ソリティアでお茶を呑むマナ達。目的は当然、ジョー岡田に話を聞く事です。
アイちゃんやロイヤルクリスタルについて尋ねるのはもちろんの事、
アン王女と婚約者という事についても聞かずにはいられません。
『僕は君と同じ、トランプ王国の生き残りだよ。ジョー岡田は世を忍ぶ仮の姿と言った所かな』
ジョー岡田は不機嫌そうな真琴に語りかけながら、ロイヤルクリスタルは本物だと断言します。
とりあえず一つの懸念は払拭されましたが、
アイちゃんについては河原で卵を拾ったというだけで詳しくは知らない様子。
これははぐらかしているのか、本当に知らないのか定かではありませんが、
話がアン王女の事に及ぶと、これまでむくれながら沈黙していた真琴が反応しました。
王女の事をアンと呼び捨てにしたり、将来を誓い合った仲だと聞くと、
『私は王女様からそんな話聞いてません!!!』真琴は王女に仕える前の事なので知らなかったようですが、すっかり激おこプンプン丸です。
ともかく、全部で五つあるロイヤルクリスタルを揃えると現れる奇跡の切り札については、
ジョー岡田も何が起こるのか本当に知らないようですが、
クリスタルを集めてトランプ王国を救わなければならない事だけは確かです。
しかし
レジーナに奪われた一つを別にして、最後の一個の在処は見当が付きません。
その時、ジョー岡田はおもむろに何やら冊子をマナ達に配り始めました。
「ジョー岡田と行く初夏の旅」なるしおりを開くと、菜の花畑をSLが走る風景が収められています。
それが彼とアン王女との思い出の場所に良く似ている場所らしく、
マナとありすは旅行気分に張り切り始め、まんざらでもなさそうな六花も続きました。
真琴だけはただ一人、硬い表情でしおりに目を走らせています。
『王女様の、最後の手がかり・・・』ところで、そのしおりにはおやつは300円まで等注意事項とか書いてあるんでしょうか(笑)
レジーナが持ち帰った赤いロイヤルクリスタルを中島誠之助先生のように鑑定したりして
興味深そうなベール達ジコチュートリオ。
彼らから奪い返したクリスタルを見つめているレジーナの瞳が、青から赤へと変わりました。、
『この輝きは私のもの。そう、すべて・・・』
そう呟いて姿を消すレジーナの変化を、三人はまだ気づいていないのか・・・
ジョー岡田に引率?され、マナ達は電車を乗り継いで郊外へとやって来ました。
向こうから汽笛を鳴らしてSLがやってくると、みんな目を輝かせます。
固かった真琴も楽しんでいるようで、いざSLの牽く客車に乗り込み出発進行!
汽車は牧歌的な風景の中をのんびりと走り、マナが用意したモモマンを広げて
楽しいお弁当タイムとなりました。
ところが真琴はジョー岡田が出してくれたお茶を断って、エースティーの広告をバックに、
自前のエースティーをラッパ飲みして、微妙な空気が流れます。
『複雑な乙女心ですわね』さすがにありすだけは、
六花が真琴に抱いた複雑な想いを客観的に見ていただけに、
その心情に理解を示しています。
SLの煙と汽笛はアイちゃんの興味を惹き、煤煙をピンクのハート型に変えてはしゃぎ始めました。
これには機関士さんもびっくり。機関車を止めて点検するという機関士さんは、
マナにひたすら謝られて何の事かわからず困惑しています。
ジョー岡田は焦ってもクリスタルは手に入らないとみんなを散歩に誘いました。
駅を出ると、一面に黄色いじゅうたんを敷き詰めたような菜の花畑が広がっています。
ここがあの写真の風景で、アイちゃんが汽車を止めたためにここで途中下車したとすれば
この偶然はアイちゃんが導いてくれたのかもしれません。
目の前の光景は、真琴とダビィに平和だった頃のトランプ王国を思わせました。
『少し、いいですか?』マナは一人菜の花畑を眺めていたジョー岡田の傍らに腰を下ろし、
初対面の頃から煙に巻かれて来たのに嫌な気持ちにならなかったのは、
いつも私達を導いてくれているからだと語りかけました。
ジョー岡田は買いかぶりすぎだと謙遜し、トランプ王国を救えるのはプリキュアだけだと、
クリスタルを見つけるまで成長したマナ達自身の力を評価します。
そよ風に揺れる菜の花の中に、ジョー岡田は婚約者の姿を見たような気がしました。
『王女様ってどんな人なんですか?』真琴から聞いた話だけでなく、恋人目線の話も聞いてみたいと言うマナに六花、ありすを交え、
ジョー岡田の口から、彼と王女の話が紐解かれて行きます。
ちょっとお転婆で好奇心旺盛、あらゆる世界の文化に興味を示し、
本当に百人一首に興じていたり、
彫刻を彫ったり、流鏑馬までやってのける等、
ジョー岡田ことジョナサンによってアン王女のアクティブな面が語られて行きます。
彼女に仕える戦士であるジョナサンとの関係は、
いつしか主従の関係を越えた男女の仲へと進展して行きました。
汽車で菜の花畑を訪れ、追いかけっこをして、そして
ズキュゥゥゥン唇を重ね・・・
(岡田爆発しろ)ジョナサンが辺境警備の任に就いてからは(王女に手を出したのがバレて飛ばされたのか?)
