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スイートプリキュア第46話『ズゴーン!プリキュア最後の戦いニャ!』 [スイートプリキュア♪]

スイートプリキュアの物語も残り僅かとなったこの大切な時期に、
突如下書きなどを掲載した事を、まずはお詫び申し上げます。
今回のファルセット、そしてノイズの姿は、我が身に置き換えてみると
とても耳の痛いものでした。いったい私は何のためにここを運営しているのか。
これまでプリキュアから何を学び、何を感じているのか。そして、この先どうするのか。
未だ気持ちの整理がつかず、満足する答えが出せたとは言えないかもしれません。
そして本日は色々な事を考えさせられただけに、
清書と言えど、いつもと少し異なるかもしれない事をご了承下さい・・・
  
手傷を負ったノイズが墜落する音が、メイジャーランドに響き渡りました。
前回の雪辱を忌々しく思い返していたところ、
懸命に主を探し回っていたファルセットがやって来ます。
ファルセットは残った国民やプリキュアが宮殿に集まっている今こそ、
一網打尽の好機だと訴え、さらに自らが出向く気満々でアピールします。
その自己アピール、そしてノイズを気遣う声のやかましさは、
ノイズを苛立たせ始めました。
『うるさい・・・』
背中をさすろうかと後ろに回っていたファルセット(笑)は、
そのつぶやきを聞き取ろうとノイズの眼前に回り、
相変わらずノイズを案じる言葉をまくし立てますが・・・
ファルセットのやかましさに辟易したノイズの堪忍袋の緒が切れました。
闇より深いノイズの心もここらが我慢の限界、
その胸が突如開き、ファルセットを吸い込み始めます。
『え・・・?ちょ・・・あの~・・・』
我が身に何が起こったのかが解らないのか、
呆気にとられたままノイズに吸収されるファルセット。
と同時に顔半分を覆っていた仮面が地に落ちて砕け散り、
そしてファルセットを吸収した事でノイズの傷が癒えました。
身体の回復を試すかのように手近な建物を破壊するノイズ。
その効果に満足し、音吉さんとクレッシェンドトーンを吸収しておかなかった事を
悔やみながらも、プリキュアを呑みこんだらどうなるかと興味を抱き、再び飛び発ちました。

メイジャーランドの国民は大半が石化し、国王メフィストも未だ目覚めない。
この危機的状況を前に、アフロディテお付きのオウムは
いつものようにやかましくまくし立てるしか出来ません。
アフロディテはとりあえずオウムを落ち着かせ、残った国民の避難状況を確認しました。
宮殿の大広間に避難してきた国民達は、皆不安を隠せません。
それは音吉さんとクレッシェンドトーンという支えを失ったプリキュアとハミィも同様で、
頭を垂れて俯き、重苦しい空気が支配しています。
しかし、メロディだけは違いました。
『音吉さんは、いつもニコニコしてたよね?
 クレッシェンドトーンは元気の無い人がいると、色んな音を出して励ましてくれた。
 だからさ、私たちは元気でいようよ。ね!?』
重苦しい空気を打ち破る歌声と共に顔を上げるメロディに触発され、
ハミィにも、皆にも明るい顔が戻って来ます。
確かに状況は深刻です。だからこそ笑顔を忘れず力を合わせて頑張ろうと、
アフロディテも共感し、未来を託した音吉さん達の想いに応えるべく、
再び立ち上がる気力を抱くプリキュア達。ところがその時・・・

地鳴りと共に揺れが襲って来ました。
見るとかなりのダメージを負った筈のノイズが、コンサートホールを破壊しています。
『世界から全ての音を消し去るには、お前達を倒す必要があるようだ』
コンサートホールに降り立つノイズの宣戦布告が、
宮殿にいるプリキュアに向けて発されました。

出撃の際に、必ずメイジャーランドを守ると約束した事を胸に秘め、
屋根を走り、ノイズが待つコンサートホールへ走るプリキュア達。
ハミィも風呂敷包みを背負い、フェアリートーンともども出発します。
『ようこそプリキュアの諸君・・・ここがお前たちのラストステージだ!』
迎え撃つノイズに真っ向から飛び掛かり、
4人それぞれ激しい攻防の応酬が始まりました。
メロディはノイズと正面から渡り合い、リズムは振るわれる尾をあしらい、
ビートは巨体の上を滑ってノイズの頭へ強烈なパンチを叩き込み、
そしてミューズは柱を蹴り、石柱がダルマ落としのようにノイズを襲います。
ノイズが放つ攻撃をかわし、4人同時の鋭い蹴りで、体勢を崩したところに、
すかさず技を畳み掛けますが・・・
ミラクルハートアルペジオ、ファンタスティックピアチェーレ、ビートソニック、
そしてスパークリングシャワーの4技直撃にもかかわらず、
ノイズは全くダメージを受けていません。
それでもみんなと音楽を守りたいというメロディ達の心は揺らぎませんが、
そんな彼女たちに、ノイズは問いかけました。
『音楽が幸せをもたらすと本気で思ってるのか?』

