源次父ちゃんを鬼にして鬼ごっこに興じる、大家族緑川ファミリーは今日もにぎやかです。
しかし、なおはもうその輪に加わる程、子どもではありません。
もう子どもじゃないと言い残して外出するなおを見送った源次父ちゃんは、
寂しげな呟きを漏らしました。
『てやんでぇ。おめえはいつまでも俺の子どもじゃねぇか・・・』
公園で待ち合わせているみゆき達のところに、なおが合流します。
と、その時空から瓶と一緒に怪しい液体が降って来ました。
気がついた時、五人の身体は幼稚園児相当に縮んでしまい、
キャンディはおしゃぶりを加えた赤ちゃんに・・・公園に五人の驚きの声がこだましました。
もう毎度のお約束、薬を探し回るマジョリーナの下に、
なにやら怒鳴り込んでくるウルフルンとアカオーニ。その声は妙に若いような・・・
実際、この二人もまた子供になっています。あらかわいい♥
今回マジョリーナが発明した薬は「コドモニナール」。
毎度おなじみ読んで字の如くの効果がある薬です。
元に戻せとマジョリーナに詰め寄る二人は、互いに俺が先だとポカスカケンカを始めました。
プリキュアも子供にしてしまえば楽勝だとほくそ笑んだマジョリーナは、
薬の残りの在処を二人に尋ねると、これまたお約束、ポイしちゃったとの返事が返って来ました。
慌てて探しに行くマジョリーナ、その後を追う子どもになった二人。
いつも以上にカオスな展開が既に始まっています。
こどもに なってしまった みゆきちゃんたちは
きっと また マジョリーナのせいだと かんがえていました。
いままでにも
キャンディといれかわったり ちいさくなったり ギャグがつまらなくなったりとうめいにされたり ゲームにすいこまれたり ロボットになったり・・・
こんなことができるのは マジョリーナの しわざとしか かんがえられません。
ところで やよいちゃんは こどもになっても えが じょうずでした。
じめんに かいた マジョリーナのえに かんしんしているうちに
みんなも からだが こどもになったせいか
こころまで こどもになってしまったみたいで あそびたくなってしまいました。
みんなで じめんに おえかき。じょうずに できました。わあ、おじょうずおじょうず。
しかし あそんでいては いつまで たっても もとに もどれません。
なおは みんなをまとめて いっしょに マジョリーナをさがそうと よびかけました。
そうときまれば マジョリーナさがしに でんしゃごっこで しゅっぱつしんこう!
みんなの すがたを やさしい おまわりさんが みまもってくれています。
おまわりさんは みんなが かいた マジョリーナの えをみて とてもかんしんしていました。
がたん ごとん。こだちの あいだのみちを でんしゃごっこですすむ みゆきちゃんたち。
『つぎは おおきなくりのきのしたー。おおきなくりのきのしたでーす♪』『はいはいおりまーす』おりていった みゆきちゃんは きのしたで どんぐりを みつけたよ。
みんなも いっしょに おおきなくりの きのしたへ。
どんぐりを ひろったり きれいな おちばを あつめたり みんな とってもたのしそうです。
そこに ふうせんが とんできて おいかけようとした やよいちゃんは
いしに つまづいて ころんでしまいました。
えーん えーん。ころんで ないてしまった なきむしの やよいちゃんに
なおちゃんは いたいのとんでけを してあげました。
『なおは ずっと おねえちゃんだもん!』むねを はる なおちゃんのおかげで
やよいちゃんといっしょにころんだ キャンディも もうだいじょうぶです。
そのとき くさむらの むこうから けんかしながら こっちにむかってくる こえがしました。
ケンカしながら でてきた ふたりを ちゅういする みゆきちゃん。
『ケンカはだめだよ』ケンカを やめた ふたりと みゆきちゃんたちは
おたがいに こどもに なっている あいてを みて びっくりしました。
そして ウルフルンくんと アカオーニくんが とってもかわいいことにも おどろきました。
『ふん!おまえらもな!』
そう いっていた ウルフルンくんたちは プリキュアが こどもになっている
いまが チャンスだとかんがえ バッドエンドに そめようとします。
けれども ふたりとも はくしの ほんを もってきていません。
あの ほんは とっても おもたくて こどものふたりでは もてませんでした。
