僕らのロボッターVSワルブッター 月面で繰り広げられる最後の戦い!
『今日こそお前の最期だ!!』
満身創痍のロボッター。しかしパイロットのタケルもロボッターも、ここで倒れる訳には行かない!
地球の人々の笑顔のために、彼らは何度でも立ち上がる!
これまで培われてきた絆の証、幾多の敵を打ち破り困難を乗り越えて来たあの技で・・・
エネルギーをフルパワーに充填して放つウルトラ・ロボッター・パンチ!
遂に宿敵ワルブッターを倒し、彼らの手で地球は救われたのだった―
その一部始終を店頭のテレビで観てやよいは大はしゃぎ。
続く鉄人戦士ロボッターDXの新商品CMを観て、さらにテンションは高まります。
(今ならタケルのフィギュア付き 9,880円 これは高いのか安いのか・・・?)
しかし一般的女子のみんなにはイマイチついて行けず、
あかねとなおは関心を見せず、れいかは良くわからずにきょとんとしたまま。
みゆきとキャンディだけが妙に興味を示しています。
明日はその新商品の発売日。ロボッターについて熱く語ろうと、やよいは大張り切りです。
バッドエンド王国は今日も平和でした(笑)
ウルフルンはワルブッターのおもちゃを操り、
ワルブッターをやりたいとゴネながらロボッターを操るアカオーニと
一緒に仲良くワルブッターごっこに興じています。
ごっこ遊びで盛り上がる男2人と異なり、マジョリーナは全く関心を持っていませんでしたが、
そのロボットにプリキュアを倒すヒントを見出して、
ワルブッターのおもちゃを2人の手から奪い取っていつもの怪しげな釜へ投入。
いい年して嘆くウルフルンとアカオーニを他所に、マジョリーナは勝つ気満々です。
さてロボッターの新商品発売日。おもちゃ屋さんには長蛇の列が出来ています。
並んでいる間にロボッターの事をじっくりと教えてあげると、
分厚いロボッター大図鑑をれいかに手渡し、
全く関心の無いあかね、なおを他所にこちらもやる気満々です。
と、そこにウルフルンとアカオーニが新発売のおもちゃを求めて乱入。
一般客に凄みを利かせるなど、どこぞのキャラクターショーのようなノリです。
行列の中ほどでみゆき達と鉢合わせ、飛んで火に入る夏の虫だと
(いや、むしろ君たちが来たんじゃないか?)
バッドエンド空間に包み込みました。たちまち沈んでしまう人々。
『プリキュア。今日こそお前達の最期だ!』
そのウルフルンの言葉を聞いたやよいの脳裏に、ワルブッターとの決着の場面が重なります。
『ロボッター。今日こそお前の最期だ!』やよいは続くロボッターとタケルの台詞を借りて、みんなを促し変身します。
『そうはさせない!地球の人々の笑顔を守るために、私たちは何度でも立ち上がる!』もっとも、やよい以外はきょとんとしたままでしたが・・・(笑)
変身した5人を前に、マジョリーナはすかさず銃のようなものを向けました。
ロボニナールという毎度おなじみのネーミング通り、
その光線を浴びると巨大ロボットになるという代物です。
銃口を向けられ、想定外の事態に戸惑うウルフルン。
狼王ロボ(そのロボじゃない)誕生かと思いきや、
隣のアカオーニが盛大なくしゃみをしたためにマジョリーナの手元が狂い、
光線はハッピーに命中しました。やられた?と思ったら何ともありません。
と思ったら次の瞬間!なんとハッピーの身体がどんどん巨大化していくではないか!
