久々登場の「秘密基地」。
白雪姫を読むみゆきの横で、キャンディが何やらアクセサリーを作っています。
それをみんなに見せようとみゆきが顔を上げた際、みんな何やら作業中な事に気付きました。
キャンバスに向かうやよい、裁縫をするあかねとなお、ろくろを回すれいか(し、渋い・・・)
みんなは母の日のプレゼントを作っています。そう、今日は母の日。
すっかり忘れていたみゆきの叫びが、秘密基地にこだましました。
ひょっとして大阪まで買い出しに行っていたのか、
沢山の
納豆ぎょうざ飴を買ってご機嫌のマジョリーナ、ウルフルンに一つプレゼントします。
ところがその味はといえば・・・やっぱり食べる人を選ぶものでした。
『ゞ(゚ε゚ヽ)ブッ!何だこれマズ!まっず!』
口に含んだ刹那ウルフルンは盛大に吹き出しました。
その結果、プレゼントなどろくなものでは無いと認識した狼さんが出撃します。
みゆきはキャンディと共に自室に戻り、素敵なプレゼントを買おうと貯金箱を開けますが・・・
『これで何が買えるクル?』
『なんにも買えません・・・』『じゃあどうするクル?』
『どうにもなりません・・・』中身はわずかに174円。現実は非常です。
ところで母の日とは何かを知らないキャンディのために、
みゆきは日頃の感謝を表す日だと説明した際、
何かをあげなければいけない訳じゃないと気が付きました。
名付けてみゆきの母の日大作戦がスタートします。
早速皿洗いをしていた育代ママンの手伝いをしたみゆきは、
嬉しそうな母の姿に気を良くして、さらに手伝いをして喜んで貰おうと考えました。
突然の風の吹き回しに少し不思議そうな育代ママンも、
今日が母の日だと知って納得、まずは洗濯をお願いします。
山積みの洗濯物を前に、みゆきはお母さんの大変さを認識しながら
洗剤(らしき液体)を注入し、スイッチを入れてこれでバッチリ!
続けてコーヒーを淹れてあげました。育代ママンの好きな、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒー。
ところがコーヒーを口に含んだ育代ママンは微妙な表情です。
案の定というかお約束というか、みゆきは砂糖と塩を間違えていました。
次いで洗濯機から警報が鳴り、蓋を開けると見事なバスクリン色がついています。
先程みゆきが入れた液体は入浴剤でした。
次いでベランダに布団を干しますが、あの・・・布団ばさみを挟まないと飛んじゃいますよ(笑)
もはや嫌な予感しかしません。
続けて掃除をしようと張り切った矢先、先程干した布団が風に吹かれて落ちるのを見て
慌てて駆け寄ろうとしたみゆきは掃除機につまづいて転倒。派手に中身をブチ蒔けました。
折角のお手伝いが裏目に出てしまい、みゆきはすっかり涙目です。
自室に戻ったみゆきは逆に迷惑かけてしまっていると思い悩み、
他にどうしたら喜んでもらえるのか考えると、みんな何かを作っていた事を思い出しました。
キャンディが作っていたようにアクセサリーを作り、
素敵なものをプレゼントしてウルトラハッピー!そうと決まれば俄然やる気が戻って来ます。
再び秘密基地へと戻ったみゆきは、みんなが作っていたものを見せてもらいました。
絵が得意なやよいは母の肖像画、その出来は言わずもがなです。
あかねは店で使えるエプロンを作ったものの、少々不格好かつ指も傷だらけです。
一方なおは普段から妹弟達の繕いものをしているために手芸が得意で、
見事なティッシュカバーを仕上げていました。しゅげー!(ゲフンゲフン)
そしてれいかは「感謝」「母」と認めた湯呑を焼き上げています。
(シブイねェ・・・まったくおたくシブイぜ)
という訳でみゆきにも特技を活かしたものを提案してみますが、みゆきの特技とは・・・?
