新番組、かつ新学期の幕開けにもかかわらず
通学準備中のなぎさに迫る不穏な空気からスタートします。
朝っぱらから着替えつつポテチをつまむなぎさの背後から伸びる手・・・
その手にしっぺを食らわせるなぎさ。手の主はポテチを狙っていた亮太でした。
久々に繰り広げられる姉弟バトル。
理恵ママはなぎさを『3年生になるんだから少しは落ち着きなさい』と諭し
歯磨きしながら岳パパも登場。
『(訳)何だ何だー?二人ともー。朝から何を騒いでるんだ?』だと思いますが、
歯磨き中なので何を言っているのかわかりません。
久々に美墨一家の面々が揃う賑やかな朝の光景が繰り広げられた後、
登校直前に打って変わって神妙になるなぎさ。
『おはよう、メップル、ポルン。今日から学校なんだ』
引き出しの中で眠っているメップルとポルンに話しかけている頃、
同様にほのかも眠っているミップルに話しかけていました。
『行ってくるね、ミップル・・・』
光の園も平和で穏やかな時間が流れています。しかし・・・
長老と番人を呼び寄せたクィーンは、原初の姿に戻ってしまう事を打ち明けます。
ジャアクキングは今際の際にクィーンに一矢報いており、その最期の攻撃によって
クィーンは大きなダメージを受けたらしく今の姿を保てなくなってしまうとの事でした。
そして追い打ちをかけるかのようにジャアクキングも命の交代をするという
クィーンの予言に愕然とする長老と番人。
戸惑う二人に未来を託し、伝説の戦士と共に皆の心が繋がれば
前に再び現れる事ができるでしょう、と言い残して
クィーンは長老と番人にここから離れるよう促しました。
『今年もまたこの季節がやってきましたね』
『花見で一杯やるには最高の季節ですよ校長』
校長と教頭も久々に登場。教頭は相変わらずKYな発言とおべっかが達者な姿を見せ、
3年桜組のホームルームでもよし美先生以下、
2年桜組と変わらぬメンバーが揃っています。(クラス替えとか無いのでしょうか・・・?)
『最上級生としての自覚を持って下級生の見本となるような学園生活を送りましょう』
というよし美先生に、
先生の新婚生活について質問する志穂。
クラス全員満場一致で先生の新婚生活ぶりを聞くことになりますが、
唐突に顔を曇らせて『こう言っちゃ難だけど。私達・・・』と切り出す先生。急に表情を変え
『ラブラブモード、全開よ♥』
生徒達の冷やかしの声が飛ぶ中、うっとりした顔で暴走し始める先生。
『どこに行くのも二人一緒だし、私の耳元で『愛してるよ』って言ってくれるし 昨日だって私の作った肉じゃがをすごーくすごーく喜んでくれて、 私がおじゃがをあーん♥てすると、ダーリンも大きな口を開けてあーんって・・・』中学生には刺激が強すぎたのか、クラス全員赤面していることに気づき、
よし美先生咳払いをして一言。『と、とにかく悔いのない一年を送るように』
光の園は地震が発生し、クィーンの体内から光が溢れ、宮殿から立ち上る光。
そしてその光は2つの光を中心に12個の光とともにどこかへ飛び去ります。
番人と長老が玉座に駆けつけると、既にそこにクィーンの姿はありませんでした。
理科室では科学部長に就任したほのかによる挨拶が行われていました。
『何か一つでも成果を残せるよう皆で力を合わせてがんばりましょう。宜しくお願いします』
グラウンドでもキャプテンに就任したなぎさによる
『以上で今日の練習は終わります。解散!』という極めて簡潔な挨拶が行われ、
呆れた志穂と莉奈にキャプテンとしての抱負を求められたなぎさの抱負は
『一つでも多く、一つでも美味しいチョコを食べる事で・・・』
部員達はウケていますが、志穂と莉奈はダメだこりゃ、と長さんのように呆れていました。
なぎさは部員の全員一致の推薦によってキャプテンになったようですが、
皆をまとめていく才能なんてない、とほのかに打ち明けつつ下校しています。
そんなこと・・・と言いかけたほのかは、なぎさのカバンの中にいる
眠ったままのメップルに目を留めます。
実はほのかも眠ったままのミップルを持ち歩いており、
