「大凶」のお蔭で散々な目に遭いながらも、
終わってみれば京都で過ごした時の数々は思い出として残りました。
みゆき達を乗せたバスは、京都を後に一路大阪へ。
お好み焼き、串カツ、きつねうどん、たこ焼き・・・大阪グルメを満喫するため、
なおは「たったの3杯」しか朝食を採らなかったと気合十分。
プリキュアの大食い伝説は脈々と受け継がれています。
一方お嬢様育ち故か、今までたこ焼きを食べた事が無いと言うれいかのために、
大阪出身のあかねもまた気合が入り、みんなで一緒に食べようと約束しました。
大阪城前で一時解散、自由行動が始まります。みゆき班はプリキュアで培ったチームワークと、
大阪育ちのあかねがいるため、絶対安心の筈でした。ところが・・・
今日のスケジュールは大阪城、その後中之島を経て天王寺動物園を周る予定です。
万事計画通り進めるために、れいかは皆を急かして天守閣へと登らせました。
ここでも「歩くガイドブック」と評される彼女の解説が冴えわたります。
しかし、解説に熱中しすぎてしまったのでしょうか。
れいか、あかね、なおは、みゆきとやよいが近くにいない事に気付いていません。
その頃、当の2人はキャンディにねだられてお世話をしていました。
サソリーナのような髪型(笑)にしてもらってご機嫌のキャンディも、
我に返った時、あかね達とはぐれた事に気が付きます。
その頃、バッドエンド王国もおやつの時間がやって来ました。
秘蔵の飴を楽しみにしながら壺に手を伸ばしたマジョリーナでしたが、その中身はからっぽ。
楽しみが大きかったために、悔しさもまたひとしおで地団太を踏んでいた矢先、
大阪の珍しい飴を紹介するテレビ番組に興味を示し、大阪へ出向く事を決めました。
それにしても、納豆ぎょうざ飴、ですか・・・(笑)
みゆき達が既に天守閣を降りてしまったと考え、下に向かうあかね達。
しかしみゆき達はまだ天守閣に残っており、はぐれてしまった責任の所在を巡って
キャンディと少々険悪な空気に陥っていました。
そんな2人に世話好きなコテコテの大阪おばちゃん3人組が声をかけてきて、
初対面ながら飴をプレゼントしてくれます。直後、やよいの妙な妄想がスタート。
『勇者やよいは飴を手に入れた』どうやらこの子は特撮だけでなく、RPGマニアでもあったようです(笑)
町の人から情報やアイテムを貰い、マップ片手に旅立とうと、俄然張り切り始めました。
自分達の方が迷子にもかかわらず、迷子のお姫様を助け出すとノリノリです。
大阪城の下で、落ち合えない事を案ずるあかね達。
それでも沢山の弟妹を抱えているなおにとって、迷子は日常茶飯事だけに落ち着いており、
スケジュール通り行動すれば会えると気を取り直しました。
皆の心配を知らぬみゆきとやよいは、キャンディと天守閣の上で記念撮影に興じています。
そして次の目的地、中之島を目指そうとするものの、しおりの地図は分かり辛く困惑する2人。
そこに再びあのおばちゃん達が登場し、ちゃっかりきつねうどんをご馳走になった後、
中之島へは船で行く事を勧められました。
一方、食べるものも食べずにみゆき達を探すあかね達。
朝食が控えめだったなおが、ショーウィンドーのきつねうどんに目移りしていたところ、
偶然にもあのおばちゃん達に出会い、みゆき達が中之島へ向かった事を知らされますが、
肝心の「船で行った」という事を聞かない内に駆け出して行ってしまいました。
船から眺める大阪の町を堪能するみゆきとやよい。
ここでも別のおばちゃん達に飴を貰ったり等、楽しい旅が続いています。
対して大阪見物どころではなくなってしまったあかね達は、川沿いの道を走り続けます。
その横を行く船にみゆき達が乗っている事など、知る由もありません。
中之島でもみゆき達に会えず、居合わせたクラスメイトに行方を尋ねると
動物園に向かったとの事。この時点で既になおの空腹は深刻な状況を呈しています。
迷子の筈のみゆきとやよいはお好み焼きを満喫し、至福の満腹です。
次いでたこ焼き屋を目にして再びよだれが出て来ますが、
「れいかと一緒に」という約束を思い出して思い留まりました。
旅の縁は未だ切れず、ここでもおばちゃん3人組にまたまた再会するみゆき達。
今度は天王寺動物園へと案内してもらい、別れ際に話題の納豆ぎょうざ飴を貰いました。
一方、相変わらず何も口にせずに新世界を探し回るあかね達。
お好み焼きの匂いにおなかが鳴っても、今は我慢するしかありません。
通天閣に登って探そうとするみゆきとやよい、
対して空腹に耐えて新世界を行くあかね、なお、れいか。
それぞれが未だ落ち合えない状況下に、マジョリーナが大阪へとやって来ました。
納豆ぎょうざ飴を楽しみに、きちんと列に並んで待っていたマジョリーナですが、
無情にも丁度売り切れ。よほど残念そうなのが見て取れます(笑)
腹いせにバッドエナジーを集めようと白紙の未来を黒く塗りつぶし、
