今日は七夕。幸い好天にも恵まれ、
沢山星が見えそうだと空を見上げていたみゆきを目がけて、
空の彼方から本が鳥のように飛んで来ます。
『あれは、もしかして・・・久々の・・・やっぱりポッppぉきじゅhygtfrですぁq!!』そしてこちらも久々の、やっぱり顔面直撃です。
そのポップもキャンディが嬉しさのあまり、勢いよく飛びついてノックダウン。
キャンディ以外、この場に五体満足で立っている者はいません(笑)
キャンディとポップが再会を喜び合っている頃、恐ろしい事態の予兆が起きつつありました。
ピエーロ復活まで、あと目盛りは2つ。
世界がバッドエンドになるのも、そう遠い事ではありません。
バラを咲かせ、即座に枯らすジョーカー。その腹の底はうかがい知れません。
秘密基地でみんなと再会の挨拶を交わすポップの後ろ、
お兄ちゃん大好きなキャンディはとにかく嬉しそうです。
可愛い→反発 カッコいい→照れる という以前と変わらぬ反応を見せた後、
ポップはあと1個でデコルが揃うと聞いてやって来たと来訪の目的を明かしました。
デコルが16個揃えば女王が復活し、悪の皇帝ピエーロからメルヘンランドを守る事が出来る。
改めて目的をおさらいしたのも束の間、皇帝ピエーロ復活についても懸念が広がります。
『大丈夫、世界はバッドエンドになんてならないよ!』みゆきは5人の姿が描かれたプリキュアの本を紐解き、その空気を払拭しました。
5人登場後の残りのページは白紙。白紙の未来は、自分達で作って行ける―
スマイルでいっぱいのウルトラハッピーな未来のために、
まずはお星さまにお願いだと、七夕飾りつけが始まりました。
七夕を知らないキャンディとポップに説明してあげると、
メルヘンランドの「ペガサスの日」という似た日だと理解されました。
メルヘンランドで年に一度、沢山の星が流れる夜にキャンドルを灯して
夜空を駆けるペガサスにお願いするという、まさにペガサス幻想の日。
丁度こちらの世界も百年に一度の流星群の日が七夕と重なっています。
ご丁寧にペガサスに変化して説明したポップには、いつの間にかみゆきが跨っていました。
キャンディとやよいも跨ろうとして、飛びつかれたポップが重さに潰されてしまう等
微笑ましい光景が繰り広げられます。(重いって、まさかやよいは意外と以下略)
そしてキャンディとポップにも短冊に願い事を書かせました。
沢山書いて良いと言われて、嬉しそうに楽しそうに短冊を書くキャンディ。
5人の願いは既に決まっています。
「女王様が復活できますように」「メルヘンランドが救われますように」
プリキュアの使命を帯びた願いだけでなく、
「これからも素敵な物語と沢山出会えますように」「商売繁盛もうかりまっか」「絵が上手くなりますように」「家族旅行に行きたい」物語好き、お好み焼き人生、絵、家族想いと、それぞれの個性が伝わる願い事の中、
「正しき道を行く」短冊にただ一字「道」とだけしたためたれいかは相変わらずのブレなさが素敵すぎます。
一通り飾り付けが終わった後、何か物足りなさを感じたみゆきは
デコルデコールから一つ取り上げてアクセサリーに仕立て、笹のてっぺんに結び付けました。
「デコルが十六個集まりますように」
願い事を書き上げたポップは、楽しそうに短冊を書くキャンディを振り返り、
みゆき達と出会えた事で笑顔でいられるのだと省みました。
キャンディも、これまでの一人一人との出会いに想いを馳せながら、願い事を綴って行きます。
大好きなみんなと、ずっと一緒に・・・「みゆきたちとずっといっしょにあそぶくる」
キャンディが笹のてっぺんに結び付けたその願いは、今はまだ誰の目にも触れていません。
そして本棚の扉を起動し、みんなで星空を見に出発しました。
キャンディにミラクルジュエルのヒントを見出したジョーカーは、
アカオーニを呼びつけていました。慇懃な物腰の裏に潜むのは果たして・・・
脅威は少しずつ、忍び寄りつつあります。
星が良く見える町はずれの丘の上には、人々が三々五々集まって来ていました。
空には満天の星、眼下には街の夜景が広がる景色は、
ポップにメルヘンランドの光景を思い出させます。
どんなところか興味を抱くみんなを、いつかきっと招待すると約束するポップ。
みゆきはキャンディと出会った時の事を、改めて思い出しました。
『キャンディに出会った時ね、私とびきりハッピーな事が始まるって思ったんだ。