『もうお別れしたんだけど、毎日話しかけてるんだ』『私も・・・』
そんなしんみりした空気を振り払おうとタコ焼きでも食べにいこうかと切り出すなぎさですが
アカネさんの店はあいにく改装中でした。
夕暮れの河川敷。まるで突然その場に現れたように、夕焼けを見つめて佇む少女の姿が。
いつしか少女はなぎさとほのかが下校する道の反対側の歩道に立っており、
その姿に目を留める二人。少女もこちらを向き、一瞬目が合いますが
その間を車が横切った時、少女の姿は煙のように消えていました。
クィーンはいったいどうなったのか、長老による長い解説が語られます。
初めクィーンは光の意志の集まりで、気の遠くなるような時の流れの中で
三つの要素に固まり、さらに長い年月をかけて
大豪院邪鬼のような今の姿に。
その三つの要素とは命、心、そして12のハーティエル(志)で、
先ほど飛び去った光こそがこの三要素でした。
しかし・・・いつになくすらすらと解説する長老に疑問を抱く番人。
『ここは大事なところじゃからのぅ』確かに新番組として大切な所です。
『ワシにもTKOっちゅうもんがあるからのぅ』『TPO・・・』
番人の突っ込みが入るものの、長老のTPO、説明責任は果たしました。
突如暗雲が立ち込め、人気がなくなる街。そして倒れてくる街灯、信号機、電柱。
この感じはまさか・・・逃げ回りながら撃退した筈の闇の世界の仕業と案ずる二人。
信号や交通標識が入り混じったザケンナーが登場し、
今は普通の中学生であるなぎさとほのかは戦う術を持たず壁際に追い込まれます。
変身能力を持たないただの少女は怯えるしかできません。
そんな時メップルとミップルが光り、ザケンナーに体当たりして目覚めます。
再開を喜びつつも今は襲われている最中のため、変身を促すメップルとミップル。
しかし変身するよう促されても、変身する隙がなく逃げ回り、
『相変わらず要領悪いメポ』と陰口を叩くメップルに
なぎさのスリーパーが炸裂し、落ちるメップル・・・
そんなこんなの内にビルの谷間に逃げ込み、その隙に変身の体勢に入ります。
メップルとミップルどちらも形が変わっていますが、
これは販促の重要な要素のため促されるままに変身する二人。
変身シーンは虹色の光に包まれて飛んでいくメタリックな二人を踏襲していますが、
その後の衣装を纏う演出はブラックはより勇ましく、ホワイトはより軽やかに。
ブラックのジタバタ&豪快な着地は少し違和感がありますが、
ホワイトの着地の勢いを殺すようにバク転する演出は結構気に入っています。
変身後の口上も以前と同じ。
『やっぱりこれだよね』
『少し変わってるみたいだけど』
それは販促という事情があるので放送では一週間のブランクでも、作中では3ヶ月ほどの時が流れているため
久々の変身に感慨深そうな二人ですが、そのブランクにつけ込んだのか
ザケンナーに引き続き追い回され、そして捕まってしまうホワイト。
そんなホワイトを助けるべく蹴りを食らわすブラックは以前よりパワーが増している事に驚き
次いでホワイトが披露する空気投げも切れを増しているように見事に決まります。
自信を取り戻したかのように奮起し、マーブルスクリューの体勢に入る二人。
基本的に同じかと思いきや、マーブルスクリューの「溜め」の後、
『マックスーーー!!!』という二人の叫びが入り、
以前より太さを増したマーブルスクリューでザケンナーを撃退します。
・・・が、素直に喜べない二人。また戦いの日々に戻された事を案ずるかのような、
不安が混じったような複雑な表情をしていました。
長い一日が終わり、なぎさが帰宅すると家には誰もおらず、奇妙な静けさが漂っています。
理恵ママは亮太と共に買い物に行っているという書置きが残されていましたが、
不意になぎさの部屋から話し声と人の気配が・・・
すわ泥棒か?とクロスを握り締めて部屋に向かい、
意を決して部屋に踏み込むとそこには・・・
お茶を飲んでくつろいでいる長老と番人の姿がありました。
胸をなでおろすのも束の間、なぜここに?という問いに長老は、