これにはプリキュアだけでなく三幹部も唖然。さらに巨大化しただけでは無く・・・
『なんやこれ・・・』『ハッピーが・・・』『ロボットになっちゃった!!』『これは予想外の展開です』いや、本当に予想外です。これは(笑)
ロボニナールは一度しか使えないため、せっかくのマジョリーナの新商品は台無しです。
それならばと、同時に黒ッ鼻を取り出すウルフルンとアカオーニ。
互いに早い者勝ちだと競いながら、全く同時にワルブッターロボをハイパーアカンベェ化し、
それぞれ体内に入って同化、というよりコックピットに乗り込みました。
『すごいすごーい!映画みたい♥』『敵だけどかっこいい!』敵を目前にしているというのに、無邪気にはしゃぐピースと裏腹に、
サニーとマーチは全くついて行けません。
かたやウルフルンとアカオーニも互いに功を求めてモメていますが、
ハッピーロボを先に倒した方が勝ちだと決めて襲いかかって来ました。
迎え撃つハッピーロボ!・・・しかし、ハッピーの意志で体を動く事すら出来ず、
ワルブッターアカンベェのパンチをまともに喰らいました。
『誰かが操縦しないとロボットは動けないんだよ!』『それは困りましたね』『興味ないな~』『すこぶる興味ないね』あの、君たち・・・真面目にハッピーの危機だと思うんですけど・・・
その間にもハッピーロボは海へと蹴り落とされてしまい、誰かに操縦して欲しいと訴えました。
するとハッピーロボの胸が開き、それを観たピースのテンションが上がります。
『おお~!あれはまさしく操縦席!みんな、早く乗り込むんだ!』他のみんなとの温度差は広がる一方ですが、ピースの鼻息は荒いです。
『我々が地球の平和を守るのだ!』コックピットは機械だらけで狭く、女子の関心を惹くような所ではありません。
約一名を除いて(笑)。当然、そのピースが操縦席に座らされます。
襲い来るワルブッターアカンベェを迎え得るべく操縦桿を握ると、
ハッピーロボ大地に立つ。こいつ・・・動くぞ・・・
ところがカッコ良く受け止めるどころか、ピース操るハッピーロボは珍妙なポーズを取るだけで
ワルブッターアカンベェの攻撃をまともに喰らいました。
続く攻撃を避けるべくボタンを押すと、髪がクルクル回るだけ。何か意味あんのかその機能(笑)
ピースはロボッターがカッコいいから好きなだけで、
操縦方法などわからないと涙目で訴えました。だめだこりゃ。
そうこうしている間も、2体のワルブッターアカンベェの攻撃は止みません。
誰かがハッピーロボを操縦しなければ・・・
ところがサニーとマーチは機械オンチ、ビューティも方法が分からずお手上げです。
『誰かなんとかしてぇ~』自分では動けないハッピーロボの切実な声空しく、突っ込んでくるワルブッターアカンベェ。
その時、再びハッピーロボ大地に立つ。こいつ・・・動くぞ・・・
と思ったら今度は珍妙な踊りを踊り始めました。操縦者はサニー。
体で覚えるんだと見よう見まね、気合で操縦を試みますが、
腕や上半身がグルグル回るだけで、そのまま体勢を崩して自滅する羽目になりました。
これなら自分で戦った方がはるかにマシです。
再び立ち上がるハッピーロボ。三度目の正直なるか・・・
なりませんでした(笑)
今度はその場でひたすら足踏みを続け、
一応その妙な動きを警戒したアカンベェを慎重にさせる効果はありましたが、それだけです。
操縦者マーチは必死の形相で、気を散らさぬよう操縦に集中しますが、
攻撃はおろか足踏みを続けるだけ。
ロボットなのにハッピーロボも疲れてしまい、足がもつれて転倒しました。
そこにワルブッターアカンベェが襲いかかり、ハッピーロボ大ピンチ!
と、その時!
ハッピーロボの目が光り、立ち上がるや否や相手の背後に回り込んでキック!
すごいぞハッピーロボ!
操縦者はビューティです。続く相手の攻撃を華麗にかわし、いなし、投げ飛ばす!
強いぞハッピーロボ!がんばれハッピーロボ!
ビューティは先程やよいに借りたロボッター大図鑑を読んで操縦を覚えたとの由、
さすがはれいか、頼りになります。っていうか、ニュータイプですか?
逆に劣勢に追い込まれたワルブッターアカンベェ達には、とっておきの切り札がありました。
バッドエンド・ドッキング!なんということでしょう。合体して一体のロボになったッ!
『合体したクル』『合体しただわさ』
『合体したぁああっ!』『合体したな』『合体したね』それだけでは無い、ジェットを噴射して空高く飛んだッ!
