SSブログ

ハートキャッチ第47話『嘘だと言ってください!サバーク博士の正体!!』 [ハートキャッチプリキュア]

プリキュアシリーズは基本的に子供向け作品であるためか、
これまで骨肉相食む展開は見られませんでした。
その重い展開を和らげるような前半の描写と打って変わった後半は
父の愛に飢え、父を独占したいと願う2人の娘による壮絶な戦いが繰り広げられます。
父が見つめる中、光と闇、2人のプリキュア、2人の娘達の戦いの行く末は・・・
 
コブラージャさんを倒したものの、惑星城内を行くサンシャインとポプリは流石にふらふらです。
合流するマリンも腕を押さえており、対クモジャキー戦は楽勝だったと軽口を叩くも、
本当はギリギリだったと苦笑いしました。
そこにスナッキーの大群が押し寄せ、大して強くない相手とはいえ
戦いの疲労を抱える2人で相手するにはやっかいな数です。
サンフラワーイージスを攻撃に応用する等で善戦しますが、倒しても倒してもキリがありません。
そこでマリンが提案するのは前代未聞の「作戦タイム」。
マリンでなくてはこのような芸当は出来ません。
タイム!の掛け声が掛かるとスナッキー達は律儀にも待ってくれました。
マリン、サンシャインとコフレ、ポプリは丸くなってひそひそ作戦会議を始め、
一か八かスナッキーに変装して何気ない顔で移動するという手法を思いつきます。
『スナッキーの諸君。お待たせしました』
サンシャインによる生徒会長らしい呼びかけと共に、
待ちくたびれたスナッキー達が一斉に襲い掛かりますが、
マリンとサンシャインによるプリキュア大爆発であっさりと片付けられました。

ムーンライトとダーク様の激戦の場に駆けつけ、加勢を申し出るブロッサムですが、
ムーンライトに制されてブロッサムもその因縁を知り、身を引いて戦いの行方を見守ります。
『お前を倒し、私は本当の私になる』
殴り、蹴り、投げ、光弾を放つ、互いに一歩も引かぬ激しい応酬が繰り広げられます。
ムーンライトが優勢と思われますが、そこに現れるサバークが横槍を入れました。
『久しぶりだな。ムーンライト』
久々に相対するムーンライトと、初対面となるブロッサムの前に現れたサバークは、
仮面の下から不敵な笑みを漏らします。

スナッキーの衣装を身にまとって城内を行くえりか、いつきは
途中大勢のスナッキー達と鉢合わせになり、何とかやり過ごそうと
適当にスナッキー達の言葉を真似て相槌を打って誤魔化します。
しかし相手がスナッキーと言えども簡単に誤魔化せる筈はなく、
スナッキー達は一様に不審者を見る目で見返していました。
その状況は向こうにプリキュアがいると促すポプリの機転で乗り切り、
えりかといつきは今の内に薫子さんの許へと急ぎます。
しかし最後尾のスナッキーが振り返った時に気づかれて、
スナッキー達は一斉に引き返し追いかけて来ました。

そしてえりかといつきはようやく薫子さんの許へ辿り着きます。
スナッキーの変装をしているために初めは誤解されましたが、
変装を解きようやく薫子さんに会えた事で緊張の糸が切れ、
力が抜けてその場にへたり込んでしまいました。
疲れきった2人のために薫子さんはコッペ様に心の種を出すよう促し、
そこから放たれる光を浴びるとみるみる疲れが癒え、再び力が漲ってきます。
それはこれまで頑張って集めてきた心の種の力、
枯れた地上でプリキュアの戦いを見上げるみんなが与えてくれた力です。
力を取り戻した2人は、追って来たスナッキー軍団を前に再び変身、
そして一斉にスナッキー軍団を蹴散らします。

赤黒い光を撒き散らして介入するサバークによって、
ムーンライトとダーク様の一騎打ちは、次第にムーンライト劣勢となりつつあります。
2人の戦いの邪魔をしないようサバークに立ち向かうブロッサムは
あえなく赤黒い光に跳ね飛ばされ、ブロッサムに気を取られたムーンライトは隙を突かれ
いつも以上の対抗心を燃やして攻め掛けるダーク様の猛攻を畳み掛けられます。
『消えろ!そして私が真のムーンライトになる!』

ブロッサムはサバークに史上最弱だと貶されても、
少しずつ変り、チェンジした事を訴えて立ちはだかります。
『確かに昔の私は弱くて臆病で、とても引っ込み思案でした。でも・・・!
 えりかと出会って、プリキュアになって、気付いたんです』
ブロッサムが、つぼみが気付いた事。
それはえりかやいつきのような太陽のように強く明るい人も、ゆりのような深く静かな人も、
みんな心のどこかに悩みを抱えて苦しみ、それでも光を求めて
一生懸命生きていると言う事でした。
植物を上手く育てられない事を気に病んでいた園芸部の水島アヤ部長
つぼみへの密かな想いを打ち明けられず、辛い別れに涙した中野みつる君
亡き母への想いを胸に、母代わりとして、姉として悲しみを抑え続けた志久ななみ
演劇への思い入れが強すぎるが故に孤立し、人知れず涙を流したキュアリズム高岸あずさ・・・
ブロッサムはこれまで一人で殻に篭っていたために解らなかった人の想いを、
今まで目の当たりにしてきた人々が悩みを持ち、それでも立ち直った姿を見て知ったのでした。

