これは凄い！一瞬たりとも目を離せない面白さでした。
夜中だというのに視聴後のテンションは上がりっぱなしで、興奮したまま寝つけなり、
今日は朝から予定があったので、寝るのに苦労しました。
初めて本格的なバトルが描かれた今回、
スタンドはもちろん波紋すら出ていない頃の戦いがこんなにも熱いとはッ！
いや、特殊能力が一切無いからこその熱さでしょうか。
スタッフ、キャストともども完全燃焼し、傑作を生みだそうとする、その行動ッ！
ぼくは敬意を表するッ！
1）冒頭、ジョナサンとの戦いを決意するディオの台詞回し、構図。
追いつめられていても決して逃げはしないと言う、ディオの強い意志が伺えるのですが、
その視線の先にあるのは「慈愛の女神像」
最終的にディオに敗北をもたらす小道具だという事を既に知っていますので、
この構図のもたらす皮肉さが感じられて見事でした。
2）ディオ役の子安さん、相当楽しんで演じていそうです。
楽しんでいるだけでは無く、今回のディオの演じ分けの数々がディ・モールト・ベネです。
ジョナサンにしおらしく訴え出る際のどこか胡散臭い善良さと、
その裏の心の声「ジョジョォォオオオオッ！」「油断させて一気にナイフでブッ殺してやるッ！」
いや、ブッ殺すと思ったなら、その時スデに行動は終わらせておかないと・・・（笑）
それはさておき、これほどやりがいのある役は役者冥利に尽きるのではないでしょうか。
3）ジョジョを語る上で外せない名台詞のオンパレードッ！
スピードワゴンが登場した時点で、もう期待度がMAXになりました。
当然お目当てはあの名台詞
『こいつはくせえッー！ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッー！』
この再現度が完璧でした。そしてもう一つの超有名台詞
『おれは人間をやめるぞ！ジョジョーーーッ！！』も、言う事はありません。
しかし名台詞の中で、ジョナサンの怒りが伝わるあの台詞
『このナイフはッ！ うおおおこのナイフはッ！！
このナイフは君がとうさんに突きたてたナイフだァーッ！！』
この順序が異なっており、
『うおおおこのナイフはッ！このナイフはッ！！君がとうさんに～』
になっていたのが少し残念でした。
原作はやや癖がありますが、ジョナサンらしい言い回しだっただけに惜しまれます。
4）ジョースター卿が刺された時のワンチェンの反応
なんかニヤニヤしてました。これは原作では見られなかったので新鮮でした。
ディオがこういう行動を取ると予測していたのでしょうか。
だとするとあっさりディオの餌食になるのが疑問ですし、
そもそもあの騒ぎの中、いつワンチェンが屋敷から逃げたのかがはっきりしていません。
こうした原作では気づかなかった、登場人物全体に目が向く作りに感謝です。
5）ジョースター卿、警部、ダリオ・ブランドーの過去エピソードをきちんと描写
ひょっとするとこれをカットするかもしれないと危惧していたのですが、
当然のように入れて来てくれて良かったです。
確かにこのエピソードが無いとジョースター卿の人柄や、
指輪にまつわる思い入れが伝わり難いですから、削ると逆に不自然になってしまいますね。
この3名の出番は今回限りになると思いますが、
（ジョースター卿は「逆に考えるんだ」で登場しそうですが）
それぞれキャラクターに完全にハマっていて良かったです。お疲れ様でした。
6）URYYYYYYYの使い分け
警部を惨殺した直後、初めてこの台詞が出る折の発声が
「URYYYYYYYY！！」ではなく「URYYYYYYYY・・・！」と言った風に
静かに呟くようだったのが予想外かつ的確だと思いました。
得体の知れない怪物の不気味さが端的に出ていたと思います。
その後の戦いでは裏声だったり、叫ぶようだったり、
都度違った演じ方になっている点、相当なこだわりが感じられました。
7）ブルース・リーを意識している？描写
頭を撃ち抜かれたディオが血を指に取り、ゆっくりと舐めるかと思えば
屋敷の上階に上ったジョナサンがディオを手招きする等、
ひょっとして意識して遊んだ？のかもしれない描写が
いずれもネタが昇華されて演出を彩った場面になったと思います。
8）スピードワゴンの名解説
安定してますね、彼は。これから先ストーリーテラーとしての活躍に期待しています。
そして「策ではないッ！勇気だッ！」の場面、
ジョナサンに庇われてカーテンの後ろにいる姿は・・・
あれ？スピードワゴンがなんか可愛い？
どうみてもヒロインに見えるような、妙に可愛らしい顔してました(笑)
ただ惜しむらくは「スピードワゴンが恐怖しているッ！」が無かった事と、
彼が世界各地を放浪した経験があると匂わせる台詞がカットされた事が残念でした。
特に後者はスピードワゴンの人を見る目は、
豊富な人生経験によって培われたと思わせるだけに惜しいです。
後にツェペリさんの凍傷を治す折の「エスキモー」の件で引用される事を望みたいです。
9）「無駄無駄無駄無駄ァッ！」「貧弱貧弱ゥ！」「グッバイ、ジョジョォオ！」
それにしてもこの子安、ノリノリである。
いやもう、この楽しそうな演技を見せられては何も言う事はありません。
10）母の肖像画が焼ける場面
父の遺体と共に屋敷が燃え、その中に原作では分からなかった
ジョナサンの母親と思われる肖像画が焼ける場面が入っていたのが良かったです。
前後してジョナサンの指に父から受け継いだ形見の指輪が光るシーンがあり、
ジョースター家の全て、家族の全てが炎に消えてしまう。
その中にはディオとの日々も含まれている、と言ったようにも感じられ、
一層ジョナサンのこの戦いに対して背負っているものの大きさが見受けられたように思います。
11）素晴らしいEDがカットされたとしても不満が感じれない密度の濃さ
EDテーマを犠牲にして本編をぎっしりと詰め込み、
それが止むを得ないと納得させられる程、とことん盛り込んだ一編でした。
ここまでの第1話～第3話は、全て2週ずつかけて5~6話で描いて欲しいとも思いましたが、
じっくり描くだけでなく、やや駆け足気味でも間延びしないテンポの良い展開に
今やすっかり魅せられています。
次回はいったいどこまで描くのでしょうか。
「スピードワゴンはクールに去るぜ」「すわったままの姿勢でジャンプ」
「メメタァ」「絶望ォーに身をよじれィ」
・・・なんだか物凄く濃い一編になりそうで、今から楽しみでなりません。