開幕早々、グーラが生み出した自転車ジコチューが暴れ回っています。
そのスピードに手を焼く四人に、この程度の相手なら問題無い筈だと
エースがいつも通り叱責を飛ばしますが、なぜか彼女は妙に時計を気にしています。
そして時間がかかり過ぎだと言い残し、戦いの結末を見届けずに立ち去りました。
四人ともその振る舞いに驚くものの、戦いに集中しようと決意を新たにしました。
スパークルソードで前輪を潰し、スピードが落ちたところをハートシュートで撃退。
その戦いぶりを、亜久里が建物の陰からそっと伺っています。
ひぐらしのなく声が響き渡る夏の夕暮れ。
マナ達はあゆみママが茶道を教わっている先生に、
明日の野点で使うお菓子を届けに向かいました。
道すがらでも、エースの厳しさとその素性についての話題が上りますが、
ともかく彼女のお蔭でみんなが強くなれたのも事実です。
ところで、お茶の先生は「円茉莉」という名前。その苗字がどこか気になりますが・・・
果たして呼び鈴を鳴らすと、玄関を開けて出て来たのは亜久里その人です。
思わずキュアエース!と声を上げる四人を、亜久里は慌てて制しました。
そしてマナが祖母茉莉さんにお菓子を届けるのを見届けて、
亜久里はお祭りでお会いしたと誤魔化しながら、マナ達に念を押します。
『おばあ様の前でキュアエースと呼ばないで下さい』四葉財閥の情報網でも突き止められなかった彼女の居所がこんな近くだったという意外性、
まさに灯台下暗しだという六花の言葉に、亜久里は逃げも隠れもしないと返事しますが、
詳しい話をするには茉莉さんが近くにいるため都合が悪く、四人を野点の場に誘います。
自転車ジコチューを倒されて、グーラはアジトの備品をやけ食いしています。
テーブルやらソファーやらを平らげる悪食ぶりに呆れるリーヴァですが、
ここ最近の敗戦続きではベール達の二の舞になりかねないと危機感を募らせ、
グーラに合体技を提案しました。
『私、あなたのワイルドなところ気に入ってるのよ♥』
『ワイルド?悪い気はしないな。俺もお前のシルクハット、嫌いじゃないぜ』
ちょwwwwグーラwwwなぜ顔を赤らめるwww
まるでパッショナートハーモニーを放つメロディとリズムのように
おっさん二人が身を寄せて手を取り合う、誰得な関係がここに誕生しましたアッー!
マナ達はあでやかな着物に身を包み、
亜久里に招かれて竹林の奥に設けた席へ向かい、野点が始まります。
キュアエースについての話が出来ると期待していたマナ達は、
茶道の極意を教えると言う亜久里に戸惑いますが、
『プリキュア五つの誓い、ひとつ!プリキュアたる者、一流のレディたるべし!』亜久里はその機先を制して5つ目の誓いを宣言しました。
とはいえ、元来お菓子好きの亜久里の事。淡々とお茶を点てようにも
六花と真琴がお菓子を食べる姿を前に唾を飲み込み、
マナがお菓子を頬張ろうとするのを前に我慢が出来ず、
レディを語った矜持はどこへやら、憧れるように目を輝かせています。
それでも何とか気を取直し、茶道の基本はもてなしの心だと自分を律し、お茶を点て始めます。
お茶を頂く前の挨拶を間違えるマナに、さりげなく正しい作法を教えるありす。
多分茶道も嗜んでいるのでしょう。流石は四葉財閥のお嬢様に恥じない淑女ぶりです。
お茶碗を抱えて作法に戸惑う六花に対し、予習してきたと自信たっぷりの真琴。
こちらはなんだか嫌な予感しかしませんが・・・その通りでした。
『お茶碗は・・・回すの!』ええ、確かに回しておりますが、いつもより多く回しております状態です。
まるで
音吉さん所有の資料で勉強したかのようなズレっぷりです。
妖精達も大きな茶碗に翻弄され、ランスに至ってはお茶を頭からかぶってしまう始末。
そしてお茶をちょっとなめたアイちゃんは苦いと泣き出し、
茶道の作法どころではないこの状況に、亜久里の堪忍袋の緒が切れそうです。
追い打ちをかけるように、マナは足がしびれて派手につんのめりました。
かたや真琴は平気そうに澄ましていますが、実はやせ我慢していただけで、
マナがその足をつつくと馬脚を現し、マナ同様につんのめりました。
その姿を見た亜久里は、目に涙を浮かべるほど笑いだしました。
