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ハピネスチャージプリキュア!第45話『敵は神様!?衝撃のクリスマス!』 [ハピネスチャージプリキュア!]

 プリキュアシリーズにおけるクリスマスは、最終盤に位置するため、
 最後の日常回になるか、そのまま最終決戦へ突き進むかのどちらかになることが多いです。
 後者はフレッシュ→ハートキャッチ→スイートと三年連続で描かれたためか、
 続くスマイルとドキドキ!ではこの流れにはなりませんでした。
 ハピネスチャージのクリスマスは、三作ぶりにその展開が描かれます。
 特にめぐみと誠司にとって、長い長い一日が始まろうとしています。
  
 大使館。ひめが編み物をしているところに、めぐみといおなが訪ねてきました。
 今日はクリスマスイブ。この後みんなでゆうゆうの家へ行く事になっています。
 しかし幻影帝国が壊滅したとはいえ、先日めぐみが遭遇した事態のことが気がかりです。
『あの時は体が思うように動かなくて、怖い人に邪悪な事ばかり言われて。
 誠司が駆けつけてくれたおかげで助かったんだ』

 それが何者なのか、ブルーにも見当が尽きません。(この期に及んで内に秘めんなよ・・・)
 リボンが心配するのも一理ありますが、
『ダメダメ!今日はクリスマスイブだよ。こんな日に出かけないなんて無理!!!』
 サイアークくらいサクっとやっつけるというひめの勢いに押されて、
 ブルーの後押しもあり、みんなでゆうゆうの家へ向かいました。

 開店前のおおもりご飯はめぐみにとっても目新しく、
 いつも賑やかな店の静かな様子を、珍しそうに見回します。
『嵐の前の静けさ、かな?』
 そこに誠司も助っ人にやって来ました。
 クリスマスランチ会の前に、めぐみ達も店の手伝いに駆り出されます。
 ゆうゆう曰く、今日は一年で一番忙しい日。
 限定チキン300個完売を目指しみんなでサンタ衣装にカワルンルン。店先で呼び込みを始めます。
 こんな可愛い子達&イケメンの呼び込みの甲斐あって、道行く人が次々に足を止め、
 チキンは飛ぶように売れて行きます。結果、2時間で300個完売!
『怒涛の2時間だったよ・・・』
 さすがにみんな相当疲れています。
 だからこそ、労働後の飯が美味いもの。スペシャルランチプレートが、疲れた体に沁み渡ります。
『お手伝いした後だと、美味しさ倍増でしょ』
『めぐみ、美味しいからってにやけすぎじゃない?』
『だってさ、楽しい時間をみんなで一緒に過ごせて、すっごく幸せなんだもん』
 ゆったりとなごやかなランチタイムが流れていきます。
 まさに、「嵐の前の静けさ」のような・・・

 続けて、手作りマフラーの交換会が始まります。
 あみだの結果、ゆうゆうはめぐみが作ったものを手にしました。
 スマイルマークが縫い付けられていて、いかにもめぐみらしい出来の一品です。
 ひめは、ゆうゆう作のさくらんぼ飾り付きマフラーを、
 いおなは、ひめ作の大きなリボンが付いたマフラーを、それぞれ手にします。
 めぐみが手にしたいおな作のマフラーには、手袋が付いていました。
『毛糸って春にセールするでしょ。たっぷり買いだめしてるから、手袋もおまけ』
 久々に、いおなの主婦力が光ります(笑)。
 そんな女子たちのやり取りを微笑ましく見守る誠司にも、
 めぐみはプレゼントとして黄色いマフラーを用意しています。
『誠司との懐かしい思い出とか、いろいろ考えながら編んでたら楽しくなってきちゃって。
 気がつけばこんな長さになってたよ』

 ちょっと長くなってしまったことを弁明しますが、誠司は快く受け取りました。
『あったかくていいぜ。ありがとな』
 この時が、ずっと続けばいい―そう思わせる、嵐の前の静けさです。

 クリスマスイブは冬至の翌日。5時前には陽が落ちて、辺りはすっかり暗くなっています。
 次はみんなで広場のイルミネーション点灯を見に行きました。
『私も恋人同士で見たかったな』
 カップルばかりの周囲を見回してため息をつくひめを
 慰めるような、からかうような素振りの女子たち。
 それを誠司がそれを、遠巻きに微笑ましく見守っています。
 
