マイナーランドでは、バスドラとバリトンが性懲りも無く
低レベルなリーダー争いを繰り広げていました。
しかし
本性を現したファルセットは彼らの口を塞ぎ、有無を言わせずリーダー宣言。
『メフィストが使い物にならなくなった今、お前達のリーダーはこのオレだ。いいな?』
堂々と玉座に腰掛るファルセットにはこれまでの温厚な面影は感じられず、
既にマイナーランドを統べる者としての風格すら感じられ、
さらに自らを「ファルセット様」と呼ぶよう強要する眼光に
さすがのバスドラも気圧されて何も言えません。
"Dr.Stein grows funny creatures Lets them run into the night."(ファルセットは怪物を創り上げ 加音町に送り出す)
さらにファルセットはノイズの力を与えるという名目で、
バスドラとバリトンを異形の怪物へと変えました。
鏡に映る自らの変わり果てた姿に、ナルシストのバリトンは耐えきれず涙を零します。
『バリトン泣いちゃったじゃないかよ!』
ファルセットは抗議するバスドラの身体を風船のように膨らませ、
今度はバリトンがバスドラを助けるべく身体を押さえ込んで押しとどめる中、
2人に対するファルセットの態度は高慢かつ冷酷そのものです。
『ギャーギャーわめくな。ノイズ様の御前だ』
稲光と共に、ファルセットの背後に石版に封じられたノイズの姿が浮かび上がりました。
その瞳が、妖しく赤く輝きを放ちます。
ノイズとは・・・全宇宙の悲しみが集まって生み出された究極の悪。
そして全ての美しい音楽を憎み、音楽の無い世界にしようと企てる者。
ノイズについて語る音吉さんは、かつてメイジャーランドに侵攻してきたノイズを
激闘の末に封印した張本人である事が明らかになりました。
しかしノイズはいつしか封印された状態のまま姿を消し、
メフィストやセイレーンなどを操って、不幸のメロディを完成させ、
完全復活を目論んでいます。現に
今年は幸せのメロディが歌われず、
さらにネガトーンが不幸の音を撒き散らした事で、
ノイズは不幸のエネルギーを取り込み、確実に力を蓄えています。
音吉さんが作っているパイプオルガンは、
ノイズに対抗するための聖なる音を奏でるものでした。
その会話を水鏡の向こうから、
メイジャーランドの王として戻って来たメフィストも聞いていました。
義父にこれまでの行いを詫び、ノイズが力を取り戻している事を懸念して、
せめて奪った音符をトリオ・ザ・マイナーに渡していなければと悔やみますが、
音吉さんは悔いても仕方が無いと婿を励ましました。
これから何が出来るのか。メフィストはメイジャーランドを命に代えても
ノイズの脅威から守ると決意表明し、アフロディテも操られる以前より
国王らしくなった夫の姿を頼もしげに見つめています。
アコも水鏡の向こう、立派な王としての"Perfect Gentleman"な父に声を掛けますが・・・
『おお!可愛い我が娘アコ!パパはもう大丈夫だよ!』
どうやら操られていた時のメフィストのファンキーな性格は素だったようで、
さらに親バカが加わってパワー全開。
そしてメイジャーランドに帰っておいでと誘うメフィストに、
アコはしばし考えて、人間界を守るために残る事を打ち明けます。
『私はメイジャーランドの姫だけど、今はプリキュアなんだもの』
アコは両親が思っている以上に強く、そして響、奏、エレンがついています。
心配でたまらないメフィストもアフロディテの説得と響達の姿を前に折れ、
そしてこれまでの所業を土下座して詫び、娘を響たちに託します。
『響さん、奏さん、そしてセイレーンさん。これまで本当にすまなかった・・・
頼める義理でもないのだが、どうかお願いします。
うちの
可愛いアコを。
可愛い可愛いアコを、
可愛いアコを、
可愛いアコを何卒、
可愛いアコを、何卒よろしく!』
可愛いの連呼にアコは真っ赤。そして響達もメフィストの頼みを快諾し、
本当はとても優しい父である事を認識しました。
『もう、パパッたら本当に心配性なんだから・・・』
アコは恥ずかしくてそれどころではなさそうですが(笑)
さて、ハロウィンパーティを明日に控えた加音町は、ハロウィンムード一色です。
飾り付けが進む道を行く響たち。
肉屋のおばちゃんの手伝いを申し出る響につられて、みんなで手伝いを始めました。
飾り付けをしたり、看板を下げたり。一通り手伝った帰り道のこと、
『明日が楽しみだね、可愛いアコ』
『それやめて』
アコはハロウィンよりも、音符集めの方が大事だと相変わらず素っ気ないまま。
ハロウィンに興味が無いというよりも、真面目すぎる事が響達には気がかりです。
翌日、奏の手によってお姫様衣装を身に着けたアコの可愛さに、
響とエレンもハートキャッチされました。