そして本来野点では堅苦しい作法は不要だと、厳かな雰囲気を崩します。
亜久里が茶席に友達を連れて来たのは初めてだと、
茉莉さんは改めてマナ達にこれからも仲良くしてくださいとお願いしました。
そして亜久里は竹林の先のせせらぎへみんなを案内します。
冷たい水面に足を浸し、無邪気に笑う姿を見て、
エースじゃない時の亜久里は普通の女の子なんだと実感するマナ達。
その亜久里から、意外な一言がもたらされました。
『これまであなた達に厳しく接して来て申し訳ないと思っています』マナ達に強くなってほしいという一心で行ってきたと明かした上で、
質問に答えようという素振りを見せます。
『どうして私達を鍛えてくれるの?あなた一人でも十分キングジコチューと戦えそうなのに』その問いかけに亜久里は顔をこわばらせ、私だけでは無理だと答えます。
彼女の口から語られる経緯。
この世界で生まれたプリキュアである事、
かつてジコチューと戦い敗れ、その際パートナーのアイちゃんは
卵に戻ってしまった事。そして、アイちゃんがある日戻って来たため、マナ達と出会えた事。
変身すると大きくなる理由は、ジコチューの危機に晒されている世界を守りたい思いで
自らを成長させているとの事でした。
そして、今この間にも復活へ近づいているキングジコチューに対抗するため、
真のプリキュアのステージに立ったマナ達と共に戦いたいと申し出ます。
とはいえ、マナ達も強くなったと言うものの、亜久里から見ればまだまだです。
もっと強くならなければならないと危機感を募らせる一方、
この事を茉莉さんには明かさないで欲しいとお願いしました。
マナ達も祖母を危険に巻き込みたくないという亜久里の気持ちを理解し、約束します。
そしてマナもまた、レジーナのためにももっと頑張ろうと心に誓いました。
ところでこの河原はバーベキュー禁止です。
それを無視してバーベキューを始めようとした人のプシュケーを
リーヴァとグーラが2人がかりで利用し、コンロジコチューを生み出しました。
異変に気付いて駆けつけた五人は、その大きさに驚きを隠せません。
サイズは二倍、力は五倍、ジコチュー度は十倍だと、
自信満々に言い放つリーヴァとグーラ。
だからひっつくなってwwwこれまでと違う強さを認めながら、亜久里は五分で決めようと皆を促し、変身します。
『初めての共同作業だ!』『あげていくわよ!』
だからひっつくなよお前らwwwジコチューの身体を構成する熱された鉄板からの熱や、
肉・野菜のミサイル攻撃に苦戦を強いられるプリキュア達。
戦いながらエースはあと三分と、時間を妙に気にしています。
足止めを買って出て、エースショットで動きを封じますが、
今回のジコチューは強く、エースを持ってしても押さえ切る事が出来ませんでした。
その間にもリーヴァのシルクハット攻撃がハートとエースを、
グーラのスーパーウリアッ上がダイヤモンドとソードを襲います。
エースが気にする時間はあと二分。焦りが、募ります。
戦いの最中、グーラは甘い香りをかぎつけて、ジコチューと共に戦線離脱。
しかし彼が向かった先は茉莉さん達が野点をしているところだと察し、
エースは竹林の中を走り、後を追いました。あと一分。胸元のハートが点滅し始めます。
突如現れたグーラとジコチューに恐れをなして逃げる人たち。
それでも茉莉さんは毅然とグーラに一喝します。
『何ですあなた!茶席を土足で荒らすとは!恥を知りなさい!』
叱られたグーラは茉莉さんを威圧し、追いつめます。
そこにエースが駆けつけますが、丁度その時胸元の光が消え、変身が解けました。
危機一髪のその時、ハート達が駆けつけます。
変身が解けている事に驚くハート達に、
亜久里は成長したプリキュアでいられるタイムリミットが5分しか無い事を明かしました。
これまですぐに帰っていた事情を理解したハート達は、後を引き受けます。
『まかせて!亜久里ちゃんの大切な人は私達が守る!』『今こそ亜久里ちゃん。キュアエースに強くしてもらった成果を見せる時!』ジコチューの左手チャッカマンをいなし、右手トングを逆手にとって自滅を促して
ハートの猛攻撃が畳み掛けられます。
『支え合う心を!』リーヴァのシルクハットをかわして懐に潜り込み、ロゼッタの鋭い蹴りが炸裂!
