キュアソード
"わぁ~♪ しゅご~い☆"
ロイヤルクリスタルの紅い輝きに魅せられながら、
もっとクリスタルが欲しいと呟くレジーナに、
イーラ達ジコチュートリオが欲しいなら奪ってしまえばいいと進言します。
それを聞いたレジーナは悪戯っぽい笑みを浮かべながら、何かを思いつきました。
『ただ奪うだけじゃ面白くないわ。だって相手はマナだもの。楽しくやらなきゃね♪』
ソリティア前の庭。マナ達は最後のクリスタルをレジーナから取り返す相談をしていますが、
マナはレジーナと戦いたくないと考えていました。
『クリスタルを返して下さいと、頼んでみてはいかがでしょう?』
もちろんそれが通じる相手なら苦労はありません。
『戦わずにクリスタルを手に入れられる方法って無いのかな?』
『あるよ☆』
マナの言葉に応じるように、唐突にレジーナが現れました。
アイちゃんと無邪気に挨拶を交わしたと思えば、四つのクリスタルを
異様な輝きを帯びた紅い瞳で見つめるレジーナを警戒する真琴達。
レジーナは五つのクリスタルを賭けて、
勝った方がクリスタルを全部手にするというゲームに誘いました。
一体どんなゲームなのか、レジーナが手の内を明かさないのにゲーム参加を即答するマナを、
真琴と六花が制します。罠としか思えず、さらにリスクも高すぎるとありすも続きますが、
マナは戦わずにクリスタルを手に入れられると、罠を承知の上で挑みたいと申し出ました。
その熱意に押されて六花達も折れますが、心配な事があります。
『ひとつ。君が負けたらクリスタルを必ず返してくれると言う保証は・・・?』
『私はキングジコチューの娘だ・・・「誇り」がある。負けたものは必ず払います。負けんがね』
(注:台詞は実際のものと大幅に異なります)
マナは約束を守るしるしとして、レジーナに指切りをさせました。
指切りの事を知らないのか、戸惑いながらも応じるレジーナ。
レジーナが指を弾くと、がまぐちのジコチューが現れて
マナ達とアイちゃんはその中へと吸い込まれて行きました。
『トランプ王国の騎士よ。レジーナ様はお前は呼んでいない』
一人取り残されたジョー岡田を牽制したベールもまた、がまぐちの中へ飛び込んで行きます。
レジーナの作ったゲームステージには、イーラ達も待ち受けています。
いざ変身してゲームに挑むプリキュア達。
『レジーナ&ジコチュートリオさん!
このキュアハートがあなた達のドキドキ!取り戻して見せる!』
その口上を聞いたレジーナは私もドキドキさせてとまんざらでも無さそうです。
ゲームは三つ。ソードは四つのクリスタルを賭け、最初のゲームが開幕しました。
第一ゲームはPK勝負です。
『ルールは簡単。ゴールの中にボールを交代で蹴って行く。
多く入れた方が勝ちじゃ。賭けよう!ロイヤルクリスタルを!』『グッド!』(誰だお前ら)
最初に蹴るのはソードです。ベールが守るゴール目がけて鋭いシュートを叩き込む!
ベールはなぜか微動だにせず、ボールがネットに突き刺さりました。
攻守交代。プリキュアチームはディフェンスに定評のあるロゼッタをキーパーに据え、
蹴る相手はイーラです。軽くつついただけのようなシュートは簡単に取れそうですが、
案の定ボールそのものがジコチューで、ロゼッタの隙を付いて自分からゴールに駆け込みます。
『ここは私が作った私の世界。私がルールなんだから』
レジーナはバレなきゃイカサマじゃないと言うようにダイヤモンドの抗議を退けました。
ボールジコチューは次に蹴るダイヤモンドを挑発するように、足元をちょこまか動き回っています。
『あ!猫が逆立ちしながらお魚咥えて飛んでる!』
さすがダイヤモンド!おれたちにできない頭脳戦を平然とやってのけるッ!
