前回、ゆうゆうと友達になれたとはいえ、ひめは未だに緊張して距離を縮められません。そんなひめにハニーキャンディを渡し、ゆうゆうは家の手伝いのために先に帰宅しました。改めてめぐみは、ひめを自宅へ誘います。めぐみのお母さんが焼いてくれるパンケーキに、ひめの期待は膨らみました。
家へ向かう道すがら、めぐみは落ちていた空き缶を拾います。
『なに？お金？』おいおいお前王族だろｗｗ『ううん。ゴミ』 改めて周囲を見回すと、他にもゴミが散らばっています。なぜゴミを拾うのか問うひめに、「落ちてたら拾う」と至極当然のように答えるめぐみ。ところが、その間にもペットボトルを投げ捨てる少年がいます。それを注意しためぐみを無視して立ち去る少年に、ひめの堪忍袋の緒が切れました。ポイ捨ては許さんと、
ミニスカポリスに変装。
『そこの君、停まりなさい！ポイ捨て現行犯で逮捕します！』俺も逮捕してください。 渋々ゴミ箱まで連行た少年ですが、「みんなできれいにしよう」とめぐみに諭されると、笑顔で頷きました。
続いて元気が無さそうな犬を見つけます。見ると前足を怪我していました。今度は二人で白衣の天使ナースに変装。
俺にもお注射してください。包帯を巻いて手当してあげると、無事に飼い主の少年とも再会。笑顔でお礼を言う少年を見送り、こちらも無事に解決しました。
と、今度は迷子の女の子を発見。
ローラースケーターに変装して町を探し回り、無事にママと再会する事ができましたが、ひめはそろそろお腹が減って来た様子です。
ところがめぐみのお助けレーダーはさらに反応。彼女にプロポーズしようと踏ん切りがつかない青年を発見し、
『花をあげますあのひとに～この胸いっぱいのあーいを～♪』 相変わらずの変な歌を歌いながら花屋に変装して登場。
『知ってた？女子ってお花もらうと嬉しいんだよ』 ひめも青年の背中を押し、無事にプロポーズにこぎつけました。めでたしめでたし。
『プロポ～ズ～。あいのえがおはラブリ～スマ～イル～♪』 変な歌を歌いながらご機嫌のめぐみに、ひめは人助けは面倒ではないかと尋ねますが、
『面倒くさくないよ』 めぐみはみんなの笑顔が見られてみんな幸せ、幸せハピネスだと即答します。しかし振り回されたひめの空腹はここらが我慢の限界のようでした。そこに弁当配達中のゆうゆうが通りかかり、疲れたひめにつくりたてのハニーキャンディをプレゼント。
『めぐみちゃんといると大忙しでしょ？』
ひめを気遣いながら、ゆうゆうも人に喜んでもらえることの嬉しさを語ります。それでもやっぱり疲れを隠せないひめを、めぐみはパンケーキが待っていると引っ張って行きました。
『仲良きことは美しき哉』
ゆうゆうは二人を笑顔で見送ります。
そんなこんなでようやく帰宅。かおりさんは、
年甲斐も無くはしゃぎながらひめを迎えます。
『目大きい♥まつ毛長い♥髪の毛くるくる♪本当のお姫様みたい♥』
かおりさんかわいいよかおりさん そしてお待ちかねのパンケーキ。かおりさん手作りジャムと共にいただくと、幸せハピネスなおいしさです。
『その笑顔が見たくて、頑張っちゃうのよね』
美味しそうに頬張るひめを、かおりさんは笑顔で見守りました。
『いいなあ、めぐみ。お母さんと仲良しで』 陽が西へ傾きかけた帰り道、ひめはあたりまえの幸せをうらやむように口にします。ひめの両親は幻影帝国によって鏡に封じられ、それどころか国中全員が囚われており、ひめが唯一の生き残りです。ひめが背負っている現実に、言葉を失うめぐみ。かける言葉も見当たらないめぐみの先手をとるように、ひめはあっけらかんと、お母さんの手料理が食べたくなったと返します。
『絶対助けに行こう！全部のカードを集めて、ひめの願いを叶えよう！』 めぐみはひめの手を取り、ブルースカイ王国の開放を誓います。逆にひめは、めぐみの願いを訪ねました。それは「お母さんを元気にすること」。かおりさんは一見明るく元気に見えますが、実は病弱で沢山の薬が手放せません。
『じゃあ、カードを集めてお互い願いを叶えよう！』『うん！一緒に、プリキュア、Go！』 改めて大いなる願いを叶えるため、誓いを新たにする二人を、夕陽が柔らかく包み込みます。
『めぐみはさ、何で人助けするの？』『お母さんが、みんなの笑顔が一番だって言うからだよ！私もみんなに喜んでもらうと嬉しい』 そのとき、女性の悲鳴が聞こえてきました。妙に棒読みなのはさておき（笑）、そちらに目を向けると・・・
大変だ！かわいいお姉さんがチョイアークの群れに追いかけられているぞ！
『きゃあー！おーたーすーけぇー！あーれー！プリキュアをよんでくださいまし～！』
お姉さんはチョイアークに囲まれて助けを求めています。早く助けないとお姉さんの危険が危ない！
・・・ひめとリボンが警戒するのも無理はなく、あからさまに怪しいのですが、めぐみは事態を真剣に受け止めています。めぐみに引っ張られるように、ひめも変身しました。
