目を背けていただけなのかもしれない。彼女を責め続けることで、姉を失った悲しみから。
 彼女も背負った罪の重さと責任に耐え、泣きながら逃げながら必死に戦ってきたのに。
 彼女が失った大切なものを、取り戻すことができる力を、彼女は全て、差し出した。謝罪とともに。

 誠実な謝罪を受けたいおなの願いが叶う時、彼女は何を願うのか。姉の救出か、はたまた仇討ちか。
 彼女を試すように、相棒が静かに問いかけます。
『いおな・・・何を願う?』