SSブログ

プリキュア5 第29話『のぞみの一日マネージャー』 [Yes!プリキュア5]

またしてもプリキュアシリーズ夏休み終了前の恒例行事、
宿題をやり残したのぞみのエピソードなのですが・・・ 
のぞみの孤軍奮闘マネージャー業を彩るみんなの絶妙なノリツッコミ、
江戸を舞台にノリノリで立ち回る4人と2人とブンビーさん、
そしてブンビーさんが突っ込みに回ると言う珍しい展開など、 
プリキュア5シリーズの楽しさとはこの雰囲気だと思わせる、とにかく楽しい一編です。
  
もうすぐ夏休みも終わりだと言うのに、
のぞみは例年の主人公達の例に漏れずしっかりと宿題を残していました。
特に難物の自由研究はまだテーマすら決まっておらず焦るのぞみを、
テーマが探せるかもしれないと、うららは自分の仕事先に誘います。
のぞみはどうせならみんなで行こうと声を掛けますが、
りんちゃんは店の手伝い、かれんはピアノのレッスン、こまちは着付け教室と
あいにくそれぞれ予定が入っていました。
そんな中行きたそうにそわそわしているミルクに声を掛けると、
『ココ様とナッツ様のお世話があるから行かないミル!
 美味しいものを食べたり遊んだりなんてしたくないミル!』
相変わらずの天邪鬼ぶりですが、行きたいという気持ちはバレバレです。
その心境を察して小々田先生はナッツ(人間姿)に、
ナッツハウスが夏休みを取っていない事を指摘して、一緒に行こうと申し出ました。

暑っ。外はムシムシする。しかしどうも様子がおかしい・・・この私をムシするなんて、
 カワリーノさんは一体何を考えているんだ?まるで
ムシイカのような扱い。ムシだけに?
 何つって何つって、そんな事言ってる場合じゃないんだよ。

 ムシろ、このままでは私の立場が危うい。この際何かアピールをしておくべきかも知れんな。
 そして昇進と言う名の栄光をこの手でムシりとってやる!』
ブツブツ洒落っ気満載の台詞を呟きながら危機感を感じ、ブンビーさんはやる気を燃やして
ナッツハウスへ来襲します。しかしせっかく暑い中歩いてきたのに、
ナッツハウスは休業しており店先で地団太を踏みました。

本日うららの最初の仕事は遊園地の野外音楽堂でのライヴです。
鷲尾さんとのぞみは楽屋で挨拶を交わした後、携帯が鳴った鷲尾は、
そのまま相手と話し込んで楽屋の外へ行ってしまいました。
続けてうららも衣装に着替えるために楽屋を出た後、
のぞみはテーマを探すべく手帳を取り出します。
荷物に潜んでいたミルクは遊園地なんか見たくないなどと意地を張り、
相変わらず素直じゃありませんが、ここでもココとナッツが空気を察し、
ミルクを連れて外へ散歩に連れ出しました。
そしていつの間にか楽屋にいるのはのぞみ一人です。
この状況で楽屋の電話が鳴り、戸惑いながら電話に出てみるとそれは
うららの次の仕事先からで、今日の午後からのCM撮影の開始時間の変更の連絡です。
最初は慌てたものの、のぞみは冷静に手帳にメモして行き、
その事を鷲尾さんに伝えようと探し回りますが、見つかりません。

探す合間、恐る恐る会議室を訪ねてみると、
本日の公演内容を巡ってサーキュラス舞台監督が怒鳴っていました。
のぞみはうららの関係者と認識されて会議の輪に加えられ、
曲順の変更を「マネージャーさん」からうららに伝えて欲しいと
舞台監督以下スタッフ達からすっかり「マネージャー」として扱われています。
そんな折、バンドのキーボードが出演できず、代役も見つからないとトラブルが舞い込み、
ライヴ中止も止むなしという空気になりかけますが、
のぞみは「音楽が大得意な友達」に心当たりがあると切り出しました。

バンドの演奏をバックに「とびっきり!勇気の扉」の歌声が野外音楽堂に響き渡ります。
『で、私が呼ばれたわけね?』
次の撮影場所へ向かう車内で、見事キーボードの代役を務め上げたかれんに
恐縮するのぞみとうららですが、かれんは気にしておらず、ライヴ成功を喜んでいました。
次は時代劇村で撮影、ちなみに予定より一時間開始が遅れると、
先ほどのメモを片手にのぞみはすらすらと答えます。

