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ハートキャッチ第34話『すごいパワーです!キュアムーンライト!!』 [ハートキャッチプリキュア]

サブタイトルどおり、完全復活を遂げたムーンライトの圧倒的な強さが描かれ
完全に主役を食ってしまう戦いぶりが展開されます。
濃密なアクションは非常に見ごたえがありますが、
真に感銘を受けたのは戦いが終わってからの描写でした。
ムーンライトは、もう一人じゃない。
コロンに見守られて、ゆりは新たな人生を歩みだします。
  
目の前に立つキュアムーンライトの姿にシプレ、コフレ、ポプリが、ダーク様が眼を見張り、
サンシャインに介抱されて気が付いたブロッサム、マリンもムーンライトの復活を知ります。
冷静な彼女も動揺を隠せないのか、右瞼を震わせて問うダーク様。
『・・・妖精もいないくせに、なぜプリキュアになれたのだ!?』
『あの時コロンの肉体は滅んだけれど、その魂は心の大樹に守られていたのよ』
ムーンライトの持つ種の失われた部分が補われているのを知ったダーク様は
あの時仕留めておくべきだったと、割れた種の欠片を手に悔やみます。
あの戦いの果てにダーク様に敗れたムーンライトは、
人知れずコッペ様に救い出されていました。

有無を言わさず仕掛けられるダーク様の攻撃をいなし続けるムーンライト。
業を煮やしたダーク様は渾身の一撃を叩き込みますが、
巻き起こる土煙が晴れた後、堅く身を守って耐え抜いたムーンライトの姿に
流石のダーク様も顔色が変わります。
『全ての心が満ちるまで、私は戦い続ける!』
まだ満ちていない月、三日月をバックにムーンライトは宣言しました。

反撃に転ずるムーンライト。その細身の身体からは想像できない重い攻撃の連続に
劣勢に追い込まれたダーク様は苦し紛れに光弾を放ちますが、
ムーンライトリフレクション、ムーンライトの反射技によってあえなく跳ね返されました。
それだけでなく、跳ね返した光弾を先回りしてリフレクションが再び跳ね返し、
ダーク様の背後に光弾が直撃。落下したところを激しく蹴り飛ばされます。

蹴り飛ばされたダーク様を受け止めるのはクモジャキー。
ムーンライト復活を知ったサバークの指示により現れた3バカ3幹部に
手出しをするなと憤るダーク様を差し置いて、
コブラージャさんが単身ムーンライトの前に立ちはだかります。
コブラージャさん達にとってもムーンライトは過去に煮え湯を飲まされた相手。
挨拶代わりのブロマイド攻撃をムーンライトは軽く片手で叩き落しますが、
ダークブレスレットの力を解放したコブラージャさんの持つブロマイドは
ジョーカーのカードとなり、ムーンライトを襲いました。
流石に軽々とは行かないムーンライトを守るべく、割って入るブロッサム、マリン、サンシャイン。
しかしダーク様にあっさりとあしらわれ、
そしてダーク様はあくまでムーンライトのみを執拗に追います。
ブロッサム達の前にはダークブレスレットを身につけた3幹部が立ちはだかり、
ムーンライトを援護しに行くことができません。

ブロッサムにはサソリーナ。得意の長い髪&毒針攻撃は強化されてブロッサムを襲います。
マリンにはクモジャキー。剣の一閃を無数に飛ばす攻撃をマリンシュートで応酬しますが・・・
そしてサンシャインにはコブラージャさん。ジョーカーのカード攻撃は
サンフラワーイージスの耐久性能を超え、押し切られて窮地に陥りました。
そのサンシャインの悲鳴に気を取られた隙にサソリーナの髪がブロッサムを、
クモジャキーの剣閃がマリンを襲います。

一方ムーンライトとダーク様は別次元のレベルの戦いを繰り広げていました。
ムーンタクトを、ダークタクトをそれぞれ取り出し、
シルバーフォルテウェーブを、ダークフォルテウェーブをぶつけ合います。
拮抗した戦況の中で、ムーンライトはなぜ執拗に自分を狙うのか、
そして過去のダーク様の発言「お前は私だからだ」の真意を問います。
『お前が月の光だとすれば私は影。影が光を飲み込んだ時、月は一つになるのだ!』
右目を見開き渾身の力が込められたダーク様の一撃に押し切られるムーンライト。
『今こそ、月が一つになるときだ』
ダーク様の追い打ちが迫ろうとした時、ムーンライトにコロンの声が響きます。
叱責するような、それでいて励ますような呼び声に、ムーンライトは再び立ち上がります。
『私はもう、一人ではない。私はもう、一人では戦っていない。
 コロンが見ている限り、私は負けるわけには行かない!』

