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マックスハート第44話『ひかりが消えた日 明日を探す日』 [ふたりはプリキュアMax Heart]

1月にシリーズを終えるため、毎年プリキュアシリーズでは
3学期が殆ど描かれないという伝統?があります。
前年度も始業式の登校時から襲われ
そして今作マックスハートでは始業式の放課後に、ひかりが忽然と姿を消します。
ひかりと少年。なぎさ・ほのかと闇の3戦士たち。
どこか似たところのある者たちが相見える時、そこには・・・
  
今日から新学期だというのに(だからこそ?)、通学路のなぎさは浮かない顔で、
ほのかと合流しても考え事を続けています。
なぎさの懸念は当然ほのかにも察しが付いていました。
それはここ最近様子のおかしいひかりの事。通学路を行く二人の顔は晴れません。
そして校門前に着いたひかりもまた、前回冷蔵庫の中に広がっていた異世界を思い
不安を隠せませんでした。

表情が優れないのは洋館の少年も同様です。
執事達が少年を喜ばそうと玩具の飛行機を飛ばしますが、
残念ながら少年の気を惹く事は出来ずに徒労に終わりました。

舞台は変わって光の園へ。
前回虹の園で弾けた大きな闇の力について長老と番人が案じています。
その力に奇妙な透明感がある事を気にかけていますが、
それでも闇の力が強く大きな力となった時に、世界は闇に飲まれるか、
はたまた食い止められるのかの瀬戸際に立つことになるようです。
そして伝説の戦士・・・言いかけけた長老に、
また「よしこさんとけいこさん」が来る、と身構える番人ですが、長老の口から出るのは
「フランソワーズとカトリーヌじゃぁあああ!」
・・・思いっきり滑った長老はさておき、番人が主のいない玉座の間の扉を開くと、
そこには虹の園の光景が広がっていました。
慌てて扉を閉める二人にも、世界に歪が生じていることを実感されます。

冒頭、執事達が飛ばしていた飛行機を手に無言で外を眺める少年を見守る闇の戦士達。
バルデスは少年の中で闇の力が急速に成長し、
そしてもうすぐ待ち望んでいた光景を見る事になると気付いていました。
ウラガノスは言葉通り単純に受け止め、その光景を見に行こうと文字通り館の扉を開くと、
そこに広がる光の園の光景に驚きの声を上げました。
ウラガノスの驚く様に駆けつけたサーキュラス、ビブリス、執事たちの前で
再び扉を開くウラガノスですが、そこに広がるのはいつもの深い森です。
執事ザケンナーすらも呆れて立去りますが、バルデスはその現象に
全てを食い尽くす力の復活を前に、世界が揺れていると理解していました。
不意に執事ザケンナーの慌てふためく声が響き渡ります。
全員が目を放した、ほんのわずかな隙に少年の姿は忽然と消えていました。
後にはただ、飛行機だけを残して・・・
『我々が全てを手にする日は近い!』
他の者たちが少年を探し回る中、一人バルデスは高らかに宣言します。

タコカフェの裏のベンチに浮かない顔で佇むひかりを心配し、
なぎさとほのかがやってきました。
2人だけではなく、ポルンもルルンも、メップルもミップルも心配し、
シークンは何かが起きようとしていると感じています。
不安な空気が流れる場を変えたのは、ルルンの一言でした。
『守るルル・・・』
ルルン本人も何から、どのように守るのか分からないのですが、
ほんの少しでも皆が安心した雰囲気へと変わります。

その後アカネさんに呼ばれてタコカフェの手伝いに向かい、
なぎさとほのかもパラソルをテーブルに差す手伝いをしますが、
開いたパラソルの内側に、ドツクゾーンの光景が広がるのを見て息を飲みました。
そしてお客さんへ出すクレープを取りにひかりが向かったタコカフェ車内から光が立ち込めます。
ひかりは、いつまで経っても出てきません。
車内にひかりの姿は無く、車内には取り残されたように上着とエプロンだけが残されています。
ひかりを探して公園を巡るなぎさとほのかの前に、闇の3戦士たちが立ちはだかりました。

3戦士がひかりを連れ去ったと早とちりして啖呵を切るなぎさですが、
途中で間違いに気付いたらしく、少々バツが悪そうです。
ともあれ、3人まとめて現れた状況に変身して立ち向かいます。

サーキュラスと戦いを繰り広げるブラックはいつしかウラガノスの手の内に捕らえられ
助けに向かうホワイトはビブリスに阻まれて繁みに突っ込まれます。
それでも立ち上がり、単身立ち向かうホワイトに容赦なくビブリスの衝撃波が襲います。
捕らわれているブラックはウラガノスの髭を引っ張り、その隙を突いて脱出。
再び立ちはだかるサーキュラスの衝撃波をまともに受けて飛ばされるブラックを
ホワイトが背後から受け止めますが、勢いは殺せず公園の木立に叩きつけられました。
公園の木を掻き分け、迫る3戦士たち・・・

