四葉グループ重役会議で様々な案件を決済し(いくらお嬢様でも、ねーよwww)
重役達が退室した後、ありすはさすがに少し疲れたのか、無人の部屋でため息をつきました。
セバスチャンにマナ達の来訪を告げられると、嬉しそうな顔を見せます。
庭園でのお茶会の場で皆と談笑するも、王女の行方が気がかりな真琴の表情は険しいまま。
真琴はふと庭に咲くバラに目を留めた折、王女はバラが好きだった事を思い出しました。
しかしそれだけでは手がかりとして決め手に欠きます。
その時セバスチャンが、バラを愛する最高のレディを決めるという
ローズレディコンテストのチラシを差し出し、その優勝者には先日発見された新種
ロイヤルイエローが贈呈される事を告げました。
そのバラは王女が好きだった品種なのですが、王家の庭にしか咲かないもので、
こちらの世界には無い筈です。なぜ、それが・・・?
ともあれ、コンテストに参加してそのバラが手に入れば、何か掴めるかもしれません。
コンテスト会場のバラ園を訪ねたマナ達。バラが咲き乱れる光景に目を奪われ、
王女が来ているかもしれないと想いを巡らせた矢先、金髪の少女が姿を現しました。
王女様のようにきれいだと自らを褒めながら、かなりの自信家ぶりで登場するも、
アイちゃんの可愛さに反応するなど、いまいち彼女は捉えどころがありません。
しかし、バラが嫌いだと公言し、バラを枯らして見せる彼女が
行方不明の王女である可能性は無さそうです。
その後もマナのラビーズを「もらってあげる」と言い放ち、
マナに渡す気が無いと知れば「この世界の平和と交換」と言い出すなど、
どこか不穏なものが感じられます。
冗談だと言って立ち去る少女を、四人は呆気に取られて見送るばかりです。
ベールに続き、
イーラもまた包帯ぐるぐる巻きで先日の敗戦に苛立っていました。
そのザマを貶しているマーモも、いつまでも余裕こいてはいられません。
キングジコチューが怒っている事を告げられて、美しく残酷に仕留めると出撃して行きました。
コンテストが始まります。最初のステージは「ソシアルダンス」
あの・・・バラを愛するレディを決めるコンテストですよね、これ(笑)
『場違いなお猿さんが迷い込んでいると思ったら、ありすさんのお友達でしたの?』
高飛車な笑いと共に、絵に描いたように嫌味なお嬢様が腰巾着を引き連れて現れました。
いちいちマナ達を侮辱する暴言を吐くお嬢様と、それに乗っかる取り巻き達。
静かに目を閉じるありすを見て、マナと六花は
あの時の事を思い出して戦慄を抱きました。
事情を知らぬ真琴にも、友達の悪口を言われると我を忘れてしまう事を教えます。
顔を上げて目を開き、静かに歩み寄るありす。ゴゴゴゴゴ・・・
『麗奈ちゃんたら、相変わらず冗談がお上手ね』ビンタの一発でも張ると思いきや、ありすのスルー反応にマナ達は胸を撫で下ろしました
『四葉財閥より一つ数字が多い五星財閥の一輪のバラ、五星麗奈よ』
その理屈なら百十四銀行とか偉そうですねありすに幼馴染だと紹介され、ライバルだと主張して自己紹介した後も、
麗奈とその取り巻きによるマナ達への暴言は止まりません。
ありすの連れに真琴を見つけると、芸能人の特権を活かして審査員の目を惹かせる
卑怯な猿だと喚き散らしますが、それでもありすは怒りません。
『アイドルであろうとなかろうと、関係ないと思いますわ』アテが外れた麗奈は、実力で潰すと捨て台詞を残して立ち去りました。
ありすの実力は麗奈も良く知っており、強敵だと認める反面、
友達を侮辱されるとキレるという弱点も知っています。
それを利用して、ありすを失格させようと目論んでいます。
いざソシアルダンスが始まると、アイドルとして多少ダンス経験のある真琴だけでなく、
マナと六花もなんとかこなしています。
EDでもっと難しいダンス踊ってますからところが、麗奈達はマナのヒールに細工をすると言う古典的な罠を仕掛けていました。
ヒールが折れて尻もちをつくマナを、無様なお猿さんだと笑い飛ばす麗奈。