アコは照れながらも、姫様と呼ぶエレンを制して、
その呼び方を止めるよう注文をつけました。以降、エレンも「アコ」と呼ぶようになり、
みんなでハロウィンパーティへと向かいます。
アコの可愛さにはドラキュラの扮装をした奏太も思わず見とれてしまい、
からかう奏に赤くなって反抗。アコもまた真っ赤になって照れまくり、
恥ずかしさを紛らわすように一人立ち去りました。
その可愛らしさに、響たちも生意気な妹が出来た気分です。
一人木の下でむくれるアコに、肉屋のおばちゃんが声をかけ
笑顔になれるおばちゃん特製キャンディを差し出します。
一度は断るものの、今日はみんなで準備して、
みんなで笑顔になる日と諭されて、アコはキャンディを口に入れました。
そこにお化けの扮装をした子供達がTrick or treatとばかりにおどかしに来ます。
『どうだ、こわいだろ!』『お姫様だって泣かしてやる!』
『お化けなんて恐くないわ』
アコは自然とお姫様を演じ、姫を助けに来た小さな王子様と共に駆けだしました。
子供たちに混じって駆け出すうちに、アコもいつしか自然に笑顔がこぼれています。
そして、アコを探していた響たちも、子供たちと笑い合うアコを見つけて、
その笑顔に少し安堵しました。
カボチャの装飾に音符を見つけて立ち止まったアコの前に、
そこに怪物と化したバスドラ、バリトンを従えたファルセットが立ちはだかります。
『奇遇ですな。我々も音符を探してたんですよ、姫』
高まる緊張。しかしバスドラとバリトンの姿を見て思わず
『変な仮装・・・』と漏らしたアコに、涙を流して反論する2人
『仮装じゃねぇよ!』(嗚呼、かわいそうなバスドラとバリトン・・・)
それはさておき、満を持してファルセットがネガトーンを召喚。
ハロウィンパーティはたちまち悲しみの音波に包まれました。
『ハロウィンパーティからみんなの笑顔を奪うなんて、絶対に許せない!』
4人揃って初の変身。
ドレミファソラシドの1オクターブが揃い、4人の組曲としての戦いが始まります。
開戦一番、真っ先にネガトーンに挑むミューズ。
しかしノイズの力を受けたネガトーンは強く、あえなく弾き飛ばされてしまい、
続く3人もネガトーンが打ち出すカボチャの種に跳ね飛ばされました。
それでもミューズは一人立ち向かいます。
『例えどんな邪悪な心でも、女神の調べで包んでみせる』
シリーを招き入れ、モジューレを吹くと5人に分身。
五芒星にネガトーンを閉じ込めて打ち出す技、
シャイニングサークルの光がネガトーンを包み込みます。
しかしファルセットがネガトーンに喝を入れただけであっさりと打ち破られ、
分身は消え、再びミューズは跳ね飛ばされました。
それでもミューズは頑なに一人で戦う事にこだわり続けます。
『平気よ。あんなネガトーン、私一人ででも倒す』
思いつめたようなミューズの口に、
メロディはあの笑顔になれるキャンディを含ませました。
『ミューズ、もう一人で頑張らなくていいんだよ。
私たちは4人いる。4人で一緒にみんなの笑顔を守ろう。そして一緒に笑おう!』
メロディも、リズムも、ビートも、まるで妹を見るように優しい目を向けます。
そして、4人の力を合わせる時が来ました。
クレッシェンドトーンと共に一丸となって、
スイートセッションアンサンブル・クレッシェンド、
新たな力と共にネガトーンへと突進します。
それでもファルセットは余裕の態度を崩さず、不幸のメロディを歌い始めました。
その歌声はプリキュア達の勢いを止めるばかりか、
音吉さんが危惧した通り、ノイズ復活をも早めています。
クレッシェンドトーンまでもが姿を保てなくなり、技は失敗に終わりました。
それでもプリキュアは、不幸のメロディなどには負けません。
メロディ、リズム、ビートはファルセットに狙いを定めてパッショナートハーモニーを放ち、
ファルセットが持ちこたえている隙を突いて再びミューズが新たな技を披露します。
シリーを招い切れたモジューレから、シャボン玉を吹くように音符の泡を生み出し
無数のシャボン玉の音符でネガトーンを包み込みました。
プリキュア・スパークリングシャワー。そして、フィナーレ。
ネガトーンは無事に撃退し、ファルセットも2人を従えて忌々しそうに引き上げました。
『さすがミューズね!』
『べ、別に大したことないわ』
ツンデレの教科書のような台詞で照れるミューズに、ドドリーが追い打ちを掛けます。
本当は3人の力に助けてもらい、ありがとうと思っていると代弁されて真っ赤になり、
ドドリーを追いかけ回すミューズ。はたから見れば微笑ましい光景を
世話の焼ける妹を見るような目で見守るメロディたち。
ところが・・・
音吉さんはノイズの気配を感じとりました。
その懸念どおり、封印されていた石版にはその姿は無く、マイナーランドの玉座には