ムーンライトのフローラルパワーフォルテッシモに対し、受けて立つダーク様は
ダークパワーフォルテッシモを繰り出し、光と影の激闘が繰り広げられます。
真っ向からぶつかり合う光と影、2人の戦士。
気品溢れるムーンライトが、冷静沈着なダーク様が
渾身の気合いを込めてなりふり構わず叫び散らし、2つの力が弾けました。

互いに背を向けて着地する、あの時と同じ構図。先に膝を着くのはムーンライトです。
ダーク様は笑みを浮かべて振り返ります。が・・・遅れてその身体にダメージがやって来ました。
倒れ伏し、喘ぐダーク様にムーンライトが近づこうとした時、
突如サバークが現れ、ダーク様を抱きかかえます。
『あなたは、ダークプリキュアの・・・?』
しかしムーンライトの質問には何も答えず、サバークはダーク様を連れて無言で立去りました。

ブロッサムの悲鳴が響き、ムーンライトは我に帰ります。
サソリーナの髪に縛り上げられ、ブロッサムは毒針の餌食になる寸前で
必死にシプレが毒針を押し留めていますが、とても持ちこたえられそうにありません。
そこにムーンライト参上。サソリーナの髪を断ち切り、天高くムーンタクトを放り投げます。
ムーンタクトに気を取られたサソリーナの足を払い、思い切り蹴飛ばす、
ムーンタクトは囮よ!とどこかの完璧な方が言いそうな戦いぶりを見せた後、
次いでマリンとクモジャキーの戦いの場へ。
マリンを剣閃で追い詰めるクモジャキーの剣に飛び込み、振るわれるクモジャキーの
剣閃を正面突破、縦にタクトを振るい、切り抜けるように脇をすり抜けます。
クモジャキーもタクトの剣閃に跳ね飛ばされ、サソリーナと同じ噴水に叩きつけられました。
残るコブラージャさんはジョーカー攻撃を立て続けに繰り出し、
サンシャインを必死に庇うポプリですが力の差は歴然。いとも簡単に壁は破られます。
そこに駆けつけたムーンライトはジョーカーのカードをコブラージャさんの手から蹴り落とし、
ムーンライト・シルバーインパクトでコブラージャさんも跳ね飛ばします。
後は私達が。やられっぱなしだった3人が鬱憤を晴らすかのように
シャイニングフォルテッシモを放ち、引き際を感じた3幹部達も撤退していきました。

遂に4人のプリキュアが揃い、明るい前途を象徴するかのように
立ち込めていた雲からは晴れ間が広がります。
砂漠の使途は決して侮れませんが、みんなで力を合わせ
心の大樹を守る決意を新たにしました。

戦い終わり、心の大樹を訪れるムーンライトを労うコロンの魂は、
ムーンライトの心の花はもう大丈夫みたいだと告げると、
しおれていたユリは美しく咲き始めました。
『ありがとう、コロン・・・』
コロンの魂に手を差し出すムーンライト。そしてコロンも手を広げますが・・・
再びムーンライトの目の前で消えるコロンの魂。
しかしあの時とは違い、光となって消えて行きます。
『君は本当に泣き虫だなぁ・・・』
名残を惜しむかのようにムーンライトの周りを飛び回っていた光は、
紺碧の大空に溶け込んでゆく雲のように消えて行きました。
光を見上げ、見送ったムーンライトの頬を、一筋の涙が伝います。

その一部始終をミラージュを通して見守っていた3人と3匹も、
コロンの遺志を受け継ぐかのように見届けました。
シプレをそっと抱きしめ、肩を震わせるブロッサム。
涙を流しながらも目を逸らさず、しっかりと見届けるマリンの頭をそっと撫でるコフレ。
ポプリを抱きしめ、涙ぐむサンシャイン。
そしてムーンライトは涙を流しているものの、その口元には微笑が浮かんでいます。