ありすの顔色が変わり、六花と真琴は思わず引きつります。
しかし、転ばされた当のマナはありすを怒らせるために仕組まれた事だと見抜き、
もう片方のヒールをあえて自分で折りました。
こうすればもっと踊りやすくなるというコロンブスの卵発想で、見事にその場を乗り切ります。
次のステージは絵画。だからこれって、バラを愛するレディを決めるコンテストですよね(笑)
また何か仕掛けてくると警戒した矢先、取り巻きが絵の具を撒き散らしながら走って来ます。
マナ達の絵は水玉のように絵の具が飛び散って台無しになり、
ありすより先に六花の堪忍袋の緒が切れそうです。
『ポロックのドリッピング技法を参考にしてみました』しかしありすは撒き散らされた絵具を逆に昇華させ、災い転じて福となしました。
再びアテが外れ、悔しがる麗奈達。
お次はピアノ。だからこれって(以下略)
ピアノには自信がある六花でしたが、グランドピアノの蓋を開けると
なぜか子猫がお昼寝しています。起こすのは可愛そうだと困惑する六花を、
犬猿の仲ならぬ、猿は猫も嫌いなのだと馬鹿にする麗奈達。
さすがにマナと真琴もここらが我慢の限界を超えそうになりますが、
ありすの演奏が二人の苛立ちを鎮めました。
猫が寝ているところの鍵盤を弾かずに即興演奏を行うスキルを絶賛する審査員達。
再び麗奈達は悔しさを募らせる事になりました。
審査の結果、最終選考にはありすと麗奈が残り、睨み合う両陣営に火花が飛びます。
両者が挑む最終ステージは「テニス」。
もはやバラはどうでもいいです。ありすのテニスルックが拝めれば(笑)
それはさておき、ありすと麗奈の実力は伯仲しており、ラリーが続きます。
勝敗の結果はタイブレークに持ち込まれ、次のポイントを取ればありすの勝ちが決まります。
ところが、ありすの目にまばゆい光が当てられました。
目が眩んでも何とか打ち返すありすですが、光の妨害が続きます。
マナ達は麗奈の取り巻きが鏡で妨害しているのを見つけて抗議しに行きますが
連中はそれを見越してマナ達の頭上から泥水を浴びせるという二重の罠を用意していました。
『無様無様無様!お猿さん達が泥だらけよ!』
しかし、守るべき友達が酷い目に遭わされてもありすは怒りません。
『もし私が変われたのだとしたら、それはマナちゃんたちのお蔭です』『あんな泥だらけの連中のどこがいいのよ!?』
目論見が外れて困惑する麗奈に向けて、ありすのスマッシュが決まりました。
『私には、最高に輝く宝物です』『ありすが私に勝てたのは実力じゃないわ。友達のお蔭よ。友達何ていなくなればいいのよ』
敗れた悔しさを取り巻きに当たりちらし、
使えない子だと一喝して追い払った麗奈のプシュケーが濁り始めました。
本当は麗奈も友達が欲しいという想いを秘めていたものの、
その心はマーモに利用されてプシュケーを抽出されました。
プシュケーを呑みこんだマーモは、禍々しいバラのビーストモードとなります。
『なるほど、バラで友達をバラバラにしてやるってことね?』
・・・お前は健太か。バラとバラバラをかけてるの?そんな事じゃ、ゆりさんくらいしか笑わないよ変身して立ち向かう4人。
ビーストモードはやはり強敵で、早々にハート、ダイヤモンド、ソードが蔦に絡め取られました。
残るはロゼッタのみ。マーモはバリアしか無いロゼッタを前にタカをくくっていますが・・・
静かに構えを取るロゼッタ。そして掌底一発。その強烈な威力にマーモビーストは焦ります。
『ちょ・・・ちょっと話違くない?』
『私は、あの日に誓ったのです。プリキュアの力は大切な人を、仲間を守るために使う!』暴走する力を恐れ、プリキュアになるのを拒んだあの日。そしてプリキュアに目覚めたあの日の事を思いめぐらせながら、
仲間など必要ないと言い放つマーモビーストの攻撃を避けつつ反論するロゼッタ。
『私はマナちゃん達と出会うまで友達がいませんでした。だから、ずっと友達が欲しかった!