あの時の予感は本当に当たったの。だってキャンディに出会えたから、
みんなとも仲良くなれた。私今、凄くウルトラハッピーだよ』みゆきとキャンディが出会ったからこそ、今のこの日々があります。
そして、流れ星が降り始めました。次々と降る流星群に、人々の歓声が上がります。
手を合わせ、心の中でお願いをするみゆき達。
キャンディも心の中でお願いしていました。「みゆき達と、ずっと一緒クル」
ポップもキャンディが秘める力、それを守るべく決意を固めますが・・・
その矢先、アカオーニ登場。
お前達の願いは叶わないと白紙の未来を黒く塗り潰し、遂にピエーロ復活まであと「1」。
星が願いを叶えるなど、ある訳ないと笑い飛ばすアカオーニに
真っ向から反論するみゆきに続き、変身します。
『お願いを叶えて欲しいって気持ちは、未来を信じる力になるんだから!』対するアカオーニも笹飾りをアカンベェ化。
そのアカンベェにいつにない気合を感じ、また「赤っ鼻」すなわち最後のデコル奪還に向けて
5人再び気を引き締めました。
折り紙の鎖を昔のヤンキーのように振り回し、短冊を飛ばして来るアカンベェは
なかなか手強く苦戦を強いられ、思わず飛び出そうとするキャンディをポップが押し留めます。
アカンベェが巻き起こす暴風に阻まれ、前に進む事すらできないプリキュア達。
それでも誰一人として諦めません。
『諦めるわけ、ないやろ!』サニーは抗うように草を掴み、
『女王様が復活しますように。メルヘンランドが救われますようにって、
みんなでお願いしたんだもん』ピースも負けじと顔を上げ、
『私達は願い続けます。そして!』ビューティが強風に抗いながら続き、
『前に向かって、進み続ける!』マーチが逆風に、一歩踏み出しました。
それでも願いなど無駄、未来はバッドエンドと扱き下ろすアカオーニに、
ハッピーは吹き飛ばされそうになりながら反論します。
『無駄じゃない。今までみんなで、頑張って来たんだもん!』飛ばされそうになるハッピーを、サニーとピースが掴み、
その前に立つマーチとビューティ、皆の手が一つに繋がれました。
『私たちの願い、スマイルでいっぱいな未来にするためにみんなで頑張るの!』反撃開始。サニーとマーチの体育会系2人が切り込んで肉弾戦を繰り広げ、
チェーンを瞬時に凍らせて断ち切るビューティ、短冊を稲妻で払い落とすピース、
それぞれ持ち味を活かしてアカンベェに対処し、
その間にハッピーは久々の気合注入!そして渾身のハッピーシャワーを放ちました。
負けじと受けて立つアカンベェ。力は拮抗し、互いに一歩も譲りません。
アカオーニは金棒でアカンベェの足を叩いて激を入れ、
アカンベェ優勢かと思われますが、ハッピーは一人ではありません。
声援を飛ばすキャンディ、そして4人の仲間達、5人の力が一つになってアカンベェ撃退。
アカオーニが引き上げた後、元に戻った夜空から最後のデコルが降って来ました。
遂に全部のデコルが揃い、歓喜に沸くみゆき達。
あとはデコルデコールに収めて、女王を復活させるだけです。
デコルを受け取り、改めて感謝の弁を述べるポップ。
いよいよ最後のデコルが収められる、と思ったその時・・・
初めて皆の前に姿を現したジョーカーによって、突如、デコルデコールが奪い去られました。
デコルだけでなく、キャンディをも手中に収めて
バッドエナジーもじきに一杯になり、ピエーロ復活が近い事を言い放ちました。
『願いは叶う?残念ながらあなたたちの願いは何一つ、叶いませんよ』
みゆきの名を呼ぶキャンディの声は、ジョーカーと共に夜空へと消えて行きました。
後にはただ、ジョーカーの高笑いが響くばかりです。
誰もいない秘密基地で、キャンディが書いた短冊が静かに揺れています。
「みゆきたちとずっといっしょにあそぶくる きゃんでぃ」
そのささやかな願いすらも、叶える事はできないのでしょうか・・・
まずは中盤の山場を控えての「おさらい」が、久々登場のポップともども、
お子様層に分かりやすく作られていた点、評価したいです。
大人の我々にとってみれば、おさらいや回想の多さが少々くどいと感じるかもしれませんが、
プリキュアは本来子供達のものですから、七夕の楽しげな雰囲気や、
ペガサスの日の幻想的な光景、流星群と流れ星へのお願いなどとも含めて、
七夕や星空に親しんでもらえる作りだったと思います。