青い鳥に
ロイヤルイエローを添えた手紙を託し、互いの想いを交換し合っていました。
トランプ王国の運命が暗転したあの日―王都目指して馬を駆るジョナサンは、行く手を遮るジコチューによって
あの機関車が踏みにじられている様を目の当たりにしました。
怒りを露わに、雄叫びと共に剣を振りかざすジョナサン。
そして、彼が王宮に駆けつけた頃には、すべてが終わっていました。
街は廃墟と化し、王女の行方は知れず。
そしてジョナサンもまた、王宮の鏡の間からこちらの世界へとやって来たのでした。
『トランプ王国も、アンも、誰も救えなかったのはキュアソードだけじゃない。僕もさ』
ジョー岡田の語る話に顔を曇らせるマナ達。
そろそろ駅へ戻ろうかと腰を上げ、ジョー岡田は木の陰で一部始終を聞いていた
真琴に呼びかけました。
『必ず、アンに会いに行こう』
『・・・はい』帽子を目深に被った真琴の頬を、光るものが一筋伝いました。
その頃駅では、運転したいと駄々をこねる子供に機関士さんが手を焼いています。
『その気持ちわかる。やりたいものはやりたいよね』
その子のプシュケーはレジーナに染め上げられ、機関車のジコチューが生み出されました。
後続の機関車、客車と連結!して、列車全体がジコチュー化。
線路を外れて暴走し、菜の花畑を踏み荒らすジコチューを前に、変身する4人。
その四人の後ろに姿を現し、ロイヤルクリスタルを貰いに来たと無邪気に口にするレジーナは
ジョナサンが引き受け、ハート達はジコチューを止めるべく走ります。
爆走する列車に追いつき、客車の屋根へと飛び乗って、説得を試みますが、
『停まりなさーい』『線路じゃないところを走るなんて』『あなたは汽車なんでしょ?』至極当然の突っ込みには聞く耳持たず、レールなんて型にははまらないと、
更に加速する機関車ジコチューによって、菜の花畑はますます蹂躙されて行きます。
その惨状を前にしたハートは意を決し、
客車の屋根を全力疾走して単身機関車の前に躍り出ました。
『これ以上は絶対にダメ!お兄さんの、思い出を、守るんだぁあああっ!』渾身の力を込めて機関車ジコチューを押し留めますが、
それでも機関車の推進力がまだ上回っています。
『私たちは絶対、王女様に会いに行く』ソードがスパークルソードが後続の機関車との連結器を切断し、
一両になった機関車をハートは思いっきり投げ飛ばしました。
そのままラブリーフォースアローでジコチューを仕留め、
白けてしまったレジーナは無邪気な笑顔を残して引き上げて行きました。
菜の花畑も無事に元に戻り、汽車のヘッドマークから最後のクリスタルが現れます。
マナ=ハートの想いに反応したようなピンクのクリスタルを手に、
みんなで改めて、黄色いじゅうたんを眺めました。
まず久々登場したアン王女様のお茶目な姿の数々、楽しめました。
前回登場時は悲壮な展開故に、これほど翔んでる女(死語)だとは思いませんでしたので
改めて良い意味での魅力が感じられました。
無理があると思われた
「かるたが好き」設定をちゃんと実際に見せてくれたり、
前回の「彫刻が好き」設定も、鑑賞するのではなく、
まさか彫る方だったとは・・・(笑)
流鏑馬での凛々しさもさることながら、菜の花畑での女性としての幸せな姿も印象的で、
ジョー岡田や真琴でなくとも、この方に幸あらん事を、と願わずにはいられません。
かるた、彫刻、ロイヤルイエローの設定がきちんと活かされているのも良かったです。
中でも百人一首で用いられていた崇徳院の歌が、
岩によって分断された流れのように、再び分かれても会いたいと願う
王女とジョー岡田、ひいては真琴との関係を暗示していて効果的でした。
先日のかるた回でもそうでしたが、こうしたさりげないところへの配慮が良いですね。
ところで余談ですが、崇徳院というと昨年の大河ドラマ「平清盛」での、
血の涙を流しながら大魔王のような怨念を撒き散らす姿のインパクトが今でも残っており、
そのような方が激しい恋の歌を詠まれた事、
六花でなくても改めて百人一首の魅力に気づかされそうです。
また、マナが意外と男女の仲に興味津々?だった事にも、年頃の女子らしさを感じます。
どうも
六花→マナや、
マナ→真琴、
真琴→アン王女と、全てをそっと見守るありす、
といった関係を見せられると、ひょっとしなくてもそっち系か?