『大事な想いを!』『未来の夢を!』ウリアッ上を耐え抜いたダイヤモンドとソードの反撃が、グーラを吹っ飛ばしました。
『挫けても立ち上がる強さを!』そしてラブリーフォースアローでジコチューを撃退。
リーヴァとグーラは言い争いながら撤退して行きました。
茉莉さんやお茶会参加の人たちにも大事は無く、
情けないところを見せてしまったと頭を下げる亜久里。
『そんな事無いよ。亜久里ちゃんとっても素敵だよ』マナは亜久里のために取っておいたお菓子を差し出しました。
『こちらこそ。これからもご指導宜しくお願いします』「では、これまで以上に厳しく行きますわよ』引きつるみんなを前に、亜久里は思わず笑い出しました。
夕陽の竹林に、みんなの笑い合う声が響きます。
まず、予想されていた通りの新ED、そしてオープニングの新カットとアイキャッチ等、
後半に向けての新機軸が目を惹きました。
まずはオープニングのカットでエースだけでなく、レジーナが描かれている事から、
やはりこの2人の間には何らかの因縁がありそうな予感がします。
尤もオープニング後の提供画像では、
立ち位置のせいで残念な事になってしまった亜久里というネタも詰め込んでありましたが(笑)。
前半終了時のアイキャッチも手書きタッチから仕上がって行く様子に、
今まで観た事が無かった新鮮な魅力を感じました。
そしてEDの技術のすさまじい事!
前期EDでも相当な水準に達していたにも関わらず、更にそれを上回るレベルに達しており、
特筆すべきはハートをはじめとしたみんなの表情が実に豊かな事でしょうか。
この技術、いったいどこまで登りつめてしまうのでしょうか・・・
他ではソードが中心に据えられていた前期EDと比べ、
今回はハートがメインになっているというのも変更点と言えそうです。
これはシリーズ前半部ではストーリー上も真琴に重きが置かれていたのに対し、
これから先は名実ともにマナが中心になるという事を示唆しているのかもしれません。
それにしても今度はソードだけでなく、ハートもインカムつけてましたけど・・・
なにせ彼女は
ジャイアン並みの歌唱力ですから、音声は切られていたりして(笑)
さてストーリーに目を向けると、今回は成長物語や人生論などといった
教訓や考えさせる点というよりも、亜久里の謎についての興味が先行した話でした。
まず、亜久里自身が「この世界で生まれたプリキュア」と語った事で、
彼女が敗れた戦いとはいつの事なのか、そして相手は誰なのか、一層謎が深まりました。
イーラ達三人衆はもとより、リーヴァやグーラ、
果ては
レジーナまでがエースを知らなかった事を見ると、
未だ姿を見せていない新手の敵がいるのか、それとも他の理由があるのか・・・?
また、彼女がどのようなきっかけでアイちゃんと出会い、プリキュアとなったのか、
そもそもアイちゃんは何者で、トランプ王国との関係があるのか、
そして
姿をくらましたジョー岡田とアン王女は今どこにいて、
一緒に居た筈のアイちゃんがなぜ亜久里のところにいるのか・・・?
