なぎさ、志穂、莉奈の3人は、校内新聞ベローネタイムズの編集担当として
編集、構成、執筆をしていました。
なぎさはトップを飾る
ラクロスの試合での逆転劇の写真写りが気に入らないようです。
なぎさをなだめながら順調に打ち合わせを進めていた志穂、莉奈ですが、
なぎさが担当記事「街角スマイル」に全く手をつけていないと知り、血相を変えました。
当のなぎさは何とかなる
なる!と動じませんでしたが、
締め切りが明日と知り、改めて事の重大さに顔色を変えました。
困った時の何とやら、3人は案の定雪城家を訪ねてほのかに相談します。
さすがのほのかも急な申し出に困惑しますが、そこに
『お茶が入りましたよ』と
ウラガノスブンビーさんさなえさんがお団子を持って来ました。
その水戸屋のみたらし団子の味に感激するなぎさたちに、
ほのかは小さな時から好きな団子屋で、
餡蜜もおいしくおばさんも優しくて良い人だと説明します。
『今日もお団子を買いに行った時、近所の子供達に囲まれて、素敵な笑顔でしたねぇ』
何気無いさなえさんの発言にピンときたなぎさ、志穂、莉奈は
ほのかと共にその団子屋「水戸屋」へ取材に向かいました。
待ち遠しそうに団子が出来るのを待つ幼い兄妹に、
おばさんは焼きあがった団子にタレをつけて持って行きます。
『慌てない慌てない。3つふぅーふぅーしてから食べようね』
やってきた水戸屋の店頭で、子供達を優しい笑顔で見守るおばさんの姿を
志穂は早速カメラに収めました。まさに街角スマイルにぴったりの光景です。
おばさんも取材の申し入れを快諾し、団子の作り方を丁寧に説明してくれました。
上新粉を蒸してこね、棒状にして切り、優しく丸めて一つずつ串に刺す。
機械があれば早くて楽でも、おばさんにはこちらの方が性に合っているらしく、
一つ一つ気持ちを込めて作るのが好きだと言います。
お客様がニコニコして幸せになれば、それを見ているおばさんも幸せになれる。
沢山の笑顔に会えるのがうれしい、といつも笑顔の秘訣を語りました。
丁度そこにひかりが団子を買いに現れ、アカネさんもこの店を贔屓にしているようです。
良い店を知ったとなぎさ、志穂、莉奈も今後贔屓にしようと思ったものの、
おばさんは店を畳むことを考えていると切り出されました。
先ほど楽しそうに取材している姿を見て言い出せなかったけれど、
お客さんも少なくなり、もう高齢という事もあり、
心配しているという息子夫婦が共に暮らそうと言う事で決心したようです。
せっかく良い店を知ったのにと惜しむ一同の中、ほのかは一人想いを馳せていました。
先ほど撮影した写真を公園で見返し、なぎさは改めて閉店を惜しむ皆を鼓舞します。
考えても仕方の無い事で、最高の記事を書いて店を閉めるギリギリまで
少しでも多くの人に水戸屋さんの団子と笑顔と届けるのが大切だというなぎさの弁に、
ほのかが記事を書かせて欲しいと申し出ました。
その夜ほのかは、ミップルが眠った後も遅くまで一心に記事を書き続けます。
「素敵な笑顔のお団子屋さん。町のどこにでもありそうな小さなお店だけれど
私は水戸屋さんと一緒に育ったような気がします」
おばさんは閉店後の店で、刷り上ったベローネタイムズを読んでいました。
ほのかの記事は実に心がこもっています。
寂しい時、落ち込んだ時も水戸屋さんの団子を食べていると何だか優しい気持ちになる。
今回取材をして分かったその理由は、
おばさんの優しい笑顔、心がそのまま味になっている事。
だからみんなを幸せにしていたけれど、もう食べられなくなるかもしれない事。
あと何回おばさんの笑顔に出会い、美味しいお団子を食べられるかわからないけれど・・・
おばさん、ありがとう。
