SSブログ

魔法つかいプリキュア!第47話『それぞれの願い!明日はどっちだー?』 [魔法つかいプリキュア!]

 ベローネ学院の「あしたの像」や、らんこ先輩の「燃え尽きた根性ドーナツくん」など
 少女向け作品なのにあしたのジョーネタが時折見受けられるのは、一体(笑)
 今回も次回予告の丹下段平っぽく読み上げたくなるサブタイトルですが、
 本当に「明日がどっち」なのかわからなくなってしまう今回。
 混沌がもたらす混乱に、二つの世界が呑みこまれようとしています。
  
 みらいは目を覚ましました。
 カーテンを開けると、柔らかな冬の日差しが、窓の外に広がる街を優しく包んでいます。
 リコも、ことはも、それぞれの部屋で朝日を見上げています。
『今日も一日、ワクワクもんだぁ』
 穏やかな一日が始まろうとしています。
 ところが・・・
  
 魔法界には異変が起きていました。
 常に春のはずだった魔法学校に雪が降り、初めての光景にどよめく生徒達。
 校長とリアンは災いの始まりを感じ取りました。
 大いなる災い。終わりなき混沌、デウスマスト。
 宇宙の彼方から、それは近づきつつあります。

 デウスマストの気配は当然ベニーギョ様も察しています。
 この世界が風前の灯と分かっていても、プリキュアだけはこの手で倒そうと執念を燃やしています。

 今日で冬休みも終わりです。
 宿題を終えてお出かけするみらい達を、かの子さんと両親が、
 見送り様に今夜は鍋料理にしようと言いました。
 例によって最新式のIH鍋を自慢する大吉さんと、妙に笑顔が怖い今日子さんというお約束を経て
 鍋料理を知らないリコとことはに、みらいはどんなものなのか教えてあげます。
 お肉やお魚に白菜にキノコたっぷり入れて柔らかくなるまでじっくり煮込む
 ・・・って、最近寒くなり始めた夜に見ていると飯テロになりそうな解説です(笑)
 まだ見ぬ鍋料理に想いを馳せつつ、出発しました。

 津成木駅では、こちらで生活している魔法使い達が帰省する姿が見受けられました。
 もっともリコは普段から行き来しているため、こちらで過ごすつもりです。
 するとキュアップ・アパパと間違った魔法の言葉を練習している勝木さんの姿がありました。
 先日見かけた魔法使いの言葉を覚えておけばよかったとボヤきながら
 ホイップでもなく、ララップでもなく、キュピップでもないと練習しています。
 見かねたことはが、勝木さんに駆け寄りました。
『キュアップだ・・・二度と間違えるな。魔法の言葉はキュアップラパパというんだ!
 ララップでもキュピップでもない!』

『すまんね』
『ニヤリ!さらにわざと間違えて怒りを(以下略)※台詞は一部異なります
 正体をバラされかねず、みらいとリコは慌ててことはを引きとめました。

 続けて学校へ向かうと、冬休みだというのにゆうとが花壇の手入れをしています。
 生徒会長の仕事ではなくとも、地道に着実に、誠実に働く姿は胸を打ちます。
 そしてグラウンドでは壮太がサッカーの練習に励んでいました。
 壮太にボールを取ってくれと頼まれたリコが、自信なさそうに蹴るボールは見事ゴールへ。
『狙い通りだし』
 蹴った本人は驚きを隠しながら、いつも通りのお澄ましと強がりを見せています。

 みらいはナシマホウ界でしか出来ない「初詣」をするため、リコとことはを神社に連れてきました。
『こうして一年間のお願いや目標を目を閉じて心の中で言うの』
 みらいに促されて、みんなも神社へお参りします。
『みんなと一緒に愉しく過ごせますように』
『甘いクッキーを沢山食べてはーちゃんみたいに大きくなれますように』
 ことはとモフルンがそうお願いする中、みらいは皆より長くお願いしています。
『魔法界もこっちの世界もみんな一緒に笑顔になれたらいいなって』
 二つの世界で体験した、様々な出来事が、お参りしている間に思い浮かんできました。
『私はみんなの笑顔を見るのが大好きだから』
 そしてリコのお願いは、立派な魔法使いになることでした。
『今年は三年生になるし、もっともっと勉強頑張らなくちゃね。
 ナシマホウ界でも魔法界でも一番の成績を取って、そして卒業したら・・・』

