んで見守る前で、最後の戦いが始まろうとしています。
『みんなの夢は消させない!ディスピア。さあ、お覚悟はよろしくて!?』


 誰かの夢を守り、後押しや支えはすれど、直接手を貸すことはしない。
 プリンセスプリキュアがここまで貫いてきた事の集大成を見た気がします。
 冒頭で触れたとおり、今回の主役はプリキュア達ではなく、ゆいちゃんをはじめとした生徒達です。
 ずっと最前線ではるか達の姿を見届けて来たゆいちゃんが、今まで何を見て何を感じて来たか。
 自分の力で檻を破り、能動的に動き、他の生徒達を叱咤激励する姿に
 彼女のこの一年の成果が見事に現れていました。
 もっとも最終回後のエピローグで、ゆいちゃんのさらなる成果が見られますが、
 それはまた、最終回の時にでも触れてみます。

 今回のノーブル学園の生徒達は、視聴者の象徴的立場とも言えそうです。
 プリキュアの超人能力を目の当たりにして、
 その力も決して万能ではなく、追い込まれる時は追い込まれる。
 それでも諦めずに抗い続ける姿。
 その姿に勇気づけられ、背中を押された結果、檻から立ち上がる力を得ました。
 私がプリキュアを観続けている理由もこれに相当し、
 日常のしんどい事から目を逸らしたくなったり逃げたくなった時、
 いつも勇気づけられ励まされています。
 特にここ数か月は仕事や自分の将来に行き詰まりを感じていて、
 結構感想中でも弱気な事を言っていたりすることが多いのですが、
 こういう話を観ると、やっぱりもっとあがいてみようと言う気にさせられます。
 生徒達が自力で絶望の檻を打ち破ったように、
 私も伸び悩みや自信の喪失から来る閉塞感を打ち破る事ができればいいのですが・・・

 シャットさんもここに来て実にカッコいい姿を見せてくれました。
 クローズを殴り飛ばしてロックに喝を入れる姿、
『プリキュア!今だ!ロックを!』
 と促す際のイケメンっぷり等、本放送時に年甲斐も無く興奮したものです。
 彼もまた落ちるところまで落ち、どん底を味わった者です。
 そこまで堕ちたとしても、行動したいと思えば動く事ができる、
 人はどんな状態からでも再び輝く事ができると、
 今回のシャットさんからも大きな励ましを受けた気がします。
『ブンビーさん、ありがとう』
 を見た時のような気持ちを、再び感じました。
 シャットさんはかつてクローズが最初の敗退をした時に、
 微かながら仲間想いの一面を見せていました。
 三銃士の中で唯一持っていたこの感情があったからこそ、
 ロックに対するる叱咤激励が効いています。
 あれだけ見下されていても、共に戦った仲間としてロックを案じるからこそ
 優しい言葉ではなく厳しく、そして力強く励ます事が出来る。
 それだけでなく、ロックを激励することで
 シャットさんは自分自身にも「変わるぞ」と言っています。
 "自分を励ます最良の方法は、誰かを励ます事"
 過去の記事でも何度か引用したマーク・トゥエインの言葉を、
 今回のシャットさんを見て再び思い出しました。

 ロックに対する想いでは、クロロのそれも印象的です。
 クロロはロックのなれの果てが現れた時、ただ怯えるだけでした。
 自分に乗り移り、悪行三昧を尽くした相手ですから、無理のないことです。
 しかし、怯え逃げるだけでは無く、その相手に向き合ってからは
 かりそめでも共に過ごした相手に対する想いが伺えます。
 クロロが「助ける」事を切り出さなければ、
 ロックはあのまま自我を喪失して自己崩壊した可能性があります。
 クロロが助けたいという意志を見せたからこそ、
 フローラもシャットさんを救った時のことを思い出し、
 シャットさんも自分が救われた事を思い出してロックを救う行動に移りました。
 そのきっかけを作っただけでも、クロロはこの短い時間で成長し、己の役割を果たしています。

 フレッシュ以来の衆人観衆前での変身披露(弟たちの前で変身したマーチを含めるか迷いますが)と
 ドキドキ以来となる正体明かし展開も印象深いものでした。
 フローラに対して弱音吐いたりしたゆうきは
 ピーチに「ラブが好き」だと相談してしまった大輔同様、恥ずかしかったでしょうねぇ(笑)
 後々にまで青春のあまずっぺぇ思い出として残ることでしょう。
 最終決戦の緊張感を和らげるような、
 というよりもブッ壊しにかかるらんこパイセンの存在感も流石です(笑)。
 何の撮影なのか詰め寄られてうんざりしているきららも可愛く、
 アロマにまで『絶望なんてキャラじゃない』と周知されていたり、
 この先輩の「鬱フラグクラッシャー」ぶりはある意味最強ですね。
 そして真面目な如月さんでさえも、パフが喋って飛んでいるのを目の当たりにして
 変顔を披露する等、キャラが活きていて良かったです。
 まあ、溺愛していた犬がいきなり飛んで喋れば無理も無いですが(笑)
 ストップとフリーズを足止めするカナタとシャムール先生、
 特にシャムール先生が実にカッコよかったです。
 この人まともに戦ったら足止めどころでは無く
 ストフリくらいなら倒せそうな気がしました。

 プリキュア大活躍の話も良いですが、
 プリキュアが人々を動かす動機づけとなる話はこちらも勇気づけられます。
 私も今の閉塞感を打ち破るきっかけになるのではないか、そう期待させてくれる一編でした。
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MP

「ゴープリ」も最終決戦、しかも「フレッシュ」「ドキドキ」に続く正体バレ!! でもプリキュアワールドには、正体がバレると「動物に姿を変えられる」「二度と変身出来なくなる」などといったペナルティが無いからいいです。
(「ザンボット」や「メガレンジャー」みたいな「お前たちのお陰で敵が来て被害を食わされる」という非難も無いからいい)

そんな中、スゴかったのがゆい。これで4回目の「絶望の檻」拉致です。「ハトキャ」から行われていた「人間の心を利用する」で、大抵は1回きり、こんなにも利用されるのは「ハピチャ」の真央以来、しかし!ゆいの場合は拉致される度に心が成長し、とうとう今回は自力で檻を壊してしまいました!! プリキュア史上こんなキャラも珍しいです。

更にシャットまでが彼らに影響され、かつての同僚たるクローズ・ロックまであの行動!! これはブンビーでもやらなかった事です(部下がいたナイトメア幹部時代でも)。

ノーブル学園関連も、如月が飛んでるパフを見て「しかも飛んだ!!」と珍しく驚いたり、ランランが普段と変わらない状態、そんな中、望月園長と共に白金寮母がプリキュアの変身を驚いた事。白金はいきなり色々な場所で出るため、当時は「何か秘密があるのでは」と思われましたが、結局普通の人だったんですな。
by MP (2017-11-04 10:12) 

悩める父メフィスト

ご投稿から2年弱。いつでも、いつまでもお待ちしています。
by 悩める父メフィスト (2019-08-11 21:54) 

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