おたがいに あいてをせめながら ケンカをはじめるふたり。
『こらあ!けんかはだめだよぉ!』それなら おにごっこで しょうぶだと アカオーニくんが いいだします。
おには もちろん ほんものの おにの アカオーニくん。
ウルフルンくんも みゆきたちと いっしょになって にげていきました。
アカオーニくんは はしるのが おそい やよいちゃんを おいかけてきます。
なおちゃんは やよいちゃんの てをひいて いっしょに はしりました。
まんまと にげられてしまい くやしそうなアカオーニくんを
すべりだいの うえから みゆきちゃんと あかねちゃんが さそいます。
『ここまでおいでー』アカオーニくんが おいかけてくると すべりだいを すべりおりてにげるふたり。
ここでも にげられてしまい あかおーにくんは とってもくやしそうです。
そして れいかちゃんは・・・
『ここまでくれば だいじょうぶですね』よびかけた あいてが ウルフルンくんだと きがついて あわてて にげていきました。
『いや、おれ おにじゃねえし・・・』
にげられてしまった ウルフルンくん。おともだちに なれなくて ちょっと さびしそうです。
マジョリーナも くすりを さがしに まちへきていました。
あちこち さがしまわっている マジョリーナのところに おまわりさんが とおりかかって
こうえんに えが かいてあったことを おしえてあげました。
それをきいた マジョリーナは プリキュアたちが こうえんにいるとかんがえて
いそいではしっていきました。ところが えを みた マジョリーナは
ぜんぜん にていないと もんくをいって かきなおしはじめました。
その じがぞうは アヴァンギャルドで おっぱいが きょうちょうされています。
えを かきなおした マジョリーナは きをとりなおして プリキュアを さがしはじめました。
そのころ みゆきちゃんたちは ウルフルンくんたちと いっしょに
なかよく だるまさんがころんだで あそんでいます。
『だーるーまーさーんーがー・・・ころんだ!』
ウルフルンくんの ふいうちに れいかちゃんは よろけて つかまってしまいました。
オニの ウルフルンくんと てをつないだ れいかちゃんを たすけようと
アカオーニくんも いっしょになって もりあがっているところに マジョリーナがやってきます。
のんきに あそんでいると おこられて ウルフルンくんは われにかえり
れいかちゃんと つないだてを ふりはらって とっても はずかしそうです。
みゆきちゃんたち しちにんの こどもたちは もとにもどせと マジョリーナにつめよります。
その いきおいに おされた マジョリーナは あたりをバッドエンドに そめました。
たいへん!こうえんに きていた ひとたちが げんきをなくしてしまったよ。
いま みゆきちゃんたちは こどもになっています。いったいどうしたらいいのでしょう。
『だいじょうぶだよ。このすがたでへんしんできるかわからないけど、やってみよう!』やっぱり なおちゃんは たよりになる おねえちゃんです。
みんなを はげまして へんしんです!
『ぷりきゅあ すまいるちゃーじ!』
ごにん なかよく おててつないで いっしょにへんしんしました。
『きらきらかがやく みらいのひかり!んしょ・・・きゅあはっぴぃー』ちょっとよろけちゃったけど ハッピーはばっちり きめました。
『たいようさんさん ねっけつぱわぁ!きゅあさにー!』かわいいほのおといっしょに サニーもかっこかわいく きめました。
『ぴかぴかぴかりん じゃんけんほい!いひひ★ きゅあぴーす!』おや? いたずらっぽく わらいながら ピースがだした じゃんけんのては なんでしょう。
『ゆうきりんりん ちょっきゅうしょうぶ!きゅあまーち!』こどもになっても マーチはかっこいい!とおもったら かぜにふかれて ころんでしまいました。
『しんしんとふりつもる きよきこころ。きゅあびゅーてぃー』へんしんと どうじに ふいてきた つめたいかぜは ちょっとさむかったね。
『いつつのひかりが』
こえを あわせるのも むずかしく ハッピーが みんなの こえを まとめます。
『せーの!いつつのひかりが みちびくみらい!せーの!かがやけ すまいるぷりきゅあ!』
みんないっしょに きめました。フーン、えらいねェ~
さっき ピースがだしたのは ぜったいかてる ひっさつわざ!