 そこまで言って、リコははっとしました。卒業したその先は、いったいどうなるのか。
 彼女にはまだわかりません。
『これからも、ずっと今みたいにみんなと一緒にいられるのかな?』
 ことはもつられて、今後の事に不安を募らせました。
『明日も一緒だよ。リコもはーちゃんもモフルンも、明日は一緒に学校だよ』
 不安を抱く二人の手を取り、みらいは笑顔で答えました。
 ちょっと冷えて来て、みんなでおしくらまんじゅうで暖まります。

 その時、混沌がやって来ました。

 校長達が戦慄する中、おしくらまんじゅうをしているみらい達は、まだ異変に気付いていません。
 突如、日食のように太陽が黒くなりました。
 暗い太陽を背に、ベニーギョ様以下、眷属達が集い始めます。
 ナシマホウ界の人々が暗い空を見上げてどよめく前で、ベニーギョ様を媒体に眷属達が融合。
 ・・・すみません。私このベニーギョ様見て思いっきり冷めました(笑)。以下「様」を外します。
 それはさておき、世界の異変を目の当たりにしたみらい達は、サファイアスタイルで立ち向かいます。

 圧倒的なパワーで襲いかかり、石段を這い上ってくるベニーギョ。いや怖いって(笑)
 口から光線を発して町を薙ぎ払うとか、それディスピア様の役目ですって(笑)
 ベニーギョとプリキュア達の戦いを、人々が慄きながら見上げています。
『全ての世界は混沌に飲まれて無くなっちゃうんだよ!』
 ビルを破壊し、口から光線を吐いて暴れ回るベニーギョに、フェリーチェが立ちはだかりました。
『そんなこと、させません。私たちには明日があるんです!』
 フェリーチェがベニーギョを蹴り飛ばすのに続けて、
『そうよ!私たちにはまだまだやりたい事がたくさんあるの!』
 マジカルも蹴りのラッシュを叩き込みます。
『私たちは明日も一緒!みんなで笑顔でいるんだから!』
 そして三人力を合わせてのエクストリームレインボー。
 ベニーギョは抗い続けるも押し負けて、融合した眷属達と共に虹の彼方に放逐される・・・
 
 突然太陽から巨大な手が伸びました。
 腕の付け根からはもう一本の手が伸び、それは次第に人型を成して行きます。
 大いなる混沌、デウスマストが、ついに地上へその姿を現しました。
 ベニーギョだけでなく、倒した筈のラブー、シャーキンス、オルーバも復活し、
 デウスマストのもとへ集結。巨大な台風が、世界を覆います。
 その時フェリーチェは、マザー・ラパーパの姿を見た気がしました。
 ダイヤとエメラルドが輝きを発し、その眩い光の中に吸い込まれて行くプリキュア達。
 周囲に光が溢れ、そして・・・

 みらいは目を覚ましました。
 カーテンを開けると、柔らかな冬の日差しが、窓の外に広がる街を優しく包んでいます。
『今日も一日、ワクワクもんだぁ』
 先ほどの出来事は夢なのか?
 アナザーワン・バイツァ・ダストみたいに、同じ朝が繰り返しているような、奇妙な雰囲気です。
 みらいは窓の外に目を向けると、違和感を覚えました。
 同時にリコとことはが、血相を変えて飛び込んできます。
 そこにはほうきで飛ぶ魔法使い達や、ペガサスの姿が。
 町並みも、二つの世界が混ざり合っているようです。
『これって・・・どうなっているの?』


 ちょうど三作並行視聴をしているため、
 どうしてもハピネスチャ―ジやプリンセスプリキュアと比べてしまうのですが、
 みらい達にこれから最終決戦に臨むという緊張感が薄い事が目を惹きます。
 もっとも、それは「良い意味で」捉えています。
 大いなる災いや混沌について、校長をはじめとした学園関係者は気をもんでいますが
 みらいもリコもことはも、その問題にはさほど関心が強くありません。
 過去のプリキュア達も大義名分のためというよりも、自分達を取り巻く日常であったり、
 近しい人の夢や心を守るために戦うことが、結果世界を救うことに繋がっていました。
 その日常が今回は顕著に描かれており、他愛の無い日常だからこそ、
 それを汚させないという動機付けに繋がっています。