お礼で結んだ記事を読み終えたおばさんは店を見回し、寂しげな表情を浮かべました。
なじみの客からの閉店を惜しむ声を聞きながら、
おばさんは今日も店先で団子を焼きます。
ほのか、ひかりと共に客席で団子を食べているなぎさも
やっぱり寂しいとため息をつきますが、
おばさんは団子を焼く手を休めずに記事の感想を語りました。
多くのお客さんが来てくれて、本当はおばさんの方が幸せにしてもらったと思い、
おばさんの方が、お客さんから元気を貰い、
こうやって焼き続けて来られた元気も、生きて行く勇気も貰っていたと・・・
そんなおばさんの想いも、邪悪な空気が立ち込めて一変。
おばさんは意識を失って、火の元をそのままに倒れ込み、
屋根の上、看板に腰掛けるようにビブリスが姿を現します。
店の外に出てきた3人に
バルデスが戻ってきた事を告げ、
店先の炎と煙をザケンナーにして襲い掛かって来ました。
(暖簾に燃え移らなくて良かったですね)
変身して立ち向かうブラックとホワイトですが、
相手の身体が煙なので攻撃が突き抜けてしまい決め手に欠きます。
炎を撒き散らし、炎のカッターのようなもので攻撃を仕掛けてくるザケンナーに
防戦一方のブラックとホワイトの窮地を見て、ひかりも変身します。
直後、ルミナスを炎が襲いました。割れた道路からも火柱が立ち、
その火柱もザケンナーとなって、都合3体になるザケンナー。しかし、
『何もかも燃えて消えてしまえ』
ビブリスがいらん事を言ったおかげで(笑)
怒った3人によるエキストリームルミナリオで退けられました。
そして平穏になった水戸屋の手伝いをする3人。
なぎさはウェイトレス、ほのかはレジ係、ひかりは食器洗いをしています。
折りしも客として来ている志穂、莉奈の接客を毒づきながらこなすなぎさ。
ベローネタイムズのおかげで大繁盛の店内に、
ふと団子を焼く手を止めておばさんが呟きました。
もう少し、続けてみようかしら、と。
立ち止まって考える事も勇気だけれども、ずっと続ける事も勇気。
おばさんの決意に嬉しくなる皆で幕となりました。
水戸屋さんの団子から笑顔をもらったほのかが恩返しの記事を書き、
その記事によって逆に笑顔をもらっていたおばさんが想いに応えて店を続けて行く。
今回は愛されて長年続けてきた店を畳む事を考える水戸屋のおばさんと
その想いを汲んで何か出来る事をしたいというほのかを中心に
客として、店主としての想いが描かれる、心温まるエピソードでした。
ただ非常に惜しいのは、マックスハートシリーズ全体を見渡すと、
働く人のエピソードが多く、少々マンネリ感が否めないのが残念です。
これまでも
ケーキ工場、
梨園が描かれ、このあと
修学旅行でも大道具係の話があり
個々のエピソードは決して悪くないだけに損をしている気がします。
5GoGoでのシビレッタの物語シリーズでも同じ事が言えるので
シリーズ2年目の宿命でしょうか・・・。
現在私が住んでいるのは東京の下町の商店街の中です。
長年続いている店が軒を並べ、普段から私も利用していますが、
お店を切り盛りしているのはご年配の方が多く、
実際に高齢と後継ぎ不在を理由に惜しまれつつ閉店した店もあります。
そんな身近な題材でもあるだけに、いろいろと考えさせられました。
一方で、
「追い込まれると力を発揮するタイプ」と言っていたなぎさの学習能力の無さと
ベローネタイムズの記事に散りばめられた小ネタがなかなか楽しいです。
やたら厚化粧のよし美先生の写真。そして街角スマイルの隣には
あの
「ベローネのルリコさん」の特集記事が。
アカネさんに取材した事も伺わせる内容で、次回に続いているという
真相究明編が気になります(笑)