 おおもりご飯の手伝いで、ぴかりが丘商店街の商品券1万円分をもらっていました。
 ゆうゆうはこれで神様たちにもプレゼントをあげようと提案。
 こうなるといおなの主婦力が物を言います(笑)。
『お待ちなさい!商品券は一万円分。
 神様とミラージュさん、リボン、ぐらさん、ファンファンの5人にプレゼントするとして・・・
 一人あたり二千円。この年末セール時、二千円をどう有効に使うか。
 私たちのセンスとやりくり上手さが問われるわ。心して取りかかるのよ!』

『いおなちゃん、しっかり者のお嫁さんになるわね』

 店頭でサングラスを試着してノリノリのひめがいおなに叱られたりと、楽しい買い物が始まります。
 ハートのサングラスを手に取って、リボンにぴったりかも着用姿を想像したり(笑)
 いおなも星形のグラサンがぐらさんにぴったりかもと着用姿を想像したり(笑)
 ゆうゆうはファンファンにニット帽をプレゼントしようと着用姿を想像したり(笑)
 神様とミラージュのために手に取ったペアグラスは、よく見れば二万円もします。
『ひめ・・・そーっと戻すのよ・・・』ビビるいおながかわいい

 女子たちが買い物に興じる中、誠司はめぐみをツリーの前に連れ出してプレゼントを渡します。
『マフラーのお礼だ』
『ありがとう!でも、そんなに気を遣わなくてもいいのに』
 ちょっと意外そうな顔を浮かべた誠司に、めぐみは続けます。
『私はさ、いつも誠司に助けてもらってばかりいるから、そのお礼だったのに』
『俺だって、めぐみに助けられてる』
 プレゼントの中身は、「幸せを運ぶ」と言われるてんとう虫のブローチでした。
『めぐみはいつも人の幸せばかり気にしてるけど、めぐみだって幸せにならないとな』
 そう言いながら、誠司はめぐみのマフラーにブローチをつけてあげました。

 穏やかな二人の時間を打ち砕くように、突然サイアークが襲来。
 戦いに向かうめぐみを見送り、一人きりになった誠司に怪しい耳打ちが聞こえてきます。
『信頼、絆、愛。まったくもって素晴らしい』
 体が動かない誠司の背後から、声の主が近づいて来ます。
『人間よ。お前達が大切にしている愛情とやらは、俺の憎しみの前に絶望するのみ』
 それでも誠司の心は負けていません。動けない体で相手を睨み付けますが・・・
『愛は憎しみに勝つに決まってる』
『ならば証明して見せろ』
 男の持つ赤い結晶が輝きを発し、その光が消えた時、誠司の姿も消えていました。
 めぐみに貰ったマフラーだけが、ふわりと地に落ちます。

 4人合流し、サイアークと戦うプリキュア達。
 クラッカーやリースを用いるサイアークの攻撃は宴会芸みたいですが、案外強敵です。
 ブルーやミラージュ、妖精達も駆けつけ、不安そうに戦いを見守る中、
 サイアークが投げた雪玉がツリーを傷つけ、四人まとめて歩道橋へ叩き付けられます。
『みんなが楽しみにしてる年に一度のクリスマスを台無しにして!絶対に許さないんだから!』
 それでもツリーを傷つけ、クリスマスイブを荒らした事に憤り、イノセントフォームで反撃。
 元気玉みたいな構え(笑)で巨大雪玉を作るサイアークに、
 プリンセスが強烈なアッパーを叩き込みます。
 続くイノセントプリフィケーションの歌で、サイアークを撃退しました。
 
 折れたツリーも元に戻り、平和なクリスマスイブが戻ってきます。ところが・・・
『なにかしらこの気配。嫌な予感がするの』
 怯えてブルーにすがりつくミラージュ。突如、笑い声が響き渡りました。
 それは聞き覚えのある、ディープミラーのものです。
『私たちが河原で会った人も、この声に似ている。ねえ誠司?』
 ラブリーは誠司に同意を求めようと振り返ります。が・・・
 誠司の姿は見当たらず、マフラーだけが落ちています。
 言い知れぬ不安を抱きながら、辺りを見回しても、誠司はどこにもいません。
 その時、歩道橋の上から笑い声が聞こえてきます。
『やはり、あなたでしたか。レッド!』(心当たりがあるなら最初から言えw)
 レッドと呼ばれた、ブルーによく似た男。邪悪な笑みを湛える彼もまた神だと、ブルーは説明します。
『ブルー。再会を祝し、今宵お前に最高の不幸を送るとしよう。
 そして思い知るがいい。愛や希望などというものは単なる希望にすぎないと言う事を』
 地の底から沸き上がるように、レッドのしもべが召喚されます。
 その姿を見て、皆は愕然としました。
『誠司・・・』
 生気を失った誠司の虚ろな目が、赤い輝きを発してプリキュアを睨みつけました。