ノイズは争いの始まりは伝説の楽譜であり、音楽が原因だと切り出します。
音符に悪が宿れば不幸のメロディに、少し並び替えれば幸せのメロディとなり、
そのようなあいまいなものは無い方が良いとの主張に、
メロディは音楽の無い世界は寂しすぎるとすかさず反論します。
しかしノイズは、現に今音楽の無い状態となった者たち=石化した人々を引き合いに、
全ての音が消え去れば苦しみも消える平穏な世界だと、主張を曲げません。
ノイズの理想郷を激しく否定するビートとミューズの言葉を受け、
嫌なら私の世界から去れと4人を吹き飛ばしました。

そしてノイズはメロディに狙いを定め、ファルセットと同様に取り込み始めました。
リズムの目の前で、メロディは徐々に飲み込まれて行きます。
懸命に手を伸ばす手は誰にも届かない・・・
と、間一髪のその状況に、バスドラとバリトンが駆けつけました。
メロディの手を掴み、互いに顔を見合わせ、
息を合わせて拳をぶつけてメロディの拘束を打ち砕くバスドラとバリトン。
彼らはファルセットがノイズに呑まれたところを目撃しており、
ノイズにその事を追及して激しく怒りをぶつけます。
『あいつは腹の立つ奴だが真っ直ぐだった!お前の忠実な部下だった!
 なのに・・・なぜ!?』『答えなさい!なぜなんだ!?』
その問いに対するノイズの答えは、単純かつ冷酷です。
『あいつはうるさかった』
たった、それだけのことで・・・。
バスドラも、バリトンも、唖然としたまま、その瞳から男泣きの涙が溢れました。

『あいつの想いをなんだと思ってる!』
『私達にも想いはあるんだぞ!』
怒りを露わにするバスドラとバリトンを、ものともせずに騒がしいと一蹴し、
ノイズはあくまでもプリキュアを取り込む事にこだわります。
4人に迫りくるノイズの魔手。そこに先ほど打ち払われたバスドラとバリトンが割って入り、
身体を張ってノイズの進撃を食い止めました。
しかし相手の力は圧倒的です。彼らの奮戦空しく、ノイズは対象を2人に変えて、
4人の目の前で、バスドラとバリトンは後をプリキュアに託し、飲み込まれて行きました。
最後まで、誇り高きメイジャーランド三銃士として・・・
直後、トリオ・ザ・マイナーの三人を取り込んだノイズの身体に変化が訪れます。
再び身体が石になった後、その石の身体を打ち破って
人の形に変化したノイズが姿を現しました。

『力がみなぎる。無能な者どもはこうするに限るな』
部下を仲間とも思わぬ発言、想いを踏みにじる行為に怒りを露わにして、
再び4人の技が畳み掛けられます。
クロスロッドからのミュージックロンド・スーパーカルテット、
ソウルロッド形態からのハートフルビートロック、そしてシャイニングサークル。
その技の数々をノイズは拳一つでブチ抜き、軽やかに打ち払い、まるでものともしません。
それでも4人は負けず、何度でも、ノイズを倒すまで、技を再び繰り出します。
3拍子、そしてフィナーレ。さすがのノイズにも焦りが伺え、
フィナーレの爆風とともに決着した、と思いきや・・・

『それで、終わりか?』
爆風の向こうに立つノイズはピンピンしています。
『最後に言う事はあるか?では、フィナーレだ』
あろうことかフィナーレをノイズが持ち出すや否や、
吹き飛ばされ、打ち落とされる4人。
ハミィは変身を解かれて倒れた4人の元へ急いで駆け寄りますが、
どうやら大きな傷は負っていないようです。
しかしこの状況では・・・果たしてノイズの最後通告が、メイジャーランドに響き渡りました。
『聞け!メイジャーランドの者たち!
 そしてアフロディテ。伝説の戦士プリキュアは倒れたぞ』
国民達の間に動揺が走ります。しかしアフロディテは毅然とそれを制し、そして・・・