しかし、やはり来ました山場展開。
楽しく平穏な日常や、デコルが揃ったという喜びがあるからこそ、
奈落の底に落ちた時の明暗が見事なコントラストになっています。
イルクーボ、
ベルゼイ、
バルデス(厳密には違いますが)、
ゴーヤーン(これも違いますが)
カワリーノ、
アナコンディさん、そして
ノーザ「さん」。
これまで中盤や転機となるストーリーでのナンバー2の暗躍は強烈なインパクトがあり、
今回も同様冒頭のジョーカー登場から、何となく嫌な予感が漂っています。
見ていて楽しい光景の筈なのに、得体の知れない緊張を強いられながら視聴しました。
また妖精が連れ去られるという展開においても、
フラッピ・チョッピは直前まで他愛のないケンカが、
シフォンは成果を試すダンス大会が行われており、
今回も同様、平和な光景が直前まで続いているからこそ残酷に伝わって来ます。
それでなくともキャンディの短冊やお願いごとの内容が、
いわゆる「死亡フラグ」そのもので、この点でもハラハラしながら視聴したら案の定、
追い打ちを掛けるラストの短冊の描写も、無残さに拍車を駆ける演出だったと思います。
(もちろん良い意味で、ですが)
心配と言えば、アカオーニの今後も気がかりです。
なぜジョーカーはわざわざアカオーニを指名したのか、
そしてアカオーニは今回極めてまともでギャグ性が殆ど見られず、
更に引き上げの際の焦りともとれる姿。
果たしてジョーカーとの間にどんなやり取りがあったのでしょうか?
オツムが弱いからこそ従順な兵になり得るとジョーカーが判断したとすれば・・・
願わくば
ギリンマ君のような末路を辿らない事を祈りたいものです。
七夕の織姫と彦星の話は子供でも知っている有名なものです。
仕事を放棄して遊び呆けていた罰として、年に一度だけ会えるという話からは、
キャンディを取り巻く状況と重なると言ってしまうと少々酷でしょうか。
使命を帯びているにもかかわらず、確かに危機感が薄く見えていたキャンディ、
その代償として今回の離れ離れという試練が与えられたのかもしれません。
キャンディの「ずっといっしょ」という願いもまた、
ジョーカーが言う通り決して叶わないと予想させられるために重く感じます。
このスマイルプリキュアの物語がハッピーエンドで幕を下ろす時、
メルヘンランドの完全復活の訪れは、すなわちみゆき達との別れを意味します。
逆にみゆき達と一緒にいる選択を選ぶとすれば、
大好きなお兄ちゃんと離れ離れになるという事です。
この選択と決断を迫られる日がいつか来ると考えられるだけに、
みゆきとじゃれ合う他愛のない姿が、無性に悲しいものに見えてきました。
本来そのように見るべきものでは無いと思いますが・・・
ところで願いを短冊に書き、星に祈るという行為が
決して他力本願ではないと言うメッセージは素晴らしいです。
願いがあるという事は、それに向けって何かをしたいという決意表明と同義で
目標や夢があるからこそ、それを目指して頑張れますし、
叶えようとする意志があるから、願いが叶うものです。
もっとも、文字通り「決意表明」そのものだったれいかには笑わせて貰いましたが・・・
もう
完全に「道」がネタとして定着してますね、この子は。
七夕飾りの合間にもずっと「道」にこだわってなにやら呟いてましたし(笑)
また強めのアカンベェとの戦いによる、アクション面の充実も目を惹きました。
暴風から立ち上がる際の、一人一人の力強さはもちろんの事、
何より心強く感じたのは、無言で手を繋いだ際のみんなの眼力です。
ここには確固たる無言の信頼関係が既に築き上げられているのだと確信させられます。
だからこそ、次回でそれがどう揺らいでしまうのかが気になりますが・・・
正直、予告の絶望しきったピースの顔が心配でたまりません。
プリキュア5の23話に匹敵する恐ろしい話になりそうですが、果たして・・・
ピエーロ復活を阻まれると言う事は、
バッドエンド陣営にとって叶わぬ願いを意味しています。
互いが叶えようとする願いが表と裏、この両陣営には歩み寄る道があるのでしょうか。
いずれにせよ次回、どんな展開が待ち受けているのかが楽しみであり、少し怖くもあります。
鍵となるのはおそらく、
「鏡の国」でのうららが捕まえていたピンキーのように
みゆきが一つ抜いて笹飾りにしたデコルだと思われますが・・・