この時期でまだこれだけ多くの謎が残っているのは、今後の展開に興味が沸く半面、
未消化で残されたり、駆け足になりかねないという危険性も孕んでいます。
また、これらをじっくりと描いて行くと日常エピソードが削られる可能性もあるため、
個人的には今回でもう少し明らかにして欲しかったという気もしました。
私は予想や推理を外す事に定評があるので、いろいろ誰何すると後々恥をかきそうですが(笑)
亜久里とレジーナの関係を想うと気になる点がいくつか見受けられました。
まず、茉莉さんは本当に亜久里の祖母なのか。
アイちゃんがマナの妹として相田家に潜り込んだように、
ひょっとして茉莉さんもそう思わされているのではないかと感じました。
今回、亜久里は茉莉さんを危険に巻き込みたくないという配慮を見せますが、
その際「あの人」という妙に他人行儀な言い方をしていました。
実の祖母のように慕い、また茉莉さんも実の孫のように思っている事は見て取れますが、
だからこそ、この「あの人」呼びが妙に気になりました。
それは事によるとレジーナも本当にキングジコチューの娘なのか
(あるいはキングジコチューが本当にレジーナの父なのか)
という事にも繋がっているように思います。
とはいっても茉莉さんはプリキュアの身内に相応しく凛とした振舞いに好感が持てました。
今回はグーラに追いつめられたものの、
雪城さなえさん並みに謎の強さを秘めていそうな雰囲気があったので、
今後の活躍ぶり?に期待したいものです。
また今回はさりげない背景の描写の中で、
せせらぎの中の2匹の魚、そしてラストカットの2羽のトンボが、
何かを象徴しているように感じました。
雄雌のつがいのようには見えず、何か二匹で同体と言った雰囲気にも見え、
新オープニングでのエースとレジーナのカットと相俟って、
やはりこの二人は一心同体のような関係だと暗示しているように思った次第です。
ある程度は明らかになった謎がありながら、更に謎が深まると言う展開の数々、
これらの疑問点と、亜久里関連以外の謎が解き明かされる時が楽しみです。
さて、エースの弱点がウルトラマンよろしくタイムリミット付きと解りましたが、
果たしてこれは今後改善されるのでしょうか。
通常のジコチュー戦であれば5分制限でも問題ないと思われますが、
最終決戦は5分どころでは終わらない筈です。
そうなると、35話前後に再度パワーアップ回があるような気がします。
ところで制限付きという点では、
初期ミルキィローズを思い出されたファンの方々もいらっしゃる事でしょう。
ウルトラマンというだけでなく、この辺りにも懐かしさを覚えた次第です。
別の意味で笑えてかつ、なんだこれは、たまげたなぁ・・・
状態だったのがリーヴァとグーラの誰得関係でした。
最初からそっち系の雰囲気が漂っていたリーヴァはともかく、
まさかグーラまでそっち系の方だったとは(笑)
今回ラストでは仲たがいしたとはいえ、再びコンビで襲ってくる可能性はありますが、
ただその場合
ヤドカーン&イソーギンのように常にコンビでの登場となって、
やや存在感が薄くならないかと懸念します。
尤も、ひびかなもかくやという密着度のインパクトがきわめて強烈でしたが・・・
野点におけるみんなの反応も五者五様で楽しめました。
ありすはおそらく茶道も嗜んでいそうで、いろいろとアドバイスできそうにもかかわらず
亜久里の顔を立てて付き合ったような空気の読み方が見事です。
マナの痺れ&六花の戸惑いもさる事ながら、真琴のポンコツぶりの強烈な事といったら(笑)
エレンに通じるボケっぷりと、しびれに襲われた折の表情や態度が可愛く、
今後もこのような姿を見せて頂きたいです。
そして次回見られるであろう、毎年恒例の浴衣とは異なる
着物姿の可愛さも特筆モノでした。
ところで、
すこぶるどうでもいい話で恐縮ですが・・・
昨日というより今日の今日ですが、大学時代の友人と未明の3時まで飲み明かし、
年甲斐も無く泥酔して路上に寝そべり始発待ちをするという醜態を晒し、
リアルタイム放送を観るどころか昼過ぎまで泥のように眠り、
起きてからは強烈な二日酔いに悩まされながら録画を視聴しました。
改めて、プリキュアファンたるもの、一流のジェントルマンたるべし!と肝に銘じたいものです。