宮殿に向かったノイズは、中から聴こえてくる音楽に顔をしかめました。
その音楽は、響達の下へも聴こえてきます。
宮殿に踏み込んだノイズが観たものは、先程までおののいていた国民達が、
アフロディテの指揮の下、一丸となって演奏している光景でした。
ノイズの登場にヴァイオリンの弓が鈍るものの、
中心に立つアフロディテは目もくれず、それに触発されてか
一度は止まったヴァイオリンも再び演奏を始めました。
『皆とこうして演奏するのは、久しぶりですね。とても楽しいです。私は幸せです』
ノイズは業を煮やし、奏者の一部を石化しました。
一瞬たじろぐものの、それでも皆は演奏を止めません。
『嬉しい時も、悲しい時も、苦しい時も、どんな時も、私たちは音楽を奏でてきました。
 ノイズ。あなたはどんなに強くても、私達から音楽を愛する心は奪えません』
ノイズは耳を塞いで、うるさいとまるで駄々っ子のように喚き、
そのまま全てを石化。鳴り響いていた音が、止まりました。
アフロディテも、演奏者たちも、床に伏せったメフィストも。
静寂が、訪れます。

エレンは音が消えた事を実感して肩を落とし、アコは両親を案じ、
響と奏はメイジャーランドも守れなかった事を悔やみ、悲痛な空気が流れます。
しかし、音楽は無くなったわけではありません。
フェアリートーン達がそれぞれの音を使って奏でるキラキラ星の旋律は、
この絶望的状況下において、響達の心を落ち着かせました。
『僕たちだけだと小さな音ドド』
『響達が一緒に演奏してくれたらもっと大きな音になるレレ』
『響達が一緒ならもっとたくさん音を出せるミミ』
『みんなが一緒ならいろんな音楽を演奏できるファファ』
続けてハミィが包みを開くと、中からは伝説の楽譜が出てきました。
今は真っ白になってしまった伝説の楽譜。
しかし、これからどんな曲でも作る事が出来ます。
『ハミィは響達が作った音楽が聴きたいニャ』
響達の鼓動は、まだ生きています。すなわち音楽は無くなっていません。
消されたって作ればいい。作ってみんなで演奏して、思い切り歌いたい。
再び4人は立ち上がり、石化した宮殿を見上げて決意を新たにしました。
『聞かせてやろうよ。ノイズに私たちのハーモニーを・・・』
『私たちは絶対に諦めない!』


最終決戦中という事ももちろんですが、今回のエピソードに於いても
私があるべき姿、という点について多くを考えさせられた一日でした。
もともと私は見栄っ張りで、それでいて打たれ弱く、空気を読むことが下手で、
話に耳を傾けられないという短所があると自己分析しています。
冒頭のファルセットの過剰な自己アピールと空気の読めなさ、
そして演奏会場に現れたノイズの、耳を傾けない姿勢。
解っていても中々改められない欠点を、今回のファルセットとノイズに見て取り、
人のふり見て我がふり直せと感じ入りました。

己を卑下しても何にもなりません。今回は特に2点、感銘を受けた事があります。
まずは敵側ノイズの主張であるにもかかわらず本質をついている、
「音楽は少し入れ替えれば不幸にも幸せにもなる」という、
これまでも幾度となく語られてきた事です。
これを心に置き換える事で、すなわち私が今抱いている気持ちも、欠点も、
少し見方を変えれば変わり得るという事。そして、ものの見方は一つではないという事。
ごくごく当たり前の事ですが、最近の私にはこうした視点が欠けていたように思えます。
もう一つは「嬉しい時も悲しい時も苦しい時も音楽を奏でてきた」という趣旨の、
ノイズを前にしたアフロディテの言葉です。
私はこのサイトを立ち上げる以前より、プリキュアシリーズの魅力に憑りつかれて
ここまで見続けてきました。そしてここを開設してからの3年間は、
毎週の放映と過去作の再視聴を続け、その間仕事やプライベートでも
苦しい事、悲しい事がありましたが、都度元気を貰い、そして共に考えながら
歩んできたつもりです。それでも、私自身の問題や様々な要因、
そして文章を飾る事によって、本質が伝わりにくくなってしまった感は否めません。
改めて原点に立ち返りたいのですが、染みついてしまった文体や考え方、
そしてコメント返しの文章内容など、一朝一夕に直るものではありません。
ただ、私は心底この作品群を愛しており、その心はアフロディテの音楽への想い同様、
決して曲がらないものだという点だけは間違いありません。

ここの管理も更新もコメント返しもほったらかして、全て投げ出してしまえば
もう何も悩まずに済みますし、苦しむ事もないでしょう。
それはかつてゴーヤーンが主張した世界にも類似する、
まさしくノイズが主張する安息の世界です。
それでも、悩みや苦しみを越えて行く事に価値があるというメッセージを、
今作だけでなく過去作からも何度となく見続けて来ました。
今回でも、切羽詰まった状況で歌い始めるメロディは、
見方によっては楽観的すぎるかもしれません。
それでも響の性格を考えると、彼女も不安や心配を抱いていても当然です。
それを乗り越えてあのように振舞える事こそが響の強さと言えます。
響一人の強さではなく、仮に不安そうにしていてもこの場には奏もエレンもアコもいます。
仲間がいるからこそ、響も強く振舞えたり、音楽を奏でられるという事ではないでしょうか。