番人とポルンが虹をかけてくれたと答えます。
その言葉で、初めてポルンも目覚めている事に気づくなぎさ。
再開を喜びつつも、長老と番人がしばらく厄介になるという事に
絶対ありえない、と嘆いていました。
おそらくその直後にほのかと連絡を取ったのでしょう。
ほのかを交えて丘の上で長老の説明を聞く二人。
虹の園のどこかにいるというクィーンを探しに来たという長老に、
まさかクィーンがここにいるわけ無いじゃん、と返すなぎさですが、
不意に長老が『ほらいた』となぎさの肩を示します。
そこには小さな妖精のようなものが留まっており、この子がクィーン?と驚く二人に
クィーンに宿る12の志、ハーティエルの一人じゃと説明する長老。
その頃河川敷では、先の少女が一人自問自答していました。
『ここが・・・私のいるところ?』
主を失った洋館では、掃除に明け暮れている執事ザケンナーたちの姿がありました。
真面目に掃除している執事Aと、
「ふたりもプリプリ」を読みながら適当に掃除してる執事B。
その態度に怒り、ケンカになる二人の執事ザケンナーでしたが・・・
洋館の扉が開き、そこにはどこかあの少女と似た面影を伺わせる少年が立っていました。
暫し見詰め合う少年と執事ザケンナー。そして・・・
『おかえりなさいザケンナー』
『ただいま・・・』
新たな主を迎えた洋館で幕となります。
学園生活や戦闘シーンの合間に長老と番人の解説を交えつつの展開は
説明描写が長くなりすぎず、程よく緊迫感が織り込まれており、良く纏まっていると思います。
今回はクィーンの3つの要素の説明、久々に登場のベローネ学園の面々や
美墨家の性格描写など説明すべき事が多いのですが、
この構成のため延々と説明が続くという印象を受けません。
また台詞の随所にさりげなく説明的な言葉
(二人の部長、キャプテン就任。アカネさんの店が改装中など)
が入っており、近況を伺わせます。
初登場となるひかりとシークンは作中では名前が明らかにならず
(そのため本文中でも「少女」「妖精」と表記しました)特にひかりは
まるで
インフィニティ化したシフォンのように感情を持ち合わせていないような表情や
呟きが目立ち、数話後からのひかりとは別人のように異なります。
性格の変化は
今後同居することになるアカネさんによる影響もあったのかもしれません。
一方で、やや違和感を覚えるのは久々の変身を一見楽しそうにしているなぎさです。
前シリーズでは普通の女の子として過ごす事を希望していたはずなのに、
再び戦いの世界に身を投じる事を喜ぶのはいかがなものかと・・・
好意的に解釈すれば、メップルとの再会を喜んでいるとも観る事ができますが。
反面戦闘終了後の不安そうな台詞、表情を真っ先に浮かべるのはホワイトです。
この描写は
前作の第5話で戦いの厳しさを知るまでのホワイトとブラックの関係を
そのまま逆転させたように見えました。
今回もっとも印象的だったのはなぎさとポルンの再会シーンでした。
メップルとは「永遠の眠り」に就く前にお別れをする時間があったのですが、
ポルンとは
最終決戦でポルンが力を使い果たしてから一度も言葉を交わす事ができず、ことによってメップルとの別れ以上に
悲しい思いを背負っていたかもしれません。
「覚悟をして」別れるのと「唐突の」別れでは、残された者の痛みは違ってくるはず。
だからこそポルンとの再会は本当に嬉しそうで良かったと思います。
そしてもう一つのキーパーソン、洋館の少年です。
まだ少年を守るための闇の戦士たちも現れておらず、ただ執事ザケンナーが
相変わらずの寸劇を繰り広げているだけですが、マックスハートの見どころの一つとして
この少年は一体どうなってしまうのかという点を挙げられると思います。
後の
SSの満と薫、そして
最近のイース様のように。
次回から少しずつひかり、少年のことが明らかになっていくMH。
まだ始まったばかりですが、謎に包まれた始動。
既に先の展開や結末を知っていても、改めて楽しみになってきました。