着物に着替えて30分後にリハーサル、休憩を挟んで本番の撮影と
スケジュールの確認をするのぞみは鷲尾さん顔負けの仕事ぶりです。
その鷲尾さんの携帯が再び鳴り、またまた話し込んで中座する鷲尾さん。
入れ替わりで着物の着付け担当が全員出払っているとトラブルが舞い込みますが、
のぞみには着付けの出来る人に心当たりがあります。

『で、今度は私が呼ばれたわけね?』
再び恐縮するのぞみとうららに、
こまちは困っているうららを放って置けないと気に留めていません。
ところがまたまたトラブルが舞い込みました。
突然監督がセットの花を全部取り替えたいと言い出したようですが、「花」といえば・・・

『で、最後に私が呼ばれたってわけ?』
またまた恐縮するのぞみとうららですが、
りんちゃんとしても新しい取引先が増え、かえって良い結果になりました。
結局全員揃ってしまい、夏休み最後のイベントのような賑やかさです。
しかしのぞみは肝心の自由研究のテーマをまだ見つけておらず焦っていますが、
そこにやってくるスタッフはすっかりのぞみを「マネージャーさん」と呼び、
監督が呼んでいると告げて打ち合わせに引っ張っていきました。
その頃、本職のマネージャーさんといえば・・・
『昨日は朝まで付き合わされて殆ど寝てないんですよぉ。
 今日もバタバタと忙しくて、もうどれだけぇ~ですよ。あ、今度一杯行きます?』
さっきからずっと電話で話し込んでいました。

突然みんな着物を着せられてエキストラとして出演することとなり、
リハーサル無しでいきなり本番という無茶振りに戸惑います。
監督に良いエキストラはいないかと聞かれたのぞみが即答したと知り、
腹を括って撮影に臨みます。
『あの、どんなお芝居を?』
『雰囲気出てればそれでいいッス。あとはCGでなんとかしますんで』
そんな適当でいいのかという疑問はさておき、他のエキストラの皆さんも続々集まる中、
一人編笠を被った不審人物が紛れ込んでいました。
言うまでも無くそれはブンビーさんで、わざわざ普段のコーディネートに合わせた
赤と黒の着物を纏い、アピールに意気込みます。そしてカチンコが鳴り、本番開始です。

『待てい!この娘たちには』
『指一本、触れさせねえぜ』
4人の町娘(約一名、大奥御年寄を含む)をならず者から守る若侍を演じる小々田先生とナッツ。
既にエキストラというより主役級ではないかと思われますが、
2人の見場が良いため監督もご満悦、そして町娘たちもノリノリです。
『きゃー、若様ぁ!』『若様?』
『わらわを守るのぢゃ』『わらわって・・・』
『お主も悪よのぅ』『それ違うんじゃ』
芝居の最中でもりんちゃんが忙しく突っ込む4人の前に、例の編笠浪人が立ちはだかります。
『ナイトメア組の出世頭、上級幹部のブンビー様とは、ぁ俺の事ったぁ~!
 今日こそてめぇらのお宝ぁ、頂くでござるよ!』(それにしてもこの中間管理職、ノリノリである)
網笠を脱ぎ、抜刀して見得を切るブンビーさん。逃げる町娘(約一名、大奥御年寄含む)。
追うブンビーさんとエキストラのみなさん。
カットの声が掛かりますが、追うブンビーさんたちの芝居はまだ終わりません。

ブンビーさんに先回りされ、町娘(約一名、大奥御年寄含む)を守るべく、
抜刀して青眼に構える小々田先生と、居合いの構えを取って鯉口を切るナッツ。
堀の鯉が飛び跳ねる音が静かな緊張を破り、
それと同時に切りかかるブンビーさんと小々田先生はチャンバラを繰り広げます。
かつてフリーザ様を一刀両断したり、ナイト・オブ・ロードスだったり、烈火剣を振るっていたり、
アルベイン流剣術の使い手だったりした小々田先生もこの作品では非力そのもの。
あっさりとブンビーさんに押し返され、その隙を突いて踊りかかるナッツもまた、
ココが取り落とした刀にぶつかり、2人とも珍獣姿で目を回しました。
『あんたら弱ッ!』
りんちゃんでなくてもこう言いたくなりますが、
それでもうららとミルクは倒れたココに駆け寄り、その最期(笑)を看取ります。
『さ・・・撮影用の刀でなかったらやられていた・・・ココ・・・』
事切れる?ココを抱え、泣き演技を始めるうららとミルクに、
りんちゃんだけでなくブンビーさんまでもが突っ込みを入れる始末。
『だからやられてないって』
『ちょっと何してんだおまえら・・・』
そこに我らが主人公、のぞみの声が響き渡りました。
『この大江戸八百八町の平和を乱そうなんて奴ぁ、
 お天道様が許してもこの私が許しておくもんかぃ!
 金輪際、てめぇの好き勝手には、ぁさせないんだからぁ!』

