"死んだ女よりもっとかわいそうなのは忘れられた女です"
マリー・ローランサン
老婆ということもあり、シビレッタさんは歴代の女性幹部の中では
ハデーニャさんと並んでおそらく不人気の部類に入ることでしょう。
しかし冷酷な王に毎晩毎晩物語を語り続けた結果、
王の心を動かす事が出来たシェエラザードと異なり、
館長の心を動かせなかったシビレッタさんの姿に、私は憐みの念を抱いてしまいました。
シビレッタさんは最初から物語を利用するだけの人物だったのか・・・?
秋元こまちの作家を目指す物語の最終章を再見し、色々と考えさせられた一編でした。