そして、通天閣の展望台にみゆきとやよいの姿を認めて(お前はサンコンさんか)
青っ鼻を使ってアカンベェ化しました。
その際、内部でよろけたやよいのポケットから先程の納豆ぎょうざ飴が零れ落ち、
アカンベェの口を経由してなおの下へと転がり落ちて来ました。
その匂いを嗅いで顔をしかめるところ、この飴は本当に美味しいのか疑問ですが・・・
ともかく、通天閣の中にみゆきとやよいが居る事に気付いて、変身するあかね達。
みゆき達も同時に、通天閣の中で変身します。
内部の2人を助けるには、アカンベェの口を開ければ良いと考えて
早速サニーファイヤー、マーチシュート、ビューティブリザードを畳み掛けますが、
3つ同時の技であっても青っ鼻には全く効きません。
5人揃わなければレインボーヒーリングも使えず、手詰まりの状況に陥りました。
その時キャンディはちょうちょデコルの力を使う事を提案。
早速試みてみるとサニー、マーチ、ビューティの背から蝶の羽が広がりました。
蝶の羽を広げて、軽やかに宙を舞う3人。
(
虫嫌いのマーチだけはとっても微妙そうですが・・・(笑))
アカンベェを攪乱させて疲れさせる作戦は成功し、目を回したところに
先程落ちてきた納豆ぎょうざ飴を投げるマーチ。
それを口にしたアカンベェはマズそうに暴れ回り、そして口から2人とキャンディを吐き出しました。
関西弁で悔しがるマジョリーナの指示を受けてアカンベェが襲って来ますが、
5人揃った今では負けません。
そのままレインボーヒーリングでアカンベェを撃退、無事に通天閣は元に戻りました。
街も無事に元に戻りましたが、空腹だけは癒せません。
待ちに待ったれいかの初たこ焼き。みんなでつまんだたこ焼きの味は、
忘れえぬ思い出となった事でしょう。
まずは大阪のおばちゃんパワー、恐るべしと言ったところでしょうか(笑)
絵にかいたようなステレオタイプのおばちゃん像に加えて
強烈なファッションセンスが入り混じり、異様な存在感を発揮しています。
そして大阪の人情かくあるべきといった、少し無遠慮な世話好きさなども伝わりますが、
その根底には大阪という街をこよなく愛し、誇りに思う気持ちが伺えます。
大阪の良い所、美味しい物をどんどん楽しんで、味わって欲しいという気持ちは
同様に出張回となっていた
5GoGoでの「プリキュア大都会に現る」に通じるものがあります。
一見無愛想に見えたメガネのおばちゃんも、チョココロネ?を用いて
みゆきの髪型のマネをやってのけたりとインパクト抜群でした。
そして、この陽気なおばちゃん達でもバッドエナジー抽出状態に陥ると落ち込んでしまう事、
それを再び元気な姿に戻す、という戦いの動機に繋がる見方もあると思います。
それにしても落ち込んだ時の発言が「飴をあげない」とは、
このおばちゃん達、どんだけ人に飴あげるのが好きなんでしょう(笑)
飴といえば、マジョリーナの出撃の動機のしょぼさも光ります。
お好み焼き回のウルフルンにせよ、
先週のアカオーニにせよ、
果たして真面目にやってるのでしょうか、この連中は(笑)
きちんと列に並んでいたりする等、「落し物は交番へ」に続いて
マジョリーナは案外常識人のようです。
また、納豆ぎょうざ飴のインパクトも強く、劇中のなおやアカンベェの反応を見る限り
とても美味しいとは思えないのですが、果たしてその味やいかに・・・?
もっとも、この敵たちのユルい姿勢がやや物足りなく見えてしまう点は否定できません。
青っ鼻には技が効かないという事も既に周知されている筈なのに、
知的なビューティでさえ無駄に技を撃ってしまう事に、多少の違和感を覚えますが、
本来のターゲットであるお子様に繰り返し説明する意図もあるのかもしれないと考えます。
また、技が効かない→欠員がいるためレインボーヒーリングも使えない→ちょうちょデコルの出番
という発想に持っていくためだったかもしれません。
そのちょうちょデコルの蝶の羽根。プリキュア5を思わせる姿と、
華麗に舞い翻弄する様が楽しめただけでなく、
しっかりとなおの虫嫌いを織り交ぜている点も面白い視点だと感じました。
「迷子」になってしまったのに、結果として大阪観光と食を満喫できたみゆき、やよいに対し、
あかね、なお、れいかは観光・グルメそっちのけで振り回されてしまいました。
この点、少し引っかかるのですが、描かれていない所でみゆきとやよいがきちんと謝り、
またあかね達もあの後大阪を楽しめただろうと考えています。
少々れいかには酷かもしれませんが、説明に調子に乗りすぎていたかもしれませんし、
私は杓子定規よりも臨機応変の方が旅は楽しいと思いますので、
結果として振り回された事も良い思い出になった事でしょう。
最後のたこ焼きの味が、その思い出の1ページとなった筈です。
街を丁寧に描写した背景や、相変わらずの料理の描写の上手さなど、
大阪らしさやその魅力を伝える意味でも、気軽に楽しめる一編だと感じました。