などと邪推してしまいましたが、その点少し安心しました。
とは言っても興味本位に首を突っ込むのではなく、
木陰に佇むジョー岡田を気遣いながらそっと切り出すあたり、
普段の突っ走り気味のマナとは違った一面が見られて新鮮でした。
真琴の心の移り変わりについても、丁寧に描かれていたと思います。
もっとも、ジョー岡田に対する嫉妬心は、こちらも明らかに主従の関係を越えていましたが(笑)
「私の憧れの王女様」に、多少なりとも「私だけの」という気持ちがあったのだと思います。
これは先日の
真琴転入回で六花が通った道ですが、
この時の六花の気持ちは未だ真琴が十分に分かっていないとも見受けられ、
それを第三者的に評するありすの存在感も絶妙です。
真琴は良くも悪くも他人になかなか気を許さず、人を認めるのに時間がかかるようですが、
反面、一度その人を認めると一気に心開くようです。
自分と同じ苦しみを抱えているであろうジョー岡田が、普段はそんな事を臆面も見せず、
むしろ飄々と振る舞っている姿を見て、色々と感じ入るものがあったのではないでしょうか。
木陰でジョー岡田の話を聞いた後、涙を流す真琴の目元は映っていません。
この涙はアン王女の事を想って流したというだけでなく、
ジョー岡田の「顔で笑って心で泣いて」の悲しい心に触れた事、
そして彼と自分を比較して、意固地な態度を取っていた事を恥じる涙のようにも見えました。
ところで私はこれまでジョー岡田に対して色々と突っ込んできましたが(苦笑)
今回マナが指摘したように、嫌悪感を抱いている訳ではありません。
確かに胡散臭さはあるものの、常に微笑を絶やさぬその態度は敵を作りにくいものでしょう。
年の功というべきか、真琴との違いが色濃く感じられました。
そして普段穏やかな態度だからこそ、思い出の機関車を踏みにじっていたジコチューに向けた
怒りの表情と雄叫びが際立っています。
幼少時ありすのブチ切れもそうでしたが、譲れない一線というものがあると、
普段穏やかな人が怒る描写として、印象深いです。
ところで「世を忍ぶ仮の姿」って・・・ひょっとして彼は10万24歳などと自称してたりして(笑)
また、今回どこに鎧持ってきてたんでしょう。まさかそのうち変身バンクとか披露したりして・・・
みんなの夏服?も趣があって良かったです。
どこか響の服を思わせるマナ、相変わらず清楚な六花、
日傘と黄タイツは変わらずとも少々軽装になったありすは無論の事、
久々の眼鏡&帽子で変装した真琴の可愛さときたら!
車内でエースティーを飲む際に帽子と眼鏡を外していたのは
広告とのリンクを強調するためと思いますが、この時他の乗客は気づかなかったのか心配です。
そしてまたまたこの話題で恐縮です。
私、タイツフェチである旨、時折本文中に織り交ぜておりまして・・・
今回真琴が穿いていた「薄むらさきのタイツ」。普段穿かない子が身に着けると一層際立って、
あれ・・・初めて見た時・・・なんていうか・・・その・・・下品なんですが・・・フフ(以下自粛)
ところでまた次回予告がやってくれました
私、
あの手の展開は大好物なので、今から楽しみです。
また真琴が「そういえば王女様はボウリングが好きだった・・・」とか言い出したりして(笑)