音楽は止まりません。どんな無音に思われる世界でも、音は何かしらあります。
思えば響の名前の由来も生活音であり、そこに人々の息吹が感じられました。
止まる事=停滞、続く事=発展。諦めたらそこで停滞してしまいますが、
ラストのシーンにおいても誰も諦めていません。さらに上を見上げる構図からは
伸び行く確固たる意志が感じられます。
今回のアフロディテコンサートからは、沈みゆくタイタニック号で演奏を続けた奏者達や、
ナチスに脅かされつつある1938年のウィーンでの、
ワルター指揮マーラーの交響曲第9番の演奏会などを連想しました。
たとえ恫喝されても脅されても、音楽そのものの持つ力を止める事は誰にも出来ません。

さて今回は構成・演出の上手さと、戦闘の動きの良さも光りました。
ノイズの宣戦布告を受けて4人が出撃する際、
多少の時間軸の交錯がありますが、このために決意を胸に走っている緊迫感、
プリキュアを信頼して全てを任せるアフロディテの心境などが伝わって来ます。
そして、母と娘のしばしの別れの場面においても、
決して多くない言葉の内に秘められたものの数々、
子はいつしか親が知らないうちに成長しているという事であったり、
子を信じて送り出す親の心境であったりが伺え、後者からはフレッシュにおいて
ラブ達を最終決戦に送り出した四ツ葉町の皆の姿が想起されました。

そしておそらく今回が鳥形態ノイズとの最後の戦いとなると思いますが、
それだけにノイズの巨体相手に4人がそれぞれ異なる戦いぶりを見せ、
特にビート→ミューズの流れが見応えがありました。
パンチが効かないと解ったにも関わらず、ビートが見せる微笑。
直後、ミューズのダルマ落とし攻撃という流れからは、
互いに仲間を信頼しているという関係が見て取れます。
これが仲間などうるさいだけだと言うノイズと好対照でした。
特に技の種類が豊富な今作だけに、今となっては懐かしい技の数々を
次々と繰り出す様もファンサービスのようで楽しめました。

そしてトリオ・ザ・マイナーの描かれ方も満足出来るものでした。
まず、ファルセットは開始早々退場を余儀なくされますが、
自分に何が起こったのを理解していないような、
呆気にとられたままだった事が彼らしく、観ていて悲愴感が無くて良いと思います。
仮に抵抗しながら悲鳴と共に引き込まれる、などだとすれば、
豹変したとはいえファルセットの愛すべきキャラクターを知るだけに
辛いものが残ったと思います。
続いて、あれ程ファルセットに酷い扱いを受けて居ながら、
バスドラとバリトンの熱い仲間意識にも胸が熱くなりました。
ノイズに対して相当の怒りをぶつける様、
あまりに理不尽な理由で盟友を失ったと知った時の涙、
そしてプリキュアに後を託す場面の熱い想い。
「私達にも想いがある」との言葉通り、
その想いはしっかりとプリキュアへ伝わった事でしょう。
前回と前々回で彼らはどこに居たのかという突っ込みどころがあったり、
また欲を言えば4人が傍観者に徹している事が少し残念ではありますが・・・
もっとも、それならば彼らの劇的な復活劇(があれば)の際の彼女達の反応、
特にビートのものが期待できると考えたいです。

ハミィが広げた楽譜は真っ白。ここには何でも書けます。
水は器によって形を変えるように、白い楽譜はどんなものにも変わります。
すなわち響たちが紡いで来た物語と、これから描き出す物語を示唆しています。
一度描いたものが壊されれば、また作ればいい。
高さが届かなければ、積み上げればいい。
道が無ければ、切り開けばいい。
これらを肯定するメッセージ、しかと見届けさせて頂きました。
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龍

まずは下書き、なかなか新鮮でした。ちょっと変えるだけで、今まで見えなかったものが見えることもあるでしょうから、これはこれでいいと思いますよ。

ファルセットとオウムは確かにやかましかったですが(苦笑)、どちらも相手を気遣う思いは十分に伝わってきますし、的を射た発言で参謀の役割もしっかり果たしていました。それに腹を立て、取り合おうともせずに「うるさい」と切り捨てたあげく消してしまったノイズと、落ち着くように諭しながらも真摯に受け止めるアフロディテは、見事に対照的です。取り込んで強化というと聞こえがいいですが、あの場合取り込むという行為に自分を強化する意図はありませんでしたから、実質的に自分以外の心を否定することを意味しています。