プリキュアが来てくれた！これでもう安心ですよ、お姉さん！チョイアーク如き、プリキュアの敵ではありません！数の多さに圧倒されかけても、新たなフォーム、ロリポップヒップホップからのポップンソニックアタックにかかれば一網打尽です！
『もう大丈夫ですよ！』『助けてくれて、ありがとう』
窮地を脱したお姉さんは、笑顔でお礼を言いました。ところが・・・なんということでしょう、お姉さんの正体はホッシーワさんだったのです！（バレバレだったけど）。人助けを罠におびき寄せる、ディープミラーの献策を実行し、見事な演技力でプリキュアをおびき寄せたのでした。・・・怪しすぎる演技でしたが（笑）
『だますなんてひどい！』 ラブリーは大真面目に受け止めていました。こんなことをしたら本当に助けが必要な人が困ると訴えますが、人助けするから騙されると返され、さらにちょっといい気になっていると追及されて、顔が曇ります。
『人助けしてる自分はいい子ちゃん！とか思っているから、こんな見え透いた手に引っ掛かるのよ！』
さすがのラブリーも落ち込みかけますが、すかさずプリンセスがフォローしました。
『ちょっと！騙す方が騙される方より悪いに決まってるでしょ！それにラブリーは素直だからあっさりと騙されちゃうだけだよ！お人好しで、ちょっと迂闊で、それに・・・あと・・・何だっけ？』 一応全力で弁護しています、プリンセスは（笑）。さすがのラブリーも苦笑いして、再び立ち直りました。
『ありがとうプリンセス。私はなぜ人助けをしたいのかわからない。ただ、困っている人がいたら、手を差し伸べたいだけなの』 そしてホッシーワさんにも笑顔で手を差し伸べます。しかしホッシーワさんは聞く耳持たず、地中に潜ませていたサイアークをけしかけました。サイアークの手に捕らわれた二人に、ホッシーワさんの言葉が突き刺さります。
『誰だって自分のことしか考えてないのよ。あんた達だってそう。自分が気持ちいいとか、人に褒められるからとか、結局自分のためじゃない。それで感謝もされなかったら、丸損よね』
言い返せないプリンセスですが、ラブリーは先程揺らぎかけた自信を再び取り戻していました。
『そうかもしれない。でも私は助けて貰ったり、笑顔を貰った時のうれしい気持ちをみんなにあげたい。それで損したり大変な目に遭っても、みんなが幸せならそれでいいの』 しかしサイアークにつかまれたまま反撃できないまま、再びホッシーワさんに辛辣な言葉を掛けられます。
『無様ね。自己満足のために仲間まで巻き込んで。あんたこそ自分勝手な人じゃない』
その言葉に再び心折れそうになるラブリーを、今度はプリンセスが反論。
『ラブリーは、自分勝手じゃない！私も人助けなんてめんどくさいと思うけど、ラブリーと一緒に居ると次から次へと大変だけど、何かあったかい気持ちになるの。だからだから、友達のこと、悪く言わないで！』 プリンセスは気合と共にサイアークの手を振り払い、続けてラブリーも救出しました。
『私もプリンセスといると、ほわっとした気持ちになるよ。この気持ちって、アレだよね！』『友達って感じ！』 反撃開始。サイアークに対し、なんとラブリーは「目からビーム」という予想のはるか斜め上を行く攻撃で応戦。続けてスタープラチナばりの猛打を叩き込みます。負けじとプリンセスも爆弾ボンバーの猛攻を畳み掛け、サイアークが怯んだ隙に、仕上げはラブリーのピンキーラブシュートでサイアークを浄化。
『友第なんてくだらない。人の笑顔なんて、お腹の足しになんかならないのよ』
次こそお腹いっぱいになってやると言い捨て、ホッシーワさんも撤退しました。
『ひめと二人でプリキュアできて、改めて嬉しいなって思ったの。だからありがとう。なんかね・・・なんか嬉しいの』 ひめの手を取りお礼を言うめぐみの笑顔を、夕陽が明るく照らします。
『私もめぐみと二人でプリキュアできて、うれしい！』 そして、今回は人助けの成果によって、マカデミアフラダンス以下多数のプリカードを獲得しました。情けは人のためならず。人に情けをかけるのは自分のためにもなるという意味を知り、ひめはめぐみが人助けが好きな理由が少しわかりました。これからもモリモリ人助けしようと、一緒に橋を渡って行く二人。その二人を、どこか苦々しくフォーチュンが見守っていました。
まず今回は「ラブリービーム」でしょうか（笑）。まさかプリキュアが目からビーム出すなんて、当時考えもしませんでした。厳密には目の周りを囲んだ指から出しているようですが、それでも見た目のインパクトが強烈でした。もっともムスカよろしく「目がぁ～目がぁ～」になってしまう副作用があると後に明らかになり、多用はされませんでしたが・・・
あと、ロリポップヒップホップ。前半のフォームチェンジでは、ラブリーのアクティブなキュートさが強調されるこのスタイルが一番好きです。