『人の想いなど必要無い。弱ければ何も守れないではないか!』
そう言い放つサバークに、ブロッサムは枯れた地球をバックに高らかと宣言します。
『今の私には大切な仲間がいて、愛する家族がいて、大好きな友達がいます。
 私は、この世界が大好きです!
 ちっぽけでも、史上最弱のプリキュアでも、みんなの心を必ず守って見せます!
 その気持ちだけは誰にも負けません!』
地球は枯れ果てていても、水晶に封じられていても陽一パパとみずきママがいる。
枯れた大地には、プリキュア達の帰りを待って見上げている人々がいる。
ムーンライトは力強く宣言するブロッサムを頼もしげに見上げ、
そして突っ込んでくるダーク様を片手で受け止めました。
『プリキュアみんなの想い・・・受けて見なさい!』

ブロッサムもシプレと連携し、シプレの「全部パンチ」を顔面に受けたサバークが怯んだ隙に
サバークを蹴り飛ばします。
そしてムーンライトもダーク様を殴り返し、腕を掴んで蹴り飛ばし、
追い打ちとばかりに光を放ちました。
ところがサバークがダーク様を庇うように割って入り・・・

サバークの足元に落ち、割れる仮面。
その素顔を見たムーンライトは、信じられないものを目の当たりにします。
『・・・お父さん!』
大方の予想どおり、サバークの正体は数年前フランスで消息を絶ったゆりの父
薫子さんはそれに気付いていたからこそ、
ブロッサムにサバークとムーンライトの戦いを阻止するよう頼んだのでした。
『私は一体・・・』
今までの事を覚えていないような父を前に変身を解き、
ムーンライト、いや月影ゆりとして呼びかけます。
『お父さん!忘れたのですか?ゆりです。あなたの娘のゆりです!』
娘の呼びかけに徐々に我に返る、サバークだった男。
しかし親子の対面は苛立ちを露にしたダーク様に阻まれます。

『よくも私の父を傷つけてくれたな!』
ダーク様もまた、サバークだった男、月影博士を「父」と呼びます。
ダークプリキュアという存在は、サバーク博士がムーンライトを倒すために生み出したもの。
ゆりは父が「自分を倒すために」生み出したという事実に打ちひしがれ、
間違いであって欲しいと懇願するように父に問いかけます。
『お父さん!何かの間違いですよね?お母さんと私を置いてこんな事になるなんて・・・
 お父さん!?』
目の前の父は何も答えられず、目を逸らすだけ・・・
肯定はせずとも否定もしない態度を見て、ゆりは割れた心の種を取り落とし
ただ呆然とするばかりです。

『月影博士はもはやお前の父ではない。私の父。
 サバーク博士のためにお前には消えてもらう!』
戦意を失ってしまったゆりに襲い掛かるダーク様をブロッサムが食い止めます。
『邪魔をするなッ!消えろッ!消えろッ!消えろッ!消えろッ!』
まるで聞き分けの無い子供のように喚き散らすダーク様の攻撃を受け止め、
常にムーンライトに叱咤されていたブロッサムが逆にゆりを叱咤します。
『ゆりさんのお父さんがこんな風になったのには、きっと何か深い理由があったんです。
 そのお父さんを守る為にも、ココで負けるわけには行きません!』
そして前回、ダークプリキュアに打ち克つ事がかつての自分に打ち克つ事と言っていたと指摘し、
ゆりは自分に負ける人ではないと、
そして月影博士にも自分の本当の気持ちを信じるよう訴えます。
割れた心の種に目を落とし、手を伸ばすものの、未だゆりは踏ん切りがつきません。それでも・・・
『私達プリキュアの想いは、ゆりさんと共にあります!』
ダーク様の攻撃を押し返すブロッサム。その姿を見て、ゆりの迷いは消えました。

怒りに任せたダーク様は赤黒い光球を槍に変え、
某ニーベルン・ヴァレスティのように投げつけてきます。
その槍はブロッサムと、心の種の欠片を手にしたゆりと2人で防ぎきりました。
ゆりが再び立ち直った事に満面の笑みを浮かべるブロッサム。
しかし気を張りすぎたのか、力尽きて膝を突いてしまうブロッサムに言葉をかける
ゆりの口調は、少し上からのようないつもの口調に戻りました。
『キュアブロッサム。あなたのおかげで、私はもう一度戦う勇気を取り戻したわ。ありがとう・・・』
そしてブロッサムやみんなの想いを胸に、ゆりは再びムーンライトへと変身します。