なぜあの場に居合わせたのかはさておき、ファルセットに対する仕打ちへの憤りをぶつけるバスドラ・バリトンは熱かったですね。
かつてのセイレーンに対するハミィの思いに通じるものがありますが、バスドラの「腹の立つ奴だが、まっすぐだった」という言葉からは、「あんな目に遭わされても、俺達はあいつと苦楽を共にした仲間だった」という気持ちが伝わってきます。三銃士として、友としての絆を忘れなかった2人だからこそ、あまりに理不尽で救いのない仕打ちが許せなかったんでしょう。こちらも「やかましい奴」で思考が止まっているノイズとは対照的です。
バリトンも口調が普段と変わらないだけに、その怒りとやり切れない気持ちが伝わってきますが、演じた大林洋平さんがネガトーンの声も兼任していたことを考えると、「私達にも思いはある」というその言葉には、また別の重みが感じられますね。

ちなみに偶然なのか、メロディが「飲み込んだ?」と驚く場面で、ビートだけ顔が隠れて表情が見えなくなっています。前作でコロンの精神が消滅した際も、ブロッサムだけ顔が映らず、表情が分からないようになっていました。状況こそ違うものの、前回ファルセットに思いを叫んでいたエレンが、かつての仲間の末路を知った時の心境は、一体どのようなものだったのでしょうか…?
ノイズに取り込まれる直前、ファルセットの仮面が外れて割れたのは意味深です。全てが終わった後で、3人揃った元気な姿を見たいものですね。

終盤に来て、これでもかといわんばかりに過去エピソードのメッセージが活きた描写が目立ちますが、おふざけというかギャグ描写が多い30話にも、終盤にしっかりと繋がるメッセージがあったのだと気付かされ、スタッフには本当に頭の下がる思いです。
演奏シーンからラストまでの流れには、映画でも取り上げられたメッセージが込められています。昨年もそうでしたが、番外編ともいえる映画にもまた、本編のメッセージは息づいているのだと思います。もっとも、今年の場合は年が年なだけに、私自身は映画を見ていなくてもグッときたと思いますが。

「寂しさなど感じてはいない」、「音が消えれば苦しみも消える」というノイズの言葉は、まるで自分に言い聞かせているかのようにも見え、「悲しみの権化」といわれる彼の境遇が窺えます。移ろいやすく曖昧な音楽(心)を「無意味」と切り捨てながら、「心の負の側面」である悲しみや憎しみのエネルギーを(あげくの果てには他人をも)取り込むことで、ますます深みにはまるとは皮肉なものです。
アフロディテやメイジャーランドの住人達の力強い音楽(心)を目の当たりにし、まるで子供のようにわめき散らしたところを見る限り、彼はただ、何らかの苦しみから解放されたい、ただそれだけだったはず。
そんなノイズの過去は、次週ようやく判明するようです。音のない世界を作ってどうしようというのか、そんな世界にいて悲しくないのか? メロディ達の問いかけに、ノイズが返した答えとは…?

出撃直前のミューズとアフロディテのやり取りでは、母から娘へ、心が受け継がれたように思います。前回で音吉さん達から託された思いを、今回アフロディテやメイジャーランドの住人達、バスドラ・バリトンから託された思いを、今度は響達がどう受け継ぐのか。そしてハミィや、クレッシェンドトーンの「息子達」であるフェアリートーンは、その時何ができるのか。
「心」を否定するノイズに対する響達は、今回やや虚を突かれた感じでうまく反論できていませんが、伝えたい思いはアフロディテやメイジャーランドの住人達と一緒のはずです。「心は悲しみを受け止められるし、その上で幸せを作ることだってできる、私達がそうだったように」と。

残り2話、真っ白な楽譜に記されるメロディがどんなものなのか、破滅(自滅)へと向かうノイズの心に救いはあるのか、非常に楽しみです。
by 龍 (2012-01-16 00:13) 

幸下人

スティクスさん、こんにちは。幸下人です。

下書きのアップの件は、決断と実行の早さに驚きました。同一作品2本立てのレビューというものが、前例があるのか、さほど珍しいことではないのかはわかりませんが、好評のようですね。しばらく続けれられてはいかがでしょうか。
私自身は、「スティクス妄想全開レビュー」を加えての豪華3本立てを期待しますが・・・。(80%冗談です・・。)

律儀な方であろうスティクスさんは、今、全身全霊でスイートのクライマックスと対峙していらっしゃるのでしょう。そこには1滴の雫も入り込む余地がないほどの・・・・。
余地を入れてしまえば、スイートの対する背信になる。そのような姿勢だとお見受けします。

たしかにこのページは「スイート46話」のレビューです。しかし、そもそもここは連綿と続く「プリキュアシリーズ・レビュー」の一頁でもありますよね。

前置きが長くなりました。

新シリーズへのコメントがないのが寂しいです。(他のコミュなどで書かれているのかもしれませんが)
ED前の新作紹介(今までより1週ほど前倒し?)、エンドカードの「新旧競演」など、目を引く新趣向もあります。