グーとチョキとパーを ひとつにした なづけて「グッチョッパー」です。
まんまと ひっかかってしまった ウルフルンくんも アカオーニくんも
テレビのまえの わたしも とってもくやしがりました。
それはともかく へんしんしても こどものまんまなら かんたんに たおせると
マジョリーナは どんぐりを ハイパーアカンベェにして おそってきます。
こうなったら こどもでも たたかうしかありません。
いっしょうけんめい ゆうきをだして マーチがむかっていきました。
みんなも そのあとに つづいて アカンベェの からだを ポカスカなぐりますが
こどもの ちからでは ぜんぜんきいていません。
ちからでかなわないならと マーチは おにごっこだいさくせんを かんがえつきました。
『おにさんこちら てのなるほうへ!』そのこえに つられて マーチを おいかける アカンベェ。みんなも つぎつぎ つづきます。
まわりを かこんで おにさんこちらと いっせいに てをたたくと
アカンベェは ふりまわされて うおうさおう しています。
ウルフルンくんと アカオーニくんも おもしろそうだと
プリキュアと いっしょになって アカンベェを ふりまわしはじめました。おいおい おまえら・・・
さんざんふりまわされて アカンベェは もう ヘトヘトです。
いまがチャンス! マーチシュートを おみまいしようと したところ
こどもの ちからでは やっぱり ぜんぜん きいていません。
サニーファイヤーを うとうとした サニーも ほのおの ところまで ジャンプできず しっぱい。
ピースは いつも ピースサンダーの かみなりに びっくりしているので
こどもになったら よけいにびっくりして ないてしまいました。
ビューティは さすがです。ちゃんと ブリザードを あいてにおみまいしました!
けれども こどもの ちからでは すずしいかぜを おこしただけです。
さいごに ハッピーが きあいをいっぱいこめて ハッピーシャワーを うちますが
これも ふはつにおわりました。
そのとき ウルフルンくんと アカオーニくんが マジョリーナに もとにもどせと つめよりました。
マジョリーナは うるさそうに 「モトニモドール」を とりだすと
どちらが さきに もとにもどるかで ケンカをはじめる ふたり。
そのてから くすりの びんが とんでいって なかみは プリキュアたちに ふりかかりました。
元に戻ればこっちのものです。
子供のままの姿で言い争っているウルフルン達には、
ファイトデコルで風船を出し、その後を追わせました。
そして残るアカンベェはプリンセスフォーム→レインボーバーストで瞬殺。
マジョリーナも撤退して行きました。
子どもに戻って思いっきり遊んで楽しかったと今日の出来事を思い返しながら、
晩秋の夕陽が彩る河川敷を行く帰り道。
まだまだ彼女達は子どもです。遊んだって構いません。
みゆきが鬼となる鬼ごっこがはじまり、楽しく逃げ回る4人。
そして緑川家でも、源次父ちゃんと弟妹達がまだ鬼ごっこに興じていました。
風呂上りのなおは(うおおおおおおおおおおおおッ!)