『そうですね。例えば・・・例えば?』『そうだなぁ。えっと・・・例えば?』『えっと、えっと・・・例えば?』『えっと、そうやなぁ・・・例えば?』残念ながら一巡しても誰も思い浮かびません。自分の特技が何なのか、首を捻るみゆき。
その時、キャンディが作ったアクセサリが目に留まりました。
素敵なネックレスを作ろうと意気揚々、糸にビーズを通して順調に仕上がって行きます。
手作りチャームの色塗りも頑張り、みんながお茶を淹れてくれたりと見守る中、
手作りネックレスは完成!・・・したものの、完成品はどこか不格好でした。
みゆきの笑顔が曇ります。あかねはそんな事無いと慰めるものの、
自信を失ったみゆきは、渡すのをやめようかと思い悩みました。
その状況に、やよいがメッセージカードをつけて渡す事を提案すると、
再びみゆきも気を取直し、みんなでメッセージカード選びに出発です。
街にやって来たウルフルン。未だ納豆ぎょうざ飴の味が口に残ったままで気分が悪く、
徹底的にバッドエナジーを集めようとこちらも意気込み充分です。
眼下の花屋に目を留めて、母の日のカーネーションをプレゼントする親子を前に、
再びプレゼントへの腹立たしさが蘇ったウルフルンは白紙の未来を黒く塗りつぶしました。
メッセージカードを選びに来ていたみゆき達も異変に気づき、
母の日のカーネーションを買いに来た人達からバッドエナジーを抽出した事に憤り、変身。
ウルフルンも今日は赤っ鼻を用いてカーネーションをアカンベェ化します。
ネックレスをキャンディに託し、戦闘開始。
花に包み込んで投げ飛ばしたり、花粉を吹きかけてくしゃみをさせたり、
鋭い葉っぱを飛ばしてきたりと、今回のアカンベェはなかなか強敵です。
ハッピーが2本の花にしがみつき、動きを封じて好機を作ったのも束の間、
茎が伸びて振り回される等、苦戦を強いられるも常にキャンディが声援を送りますが、
その姿にウルフルンは苛立ちを覚えました。
アカンベェにキャンディを襲わせ、すかさずハッピーが救い上げますが、
その際キャンディに預けていたネックレスが落ちました。
それを拾い上げたウルフルンに、返してと飛び掛かるハッピー。
『てめぇが作ったのかよ?どうりでやたら下手くそだと思ったぜ。
こんなの貰って喜ぶ奴がいるのかよ』
ネックレスを奪い返すことも出来ず、ウルフルンにあしらわれ、
罵倒されたハッピーは、悲しさを通り越してしまったのでしょうか。
寂しげな、自嘲気味の笑顔ともとれる表情で肩を落としました。
『・・・やっぱり、そうかな?全然上手に出来てないもんね、それ。
そんなんじゃお母さん、喜んでくれないよね・・・』『ハッピー、それはちゃうで』サニーはそっとハッピーの肩に手を置いて、ウルフルンに返すよう求めます。
当然一蹴するウルフルンに、静かに怒りを燃やしていたサニーは一気に躍りかかりました。
『ウチの作ったもんかて大概不細工や。けどな!』『たとえ不器用でも、気持ちを込めて作ったものなんだ!』マーチも続き、その蹴りを受け止めたウルフルンに、炎を纏ったサニーの蹴りが炸裂!
ネックレスを奪い返します。
再びキャンディを襲うアカンベェの花はビューティが押し留め、
『上手いとか下手の問題ではありません!』花を凍らせて一撃を叩き込み、
『お母さんのために込めた思いが、一番大事だと思うから!』ピースも電撃を叩き込みます。自分で起こした雷にビビるというのは変わりませんが(笑)
みんなの言葉に、ハッピーは大切な事に気が付きました。
『そうだ、大切なのは気持ち。プレゼントが可愛いとか、そんなんじゃない。
ここにいる人たちもきっとそう。お母さんに伝えたい事があるから、プレゼントをするんだ』反撃開始。花を上手に相手に向けて花粉を噴射させ、
ウルフルンとアカンベェにお返しします。
苦し紛れの葉っぱ攻撃はマーチが全て打ち払い、上空に跳んだ4人の攻撃が、
さらにその上からハッピーが茎を滑ってアカンベェに突撃!
『不器用でもいいの!私お母さんに、ありがとうって言いたい!』ハッピーシャワーでアカンベェを撃退。久々にデコルを手に入れました。
ネックレスを取り戻したものの、ボロボロになってしまった事を謝るキャンディ。
キャンディのせいではないと慰めるみゆきの前に、買い物でしょうか。
丁度育代ママンが通りかかりました。
みゆきはいざ面と向かうとプレゼントを渡す事をためらってしまいますが、
みんなの後押しもあり、意を決してネックレスを差し出しました。
あまりうまく出来なかったと少し自信無さげなみゆきでしたが、
受け取った育代ママンは目を輝かせて笑顔を娘に向けました。
『・・・とっても素敵』
日野家でも、黄瀬家でも、緑川家でも、青木家でも、
それぞれ娘からのプレゼントを喜ぶ母の姿がありました。
そして星空母子は、暮れなずむ町を家路へと向かいます。
みゆきはお手伝いがきちんとできなかった事を謝りますが、
育代ママンにとっては「すごく頑張ってくれた気持ち」がとても嬉しいものでした。
『ありがとう、みゆき』
今日はお母さんに感謝する日。それは逆に子供の気持ちに親が感謝する日でもあります。
『お母さん、ありがとう。だーい好き!』空に一番星が輝き、ドタバタ忙しかった母の日は暮れて行きました。
まず満を持しての登場と言うべきか、みゆきの母の星空育代ママン、美人ですねぇ。
これまでは美翔可南子さんが私の最もお気に入りのお母さんで、
