月明かりに照らされた庭園のような光景で、
前回助けてくれた謎の青年へお礼を言い、名前を尋ねるブロッサム。
ところが青年は無言でブロッサムを抱き寄せて、
ブロッサムは大胆すぎると突き飛ばしますが、お約束どおりそれは夢の光景。
現実ではシプレとコフレが無残に突き飛ばされていました。
目を覚ましたつぼみはカーテンを開けに窓へ向かうと、
向かいの部屋のえりかと目が合い挨拶を交わします。
が、既に登校する準備を整えているえりかに指摘され、
目覚ましをセットし忘れた、とつぼみは慌ただしく着替え始め、
そんな光景をえりかは、悪戯っぽい笑顔で見守ります。
今日のつぼみは、えりかのアドバイスを受け入れて眼鏡を外し、髪型も変えていました。
性格を変えるためには形から変えるのも手段だと考えたつぼみに、
提案を受け入れてくれたとえりかも嬉しそうです。
のんびり登校しているとチャイムが鳴り、
えりか「さん」を急がせるつぼみですが、「さん」付けはしないよう改めて注意し、
次に「さん」をつけたら牛乳をおごってもらう(お前は舞の兄貴か)と返すえりか。
それでも慣れないつぼみは再び『分かりました、えりかさ・・・』と言い掛けて、
えりかの判定はセーフ。チャイムが鳴り響く校内へ急ぎます。
お昼休み、弁当タイムに屋上へつぼみを誘うえりか。
ところが弁当を食べようとしたところ、えりかも気になる夢を見ているという話題になります。
それはつぼみと同様、キュアムーンライト様が倒される夢で、
驚くつぼみに続けて、つぼみの弁当袋に紛れていたシプレとコフレも驚いて飛び出します。
もちろんえりかも「ぬいぐるみが喋っている」ような光景に驚き、
弁当が無くなっていて悲嘆に暮れるつぼみを置き去りにして妖精たちが話を進めました。
あの夢を見ているということは、プリキュアになる資格がある事。
そしてもう一つ、えりかが夢だと思っていた出来事は事実で、
えりかを助けたキュアブロッサムこそがつぼみである事。
えりかもブロッサムの衣装が可愛かった事を思い出してまんざらでもなさそうですが、
その話を中断するように屋上に人が現れたため、妖精2匹は慌てて隠れます。
無表情&眼鏡と、絵に描いたような生徒会メンバーに続けて現れたのは
理事長の孫で生徒会長の明堂院いつきです。(てっきり公立だと思っていましたが・・・)
生徒会長はえりかに予算編成のため、ファッション部の部員名簿提出を促して引き上げ、
再びプリキュアになってもらう話を進める妖精達ですが、
部員数が不足しているえりかはそれどころではありません。
つぼみを強引に連れて、部員勧誘に向かいました。
こちらは初めて描かれる砂漠の国。
第1話冒頭で戦いを見守っていた男、サバーク博士に、
新たなプリキュア出現を報告するサソリーナ。
こころの種を集められては厄介だと懸念しているサバーク博士ですが、
サソリーナは自信たっぷりに言い放ちます。
まだプリキュアになったばかりで、自分一人で十分だ、と。
のぼりを立ててハチマキを締め、一年生の教室に道場破りよろしく押し掛けるえりかとつぼみ。
『んだよ部活の勧誘かよぉ』『ファッションなんて興味ねぇし』
鈍い反応に入部届けを配って回る2人ですが、
『要らない』『あたしテニス入ってるしぃ』
こいつら上級生に対する礼儀ってモンを知らんのか諦めかけたつぼみですが、えりかは窓際で一人佇む赤毛の女子生徒に目を留めました。
彼女はグラウンドでサッカーに興じる生徒達を眺めています。
声を掛けるえりかですが、「そんな軟弱な部」と一蹴され
反論しようとしたところをつぼみになだめられて退散。
後に残された赤毛の生徒も、何か思うことがあるようで深いため息をつきました。
放課後、結局一人も入部してくれない事で
明日からかっこいい服で勧誘しよう、と作戦を練るえりかの耳に、
サッカー部員と先ほどの赤毛の生徒、さやかの声が届きます。
さやかはサッカー部に入りたいと頭を下げますが、サッカー部員の反応は冷たく、