タッチされて鬼の役目を与えられ、少し戸惑ったものの、
今日一日の事を思い返したのでしょうか。やる気十分で鬼役を努めました。
『こうなったら・・・全員つかまえちゃうぞ!ガオー!』賑やかな鬼ごっこが始まります。
しかし少々賑やかすぎて、鬼より怖い?緑川とも子母ちゃんの雷が落ちました。
騒々しくも楽しげな大家族、緑川家は今日も平和です。
和む、ほっこりする、ニヤニヤする。
どんな言葉を使っても今回はまとめられそうにありません。
本当にみんな、ウルフルンやアカオーニを含めて
ぎゅっと抱きしめたくなるほど可愛くて、朝から幸せな気持ちになった気がしました。
また私は普段、最初の放映は字幕付きにして観ているのですが、
随所で合いの手のように入るキャンディの「バブクル」も妙にツボでした。
難しい理屈を一切考えずに見れば、実に楽しい一編だったと言えます。
かつて
「キュアキャンディ」や
「キュアゴリラ」、
さらに遡って
「キュアタルト」などをやったプリキュアシリーズですから、
変身や技も専用バンクがくるかと期待していました。
それを裏切るどころか、期待以上のものを作って来てくれて、これにはもう脱帽です。
最初は普段と同じ変身バンクの子どもヴァージョンを観たかった気もしたのですが、
二度三度見返すうちに、みんなで手を繋いでのお遊戯会のような変身も
年相応の子ども達っぽくて好きになりました。
各々の舌足らずな名乗り口調、危なっかしい決めポーズ、
失敗して涙目になってしまったり、凍えてしまったりと、
ここまで作り込んで来るとは、予想の斜め上どころか、はるか上を行っていました。
技に関してもサニーファイヤーを放つ際の子どものお絵描きのような背景だったり、
いつも以上にびっくりしてしまうピースだったりと、
掘り下げられた個性や、良い意味で緻密な作り込みなど、
見返す度に新しい発見がありそうです。
ついにピースが禁じ手「グッチョッパー」を出してくるとは・・・
反則技を使ってでも、サザエさんに対して本気で勝ちに行くつもりでしょうか。
ところで話は全くそれますが、私の子供の頃はあれ「グッチッパ」と呼んでいましたが
きっと地域・時代ごとに呼び名が変わっているのでしょう。
可愛い姿に悶絶するだけで十分楽しめる今回ですが、
シリーズの連作として意味を見出すとすれば、
子どもは誰とでも無邪気に接する事が出来る、というメッセージに思えます。
当初、子どもになったばかりはみゆき達もウルフルン達も、精神は元のままでした。
それが次第に年相応に幼くなって行くのは、
人はある程度姿かたちに左右されるという側面がある事なのかもしれません。
幼い姿ならば、幼いなりの言動・思考で振る舞える。
そして幼い頃は、誰とでも無邪気に手を取り、無邪気に遊び回れる。
現に今回、ウルフルン、アカオーニとは敵味方の垣根を超えて
「一緒に」「仲良く」このひと時を過ごす事が出来ました。
鬼ごっこ中、れいかに逃げられてしまったウルフルンの反応は、寂しそうでした。
それがだるまさんが転んだの時に、手を繋いだ際の笑顔はとっても嬉しそうで、
さきほどの事を気にしていたのかなとも思えます。
子どもの頃にはもう一つ「男子が女子と遊んでいると冷やかされる」という事があります。
マジョリーナに見つかり、慌ててれいかから手を放して赤くなるウルフルンの反応は、
まさしく「女子と手を繋いでいるところを見つかり、照れて憎まれ口を叩く男子」そのものです。
おそらくアカオーニにもそのような心境があったのではないでしょうか。
マジョリーナだけは今回この仲間に加わっていないので何とも言えませんが、
お巡りさんとのささやかな交流に、その一端が伺えるような気がします。
三幹部達は皆心の奥底に本当は寂しい、
みんなと仲良くしたい、という融和の気持ちを秘めているように思えます。
これが最終的に彼らの救済に繋がるのか、
そして彼らが仮にメルヘンランドを出奔した者達だとすれば、
再び元の鞘に収まる事が出来るのか、この点に関しても気がかりになりました。
欲を言えば、今回はなおがメインの話の筈ですが、随所でリーダーシップを発揮するものの、
そこまで彼女が全面に押し出されていない点が惜しまれます。
ハッピーがまとめた「せーの!」も可愛かったですけれど、
今回であればこれをマーチにやらせた方が良かったかもしれません。
冒頭とラストの緑川ファミリーも、本編があまりにカオスすぎたために
やや印象が薄くなってしまった感がありました。
その中で心に残るのは、なおを見送る源次父ちゃんの言葉です。
親にとって、子どもはいくつになっても子どもである事に変わりはありません。
第4話の時点でなおが恐れていたのは「家族はいつか離れ離れになる」という事でした。
しかし父ちゃんの言葉を聞くと、離れて暮らそうとも、どれだけ疎遠になろうとも
決して離れ離れになる事はないのだと思えます。
とはいえ、年相応の可愛いところだけでなく、
かっこ可愛いところもを見せてくれたなおには満足しています。
その「カッコいい」なおではなく、次回男装するのがれいかとは・・・?
あのオスカルのような男装の麗人っぷりが楽しみです。