「嵐の前の静けさ」
 何気ないゆうゆうの一言が、これほど意味深に聞こえるとは思いませんでした。
 既に展開を知った上で観返すと、このようなひと言に込められた意味について考えさせられます。
 もちろんゆうゆうには他意はなく、単純におおもりご飯開店前の状況を指しだだけです。
 それが、違った意味で当たってしまうとは・・・
「言霊」というものがあるとすれば、このようなものなのかもしれません。

 楽しげなクリスマスイブのひと時を過ごす様は、まさに嵐の前のひと時です。
 最終回に至るまで、みんなの楽しげな姿が描かれるのもこれが最後。
 そのため、特にひめといおなの仲良さげな様子が印象的です。
 想えば春の時点で、両者がこのような関係になろうとは思えない程険悪でした。
『言わなきゃわからないのに。ありがとう、ひめ』
 マフラーの失敗をリボンで誤魔化したと聞いた時、いおなはこのようにお礼を言っています。
 この一言だけで、都合の悪いことから目を背けていたひめの変化と、
 それをいおながしっかりと受け取っていることが伺えます。
 その後イルミネーション点灯時に、周囲がカップルばかりとボヤくひめを、
 いおなはゆうゆうを交えてからかった後、優しく迎え入れています。
 こうしたやりとりが出来るようになったのか、と思うと感慨深いものがありました。
 そしていおなといえば「主婦力」(笑)。これもおそらく最後になるからと入れたのでしょう。
 実際はひめと初めて打ち解けた際に描かれた程度でしたが、
 改めてその時のことを思い起こさせ、彼女達のこれまでの歩みを総括するようです。

 そして、めぐみと誠司について。
 誠司の心の闇については次回と次々回で触れることになりそうですが、
 今回でも少しだけ触れられていたように思います。
 めぐみにプレゼントを渡した時、「そんなに気を遣わなくてもいいのに」と言われて
 誠司は少し意外そうな顔をしていました。
 本人は気を遣ったつもりでもなく、純粋にめぐみのためにプレゼントを用意したと思いますが
 それを「気を遣った」と受け取られてしまった事が、少し残念だったのかもしれません。
 とはいえ、両者に「助けてもらってる」「助けられてる」という意識があるのは
 互いに支え合っていると認識している事だと思います。
 
 本人たちが思っている以上に、めぐみと誠司の関係は深いものです。
 イルミネーション点灯を見に行った際、ふたりは自然に隣同士の位置関係で見上げていて
 傍から見ればカップルそのもの。その姿を見たひめが「恋人同士で見たかった」と漏らすことからも
 ひめ達からしてもそのように受け取っているのでしょう。
 誠司との日々を思い浮かべながら編んでいたら、
 いつの間にかマフラーが長くなってしまったというのも、
 無意識のうちに誠司と過ごした時間が長く、占めるウェイトが重かったということでしょう。
 もっともこういう描写があるからこそ、誠司の洗脳が奈落の底へ落とされたような衝撃を与えます。

 それにしても、神様達・・・(笑)
 ブルーに悪気はないと思いますが、この期に及んでレッドのことを語らず、
 黒幕の正体も分からないというのは、ちょっとどうかと思います。
 憶測で物事を言うのではなく、確証を得てからレッドの存在を言おうとしたつもりかもしれません。
 上に立つ者がいろいろと内に秘めてしまう事の弊害を見てとった気がします。
 そして、やっと名前が明らかになったレッド。
 これまでディープミラーの向こうに潜み、自分からは行動せずにミラージュ様に罪を被せ
 ここに来てようやく表に出てくるという、自分の手を汚さずに非道の数々を行う様は、
 畑にすてられ カビがはえて ハエもたからねー カボチャみてえにくさりきってやがるぜーッ!!
 と言いたくなる、プリキュア史上でも特筆に値する「悪」だと感じます。
 ベールも似たようなところがありましたが、彼は詰めの甘さが茶目っ気になっていたので
 レッドの外道ぶりが際立って感じられます。
 それにしても、ラブリー達の前に姿を現した時の服装、
 まるで島村ジョーみたいですが、まさか「中の人ネタ」じゃないですよね・・・(笑)
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MP

いよいよクライマックスである「ディープミラー=レッド編」突入!

だが前半まではその緊張感が微塵も無い状態。プリキュアや誠司によるクリスマスでした。それがディープミラー=レッド登場で一気に緊張感が加速する事に!

そして、今回一緒になった誠司とめぐみ。だがこれが次回からの伏線になろうとは!!
by MP (2017-09-29 11:09) 

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