シャルル
"シャルルに・・・おまかせッ☆"
マナは生徒会室で、山積みの未決書類に次々と承認印を押しています。
(あれ・・・?夏休みじゃ・・・?)
決裁待ちの書類はまだまだありますが、それでもマナは疲れ知らずです。
ガンガン承認印を押し続けるも、それを見守るシャルルから見れば、忙しそうで心配です。
この後も顧問との打ち合わせや剣道部の助っ人、
その後ソリティアでミーティングと続き、帰宅後は店の手伝いと、
スケジュールがぎっしり詰まっているだけでなく、
ぐずりだすアイちゃんのお世話など、突発的な仕事も舞い込みます。
シャルルは猫の手も借りたいと漏らした六花の言葉を受けて、
ホチキス綴じを手伝おうとしますが、非力な妖精の力ではホチキスすら満足に扱えません。
シャルルは無力を嘆き、ある決心を胸に抱きます。
ソリティアで、シャルルはDBに人間への変身方法を教えて欲しいと頼み込みました。
突然の申し出に驚きながらも、そこは大人のDB、理由を訊ねると、
人間に変身してマナの手伝いがしたいという申し出です。
それを聞いていたラケルとランスも同じ気持ちを抱いていたようで、
改めて三人でDBに頼み込みます。人間になれば空も飛べず、通信が出来なくなり、
他にも妖精なら出来る事が出来なくなるとの忠告を聞いても、
シャルル達の気持ちは揺るぎません。
DBもその熱意に打たれ変身教授を了承しますが、人間に変身する事は負担が大きいため、
はじめは一時間程度にしておくよう念を押します。
いざ、スポットライトを浴びながらDBの姿への変身を実演してみせるダビィ。
もっとも、肝心のやり方はさっぱりわかりませんが(笑)
DB曰く、大切なのは心から変身したいと願う気持ちだと説明します。
『マナみたいな女の子に・・・』
『六花と同い年くらいの男の子に・・・』
『かっこいい男子に・・・』
約一名不純な子がいますが(笑)ともかく姿見を前に強く願うシャルル達。
変身を遂げるも、なぜかラケルは椅子、ランスは長靴、シャルルはヤカンになっています。
気を取り直して再度チャレンジ。今度こそ人間になりたいと強く願うと・・・
出来ました!
ラケルは六花より幼いものの、イケメンな少年に。ランスはあどけなく愛らしい男の子に。
そしてシャルルはどこかマナに似た女の子になりました。
DBも喜ぶ三人を微笑ましく見守りながら、最初にしては上出来だと太鼓判を押します。
しかし人間でいる時の注意を説こうとしたところ、既に三人はいません。
何やら先が思いやられそうです。
さっそくマナ達に変身した姿を見せに行くシャルル達。
当然マナ達は驚きの目で迎えるも、人間になったみんなを暖かく受け入れました。
一方亜久里は微笑ましく見守るものの、人間になりたいと願った理由を訊ねます。
『どうして人間になったのです?』
『僕、前から六花と一緒に勉強したり運動したり
『ランスはありすに子守唄を歌ってあげたいでランス~』
『シャルルは、マナのお手伝いしたいシャル』
シャルル達の想いを汲んで、認めてあげて欲しいとDBも後押しします。
真琴からも同じ申し出を受け、これも妖精達の成長の証だと、亜久里も頷きました。
その夜、シャルルはマナの部屋で書類の山のホチキス綴じを片付けました。
マナに褒められてシャルルも嬉しそうです。
一方ラケルは宿題を手伝おうとしたり、夕飯の支度を手伝おうとするものの、
そこは隙のない六花の事、既に終えており、役に立てないと残念そうですが、
六花は一緒に居てくれるだけで嬉しいと慰めました。
そしてランスはありすに子守唄を歌ってあげますが、
歌っている内に自分がウトウトし始めて、そのまま寝入ってしまいました。
そんなランスを、ありすはセバスチャンともども弟のように暖かく見守ります。
翌日、登校中の道すがら、シャルルは今日も手伝い頑張ると張り切っています。
反面何も手伝えなかったラケルは少々ブルーになっていますが、
改めて六花は一緒に居てくれるだけで嬉しいと慰めました。
そして待ちに待った放課後。
シャルルは大貝一中の制服姿に変身し、羨むラケルの分まで頑張ると張り切っています。
生徒会員の十条君に、臨時でお手伝いをお願いしているシャルルだと、
髪をいじりながら説明するマナ。シャルルも語尾の「~シャル」をつけないよう振舞います。
さて、危ぶまれたシャルルのお手伝いは、
書類のホチキス綴じや備品のチェック等、蓋を開ければ早い上に完璧で、
