ツェペリさんが水面を歩いている絵の強烈さに
とてつもない衝撃を受けた小学四年生当時の事を今でも覚えています。
これ以降、ジョジョという魔力の虜となって今に至る事になった罪な一編。
私にとっての原点というべきこのあたりの展開を、とても楽しませて頂きました。
それにしてもナレーションをはじめ、スピードワゴンだけでなく、
ツェペリさんや果てはジョナサンやディオに至るまでみんな、見事な解説者っぷりです(笑)
1)ナレーション無双ッ!
第1話の時点より大川透さんのナレーションが地味に良い仕事をしておりましたが、
原作そのままのテンションで繰り広げられる語りの数々が特に素晴らしかったです。
冒頭、ウインドナイツ・ロットについて淡々と紹介したと思えば、
「これからこの町は消失するッ!」原作通りなのに、この不意打ちに笑わせて貰いました。
それ以外にも、「意外!それは髪の毛ッ!」の唐突ぶり等、
ナレーションとしての存在感を越え、観ていてすごく臨場感を感じます。
この記事をご覧の方でジョジョ第1部の原作を未見の方はおそらくいらっしゃらないと思いますが、
念のためネタバレしない程度に、次回以降のナレーションに期待したいです。
次回「愛してその人を得る事は最上である~」の語りが入るのか、
そして第1部の最終回で語られるであろう「1889年2月7日~」のくだりは、
あくまで感情を交えず淡々と事実を述べるのみなのか、それとも・・・?
一登場人物の一人として、第三者的視点だけではない語りが楽しみです。
2)貫録十分、名台詞満載のディオ
どこか未熟さが伺えたこれまでと比べて、
原作通りの暴帝っぷりがアニメになる事でさらに際立って伝わって来ました。
そして今回は、元々全てが名台詞と言える程、印象的なフレーズのフルコースです。
『陽は落ちた・・・貴様の命も没する時だ』
『おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?』
『フーフー吹くなら このおれのためにファンファーレでも吹いてるのが似合っているぞッ!』
等々、これら名言の数々を子安声で聴くと、
うええゲプッ こんな豪華な料理 くそっチクショオうめーぜッ! もう食えねぇって感じです。
台詞だけでなく、満月をバックに立つ姿のカッコいい事!
ツェペリさんの拳を受け止める画には、あまりのカッコ良さにシビれました。
3)ポコ初登場の一連の流れ
初見時、ジョナサンの波紋を受けるまで全く発言せず、
ツェペリさんとジョナサンの水面歩きを見ても無反応だった事に違和感を抱きましたが、
逆にこれらが無い事によって「催眠術で操られていた」という設定が、
より自然に感じられるように思いました。
それにしてもポコ、プリキュア的には奏太だったとは・・・もちろんバッチリ嵌っているのですが、
南野父子共演がこんなところで見られるとは思いませんでした。
まさか次回登場する姉ちゃんは「たおやかさん」だったり・・・しないですよね。
流石にそれは無いと思いながら原作を読み返してみたら、
ポコの姉ちゃんの声が違和感無く折笠富美子さんの声で再現されてしまい・・・
でも、まさかね(笑)
4)水面歩き
冒頭で触れたとおり、この場面は私にとってジョジョとの出会いと言うべき重要なものです。
それだけに思い入れが強いのですが、
ツェペリさんのあのシーンは期待通り、いや期待以上でした。
原作の奇妙な絵と雰囲気を動画で見事に再現し、
それに塩屋声が合わさる事で相乗効果をもたらし、再び強烈なインパクトを感じました。
ただ一つ、非常に残念なのは、ジョナサンの「膝まで濡れた」をやったならば
スピードワゴンの文字通り川に落ちる「オチ」が欲しかったです。
5)気化冷凍法
これは色がついて一層分かりやすく、そしてこの技の危険さが感じられました。
血の気が無くなり、ドス黒く変色した腕から吹き出す血・・・
ツェペリさんの腕はこんなに重症だったのかと改めて戦慄し、
だからこそスピードワゴンの献身がより引き立ったと思います。
6)タルカスとブラフォードの過去エピソード
「岩をバターのように~」「30キロの甲冑をつけたまま5キロの湖を~」
の紹介があった方がより一層彼らの凄さが際立ったようで、そこが少し残念ですが、
この一連の過去エピソードがバッサリ切られなかっただけでも良かったです。
巻物のような絵に描かれているのも歴史を紐解くようで楽しめ、
やや駆け足&早口ながら、彼らがどんな人物なのかをしっかり伝えていたと思います。
そして前回期待したとおり、メアリー・スチュアートが美しく描かれていたのも良かったです。
7)グルメな軟骨好きゾンビ
こいつこそカットされるかと思っていましたが(笑)
「クンクン」「キャン」まで再現してくるとは・・・
このような雑魚に至るまで細部にこだわっているところが素晴らしいです。
タルカスはともかく、ブラフォードが普通の悪役っぽく見えてしまうのは
エピソードの展開上やむを得ないと思います。
むしろブラフォードの真の見せ場は次回にある筈ですので、
彼の高潔な魂を見届けたいと思います。
ところでブラフォードの元ネタはYESのドラマーであり、
その演奏がEDで聴ける、という関係が愉しいです。
今回はEDが冒頭からではなく、ラストに向けての部分を使用していた事にも驚かされました。
「Roundabout」の静かなラストが、「黒騎士ブラフォード」の穏やかな終幕を連想させます。
「Luck」と「Pluck」、「あしたっていまさッ」、「愛してその人を~」
感動的な場面と、あまりに残酷すぎる展開が濃密に描かれるであろう
おそらくディオとの最終決戦に次ぐ展開が待つ次回が、今から早くも待ちきれません。