意地悪く見れば、「1週でも早く販促にもって行きたい製作側の商業主義」に対するスティクスさんの無言の抵抗、とも深読みしてしまいますが、現実に、5人の新しいプリキュアの卵たちが、私たちのお茶の間(スティクスさんのバーボン入りコーヒーの間)に、TV画面から挨拶しているわけですしね。彼女たちの活躍を今から期待することは、決して響たちを裏切ることではないと、私は感じています。

プリキュアシリーズはある意味残酷で、我々を大団円の感動の余韻にわずか1週間しか浸らせてくれません。

あっという間に新シリーズ開始、旧作までの約束事と、新志向との狭間でバランスをうまくとれなくて、「プリキュア酔い」してしまう多くの視聴者がいるのが現実です。それが新作への非難や視聴放棄につながったり、いろいろあるわけですよね。

スイートとスマイルがパラレルワールドでつながっているとも解釈できます。現にエンドカードで両主人公が手と手を取り合っているわけですし。9戦士の競演がTV版で展開しないとも限りません。

このところ小言ばかり並べてしまって申し訳ありません。なにか、私自身のソワソワした気持ちを不躾にスティクスさんにぶつけているだけなのかもしれません。

スイート、ここまで見てきてよかったです。バトルは次週で完結して、最終話は音楽会開催がメインの話になってハミィ&セイレーンのデュオに魅了される、そんな結末を想像したりして、今から楽しみです。


by 幸下人 (2012-01-16 02:35) 

横浜学園都市部

他の人達がプリキュア達の戦闘スタイルや心情を書いていたので、あえてそれ以外を…

まず最初に驚いたのは、ファルセットの吸収のされ方でした。

満身創痍のノイズを気遣ったのは良いのだが、それを一蹴して吸収されるとは…

ファルセットが折角心配してくれているのに、ノイズは「余計なお世話だ」で片付けてしまいましたね。

ファルセットに関しては元々非情な姿になる前からお節介焼きなキャラでしたので、言及されてますけど早期撤退は悲惨でしたね。

さて次回は、メロディ達が強化変身します。

既に映画でメロディは、クレッシェンドキュアメロディという姿に一時的ながら強化変身しましたが、次は4人全員での変身です。

とはいっても、クレッシェンドメロディの衣装がリズムに腹部を露出したような衣装に成っているので、被りかねないリズムがどうなるのかが気に成ります。
by 横浜学園都市部 (2012-01-16 10:45) 

通りすがり

この度はご迷惑をおかけしました。私自身も人様にとやかく言えるほどプリキュアシリーズを理解してなどおりません。

プリキュアも8年やってきて、玩具の販促やキャラ萌えにばかり目が向き、根本の物語のテーマを描くことへのこだわりが軽くなっているのではないか。作中のキャラクターの注意しないとわからない魅力的な仕草や行動を無視され、ネタキャラなどという俗称でシリーズが消滅するまで笑いものにされるのではないか。そして誰もそのことを問題にしていないのではないか。
・・・色々な方のご意見を見てきて、ここ最近はそういった疑問が漠然とありました。


プリキュアに限らず、作品の在り方を肯定するひと、否定する人、独自に解釈する人・・・表現方法は様々ですが、いずれも「好き」という感情は同じであることに最近はよく気付かされます。

改めて非礼をお詫びします。管理人さんのお言葉が聞けてまた一つ勉強になりました。どうもありがとうございます。
by 通りすがり (2012-01-17 00:39) 

スティクス

>龍さん
下書きを公開することによって、
より掘り下げた感想を書く事ができた気がします。

>ファルセットとオウム
私はやかましいとしか見られなかった点、まだ読みが甘かったです。
確かにそれぞれの主を気遣っていますね。
だからこそ、主であるノイズとアフロディテの行いが対比されている事、
そしてノイズの行動が心の否定に繋がる、という解釈に頷かされました。

>バスドラとバリトン
今までのバカやってた姿があるからこそ、
熱いシーンとのギャップでグッときましたね。
「苦楽を共にした仲間」もさることながら、
作中でやたらと食事シーンが多かったため
「同じ釜の飯を食った仲間」という見方もできそうです。
大林さんもネガトーンの意志を代弁していたとの考えも、
伝説の楽譜ネガトーンだけでなく、これまでのネガトーン達の気持ちが
そうあったのではないかと興味深く拝見しました。
ビートの表情の件、相当悲痛な顔をしていたかもしれませんし、
私たちの想像に委ねているのかもしれませんね。
また、ファルセットの仮面に関しては、
あれが砕けた事で己を取り戻す可能性があるのでは、と考えています。