これには十条君も流石は会長の知り合いだと舌を巻きました。
『でしょ?シャルルには、いつも助けてもらってるんだ』
マナはまるで自分の事のように嬉しそうです。
そのうえ姉妹のように似ていると言われて、シャルルもますます嬉しそうです。
その時、城戸先生が大貝二中に書類を届けて欲しいと頼みに来ました。
いつものように引き受けるマナですが、この後文化祭の打ち合わせやバレー部の助っ人など
スケジュールは例の如くぎっしり詰まっています。
体が二つ欲しいとぼやくマナの横で、シャルルは目をらんらんと輝かせ(笑)
書類届けを買って出て生徒会室を飛び出して行きました。
マナの役に立ててうれしいと、道を行くシャルル。
丁度、重い荷物を持った老婦人が階段に苦心しているところに出くわしました。
『こんな時マナなら・・・』
マナならば当然そうするであろう行動を、シャルルも行います。
続いて道路に飛び出した子供を助けますが、
その際肝心の書類がトラックの荷台に乗ってしまい、慌てて後を追いました。
何とか追いついて書類を取り戻すものの、既にダビィに忠告された一時間を過ぎています。
しかし、ここでやめる訳には行かないと、大貝二中に向けて全力疾走して行きました。
その頃、バレー部の助っ人に来ているマナは六花と共に、
シャルルの帰りが遅い事を心配していました。
一方、相手校の中に大貝一中の強さを羨んでいる選手がいます。
ズルしてでも勝ちたいと思った彼女の心はリーヴァとグーラに利用されてジコチュー化。
弾丸サーブを放ち体育館を荒らし始めました。
その闇の鼓動は直ちにダビィとランスも感じ取り、
真琴とありすが体育館へと駆けつけて来ます。
四人揃い、いざ変身!と思った時、マナは肝心のシャルルがいない事に気が付きました。
人間の姿では闇の鼓動が聞こえていないと危惧するダビィ。
マナは急ぎシャルルを探しに走り、この場はソード達三人で立ち向かいます。
サーブ攻撃をロゼッタリフレクションで弾き、スパークルソードで迎え撃ち、
続けて駆けつけたエースのエースショットで早くも仕留めた!
と思いきや、ジコチューの身体を構成するコートは二面あり、裏返ったもう片方は無傷です。
片面をやっつけてももう片面が戦え、その間にもう片面が復活するという、
先週ののびーる作戦よりも効果的な引き伸ばし作戦です。
ダイヤモンドは両面同時に攻撃すればいいと見抜くものの、
ハートが不在なため、肝心のラブリーフォースアローが撃てません。
その間にも、ジコチューのサーブ攻撃が四人を襲います。
そんな事とは知らず、ようやく書類を届けたシャルルはぐったり疲れていました。
そこに駆けつけたマナによってジコチューが現れたと聞かされ、
闇の鼓動が聞こえなかったと寝耳に水の反応を見せますが、
同時に妖精なら出来る事が出来なくなるというDBの忠告を思い出しました。
責任を感じてうなだれるシャルルを、マナは悪いのは私も同じだと慰めます。
『だってシャルルは私のために人間に変身してくれたんだもん。
だから今度は私がシャルルのために頑張る』
シャルルも気を取り直し、マナと共に変身。急ぎ大貝一中へと戻ります。
戦いは長引き、エースのカラータイマー(違)が警告を発し始めました。
タイムリミットの五分が迫ろうとしています。
『大丈夫、ハートは必ず戻ってくる』
『ええ、必ず』
と言った直後に、我らがキュアハートが戻って来ました(笑)
すかさずエースは裏側に回り込んでエースショットを、
ハート達は正面からラブリーフォースアローを放ち、
一度きりのチャンスを逃さずにジコチューを撃退。
あてが外れたリーヴァとグーラは、毎度のように文句言いながら引き上げて行きました。
戦い終わり、謝るシャルルですが、誰も彼女を責めるような事はしません。
『シャルルは忙しいマナの役に立ちたかったでランス』
『シャルルの気持ちわかるケル。大好きな人の力になりたいっていう気持ち』
ランスとラケルも、その気持ちを共有したからこそ人間になれたのでした。
『私ね、シャルルが私を助けようとしてくれて、本当に嬉しかった。
十条君に姉妹みたいって言われた事も。
シャルルの事、本当の妹みたいに思ってるし、大好きだから』
感極まって泣くシャルルの泣き声が、校庭にこだまします。
その時、先程の老婦人と少年、その母親がお礼を言いにやって来ました。
この学校の生徒に先程助けてもらったものの名前がわからず、