『飛んだクル』『飛んだだわさ』
『飛んだぁああっ!』『飛んだな』『飛んだね』冷めきった面子の中に約一名、異様に興奮している者がいます(笑)
上空から攻撃しようと企てる合体ワルブッターアカンベェ。
しかし中の操縦者二名がパンチorキック、チョップor回し蹴りでいがみ合い始め、
都度合体ワルブッターアカンベェはカッコいいスタイルが台無しの珍妙な動きを披露しました。
ともかく、敵が合体するならばこちらも合体です。
ピースは大張り切りで外のキャンディ隊長(いつの間にか)に呼びかけました。
『ハッピーロボ!ウルトラ合体モードよ!』一体何と合体すんだよ・・・当のハッピーロボも目をパチクリ
しかしキャンディ隊長には意図が伝わりました。
デコルの力で、ハッピーロボに羽が付きます。はばたきます。
『悪者め!このハッピーロボが懲らしめてやるぜ!』(戦ってるの君じゃないだろ)
この状況にウルフルン、アカオーニも共闘方針に転換。
マジョリーナとキャンディがそれぞれに声援を送る中、両者遂に激突します。
ハッピーパンチだ!続いて攻撃をかわして蹴り落とせ!
ハッピージェットを噴射して空中戦だ!
行け!ハッピーロボ!戦え!ハッピーロボ!
ワルブッターアカンベェも負けてはいません。
ワルブッター・ダークサンダー、ワルブッタービームで反撃を畳み掛けますが、
無敵のハッピーバリアがその光線を弾きました。凄いぞ!強いぞ!ハッピーロボ!
ハッピーキックを叩き込め!
ウルフルンとアカオーニが再びいがみ合い始めた今がチャンスだ!
『よーし、最後はウルトラハッピーパンチだ!』『必殺技ですね。583ページにありました』あの・・・れいかさん・・・(笑)
ハッピーエネルギーを充填し、ウルトラハッピーパンチが炸裂!
『あ゛あ゛ッ゛私の手が!』右手がすっ飛んで行った事に戸惑う当のハッピーロボを他所に、
ウルトラハッピーパンチがワルブッターアカンベェを叩きのめす!
と思った折、そのパンチが消えました。
それだけでなく、ハッピーロボも消えて、元のハッピーの姿に戻りました。
『あ、手あった』すっ飛んで行った右手が普通にある事に安堵するハッピー。
元に戻ったのは、一度しか使えないなら用済みだと気づいたマジョリーナが
ロボニナールを破壊していたためでした。
『そんな・・・ハッピーロボが敵わないなんて・・・』肩を落とすピース。
いや、そのりくつはおかしい対抗する手立てを失ったプリキュアに、ワルブッターアカンベェが迫ります。
打つ手は無いのか・・・
『大丈夫だよピース!
地球の人々の笑顔を守るために、私たちは何度でも立ち上がる。そうでしょう?』ハッピーのその言葉は、ピースの脳裏にロボッター作中の台詞を思い出させました。
『地球の人々の笑顔を守るために、私たちは何度でも立ち上がる。そうだろう?』
『そうだったなロボッター。あの技で決めるぜ!』ピースは涙を拭い、続くタケルの台詞を引用して皆を促します。
『そうだったねハッピー。あの技で決めるよ!』「あの技」すなわちロイヤルレインボーバーストでハイパーアカンベェを撃退しました。
町も平穏を取り戻し、おもちゃ屋の前ではロボッターを手にした子供達の笑顔が輝いています。
『ロボットってただの機械やないんやな』『そうですね。ロボットには子供達を笑顔にする魅力があるようです』『それに立ち上がる勇気もくれた。私も少しだけ良さが分かったよ』とはいっても、みゆきはもうロボットになるのはごめんです。
『大丈夫だよ。私、今度は操縦ばっちり覚えるから』いや、そういう問題じゃないんですが・・・
そして子供達と同じくロボッターを手にしたやよいもまた、改めてその魅力を認識しました。
『鉄人戦士ロボッター。どんな困難に立ち向かう勇気をくれる、私のスーパーヒーローなんだから』大真面目にやった悪ノリ?というべきか。とにかく笑わせて貰いました。
いわゆる「公式が病気」という言葉がこれほど的を得るものはないだろうと言うくらい、
とことんブッ飛びまくった話のノリはとても楽しかったです。
微妙に古臭い(失礼しました)ハッピーロボをはじめとした各種ロボットデザインなども、
往年のロボットアニメを髣髴とさせて、懐かしさが感じられました。