>自分に言い聞かせている
今回は特にノイズの言葉を、自分に言い聞かせるように受け止めました。
当初はあまりノイズに共感するところが無かったのですが、
ノイズはノイズの苦しみ、悩みがあるように思えてきます。
次回のノイズの過去、どんな答えを出すのかが楽しみですね。

受け継がれるメッセージ、そしてノイズへの答え。
どのようなコーダ、そしてフィナーレを迎えるか、
見届けさせていただきましょう。
by スティクス (2012-01-17 07:12) 

スティクス

>幸下人さん
私が迷いを感じている際、いつも適切なコメントを頂戴し感謝しております。
最近の感想も決して手を抜いていた訳ではありませんが、
どこかに無難に仕上げようと言う気持ちがあった事は否めませんでした。
今回の一件で、私自身が納得できるような感想が書けて、
結果的にプラスになったと感じています。
ところで「妄想全開レビュー」ですが・・・いいんですか?(笑)

さて、新シリーズに関してのコメントが無いというご意見に関しまして、
これまでフレッシュの終盤でハートキャッチの、
ハートキャッチの終盤でスイートの話題を書いた事が無いように、
今回も昨年や一昨年同様、現在のシリーズが終わるまでは
現在のシリーズに専念したいと考えております。
「偽物」から「本物」に生まれ変わったダークドリームや、
愛すべきイカの人のプリキュア化、オリヴィエのレギュラー化など、
楽しみにしている事は変わりません。

ご意見を頂戴した通り「無言の抵抗」という気持ちも若干ありました。
毎年この時期感じる、現行シリーズ終了への寂しさと、
新シリーズへの期待と不安が入り混じる複雑な想いの中、
次作のアピールがやや早すぎる気がして戸惑っている私がいます。
新作とのクロスオーバーとなるエンドカードも、
第一印象はスプラッシュスター最終回のエンドカードを思い出してしまい、
正直なところ好印象を持てませんでした。
しかし新たなプリキュア達が挨拶してくれている、
そしてパラレルワールドで繋がっているというご意見に
目が覚めた気がしました。
受け継がれるメッセージ、まさに今回クローズアップされた事が、
シリーズを跨ってプリキュアのDNAを繋いでいるという事と
気が付いた次第です。

しかし偏屈に見えるかもしれませんが、
2月までは本文中で触れない事にします。
その分、2月以降を楽しみにして頂ければ幸いです。
そして1月一杯は全力でスイートに向き合いたいと思います。

ところで今作は後日談を作るとすれば、
1話あっても足りない程だと思いますので、
最終回の音楽会というのも期待したいですね。
by スティクス (2012-01-17 07:37) 

スティクス

>横浜学園都市部さん
ファルセットに関しては色々な見方ができますね。
この気遣いが裏目に出てしまったとはいえ、
お節介焼きに関してはもともとの性格でしたので、
ある意味元に戻る布石と見る事も出来そうです。
私としては、熱い涙を見せてくれたバスドラ、バリトンに
比肩しうる見せ場があって欲しいのですが、どうでしょうか・・・?

強化変身に関して言えば、フレッシュを思い出します。
ベリーの特異な例(苦笑)は今回はなさそうですが、
仮にメロディとリズムが被ったとしても、
外見ではなく内面でメロディとリズムの個性が感じられますので、
私としてはそれを活用した戦いぶりと、物語への作用を期待しています。
by スティクス (2012-01-17 22:28) 

スティクス

>通りすがりの方へ
今回の件では、私自身も色々と考えた結果、
腰を据えて作品に向き合う事が出来たと思いますので、
どうかお気になさらないで下さい。

挙げられていらっしゃる疑問点であったり、
それに対して悔しい想いをされていらっしゃる事、良く解ります。
私も全作品、全キャラクターに思い入れがありますので、
見るに堪えない意見を見ると、悲しくなります。
それでも考え方は人それぞれであり、
何かは苦手でも何かは好きだという方もいらっしゃいます。
それをひっくるめて、おっしゃる通りの「好き」という感情だと思います。

私の発言や記事内容、プリキュアシリーズに向き合う姿勢に対しても
反省すべき点がある事は大きな教訓となりました。

またコメントの文面から、誠実な方とお見受け致します。
初代の第8話、SSの劇場版、5中盤の大ピンチ、
フレッシュのラッキークローバー前の対立、
ハートキャッチの第4話、そして今作初期の響と奏・・・
これまでの作中でも意見をぶつけた後は、
必ず互いを理解し合ってきました。
共にプリキュアシリーズを愛する者同士、
これからもご来訪頂き、ご意見を頂戴したいです。
by スティクス (2012-01-17 22:50) 