 怪しい魔法の言葉を練習する勝木さん、
 責任感のある行動がブレないゆうと、サッカーに一生懸命な壮太。
 これまでの彼らの歩みを見届けてきたからこそ、
 こうした日常の一コマが守りたいものだと思わせています。
 だからこそ、リコの「みんなと一緒にいられるのか」という疑問が、
 この日常がずっと続くのかという漠然とした不安を抱かせるのでしょう。
 リコに続いて、この場面ではことはも自分は一体何者なのか、
 自分はこの先どうなるのかといった不安を露わにしています。
 それを受け止めて繋ぎとめられるところに、みらいらしさが表れていました。
 その前の「お祈り」の時、みらいは長くお祈りしていたと指摘されています。
 実際にはこれまでの事を回想し、想いを巡らせていたのですが、
 普通の一年間では体験しきれない程、いろいろな事を体験して来ました。
 結果、多くの人の笑顔を見るだけでなく、彼女自身もたくさんの笑顔を積み上げて来ています。
 みらいが守るべきものは、世界のためとか、災いを退けるとか、そういうものでありません。
 今まで積み上げたものを守ることが、世界のため、災いを退けることに繋がっています。

 ようやく露わになったデウスマスト。ですが、本当にこれ、キモい造形ですね。
 今までプリキュアのラスボスでここまで気色悪いデザインの敵がいなかったので
 あくまで「倒されるべき相手」として嫌悪感を抱かせるようにしたのでしょうか。
 そしてラブー、シャーキンス、オルーバ、ベニーギョがデウスマストに代わって会話することで
 事実上のラスボスは彼ら四人全員というのも珍しいです。
 当初これだけの豪華キャストを束ねるラスボスは一体誰が演じるのだろうと思っていましたが、
 その予想が思いっきり外されて、こういうのもアリかと感じたのを思い出します。

 世界は始め混沌だった、というのは洋の東西で共通する世界創生の物語です。
 ならば混沌に戻ることが良いかと言うものでもありません。
 今回、家を出る前にかの子さんが「鍋料理」を持ち出したのは
 混沌との比較のためだったのかもしれません。
 鍋料理にはいろいろな具が合わさり、それぞれが味をしみ出す事で全体を味付け、
 さらに身も心も温めてくれる暖かさがあります。
 ただ混ぜて合わせるだけの混沌とは違う、と感じました。
 ・・・考えすぎかもしれませんが(笑)

 この時期に於いても勝木さんが相変わらずなのも楽しめました。
 キュアップアパパから始まる間違えた言葉は、
 初代の偽プリキュアこと響とリズ先生、もとい夏子と京子の
「さっさとおうちに帰りなさーい!」
 を髣髴とさせ、オールドファンをには憎い演出でした。
 そして神社でモフルンがお願いしている時の、
 大きくなりすぎたモフルンと、それを見て驚く勝木さん、という想像上のネタも
 オープニングの一場面を引用した遊び心がありました。

 デウスマストの襲来、夢か現実かわからない戦いの結末、
 そして目が覚めたら融合している世界。
 世界の変化を楽しそうに読み上げる次回予告が、かえって不気味さを醸し出しています。
 いつになく混乱した状況で、次回は最終決戦が始まろうとしています。
nice!(1)  コメント(1) 

nice! 1

コメント 1

MP

昨日「映画プリアラ」が公開され、新作「HP」と「映画PSS」情報が入る中、「まほプリ」も年明け。

魔法界ではいよいよデウスマストが現れる、魔法界住民や校長・教頭・リアンが恐れる中、ナシマホウ界の津名木町では普段と変わらぬ…というか正月風景。プリキュアの世界では正月は決戦に入るため、あまり正月ってのを取り上げないです(セイカかるたの蓋の和服はその代償か)。せいぜい「5」程度でしょうが、あれも正月がメインでなく、ナイトメア、それもいよいよカワリーノが牙を剝き出した話でした。

その正月風景、かなが呪文を間違えるってのは確かにメロディ&リズ…いや京子と夏子の「さっさとお家に帰りなさーい!!」ですし、おまけにその間違い、3代前の赤ん坊妖精を連想させる「キュピップ」が出たと思いきや、「ホイップ」とは!! 「もう次作の宣伝してるのか!!」と驚きました(でもあの子とはこの後といい今回といい…これ以上言えんか)。挙句の果てに巨大モフルンの場面、たしかにOPです(スマイルでもあったな)

だが後半、遂にベニーギョが倒されて全滅…と思いきや、倒されたラブー・シャーキンス・オルーバが復活し、とうとうデウスマストが完全復活!! あの4人の声で話すというのも異色です。そして最後、みらいが目を覚ましたところで「今までのは夢だったのか!?」と驚くと、なんと町が魔法界とゴッチャに!! いよいよこちらも決戦です。
by MP (2017-10-29 19:52) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。