クラシックな自転車を漕ぎながらべらんめえ口調で威勢よく登場したものの、
自転車が止まらずそのまま堀に突っ込んでしまうのぞみを
呆れながら助けに向かうりんちゃんの後ろで、流石のブンビーさんも唖然としていました。
しかしブンビーさんは仕事を忘れた訳ではありません。
手近な蔵の中、甲冑に仮面を被せて巨大な鎧武者コワイナーを生成します。
『江戸の町を壊すたぁ、こいつは勘弁ならねぇぜ!いくぜぃ、皆の衆!』
まだべらんめぇ口調が抜けないのぞみに促され、みんな着物姿から変身します。

五重塔に飛び移り上空から仕掛けるルージュ、
長屋の間を行き、目の前に振り下ろされる刀を蹴り折るドリーム、
城の天主から飛び掛るアクア、江戸の町を駆け回るミントと、
相手が大きいだけあってスケールの大きな戦いが繰り広げられます。
そしてレモネードはココ達を守ってお白州を駆けていると奉行所の戸が開き、
その中から案の定、ブンビーさんが登場しました。
『控えぃ!控えおろぅ!こちらにおわす俺様を誰と心得るぅ!
 恐れ多くも少なくも、あ天下のぉ・・・』
その口上をムシして走るレモネードに憤ったブンビーさんは、
口上を最後まで言わせるのは暗黙のルールだと襲い掛かって来ます。
単身ブンビーさんと渡り合うレモネード。
そして巨大なコワイナーにしがみついている4人ですが、
振り落とされたルージュは鐘に、ミントは茅葺屋根を突き破って土間に、
ドリームは井戸端に、アクアは襖を何枚も破って城内へ、
みんな派手に叩きつけられました。

レモネードは今日一日、力になってくれたみんなの姿を想い、静かに怒りを燃やします。
『私のためにライヴを手伝ってくれたかれんさん。着付けをしてくれたこまちさん、
 お花を届けてくれたりんさん、そして一日一緒にいてくれたのぞみさん。
 私のために頑張ってくれた仲間を、大切なみんなを傷つけるなんて・・・
 絶対に・・・絶対に許さない!』

コワイナーの折れた剣が振るわれようとする最中、レモネードの新たな力が発動します。
プリキュア・レモネードシャイニングを浴びたコワイナーはそのまま消え失せ、
ブンビーさんもまた江戸弁で負け惜しみを吐きながら撤退して行きました。
『アピールして昇進しようと思っていたのに!
 今日のとこらぁこの辺で勘弁してやらぁ!てやんでぇ、べらぼうめぃ!』

鷲尾さんにいいマネージャーになれると太鼓判を押されたものの、
のぞみは肝心の自由研究のテーマを見つけらず、がっかりして手帳を取り落としました。
ところがその手帳には、うららの現場スケジュールや変更点、
細かい指示、そしてライヴの感想などがびっしりと書き込まれており、
とてものぞみが書いたものとは思えず、
うららの大事な事なので一生懸命になれたようです。
この手帳を見たかれんは、これが自由研究になるのではと提案します。
確かに芸能マネージャーの一日は、そう体験できるものではありません。
結果オーライで自由研究の見通しが立ち、再びのぞみに笑顔が戻りました。


まるで仕事をしていない(取引先との長電話も仕事の内ですが)鷲尾さんと裏腹に
のぞみはうららのスケジュール管理やトラブル処理を適切に処理します。
普段の駄目駄目なのぞみとは思えない程の高い処理能力を見せますが、
自分の事でなく他人(うらら)のために一生懸命になれるという点は
当初からのぞみのブレていない特徴です。
仕事をする上では、必ずしも学校の成績は関係ありません。
そしてのぞみは他の4人のように特に秀でた能力はありませんが、
あらゆる事柄に向いていないのは、裏返せばあらゆるものに適正があると言う事です。
何より人のためなら思い切り頑張れるという点がのぞみを主人公足らしめており、
あの絶体絶命の窮地を乗り切る事が出来たのでしょう。