女子は入れないの一点張りで、練習の邪魔とまで言い放って追い返しました。
『サッカー部なんかやめて、ファッション部入ろうよ』
再び声を掛けるえりかですが、
『サッカー部なんかなんて言わないで下さい。
ファッション部なんか入りたくないって言ってるじゃないですか』
『そっちこそなんかって何よ!』
と怒鳴り返したところ、振り向いたさやかは涙を浮かべ、
そして涙を拭って走り去って行きました。
河川敷の橋の下で一人サッカーボールを抱え、
なぜ女の子ではダメなのか、私がどれだけサッカーが好きか知らない癖に、と
苛立ちをぶつけるかのようにボールを蹴ります。
丁度河川敷では男女の区別無く楽しげにサッカーに興じる小学生が居て、
さらに苛立ちを込めてボールを蹴ると、そのボールを受け止めるサソリーナ。
さやかのこころの花がしおれかけている事に目をつけて不敵な笑みを浮かべ
こころの花を抽出。サッカーボールと合わせてデザトリアンを生み出しました。
下校中、明日も部員集めを手伝うのでプリキュアになるよう頼み込むつぼみに
話は別、とそっけない態度のえりか。ですが、あたりがなにやら騒がしく
見るとサッカーをしていた子供達がデザトリアンに襲われています。
たまたま通りかかってこころの花を取られる一部始終を目撃していたコフレが
さやかの抜け殻の球を回収しており、つぼみはさやかを助けるべく変身。
変身後の姿を「超キュート」「可愛い」「超かっこいい」とえりかに評されて
まんざらでもなさそうなブロッサムですが、ともかくデザトリアンの許へ向かいます。
『女ノ子ッテ言ウダケデ、さっかー部ニ入レナイナンテ、酷ーイ』
以前と同様、その人の持つやり場の無い怒りをぶちまけて迫るデザトリアン。
そんなこと僕らに言われても、と至極全うな返事をする子供達に
『楽シクさっかーヲスルンジャナイワヨー』
と八つ当たり攻撃しようとしたところにブロッサムが助けに入り、子供達を逃がしました。
巨大なボール姿になり、転がって攻撃してくるデザトリアンは
その合間にも心情を吐露し続けます。
『子供ノ頃カラ大好キダッタさっかーヲ、中学生ニナッテモ続ケラレルト思ッテタノニー』
川面を転がったため、デザトリアンから水が滴りますが、
それはデザトリアンが流す涙のようにも見えました。
そんなさやかの悩みを「小さい」と酷評したサソリーナに、
毎度お約束となった「堪忍袋の緒が切れる」ブロッサムでしたが、
力及ばずデザトリアンの反撃を喰らいます。
つぼみはみんなの為にプリキュアとして戦っている。
その姿を見て遂にえりかも決意しました。
『本当の本気よ。私だってみんなの心を守りたいもん』
その言葉にココロパフュームが反応して光を発します。
この思いこそがプリキュアの資格のようです。
ブロッサムは劣勢に立たされ、サッカーボールのようにゴールネットへ。
追い打ちを掛けようとするデザトリアンと、指示を出すサソリーナに、
『私は来海えりか。二人目のプリキュアよ』
高らかに名乗りを上げて変身します。
『海風に揺れる一輪の花、キュアマリン』
ブロッサムの時とは異なり、変身後の名乗りも自然に行うマリンに
妖精達も視聴者の疑問を代弁するかのように問いかけると
「夢」で見ていた事と、名前は今朝頼まれた後から考えていたと
案外計算高さも伺えます。
ブロッサムを庇うように割って入り、デザトリアンに立ち向かうマリン。
回転して襲い掛かるデザトリアンの上部は隙だらけである事を見抜いて上から攻撃し、
攻撃を畳みかけ、エネルギー弾のような「マリンシュート」を放つ等、早々に圧倒します。
そして妖精たちの説明を受けるまでもなく、マリンタクトを招きいれ、
「プリキュア・ブルーフォルテウェーブ」
を放ち、デザトリアンはサッカーボールへと戻って、さやかのこころの花を取り戻しました。
相手が2人になり、今日のところはこれくらいで許してあげる、と
絵に描いたような捨て台詞で退散するサソリーナ。