また前半のお助けエピソードに登場する、警官・ナースなどの数々も可愛くて楽しめました。特に白衣の天使の白タイツ！タイツフェチの私にはたまりません。
さて、お助けエピソードの印象が強かったため比較的軽めの話というイメージを抱いていましたが、改めて見返すと、教訓であったり、重いテーマに言及したりと、意外と深い一編でした。
最初のゴミポイ捨てに関して、めぐみは頭ごなしに注意するのではなく、「みんなできれいにしよう」と呼びかけることで少年の意識を変えました。ただゴミを拾っても、捨てる人の意識を変えないと、いたちごっこになってしまいます。
ただ、残念ながら現実は甘くありません。私の住む錦糸町などは実に意識が低く、ゴミが落ちていることに関心を持たず、平気でポイ捨てする人がいかに多いことか。全く改善される雰囲気がありません。また私の住んでいるマンションでもエントランスに不要チラシを投げ捨てて行く人がいたりと、思わず腹が立つ事例が多々あります。それでも、歌舞伎町でのホストによる清掃ボランティアなど、変わり得るケースもありますので、いずれ錦糸町もこうなってくれると期待したいものです。
今回はめぐみだけでなく、ゆうゆうとかおりさんも「人に喜んでもらえるとうれしい」「笑顔が見たい」ということを知っていて、そのために頑張ることを心得ています。確かに人助けに限らず、人と人との関係や、日常の仕事に関しても、「喜んでもらう」ことで「自分が頑張れる」という相乗効果をもたらすものでしょう。私も客商売に携わる身として、再度原点に立ち返ったような気がします。
人助けや自分のあるべき信念について、めぐみ＝ラブリーはこの時点でまだ確固たる自信を持っていなかったのかもしれません。後半の戦闘の中だけでも、
ホッシーワさんにいい気になっていると言われて凹む
↓
プリンセスのフォローの後、笑顔で手を差し伸べ、ホッシーワさんに「結局自分のためだ」と言われても揺るがない
↓
自分勝手で仲間も巻き込んでいると言われて再び凹む
と、短期間で感情のブレが見受けられました。確かにめぐみの人助け行動には「余計なお世話」や、時には「ありがた迷惑」と言える事態まで引き起こしてしまうことがあります。ちょうど
再視聴したばかりの「魔法つかいプリキュア」第4話では、考えるより行動という主題が語られましたが、考えなしに行動することの弊害というものもあります。本人に悪意が無くても、相手の事を考えていないお手伝いはお節介でしかありません。そうすると、結局自己満足なのかは手伝ってもらった相手の反応を見るしか無く、客観的に捉えるのが難しい問題です。これに直面するのは「アンラブリー戦」など、後半になってからだと思っていたので、このように早い時期に問題提起されていたことに、改めて気づかされました。
ところで、芝居とはいえチョイアークから守ってもらった直後のホッシーワさんの表情が気になりました。これはプリキュアの戦闘力、特に新しい能力であるロリポップヒップホップの力に驚いていると観るのが妥当ですが、ひょっとして「自分の嘘を信じてくれた」ことに驚いているのかもしれません。
また、ラブリーが笑顔でホッシーワさんに手を差し伸べる姿も、最終的に彼女の心を救った結果を思うと意味深でした。（実際はラブリーではなくハニーですが）
一方、ひめ＝プリンセスは消極的な発言態度が目立つものの、きちんとめぐみに付き合っています。そして、帰り道にひめの背負った重い事情が明らかにされる場面では、
『あーあ！私も食べたくなっちゃったなぁ、お母さんの手料理』 と、先手を取って湿っぽい空気を払い、言葉に詰まっためぐみを気遣うことができています。そして、この気づかいは「自分のため」ではなく「めぐみのため」に行っているもので、そこには打算など感じられません。知らず知らずのうちに「めぐみ助け」が出来ているだけで、決して彼女は殻に閉じこもりがちの弱い子ではないと感じます。
めぐみが人助けを行ったからこそ、つき合わされたひめが「なんだかあったかい気持ち」を感じ、そのためにサイアークを払いのけるほどの気合を入れる事が出来、結果、ラブリーを救出。という流れも、めぐみからすれば「情けは人のためならず」という結果に繋がっていました。
まさかこの話でこんなに色々と考えさせられるとは思わず、改めて再視聴の面白さと難しさを実感した一編でした。
【今回のおめでとうメッセージ／キュアハッピー】
やっぱりハッピーの決めポーズといえば「天地魔闘の構え」ですね（笑）
他にも変身時の「キラキラ輝く～」の手の仕草を交えてくれるなど、つかみどころを心得ています。
もっとも、「大凶顔」なんぞをやられても困りますが（笑）
久々にハッピーの元気な姿を観て、こちらもウルトラハッピーになった気がしました。