飛び立った「もの」が残した羽がただ一枚、静かに舞い降りてきます。
まずは何を差し置いてもこの一言になりますが、
アコ(ミューズ)が可愛すぎる。これに尽きます(苦笑)
メフィストに「可愛い」を連呼され、姫の衣装に身を包んだ折の照れた素振り。
そして今回2種の新技を披露しますが、その両方がまたもあざといほど可愛く、
特にシャボン玉を吹くようにモジューレを吹く時の動きがたまりません。
『「シ」、の音符のシャイニングメロディ』
の言い回しも中毒性があり、耳から離れなくなりました(笑)
しかしこれほどまでに可愛らしく、守ってあげたいようなミューズであっても、
容赦なく戦闘の渦中に混ぜる事が良い意味で予想外でした。
ひょっとしてルミナスのような後方支援型で、
あまり戦いの場に加わらないのではないかと考えてたもので・・・
ミューズがダメージを受ける様が少々痛々しいものの、
常に3人のお姉さん達が傍にいる、という安心感があるため、
メフィストではありませんが、ミューズの強さを信じて見守る事にします。
エレンが
セイレーン時代と大きく性格が変わった前例があるため、
ひょっとしてメフィストも今後
前回のようなダンディな姿になるのかと思いきや、
そのファンキーな性格は洗脳が解けても素だったと言うのも楽しめました。
「婿」と「義父」のやりとりも妙なリアリティがあり、
色々とメフィストも苦労がありそうですが(笑)。
そして音吉さんの過去、戦っている場面の意外性もありました。
今の音吉さんにはおそらくノイズと渡り合う力は失われているのでしょう。
このあたりの事情は
昨年のキュアフラワーを連想させます。
ともかく音吉さんの今回の発言で、ノイズに「対抗」するというものが気になりました。
例え素晴らしい音楽、聖なる音楽であるとしても、
向ける相手にとって悪影響を及ぼすものであれば、音楽としての目的は果たせません。
果たしてどのようにノイズと決着をつけるのか。
音楽がテーマであるだけに、このあたりにも注目してみたいものです。
団パパの発言「音楽に目的は要らない」が活きてきそうな気もしますが・・・?
私はハロウィンという行事にはさほど関心が無く、
むしろカイ・ハンセンとマイケル・キスク時代のHelloweenのファンなのですが(笑)
とりあえずそれは置いておきます。
このイベントは悪意の無いいたずらか、お菓子かという二択であり、
どちらを選んでも笑顔が伴うものだと改めて認識しました。
「いたずら」という点ではお化けになっておどかしに来た子供たちの
楽しげな振る舞いが際立っており、アコがそれに「乗る」事で
年頃の子供らしさを見せる良い場面だと思います。
(ひょっとして
エレンなら怖がったかもしれませんが・・・)
両親に対して「姫だけど今はプリキュア」と言ったアコですが、
親から見れば娘であり、響達から見れば妹のようで、
肉屋のおばちゃんからみれば町の子どもたちです。
必要以上に使命に囚われる事無く、時には子供らしく、周りに頼っても甘えても良い。
ミューズ=アコだけでなく、これは今回姉のような立場をとる響たちも同じです。
頑張る時も大切ですが、頑張りすぎなくても良い。
私が今シリーズで良く感じ取るメッセージが、今回も感じられました。
そしてアコのお姫様だけでなく、
響の海賊、奏の魔女、そしてエレンの黒猫の仮装も可愛らしく、
中でもエレンは変身直前、猫のような素振りをしていたのが妙にインパクトがありました。
ファルセットが外見だけでなく内面までもが豹変している事に驚きました。
これから先、彼らを待ち受ける運命はどうなるのでしょうか・・・
さて、そのファルセットですが、一人で頑張っていたアコと対比するように、
彼もまた一人で頑張っているという点が重なります。
そして今まで彼ら3人は、何だかんだで良く笑い合っていました。
ハロウィンはみんなが笑顔になる日というおばちゃんの言葉通り、
彼らが再び笑い合う日は来るのでしょうか。
姿を変えられて泣いてしまったバリトンをバスドラが気遣ったり、
バリトンもまた膨らまされたバスドラを助けようとするあたり、
ケンカが目立っていた彼らにも仲間意識が伺えます。
ファルセットが3人で過ごした馬鹿馬鹿しくも楽しい日々を忘れていなければ、
いつか彼らにも良い結末が訪れると信じたいものです。
今回ノイズに「操られた者」としてメフィスト、セイレーンと共に
トリオ・ザ・マイナーの姿もあったので、救いがあると考えたいのですが・・・
気になる展開を控えたタイミングで、来週は大学駅伝のため中断です。
こればかりは毎年恒例の事で仕方がないので、
かねてから温めていた計画を実行に移す事にしました。
丁度再視聴も終わった今、新たなプリキュア聖地となった地を訪ねる旅に行ってきます。