ファーストアルバムの他の曲と同様、東洋風の曲調でありながら、
A面の細野ワールドとは異なる、坂本龍一らしさというものが感じられる気がします。
YMOファンには周知の通り、ファーストアルバムには「日本版」と「米国版」がありますが、
私はこの日本版の方が好きです。米国版に追加されている間奏部のヴォイスは
それはそれで独特の魅力があるものの、やっぱり蛇足に思えます。
日本版の中間部は確かにやや冗長に感じられなくもないですが、
良く聴くと変奏曲よろしく、微妙に違った意図が聴こえるようで、
これこそが教授の意図した音楽だったのではないかというように見受けられます。
そして再びメインの旋律に戻った後からラストにかけて、
裏で鳴っているピアノの凄さはさすが芸大院卒の格といったところでしょうか。
この曲はYMO屈指の人気曲だけに、多くのライヴで演奏されています。
まずは私がYMOを意識するきっかけとなった1993年再生ライヴ。
原曲に忠実な演奏故に、ライヴならではのアレンジが少なく残念という声もありますが
オーソドックスだからこそ、私が再びYMOを知るきっかけとなった、忘れられない演奏です。
1983年散開ライヴ。こんなにキラキラで軽い東風なんてアリ?と首をかしげた事もありますが、
今思えば後記YMOの雰囲気に合わせたアレンジも良いかなと思います。
色んな意味でライブらしくない演奏ではありますが(笑)
ニューヨーク、1979年ハラー公演
タバコを加えながらこんな演奏をする教授のインパクトが強烈!
それ以外でもクールに見えて熱く、それでいてクールなメンバーの演奏が実にカッコいいです。
そして1979年LA グリークシアター公演
YMOの海外デビューであり、前座でアンコールを求められた伝説の公演の、
そのアンコールの模様です。途中自動演奏が止まる?アクシデントに見舞われながら
この公演最初の頃、つい30分ほど前までガチガチに緊張していた様が嘘のような、
この威風堂々とした演奏っぷりは圧巻です。
私にとってのYMO原風景ともいうべき東風。
この曲と出会えた事に、感謝しています。
作曲:坂本龍一
<番外>
OMY「SHANG POO」 シャンプー?
YMO大好きなナムコの作曲家の皆さんが結成したパロディユニット「OMY」の一曲。
知らずに聴いたらどっちがオリジナルかわからなくなるような高いクオリティ、
知って聴いたらこの巧みなはぐらかしっぷりが素晴らしい?迷曲です。
似て非なるメロディラインもさることながら、
細野さん独特のベース奏法までも忠実に再現している様はもう脱帽です。
案外ご本人がこっそり参加してたりして・・・?