・・・と言っても実は私、ファーストガンダムくらいしかまともに語れる作品が無いのですが・・・
しかし、楽しかった反面いろいろと疑問を抱いてしまったのも事実。
私は昨年の一時期から批判的な感想は書かないよう心掛けているつもりですが、
今回は少し気になったので触れさせて頂きます。
真面目に見ると、やよい=ピースの危機感、緊張感の無さには違和感を覚えました。
憧れていた世界に入り込み、憧れていたものが目の前で活躍するという
理想の空想の世界が現実になってしまった時、何が出来るのか。
何も出来ませんでした。
既に
当初の弱いプリキュアではなく、
幾度となく困難を乗り越えて歴戦の戦士になりつつある彼女が行ったのは、ただ口を出しただけです。
大張り切りでビューティやキャンディに指示を出すのはまだ良いです。
いくらカッコ良くても、相手は敵だという事を忘れて目を輝かせるのはいかがなものか。
それも「友達」であるみゆきが本当に追い込まれ、痛めつけられているにもかかわらず
余りに能天気すぎるのが引っかかりました。
冷めまくっているサニー、マーチも同様で、
動けないから操縦して欲しいと訴えるハッピーロボに対し、
興味ないの一言で切り捨てるのは友達を見捨てた事にならないのかと、違和感が残りました。
前回の豊島君の物語を観た翌週だけに、
興味無いと冷めているあかねとなおにも疑問を抱きます。
豊島君にしてみれば、ファッションショーは興味が無かった筈。
それ以外の男子の気持ちも、ある程度は同感だった事でしょう。
自分が興味を持てないものに参加を余儀なくされる事がいかに苦であるか、
豊島君の気持ちが少しはわかったのではないかと思いたいです。
そして何より一番引っかかったのは、
確かに今回は前述の疑問を抱きながらもとても楽しく観たのですが、
果たしてこれは「プリキュア」だったのかという事です。
我々大人の視聴者からすればネタがてんこもりのギャグ回で割り切れますが、
本来のターゲットであるお子様達は、果たしてついてこられたのでしょうか。
大方はあかね、なおと同様の反応だったように思えます。
もちろん新たな可能性に挑戦するスタッフの皆様の意気は大いに評価しています。
挑戦せずに後悔するよりも、挑戦した方がより優れた作品を作る上での糧となるでしょう。
ただ私個人の意見としては、ちょっと焦点がブレてしまったように思いました。
話としては面白かったものの、プリキュアとしてはどうなのかという点で、
「名探偵こまち」「カオルちゃんの正体」と同じ感想を抱きました。
と言っておきながら難ですが、ストーリーに内包されているテーマ自体は優れていると思います。
「プリキュアってただのアニメじゃない」
「プリキュアには子供達を笑顔にする魅力がある」
「立ち上がる勇気をくれた」
ラストシーンで、ロボッターのおもちゃを手にした子供達を観たあかね達の台詞の
「ロボット」という単語を「プリキュア」に置き換えれば
そのまま日頃のプリキュアが示唆してくれているものです。
そして困難に立ち向かう勇気をくれるという締めのやよいの台詞は、
彼女は自覚していないかもしれないけれど、
貴方もその一人として立派に使命を果たしているんですよ、と言ってあげたくなりました。
確かにやよい=ピースは今でもすぐ泣きます。今回のように調子に乗りすぎる事もあります。
それでも、根本ではブレない優しさと、本当に窮地の時でも逃げないという強さを持っています。
何度でも立ち上がるというロボッター作中の台詞通りに、実際何度でも立ち上がって来ました。
作中の言葉に触発されてやる気を出す様には、私自身も苦境に陥った折、
何度でも立ち上がって来た歴代のプリキュア達の姿に触発されて
再び立ち上がって来られたという事実と重ね合わさりました。
それにしても冒頭のウルフルンとアカオーニには和みました。
ウルフルンに至っては尻尾まで振ってますし(笑)
あの
野獣の本性をむき出した姿とのギャップが何とも言えません。
それだけに、いずれ来るであろうジョーカーの次の一手、
そして黒っ鼻が彼らの身体にもたらすリスク、
ジョーカーの捨て駒になりはしないかという懸念がより一層高まりました。