いきなり激しい楽曲をお勧めすると抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんので、
まずはアルバム2曲目「My Land」から。
フィンランドの冷たい空気を思わせる美しいイントロに始まり、
ボーカルの旋律を支える独特のギターのリズムが実にカッコ良いこの曲。
激しさはさほどではないので、まずはこのバンドの美旋律を味わうのにもってこいです。
暗い北欧の冬を思わせるような静かで幻想的な中間部を経て、
シャウトと共に疾走しながらラストへ向かう展開はどこか陰りと切なさが伺えます。
次いで6曲目「Full Moon」
丁度スマイルプリキュアで人気沸騰中のウルフルンが作り出す世界のような、
満月の下の暗い幻想が印象的な佳曲です。
この曲、ライヴだと盛り上がるんです。私もかつて、渋谷ON AIR EASTで
拳を振り上げながら「ラナウェイ♪ラナウェイ♪ラナウェイ♪」と叫んだ事を思い出します。
幻想美あふれるミドルテンポの曲から紹介しましたので、少しずつ激しくしていこうかと・・・
バロック音楽を思わせるアルペジオが印象的な5曲目「Kingdom for a Heart」
このアルバムの中では疾走感が半端なく爽快な3曲目「8th Commandment」
ところでメタルバンドのバラード楽曲には美しいものが多く、彼らもまた例外ではありません。
4曲目「Replica」
バラードというくくりで良いかは疑問ですが、しっとりしたイントロ、序盤から
徐々に盛り上がって行き激しく終わるドラマチックな構成が魅力的です。
最後にこのアルバムの1曲目を。
最初CDプレイヤーに入れてこの曲が始まった時の衝撃は忘れられません。
それほど強烈なインパクトを持つ疾走曲「Blank File」
デビューアルバムの1曲目にしてこの凄まじさにはただただ圧倒されるばかりでした。
今回挙げなかった楽曲もありますが、捨て曲などはもちろんありません。
1枚のアルバムとしての完成度も高く、北欧メタル史に残る名盤といえるでしょう。
当時メンバーのほとんどが10代だったという事実も、空恐ろしいものです。
ところで余談ですが・・・
このアルバムの帯に書かれていたキャッチコピーは別の意味でインパクト抜群でした。
神秘の輪舞(ロンド)が誘う「様式美の王国」・・・(中略)
極上の哀愁美溢れる美旋律メロディの洪水に君は耐えられるか!?・・・私もすっかり彼らの世界の虜になったので、言いたい事はわかります(笑)
高梨サウンドになって以降、プリキュアも随分とメタル系楽曲が増えて来ましたので、
私の趣味全開で恐縮ですが、他のバンドやアルバムを紹介しながら
これを機に少しでも裾野が広がれば幸いです。