目を覚ましたさやかは、サッカーの練習しすぎで倒れていたところを
えりかとつぼみが介抱したと説明され、えりかにボールを返されました。
しばしそのボールを見つめた後、さやかは
サッカーボールの怪物になって暴れる夢を見ていた事を口にします。
そして、女子だからサッカーが出来ないのではなく、
サッカーが好きならば女子サッカー部を作る、という発想に至り、
先輩達みたいに部員集めをします、と駆け出して行きました。
さやかのこころの花、ポインセチアの花言葉は「私の心は燃えている」
花言葉どおり、素敵な女子サッカー選手になれると予感するつぼみ。
そしてコフレよ、お前もか・・・
排便こころの種を産み落としました。
その帰り道、預かっていた人形を直してつぼみに返すえりか。
ちょうど道の向こうから、その人形の本当の持ち主である少女が現れました。
その子の母親によると、公園で人形を失くしてしまったとの事で、
つぼみは快く人形を返します。えりかが直してくれた事をつけくわえて。
照れるように母の後ろに隠れる少女ですが、母に促されてお礼を言い
去っていく母子を見送る2人。
『これからもプリキュアを2人でがんばりましょう』『部員集めもね』
『お腹空いたね』『お昼ごはん食べ損ねましたから』
何気ない会話を繰り広げつつ家路に着く2人の手は、しっかりと握られていました。
私自身もつぼみ同様、えりかという子について知っている事が少なかったため、
だいぶ印象が変わってきました。最初の印象だけで判断してはいけない、と反省させられます。
第1話の印象が悪い意味で強烈だったため、少々苦手かも、と思ってしまいましたが、
今回は良い意味で彼女の快活さと「マイペース」さが感じられます。
クラスメイトをして「マイペース」と評されるえりかは、
プリキュアの資格があると告げられても即答せず、
まずは自分のためのファッション部員集めに精を出します。
一年生を勧誘する際も、
第1話でつぼみに見せたような強引な手法は伺えず
「なんか」という言葉のアヤはありますが、嫌味は感じませんでした。
もう一つ感じられたのは、マイペースであるが故の計算高さでしょうか。
前回と
前々回の自分が被害者となった体験を「夢」として覚えていた事で
説明を受けずとも名乗りを上げたり能力を使いこなしたり、
必殺技を披露したりと、つぼみ=ブロッサムとは真逆で、
同様に真逆の主人公たちだった初代~SSまでの印象を感じさせます。
またデザトリアンの攻撃の隙を突いたりする様子からは
天性の戦闘センスを感じさせ、所謂天才肌のタイプかもしれません。
その変身シーンもつぼみと異なり、最初手をごにょごにょしたり
パフュームを吹き付けた時の顔や徐々に変身していく間の
表情の豊かさがなかなか可愛らしいです。
前回の謎の青年、今回の生徒会長と、つぼみは面食いかつ惚れっぽい事を確信しました(笑)
ここから憧れの人が絞られていくのか、それとも内気な性格そのままに
色々な人に憧れつつも口に出せずに悶々とするのか・・・
それにしても眼鏡姿も可愛らしかったと思うのですが、
もう本編では披露しないのでしょうか?こちらは少々残念です。
今回の被害者のさやかは赤毛、サッカー好きという共通点もあって
キュアルージュこと夏木りんちゃんに似ており、
同じように感じた方々も多いのではないでしょうか。
デザトリアンの方向性も、単純な「悩み」というよりも「妬み」を利用する様に思えます。
まだ2体しか出ていないので、そう判断するのは早いのですが、
えりかはもも姉に対する妬みを、さやかは楽しそうにサッカーをする子供達への妬みを利用され
その妬みをデザトリアンが代弁して吐露し続けるためか、
解決後にそれぞれ前向きな発想に転換するように思えます。
今回のラストで早速親密になったことをうかがわせる2人ですが、
来週早くも対立するようです。
初代も
SSも、初の対立は第8話だったことを思うと、
その半分である第4話で描くのは、展開が速いという事でしょうか・・・?