ビッグバン前の宇宙、と言われるような光景。
闇が広がる空間に、ところどころ光が舞う空間で、ひかりは目を開きました。
ここはどこなのか・・・
あたりを見回すひかりに、向こうからゆっくりと誰かが近付いてきます。
それは、もちろん洋館の少年。
七夕の町で千本鳥居で、そして今3度目の出会いを果たす2人。
『私達、迷子になったみたいね』『迷子?みんなが見つけてくれると思うよ』
少年は、その「みんな」はとても優しいと語ります。しばし、見つめあう2人。

その「みんな」に追い詰められているブラックとホワイトは心機一転反撃に転じますが、
追い打ちをかけるようにサーキュラスは枯葉を集め蛇のようなザケンナーを生み出します。
二手に分かれても、頭が二股に分かれてそれぞれを追いかけ、
青白い炎を吐いてどこまでも追跡して来るザケンナー。
逃げるのをやめ、合流した2人はブレスを召還し、
再び一本の蛇になるザケンナーにマーブルスクリューMAXを浴びせます。
その攻撃を待ち構えていた3戦士達は今度こそ受け止めようと力を合わせますが、
例の如く、毎度おなじみの撤退。そしてザケンナーを撃退しました。
しかし、彼らを退けてもひかりは戻って来ず、その行方は知れません。

『私にはポルン、ルルン、なぎささんやほのかさんたち、そしてアカネさんがいる。
 あなたにとって、あの人たちがそうなのね?』
『良くわかんない。でも、いつもそばにいてくれるよ』
ひかりは少年と、どこか自分達は似ているという想いを口にしますが、
少年は誰にも打ち明けなかったであろう不安を、ひかりに対して吐露します。

『僕はどうなるの?僕は何になるの?誰も教えてくれないんだ。
 だけど僕は、僕の知らない何かになるような気がするんだ・・・
 頭の中で僕を呼ぶ声がするんだ。それがだんだん大きくなって来るんだよ。
 僕は僕でなくなるの?僕は僕のままじゃいけないの?何だか怖いよ・・・』
ひかりは怯える少年に目線を合わせてその手をとり、私達は私達のままと力づけます。
それはおそらく、自分自身にも言い聞かせるものなのかもしれません・・・

ひかりが消えた町で、シークンは闇の力がどんどん膨らんでいるのを感じました。
ひかりは大丈夫なのか。思わずほのかに問うなぎさですが、当然ほのかは答えられません。
一人洋館の窓辺に佇むバルデス。主のいないクィーンの玉座。
そしてひかりを案ずるポルンのつぶやき。事態は解決しないまま幕となります。


最終回が目前に迫る中、説明描写や回想シーンの比率が高く
少々間延び観があるのが残念ですが、
ひかりと少年が消える直前の緊迫した空気や空間の歪みなど
徐々に不穏な空気を高めていく描写は、これから先のクライマックスへ向けて興味を惹きます。
少年とひかりが初めてまともに言葉を交わし、
互いが互いの姿を重ね合わせるような、闇の中での出会いのシーンは
嵐の前の静けさ。それも凝縮された静けさのように感じられました。

ひかりにとってのなぎさやほのか、アカネさんは、
少年にとってのサーキュラス、ウラガノス、ビブリス。
この事が少年の口から直に語られる事で、ひかりを案じて戦うプリキュアと、
少年を探し、受けて立つ3戦士、という対比しつつも良く似た立場の陣営を
上手く描いていると思います。みんながとっても優しいと少年が語る直後、
そのみんなと激しい戦いを繰り広げるブラックとホワイト。
立場は違えど、ともにひかりを、少年を守るために戦っている中、
一人静観しているバルデスの存在が、彼の得体の知れない素性を伺わせます。

少年の不安を、膝を折って目線を合わせて受け止めるひかりのシーンは
このエピソードの白眉と言えるでしょう。
自分が自分でなくなってしまう。それはそのままひかりにも言える事で、
ひかり自身もクィーンが復活すれば自分がどうなるのかという不安に常に晒されています。
しかしそれを押し殺して、自分より弱く幼い(ように見える)少年に優しく接するあたり、
一年間ひかりという子を見てきたからこそ、その優しさが伝わってきました。

一方でこれから大真面目で緊迫するシーンが続くため、
最後とばかりに散りばめられたギャグシーンも目を惹きます。
なぎさとほのかの名前をいつも間違えるのを逆手に取り、挙句に滑る長老。
ただ一人だけ奇妙な光景を見て誰にも信じてもらえない、ドリフのコントのようなウラガノス。
ウラガノスはアドリブらしき台詞も豊富で、得体の知れない光景を
「むにゃむにゃしてる」などと評するなど、相変わらずの茶目っ気を見せてくれました。
これが最後の茶目っ気を見せる話でもあるのですが・・・

次回は姿だけでなく、皆の記憶からもひかりが消えて行き、そして・・・
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はっかったっの出会い

素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
by はっかったっの出会い (2010-03-24 16:25) 

スティクス

>はっかったっの出会いさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
ラブ、美希、ブッキー、せつな、なぎさ、ほのか、ひかりに励まされ
読んで下さる皆様の存在に力を貰いながら
ここまで続けることが出来ました。
引き続きつぼみ、えりか、そして咲と舞、満と薫の活躍に
勇気を貰いつつ日々の仕事の合間を縫って続けていく所存ですので、
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
by スティクス (2010-03-25 07:22) 

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