隙を作ってシュート!・・・と思いきや、やっぱり六花は体育が不得手なのでしょうか。
あえなくかわされてボールジコチューと追いかけっこになる始末。だめだこりゃ。
再び攻守交代。レジーナのシュートはゴールポストのはるか上に飛んで行きます。
ハズレ?と思いきや、これまた案の定ゴールポストもジコチューでした。
背を伸ばしてレジーナのシュートを受けようとするゴールジコチューに対し、
今度はロゼッタも負けてはいません。ロゼッタリフレクションを張り巡らせてボールを弾きます。
しかし、敵の方が一枚上手でした。ロゼッタの頭上から光線を浴びせて怯ませた隙に
ボールはジコチューの手によってゴールへと放り込まれました。
最後に蹴るのはハート。ここで決めなきゃ女がすたるだけでなく、負け決定です。
例によって挑発するボールジコチュー。ハートはかわされるのを読んで
華麗にバック転&ボレーシュートを放ち、ボールはベールの手をすり抜けてゴールへ・・・
と思いきや、ゴールポストにシャッターが降り、ハートのシュートもまた決まりませんでした。
残念ながら、チームプリキュアは第一ゲーム黒星スタートです。
第二ゲームはボウリング。しかし、何ということでしょう。
別段卑怯な手を使わずとも、チームジコチューは四人連続ストライクを決め、
普通に上手い彼らの実力にチームプリキュアは目を見張りました。
『見たか俺達の実力を』『ダテにいつもボウリング場でだべってないわ』
『この日のために我々は日々練習を・・・』
辛い練習の日々を思い出したのか、ベールの目には光るものが滲んでいます。
さて、次はチームプリキュアの番です。無論こちらは普通のボウリングではありませんでした。
レジーナが増殖させた数百本はあろうかというピンを全部倒さないとストライクになりません。
それでもやるしかないと腹を括り、一番手ダイヤモンド選手の第一投目ど真ん中ナイスボ。
ああ、やっぱりピンがジコチューでしたね。ボールを自分でよけて行きます。
ダイヤモンド選手一本も倒せませんでした。
このピンチを前にチームプリキュア、ハート選手を中心に作戦会議です。
その重大な二投目。ロゼッタ選手クラシックバレエで鍛えたピルエットで高速回転を始めました。
勢いをつけて投げたナイスボ。それでもピンが避けるのは変わりません。
と、ここでソード選手、スパークルソードでピンの逃げ道を封じました!
確かにルール無用ならばこれもアリですね。かなりのピンが倒れましたナイスカン。
ここで満を持してチームリーダーのハート選手の投球です。
残りのピンを全部倒すと言う意気込みが伝わって来ますね。さあハート選手の第三投目。
ナイスボ?あっ!先程ロゼッタ選手がピンを倒したど真ん中に行ってしまいました。
ここでアイちゃんが乱入です。ボールが分裂しました。
ラッセルのように全てのピンを倒して行きます。スコアは900点。
大幅なピン差でチームプリキュアの逆転勝利が決まりました。
『アイちゃんしゅごーい♥』『しゅごーい』
ハートはアイちゃんがオウム返しのようであっても、喋った事に驚き喜びました。
『わぁ~♪ しゅご~い☆』
アイちゃん言葉が伝染ってると指摘され、我に返って恥ずかしがるソード
互いに一勝一敗で臨む最後のゲームはドッジボール。レジーナはアイちゃんに審判を頼みます。