変身の余韻のような花びらが舞う中、相対する光と闇、宿命の2人。
『これで終わりにしましょう・・・』
『いいだろう。私達はどちらかが消えるまで戦う定め』
『たとえ私が消えたとしても、ブロッサムがいる。マリンがいる。サンシャインがいるわ』
『そいつらも全て倒すだけの事』
『簡単には倒されない。それがプリキュアの絆!』
戦いの火蓋が切って落とされ、再び凄まじい応酬が繰り広げられます。
そして互いにタクトを取り出し、この一撃で結着をつけるべく
互いにフォルテッシモで勝負をつける2人。
枯れた地球を背景に、2人にとっての「父」が見上げる前で、
2人の「娘」は激しくぶつかり合います。
『勇気、愛、友情、優しさ、悲しみ、喜び、沢山の気持ち・・・
 みんなの心、仲間との絆、命と心に満ち溢れたこの世界を・・・私は守る!!』
ムーンライトは一人ではありません。
桜色の、水色の、黄色の花びらのような光がムーンライトを後押しするように集り、
そして・・・遂に押し切られるダーク様。
『ハァアアアアトキャッチ!!!』
ムーンライトの掛け声一閃、炸裂する閃光。
そして倒れるダーク様を闇が包み込むように、暗転。


今回の前半は、本当にこれがシリアスなシリーズ最終版の展開なのか?と
予想のはるか斜め上のコミカルな内容に驚かされました。
最初は場違いな印象を抱いてしまいましたが、
見返して見るとこれは様々なチャレンジをし続けたハートキャッチシリーズに相応しく、
何よりえりか=キュアマリンというキャラクターを存分に活用した構成だと思いました。
相手がスナッキーだったとはいえ、堂々と戦闘中にタイムを申し出るとは、
過去のどのプリキュアにも出来ることではありません。
スナッキーに扮した後の「キー」言葉でのスナッキーとのやり取りや、
薫子さんに警戒されてしまう等のコミカルな流れも、
親と子が不倶戴天の敵として対面するという
後半の重い展開を和らげる効果があったのではないでしょうか。
そしてほぼフルバンクで描かれるマリンとサンシャインの変身シーンは
流れが少々冗長になってしまったものの、この生き生きとした2人の姿を
じっくりと見せようと言うファンサービスのように思えました。

大方の予想通り、サバークの正体は消息不明のゆりの父でした。
何故サバーク博士となったのか、このあたりの謎解きがまだ残されていますが、
おそらく次回、ダーク様誕生の秘密等とあわせて描かれるものと思われます。
ただ、仮面の下から現れた素顔はあまりにやつれており、
父の写真と重ね合わせて見てもあまり同一人物に見えない気が・・・
後ろめたいが故にオドオドしている素振りも、
どことなくダークプリキュアという隠し子がいた事を実の娘に追及されているような
妙な情けなさが感じられたのは私だけでしょうか(笑)
極めてシリアスな展開ながら、ちょっと笑えてしまいました。

冗談はさておき、これからサバークをどのように扱うのか気になります。
洗脳が解け、月影家に戻ってゆりと春菜ママと三人で幸せに暮らす、
という展開にするには、サバークはコロンの殺害という重い罪を犯しています
ゆり=ムーンライトにとって唯一無二の存在だったコロンを殺している以上、
わだかまりを捨てて共に暮らすのは難しいのではないでしょうか。
また、罪を償うために一人旅立つという展開も考えられますが、
これでは取り残されるゆりと春菜ママに再び寂しい家庭をもたらす為、これも難しそうです。
そうするとご都合主義と言われてしまうかもしれませんが、
なんらかの形でのコロン復活、人間に転生したダーク様と共に
4人家族になった月影家、というのが無難に思えますが、果たしてどうなるのでしょうか・・・

さて、ダーク様は薫子さんが先週指摘したように、
サバークがムーンライトに似せて創ったものでしたが、
何らかの形でゆりの内面を利用したように思えました。
基本的に冷静ながら時折熱さを隠し切れないダーク様ですが、
今回はいつも以上に興奮しており、「消えろッ!」と連呼しながら攻撃を畳み掛ける様は
さながら駄々っ子のように映ります。
ムーンライトとなったゆりが抱えた心の闇は、明らかに父の不在に原因があり、
父への愛情に飢えている心を利用して創られたのがダーク様に思えてなりません。
父がいない、父に甘えたい、寂しい・・・
その反動がダーク様の「父」を独占したいような振舞いに現れているように思えました。
ダーク様がムーンライトに対して燃やす対抗心は、
「父」に創られた存在であるが故に実の娘になり得ないという、
実の娘であるゆりに向けられた嫉妬に見えます。
そして、幾多の後押しを受けたムーンライトに対してダーク様を加勢する者はいませんでした。
最も敬愛する「父」の前でそれを見せ付けられたダーク様は、不憫でなりません。

そのダーク様を取り巻く状況は余談を許しません。
次回予告ではダーク様の今際の際のような姿が映っており、
密かにダーク様ファンを自認する私としては来週の展開が気になります。
救われないのなら、せめて美しく印象的な最期を望みたいものです・・・
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。