Merci

こんばんは。

率直に言いますと、スティクスさんは閲覧者(私含め)に気を使い過ぎでいらっしゃると思います。文中の言葉をお借りするなら、むしろ空気読み過ぎです。私がROM専の頃の文章を含めて、ずっと「自分を律するための自分への要求>他者(閲覧者)への要求」ですから。こちらは居心地がいいですけど、スティクスさんのブログなのに、スティクスさん御自身にとって、果たして居心地が良いのだろうか?と言う心配がありました。むしろ、スティクスさんの場合、我々に「俺をもっと居心地良くさせろぉ~!!」と要求なさって、ちょうど良いくらいではないかと思いますです、個人的には。

私は、スティクスさんの文章って、普通に書かれて十分、配慮がなされていると思うんですよ。世の中、往々にして、自分の意見を事実と思っているかのような、自分と違う意見に対する押し付けがましさのある文章を見かけますが(自省も込めまして・汗)、スティクスさんの文章からは一切それを感じないので。私は、自分の好きな作品への批判は割と読んでいて平気なんですが、苦手な作品への賞賛意見を読むのがすごく苦手で・・・でも、スティクスさんの文章は、その場合でも全然平気ですから。

肝心の話の内容に触れていなくてすみません。私はたまたま、「スイート」と言う作品と非常に波長が合ったので、批判が多かったこの作品に対しても、そのメッセージ性を真摯に、しかもごく自然に踏まえられたたスティクスさんのレビューを読めて、本当に幸せでした(一足早い言い方ですが^^;)。

スマイルの番宣が入るのは寂しさもありますが、言わば「異質な存在」とさらりと共演をしているのは、実に「スイート」らしいな、とも思いました。
by Merci (2012-01-17 23:33) 

スティクス

>Merciさん
気を遣いすぎ、確かにそうなのかもしれません。
しかし、時折泣き言らしき事を書いている事もありますが、
基本楽しんでいるつもりです。そうでなければ毎週の視聴と、
初代からの再視聴を延々と続けられなかったと思います。
空気を読むのが苦手なのは実際の私の欠点だと認識しており、
自分を律するような文面は、ある意味自分自身へ言い聞かせる事で
転じて自分のためでもあると考えているからです。
もっとも、仮に私がデザトリアンにされたら何をブチ蒔けてしまうのか(笑)
それはそれでちょっと興味もありますが・・・
このような形式を取る理由については、
いずれ自分語りをする日が来るかもしれません。

あと、私は苦手な作品の賞賛意見というものは興味を持つ一方で、
好きな作品への批判を読むのが非常に辛いタイプです。
そのため、Merciさんのようなご意見をお持ちの方がいらっしゃる事を知り、
勉強になりました。あらゆる人に不快感を与えない文章など
決して書く事が出来ないと解っていますが、
それでも極力そのような事はしたくないと考えており、
今の私の語り口が出来上がって行きました。
悪く言えば八方美人かもしれません。しかし、このように評価して頂いて
本当にうれしいです。素直に喜んでいます。

私も他のシリーズと比較してスイートには言いたい事もある一方で、
このシリーズでなければ得られなかった事も沢山あり、
見返す度に気が付く良さがある作品だと思います。
まだ終わった訳ではありませんので、完結までどんなメロディを奏でるのか
私なりにこのシリーズの魅力を追及していく所存ですので、
お付き合いいただけると幸いです。
改めてご配慮に満ちた暖かいコメント、ありがとうございました。
by スティクス (2012-01-18 22:35) 

なぎほの

@munehisa_sakai(境宗久氏・アニメ監督)の、1/19 13:01のつぶやき!
今度の日曜日放送予定のスイプリ第47話についてつぶやいてます。感動ものらしい~。
ツイッターアカウントを持っていたら、検索してみて下さい♪
by なぎほの (2012-01-19 19:25) 

スティクス

>なぎほのさん
情報提供ありがとうございます!
あいにくと私はツィッターアカウントを持っていないのですが、
この情報を頂いた後、他サイト様で境監督のつぶやきを確認しました。
昨年のハートキャッチのラス前が超感動だっただけに、期待が高まります。
次回が楽しみですね。
by スティクス (2012-01-19 21:55) 

なぎほの

@munehisa_sakai(境宗久氏・アニメ監督)が、明日放送のスイプリについてまたtweetしています。

1/21 14:35頃のつぶやき!
演出の田中氏入魂の仕上がりだとかw
by なぎほの (2012-01-21 15:03) 

スティクス

>なぎほのさん
再び情報をありがとうございます!
早速確認させていただきました。
これは・・・明日の放送が本当に楽しみです。
明日は私もがっぷり四つで向き合うべく、
早めに休んで、英気を養う事にしようかと(笑)

by スティクス (2012-01-21 18:22) 

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