しかしこれはアイちゃんの介入を防ぐ意味でも地味に効果的な戦法と言えそうです。
アイちゃんのホイッスルと共に試合開始。
プリキュア陣地の外には無数のボールジコチューが取り巻くという、あからさまな状況です。
果たして外野から一斉に襲いかかるボールジコチュー。
その攻撃をみんな巧みにかわし、ダイヤモンドシャワーで凍らせました。
しかし目には目を、氷には氷をということでしょうか。
レジーナはプリキュア側コートの床を凍らせました。
滑って思うように動けないところを狙い撃ちされ、ソードにボールがぶつけられますが、
それを落ちる前にハートがキャッチしてセーフ、事無きを得ます。
続いてイーラがボールを投げようとしたところ、その前に立っているマーモが邪魔です。
互いにどけよ、そっちが移動しろ、などの低レベルなやり取りの末に、
イーラはマーモの背後にボールをぶつけました。
『悪ィ悪ィ手が滑った』『いいのよ。あるわよね、手が滑る事って・・・』
そう言いながら振り返ったマーモの眼輪筋がピクピクいってます。堪忍袋の緒が切れています。
『きやー手が滑ったぁ(棒)』
マーモのボールを避けるイーラ。ボールはその後ろにいたベールの顔面を直撃しました。
『お前らぁああああ!』
ベールのボールを避けるイーラとマーモ。ボールはレジーナの足に命中しました。
『・・・痛い』
焦るベール。わざとじゃないと弁明し、イーラとマーモを責めて言い合いになります。
青筋立てたレジーナがみんな許さないと指を弾くと、ボールの雨がジコチュートリオを襲いました。
『キイー!頭来た。大体前から気に食わなかったのよこの小娘!』『何よオバサン!』
『私はまだお姉さんよッ!』『ピッチピチに若い私からすればオバサンよ!』
ジコチュー陣地は仲間割れでカオスの極み。ここでアイちゃんのホイッスルが鳴り響きました。
チームジコチューは試合放棄とみなされ、チームプリキュアは棚ボタ勝利を収めました。
『クリスタルを・・・渡す?嫌、嫌よ。私クリスタルが欲しい。誰にも渡したくない』
負けが確定し、レジーナは悲しげな目でクリスタルを渡す事を拒みました。
『ハートはあなたのゲームが罠かも知れないってわかってた。でもあなたを信じて受けたのよ』
レジーナはダイヤモンドに諌められ、先程の指切りの事を思い出します。
紅い瞳が青く戻り、信頼を裏切るのかと問われて戸惑いを隠せません。
そんなレジーナの揺れる心を、イーラ達が約束など破れば良いと煽ります。
確かに彼らは「自己中」。ましてやレジーナは「キングジコチューの娘」です。
レジーナの瞳が再び紅く染まり、先程のがまぐちジコチューをけしかけました。
『お前のものは俺のもの~』某ガキ大将のような台詞とともに
クリスタル目がけて突っ込んでくるジコチューを、四人は防ぎ留めます。
クリスタルを渡さないとここから出られないと言われても、
プリキュアの力で浄化すれば出られる筈だと動じません。
『レジーナ。約束は破るためにするんじゃない。守るためにするんだよ!』
渾身の力を込めてジコチューを押し返し、ラブリーフォースアローで撃退。
そしてプリキュア達とアイちゃんは、元の世界へと吸い出されて行きました。
無事にソリティアへと戻るマナ達。
ジコチュートリオも、とばっちりですっ飛ばされて来ました。ところで、クリスタルの行方は・・・?