その思いが募って、友達の悪口を言われると怒りで我を忘れていました』プリキュアを通じてマナ達と色々な事を経験する事により、更に絆が強まった事。
そして深い信頼で結ばれた今、人の言葉に心惑わされなくなった事。
マーモビーストの蔦に絡め取られても、ロゼッタの根幹は揺るぎません。
『真の絆を持つ事が出来た今、私にためらいはありません。
私は友達を守るために、正しき力を全力で使います』渾身の力を込めたロゼッタに蔓を断ち切られ、マーモビーストも愕然としました。
それでもラブハートアローからのロゼッタリフレクションを前に、
バリアで何が出来ると高をくくっていると、そのバリアを撃ち出すという攻撃にさらされ、
拘束が解けた三人によって、マーモビーストはフルボッコに遭い、からくも撤退して行きました。
勝ち取ったロイヤルイエローからは、王女の事は感じられません。
それでも、真琴にとっては些細な事でも王女の手がかりが得られ、ありすにお礼を言います。
『本気のありすを初めて見た。すごいね!』ありすは顔を赤らめて照れました。
さて、肝心のロイヤルイエローはアイちゃんが触れると光を発して
普通の赤いバラとなり、代わりにラビーズが現れます。
これは一体・・・?その一部始終を、不審な青い鳥が見届けて飛び去ります。
包帯ぐるぐる巻きに絆創膏貼って引き上げて来たマーモをからかうベール、
休暇でももらってバカンスと洒落込みたいと漏らしたイーラの前に、
あの金髪の少女が姿を現しました。
『休みたいなら永遠の休みを上げるわ。つまり、クビって事だけど』
彼らも知らない突然の闖入者の、偉そうな物言いに反発する三人。
ところが、その少女が「偉い」理由を聞いて愕然としました。
『私はレジーナ。キングジコチューの娘よ』
レジーナの不敵な笑みが、イーラ達を見下すように掛けられました。
ありすと麗奈、対称的な二人を対比する事で、
第4話からのありすが歩んできた成長を伺わせる様が印象的な一編でした。
最初に観た折には、いつありすがブチ切れるのかハラハラしていたものですが、
もうあのような事は繰り返さないという彼女の心の強さ、成長が良く伝わって来たと思います。
二人のお嬢様から受ける印象は全く異なります。
地位・立場・資産力などを鼻にかける事も無く、心身ともに健全なありす。
片やその地位や立場を盾に偉そうに振舞い、用済みと見るや取り巻きを捨てる麗奈。
しかし、裏返せばありすが麗奈に、麗奈がありすになり得た可能性も考えられます。
ありすにはセバスチャンやおじい様といった、分別をわきまえた大人が居るので、
あそこまで性悪になる可能性は無いかもしれませんが、
同世代の友人の有無がもたらす影響による差異というものを見せつけられたように思います。
ただ、麗奈とその取り巻きには初見時かなり嫌悪感を抱いたものの、
ある意味かわいそうな子達だと思います。
麗奈はいわば裸の王様で、周囲にはイエスマンしかいなかったのでしょう。
このような連中といえば、例えば
昨年もやよいの絵を貶した蘇我君とその取り巻きがいました。この時の連中も同様、取り巻きの輩は友達としてではなく、
虎の威を借る狐としての居心地の良さから近くにいたように思います。
信頼し合える本当の友達を持ちえたありすは幸せです。
しかし、麗奈達には信頼し合える相手がいません。
あの後、彼女達がどうなったのかは描かれていない為、想像するしかありませんが、
今回の所業を反省してありすに詫び、許された姿を思いめぐらせたいものです。
そうでなければ、友達を持ちたくても持てず、ついて来た者達を追放してしまった麗奈、
そして尽くしてきたお嬢様に捨てられた取り巻き達が気の毒でなりません。
私はプリキュアという作品内の人物に対しては、
「こいつは生まれついての悪だッ!」ではなく性善説を信じたいと思っています。
彼女達が心を入れ替え、ありすと「友達」になれた姿を想像したいものです。
その麗奈と取り巻き連中の立場は、丁度レジーナとイーラ達三人組とも重なります。
レジーナは今のところ素性が明らかになっただけで、
まだ何を企んでいるのかが分かりませんが、
その立場だけで強気に振舞えるという事だけは感じられます。
(実力もあるとはおもいますが、今はまだ未知数なので・・・)
「能力があるから偉い」ではなく、ただ立場だけで「偉い」と言い切り、
またマナのラビーズを巡る「お前の物は俺の物」的な発言など、
自己中な面は否めませんが、それを無邪気さが中和しているのが独特な個性に思えました。
それにしてもアイちゃんを可愛いと言える等、単に敵陣営の人物では終わらなさそうなので
今後の立場に期待しています。
ただ、指を弾くだけでバラを枯らしたりする等には、
もっとマナ達も不信感を抱いても良さそうですが(笑)
ロイヤルイエローのチラシに反応したり、ロイヤルイエローそのものに手を伸ばす等、
バラに対するアイちゃんの反応も伏線が張られているように見えました。
やっぱりこれは王女との関係がありますよね?きっと。
今回のありすと麗奈のように対称的な二人の王女として、レジーナとの絡みも気になります。
競技がどれもバラと関係なさそうだったりするのはネタとしてちりばめてしまいましたが(笑)
そこは深く考えない方が多分いいのでしょう。
「ファイブdeチャンス」や
「ゲームニスイコマレール」のように、
みんなでミニゲーム的要素に挑むという楽しみ方が出来たと思います。
マナのコロンブスの卵発想、現代アート?にも通じているありす、
私はあまり詳しくありませんが、某軽音部のキーボード担当という前世故か
実はピアノに自信があるという六花など、各々の個性や特技が垣間見られました。
そしてなんといっても前回見られなかった「テニスルック」!これだけで眼福でございます。
ところで真琴に泥水をぶっかけるなんて事をしでかしたら、
あの親衛隊連中が黙っていなさそうな気が(笑)
第4話以来のありす最強伝説、かの
「ミント砲」を思わせるバリアを転じた攻撃など、
アクション的にも見るべき点が楽しめた一編でした。
あと、
吹出物で大騒ぎしていた程のマーモさん。傷が痕にならない事を願いたいものです。