YMOを語ってみる 「Castalia」~Solid State Survivor

この残暑、いつまで続くんでしょうか・・・
少しでも寒々とした曲でも聴いて、気分だけでも涼みたいものです。
という訳で曲順通りの紹介ですが、今回はポップな印象の強い初期YMOの中で、
一転して仄暗い光を放つ佳曲「キャスタリア」の番が回って来ました。
http://www.youtube.com/watch?v=dkhRPKMV7Fo&feature=related
　　
この「キャスタリア」、そしておそらく3回後に掲載する事になる「インソムニア」の2曲は
明るく親しみやすい印象の強い初期YMOで異彩を放つ存在です。
この時すでに中期YMOが予期されるようで、
超有名になってしまった事への戸惑いがあるような気がします。
はっきり言って「暗い」のですが、同じく「暗い」中期YMOの作品群とは別ベクトルの、
幽玄な美しさが際立つ印象があります。

キャッチーな楽曲が多い初期ライヴでも、
メリハリがつくような独特の存在感を発揮しています。
http://www.youtube.com/watch?v=zHRE3fEQ7Z0&feature=related
ニューヨーク　ハラー版
曲が曲だけに、この時の不気味なマスクと相俟って、ちょっと怖いです（笑）

http://www.youtube.com/watch?v=m3S2LZivAZE&feature=related
再生ライヴ版
再生ライヴを観た当時はまだオリジナルアルバムを揃えておらず、
流れからすれば「テクノドン」の中の一曲のように思えるこの演奏が始まった時、
なぜ観客が喝采したのかが分かりませんでした。
これがこのライヴで最初に演奏した過去の作品だと知ったのは、
少し後にオリジナルアルバムを買った時の事です。
テクノドンの中に混ざっても違和感無くアレンジされたこの演奏、
中盤以降の即興演奏のような教授のピアノなど、
オリジナルよりも好きだったりします。
ただビデオでは画面がモノクロに編集されていて非常に見づらかったので、
そのうち再発することがあれば過剰な編集の無いものを希望したいです。

↓そのモノクロ版
http://www.youtube.com/watch?v=qttknkdS-cA


作曲：坂本龍一