いつの間にかレジーナの手の内に五つ全てが揃っていました。
レジーナが手中に収めた輝きに見惚れた矢先、クリスタルは不意に眩い光を発して・・・
レジーナの手を離れ、五つのクリスタルは天高く飛び去って行きました。
マナ達も、レジーナも、クリスタルが消え去った空を茫然と見上げるのみです。
プリキュアシリーズ全体では、既に「ファイブdeチャンス」、
そして「ゲームニスイコマレール」の前例があります。
また似た方向性のエピソードとしてはフレッシュにおける野球やスイートのワオーン等、
いずれもバラエティに富んだ内容が楽しませてくれました。
もちろん前例があるという事は裏を返せば二番煎じになりかねないという危険を孕んでいます。
確かに逃げ回るボールはファイブdeチャンスの逃げ回るボタン、
意志を持つピンはゲームニスイコマレールでも見受けられますが、
同じことを踏襲しながらも実に愉しい作りに、朝から楽しませてもらいました。
ただ欲を言えば、PKとボウリングの際にジコチュー側がユニフォームを揃えていたので、
プリキュア側も少しアレンジしたユニフォーム等を着てくれたら良かったと思います。
そのジコチュートリオ&レジーナのユニフォーム姿、
レジーナの可愛さが際立つのは当然の事、マーモのバストが強調されていて
なんていうか・・・その・・・下品なんですが(以下自粛)
ゴールポストの前に腕を組んで立つベールの後ろ姿が普通にカッコ良かったりと、
このところ影が薄くなりがちだったジコチュートリオが生き生きとしていた事も良かったです。
ボウリング場がアジトだった事がここに活きていた?伏線も面白く、
みんなが普通に上手いところには吹き出したものです。
それにしてもプリキュアシリーズでボウリングをやった人達は
みんなフォームもきれいですね。せつなとか。
ドッジボール時の仲間割れも楽しめました。
マーモが退かないあたりから、こりゃ低レベルな争いになるなと予想したところ、
それを軽く超えてくる低レベルな争い(褒め言葉です)、
ブチ切れたマーモのノーザ「さん」ばりに迫力のあるお顔、
レジーナにボールをぶつけてしまい平身低頭のベールなど、
こんな連中に国を滅ぼされた真琴はさぞ複雑だった事でしょう(笑)
三人がレジーナのお仕置きを喰らっている時の表情も何とも言えない脱力感があり、
戦わずして勝負に勝った結果とも相俟って笑わせてもらいました。
あと、一応ちゃんと審判していたアイちゃんのシュールさもですが(笑)
さて、単なるカオス回に終わらないのがプリキュアの奥深さというべきか、
かつてのファイブdeチャンスではみんなと作る思い出、
ゲームニスイコマレールでは夏休みの宿題に関する教訓が込められていました。
今回のテーマは「約束」です。
レジーナは指切りを交わした際、約束とは何かを理解していなかったかもしれませんが、
仮に理解していたとしても、これまでの彼女の行動の中には「嘘」はありません。
本当に約束を守るつもりだったと思われます。
それがイーラ達に煽られたとはいえ、結果的に約束を破る形で初めての「嘘」をつきました。
今回はそれを咎められたり、悔いたりする描写は描かれていませんが、
せっかく手にしたロイヤルクリスタルが飛び去ったという事で、
ある種の「罰」が与えられたようにも思えます。
無論マナ達からすればロイヤルクリスタルを失った事はとばっちりではありますが・・・
このあたりのレジーナの心境に関して、特に中盤の山場付近での掘り下げに期待したいです。
一つ気がかりなのは、瞳が紅い状態であってもアイちゃんと無邪気に挨拶を交わし、
アイちゃんもレジーナを恐れたり拒んだりする要素が伺えない事です。
どこか正気を失ったように見えていても、
やはりレジーナは正常なのか、これがレジーナの本質なのか、
だとすると彼女の今後の行く末がますます読み辛くなりました。
ところで後回しにしちゃいましたが、
アイちゃんが喋った時のソードの反応と、それをダビィに指摘された時の照れっぷり!
第8話でも見せたように、普段の真琴=ソードからは見られない姿のギャップがたまりません。
今後も折に触れて見てみたいものです。
次回、中盤の山場への始点となるであろうエピソードも気になりますが・・・
毎年プリキュアを観ている事が仇となりまして、
「6月の第3日曜は全米オープンゴルフで休止」だと思い込み、
朝から予定を入れてしまいましたorz...帰宅してから録画を見返す事にします。