例外的にママンと呼んでいたのですが、今回思わず育代ママンと呼んでしまいました(笑)。
もっともプリキュアシリーズの母親は皆容姿・性格ともに魅力的な美人揃いで、
前回の予告を見てから期待していたものを上回り、
素敵な母親がまた一人登場した事が嬉しいです。
願わくばこれから先の出番もそこそこキープしてもらいたいものですが・・・
さてママンの容姿に萌えるのはこのくらいにして、
今回は独身の私もなんとなく子を持つ親の気持ちが解ったような気がします。
冒頭から続くみゆきの奮闘ぶりを観て、
結果として失敗に終わったり不発に終わったりしているものの、
一心にお母さんのために何かをしたいと言う姿が、なぜか自分の事のように嬉しくなりました。
おそらく本日、この話を親子で観ていたご家庭の中には、
今ちょうどお子さんに何かお手伝いをしてもらったり、
プレゼントを貰ったりしている方もいらっしゃる事でしょう。
作中のみゆき同様、逆に余計な手間が増えてしまうお手伝いかもしれませんし、
貰っても実用に困るものかもしれませんが、その気持ちが何よりも嬉しいとは
大人になって初めて解る事なのでしょうか。
誰かのために何かをしたいと言う気持ちを貰う事は、
大人でなくても嬉しいと言う事が、今回のみゆきとキャンディの関係から見て取れます。
まずみゆき→育代ママンの間では、コーヒーの砂糖と塩事件や
洗濯物、掃除機などの失敗を前にしても、育代ママンは委細気にしないで何も言わず、
ただにこやかに笑っています。(苦笑いも入っていますが)
同じことはキャンディ→みゆきの間でも見て取れ、
戦いの応援をするという行為は実際に役立つ訳でもなく、
ウルフルンに標的にされる等、逆に足を引っ張っているとも言えますが、
みゆき=ハッピーはそんな事を気にしてはおらず、
キャンディの気持ちをありがたく受け取っています。
ネックレスをボロボロにしてしまった事を詫びる場面でも、
みゆきは一切気にしておりません。
また標的にされたキャンディを体を張って守る姿からは、子を守る親のようなものも感じられます。
今回みゆきは「何かをしてあげる」喜びと、「何かをしてもらう」喜びの両方を体験していました。
みゆきにとってのウルトラハッピーとは決して特別な幸せではなく、
日常の中に見出して行くものだと思いますので
その「喜び」こそが、ウルトラハッピーとなり得るものだと思います。
またプレゼントについて、マジョリーナとウルフルンのやり取りが
反面教師になっている点にも構成の妙を感じます。
得てしてプレゼントとは送り手と貰い手の間に多少の意識差が存在するものです。
それを踏まえた上で嬉しいと喜べるのか、要らないと考えるのか。
マジョリーナは下心なくウルフルンにプレゼントしたと思いますし、
ウルフルンも貰ったモノがあまりにアレだった(笑)という点があるものの、
気持ちのやり取りという点がこの両者には欠けていたのでしょう。
それが「プレゼントは下らない」という発想に繋がってしまうのが
現実にもあり得る話だけに教訓になりました。
話は逸れますが、私はある事情で「プリキュアシンドローム」はまだ未見です。
ただ本文中、のぞみについて鷲尾氏が「項羽と劉邦」の
劉邦のような人物だと評していると耳にしました。
みゆきもまさに、この劉邦のような人物と言えそうです。
実際劉邦はチンピラ上がりで自分では何も出来ず、
子を投げ捨てながら逃げたりとヘタレなエピソードばかりが光りますが(笑)
蕭何、夏候嬰、張良、韓信、陳平といった優れた人物が自然と集まって来ます。
「賢者は自分のすぐれた思考力がそのまま限界になるが、
袋ならばその賢者を中へほうりこんで用いることができる」
司馬遼太郎は、劉邦をこのように評させていました。
れいか以下、みんなみゆきの特技を言い当てる事が出来ませんでしたが、
このように常に人の中心に存在し、人が自然と集まり、
人を包み込む器の持ち主である事は感じている筈です。
劉邦のように、そしてのぞみのように、中に入る「者」やこれから中に入れる「物」によって、
どのようにもウルトラハッピーを捕えて考える事が出来る、
からっぽの大きな袋というのがみゆきの特技だと感じました。
ただ、「例えば?」の連鎖には笑わせて貰いましたが(笑)
笑えたと言えば、ろくろを回すれいかの渋すぎる姿にも開始早々笑わせて貰いました。
よく見れば下に畳が敷いてありましたが、まさか畳まで秘密基地に持ち込んだとか・・・?
あと、どうやって焼いたのでしょう。ひょっとして窯まで持ち込んでいるのか、
はたまたサニーに焼いてもらったのか・・・?謎は深まるばかりです。
また、緑川一家は父親似なのか、それとも・・・?
いや、なおのお母さんはおおらかでとってもいい人だと思います。
しかし朝食茶碗3杯が控えめだと言っていたなおの成長した姿が少々心配になりました。
5人それぞれが協力し、攪乱しながら動くアクション面でも今回は見応えがありました。
炎を纏った一撃を決めるサニー、続いて速攻を畳み掛けるマーチ、
凍らせて一撃をかけるビューティのカッコ良い事!
そして相変わらず自分で呼んだ電撃にビビるピースもさることながら、
茎を滑ってハッピーシャワーに至るまでのハッピーのカッコ良さにもシビれたものです。
これから先、5人が繰り広げる熱い戦いにも期待が高まります。