ただ語尾に「~シャル」とついていたという証言に、それが誰なのかマナ達は理解しました。
『シャルルちゃんという、それはそれは素敵な』
『私たちの大切な友達です』
『私達も、いつも助けられてるんですよ』
老婦人たちが帰った後、マナは改めてシャルルを抱きしめました。
『シャルルは私達の、自慢の仲間だよ』
シャルルが見回すみんなの目も、そう言っているようです。
『シャルルに・・・おまかせッ☆』
シャルルはちょっと誇らしげに、気取ってポーズを決めました。
しかし、それは絆を深めただけでなく、更に上のステージに立ったと言う事。
亜久里は褒めるだけでなく、最後の試練へ挑戦してもらうとマナ達に切り出しました。
いやぁ、とにかく今回は可愛かったです。
昨年の人間→妖精化の逆パターンという、これまでありそうでなかった新鮮さもあって、
人間化したシャルル達の可愛さに終始魅せられ続けました。
ところで、歴代の人間化できる妖精達、
ココとナッツに始まりミルク、シロップ、キャンディ、ポップ、
そしてコッペ様やある意味ではセイレーンなど、
みんな基本的に可愛いorイケメンなんですね(笑)
今までありそうでなかった理由として、作中でも語られているように
シャルル達が「変身アイテム」である事も関係していました。
確かに人間体で離れた場所にいたのでは、今回のような危機に再び見舞われかねません。
過去、人間化しなかったもののメップルやフラッピ・チョッピと離れたために
変身できなくなるという状態に陥った事がありました。
変身できなくなるという制約は話の膨らませ方としては面白いですが、
そう何度も繰り返せるものでは無いと思います。
個人的にはシャルル達の人間姿をまた観たいと願っているものの、
話作りに活用するのはちょっと難しいかなとも考えているので、
今後この設定をどう活用できるのか、期待しています。
可愛いと言えば、人間姿ももちろんですが、
人間になる前の冒頭部分、シャルルがDBに頼み込んでいる場面の背景で
いつものようにアイちゃんに耳をしゃぶられているランスが
異様に可愛かった事を特筆しておきます(笑)
さて今回は、お手伝いに興味を持ち始めた子どもの視線で見る事が出来そうです。
メインターゲット層のお子様達は、見よう見まねでも手伝いをしてみたいと興味を持つ頃でしょう。
そんな時、自分にできる事をすればいいと言う事では今回のシャルルが、
何も出来なくてもその気持ちが嬉しいと伝える事では今回のラケルが、
そして大人目線としては意気込みながらも途中で寝てしまうランスを暖かく見守る事が、
それぞれ描かれていたと思います。
単に憧れで変身したいと申し出たのであれば、おそらくDBも亜久里も難色を示した事でしょう。
DBの言う「心から変身したいという気持ち」は、
「心から力になりたいと願う気持ち」と置き換えれば、
なにがしたいのか、という憧れでは無く、なにが出来るのか、という事にも繋がります。
「愛は与えるもの」「愛する事は守り合う事」という
プリキュア5つの誓いの精神が活かされているのも良かったです。
シャルル達がマナ達を、マナ達がシャルル達を互いに認め評価し合う事で、
プリキュア5つの誓いを正しく受け入れ、消化していると見受けられました。
ところで、すこぶるどうでもいい話ですが・・・
以前触れたように、私は剣道少女萌えというニッチな嗜好を持っていたりするので、
マナの剣道姿をちょっと見たかったのですが、これが少々残念でした。
先週の亜久里が熱弁する特訓シーンの背景に少しだけ剣道姿があったものの、
あれでは誰なのかが全く分からなかったので、またの機会を待ちたいものです。
さて、来週はオールスターズNSの地上波放映という嬉しい話題があるものの、
肝心の本編では次回何が起きるのか、全く読めないというのが珍しいです。
ひょっとして「予告がやらかした」と言いすぎた事の反動だったりして・・・?
これまでもマックスハートやスマイルの最終回予告のように、
映像では何が起こるのかが解らなかったものはありましたが、
サブタイトルだけははっきりしていました。
今回のようにサブタイトルすらわからないというのは珍しく、
二週間後いったいどんな展開になるのかが気になります。
もっとも、私はネタバレを嫌うタイプなので、
サブタイトルの名前であっても事前には収集しないつもりです。
逆にドキドキしながら二週間後を待ちたいと思います。