とはいえ、今回は作中で語られる「夏休み最後のイベント」の言葉どおり、
実に賑やかかつ華やか、アクションも派手と、純粋に楽しめる要素が多い一編でした。
うららの支援ではかれん、こまち、りんちゃんがそれぞれの持ち味を活かし、
改めてみんなの個性を前面に押し出しています。
(ぶっつけ本番、かつおそらく初見でライヴを乗り切ったかれんは少々凄すぎですが)
そしてのぞみ以外の4人とココ、ナッツ、ブンビーさんによる時代劇のインパクトは強烈です。
みんなが可愛らしい町娘の扮装なのに、
一人だけ大奥御年寄(決して貶めている言い回しではありません)のようなかれん、
どさくさに和髪を結っているミルク、編笠が妙に似合うブンビーさんなど、
各々がもはやエキストラという枠を超越した演技っぷりで、
果たしてどんなCMが仕上がったのでしょうか・・・?
前回の浴衣変身のように、和装&和髪からの変身を一人ずつ見せるような
変身バンクもなかなか強烈でした(特にかれん)。

他にも冒頭の場面でやたらと「ムシ」を強調し、
後半でレモネードにも「ムシ」されるブンビーさん。
アクションの最中で叩きつけられる際、あまりにも豪快に投げ飛ばされる4人。
そして「春日野うらら」の魅力を押し出すために熱くなりすぎている舞台監督は、
幼い黄色キャラクターつながりの「シャイニールミナス」にこだわっていたサーキュラスのようで
ウラガノスと来世でめぐり合った因縁を見たような気がしました。
残念ながらこの舞台監督(演:上別府仁資さん)とブンビーさん(演:高木渉さん)が
作中でニアミスすることはありませんでしたが・・・

さて、楽しい話ばかりが続いていてはメリハリがなくなります。
次回は再びミルクが揉め事を起こし、そしてアラクネアさんが・・・
これまでのブンビーさん像を一変させる場面が記憶に残る一編なのですが、
(株)ナイトメアのみなさんにどうしても肩入れしてしまう私にとって、
出来れば避けて通りたい一編でもあります。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 2

まるっさ

『今日MXでやってたよシリーズ』になり、恐縮ですが・・・

こうやって再度観てもやはり面白く、しかもみんな一人一人は単独では完璧でなくてもそれぞれ一つずつ秀でた部分があれば全体で大きな力になるという『5』ならではの魅力を改めて確認させてくれた回でもあります。一種の童話めいた話ともとれますが・・・。

そして画期的なのはいわゆるテンプレ駄目主人公なはずののぞみの秀でた点がはっきり描かれたところであったと思います。良い意味で意外性のある展開なだけに、今でも面白さとともに印象に残っている回であります。

・・・絶対丸見えすぎるだろ!な、のぞみさんに土器土器しながら(おい)。

そしてりんちゃんさん、ツッコミ無双お疲れ様。

そしてのぞみさんだけは『一日一緒にいてくれるだけ』で十分なうらら・・・ごちそうさま。

そして次回・・・誰がアラクネアさんを責められようか・・・様々な『すれちがい』が切なく悲しくそして5の人間ドラマを厚みのあるものにしてるともとれる回かと思います。いやそりゃあちょっとは敵の事情がプリキュアに伝わればなと思わずにはいられないんですけどねw
by まるっさ (2012-01-11 21:41) 

スティクス

>まるっささん
私、この話大好きなんです。楽しいですよね。
みんなが一人ずつ集まってくる前半も良いですし、
なんといってもなんちゃって時代劇の楽しさ。
突っ込み役がりんちゃんしかいない状況に見かねたのか、
ボケていた筈のブンビーさんまでもが突っ込んでしまうのも(笑)
それだけでなくのぞみの隠れた?適正もしっかりと描いており、
5の日常話の楽しさはここに結集されていると言えますね。

そして、この楽しさがあるからこそ
アラクネアさんの悲劇が引き立つのかもしれません。
「if」は禁物ですが、もしも敵との歩み寄りがあれば、
あるいは少しでも事情を知る事が出来れば、
果たしてどうなっていたでしょうか・・・
by スティクス (2012-01-12 07:35) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。