長い一日が終わり、夕陽の中家路へ向かう4人の向こうから
ファッション部のみんながえりかを追って駆けつけました。
ファッションショーに出演してくれるのか、というゆりの返事を聞きに来た部員達に焦り、
慌ててゆりに頼み込むえりか。つぼみといつきも改めて一緒にお願いします。
しばしの間の後、ゆりは無言で頷きました。OK回答に沸くファッション部員達。
でも服作りどころか採寸もしていないのに間に合うのか、という懸念は
えりかのとんでもない能力のおかげで払拭されました。
嘗め回すようにゆりをじっくりと観察し、ゆりに耳打ちするえりか。
『ゆりさんの3サイズは・・・』B85W56H86くらいが私の好みですが
図星だったようで驚くゆり、あまりの特殊能力にやや引いている部員達をとりまとめ、
えりかはみんなでゆりの服を作るべくフェアリードロップへと向かわせます。
ゆりも少々引いていますが、片腕につぼみが、もう片腕にえりかがしがみつき、
『ゆりさん、行きましょう!』
もう、彼女は一人ではありません。


何と言ってもムーンライトVSダーク様の戦いぶりが凄まじく、
つい先日見終えたスプラッシュスターの最終盤のように、
まるでドラゴンボールのようなバトルシーンは強烈でした。
今まで誰も敵わなかったダーク様を初めて劣勢に追い込みますが、
力も互角なのか決して安易な戦いにはならず、
2人して雄叫びを上げながらぶつかり合う様は本当に熱くなりました。

しかし素晴らしい戦闘シーンは大いに評価したいものの、
裏返せばそれが今回の欠点にもなっているのが残念です。
あまりにもブロッサム、マリン、サンシャインとレベルが違いすぎ、
ミラージュを得る試練を乗り越えた筈なのに
完全に戦闘では引き立て役になってしまいました。
特にサンシャインは強化されているとはいえコブラージャさん相手にずっと劣勢で
あの初登場時の強さはどこへ行ってしまったのでしょうか。
またブロッサム、マリンも物語の最初から少しずつ成長している筈ですので、
その成長の証という意味でも、彼女たちが主役であり続けるためにも、
決してムーンライト任せにせずに頑張ってもらいたいものです。

しかし戦闘が終わった後のコロンとの別れはいい描写だったと思います。
あのままコロンが魂として心の大樹に留まり、
ムーンライトを見守るという展開でも良かったと思いますが、
あえてそうせずに再び消してしまう。
子供向け番組としては酷な展開ですが、命を失った者を安易に蘇らせない事で
限りある命の尊さと、残された者に対しても悲嘆に暮れるだけではなく、
そこから前に進む事を示唆している様に思います。
その身、その魂が尽きても、コロンの遺志を確実にムーンライトが、
そしてブロッサム、マリン、サンシャインが、さらにシプレ、コフレ、ポプリが、
皆が目を逸らさずに受け止めていました。
別れを悲しむだけではなく、別れを糧にしていく事の大切さを感じさせる
印象的な場面になったと思います。
(個人的にはマリンとコフレの描写が気に入っています)

「君は本当に泣き虫だなぁ・・・」
コロンが最期に遺した言葉からは、コロンの前ではよく涙を見せていたと思われ、
その事からゆりが最初から強くなかったと伺えます。
一人で頑張れる、頑張ってきたという強い自負があったものの、
本当は不安に苛まれ、恐怖に怯える事もあったのでしょう。
おそらくコロンはそんなゆりを支え、ゆりの成長に尽くしたと思います。
しかしゆり=ムーンライトはもう一人で立ち直り、一人でやって行ける。何より仲間がいる。
消え行く前のやりとりからは、子離れする親のような心境も感じました。

激しい戦い、悲しくも美しい別れ、この2つを日常のドタバタ劇でまとめた構成も
賑やかな中にかえって清々しい余韻を残していました。
にぎやかなファッション部員やえりかの中に入ると、
固いゆりは少々浮いているようにも見えますが、
えりかのペースに乗せられての表情の変化や冷や汗?など
この日常にゆりも溶け込んで行けると思わせます。
それはゆりにとって止まっていたと思われる
「楽しく賑やかな私生活」を再び始められるという事でしょう。
コロンの死に囚われていたゆりが、それを乗り越えて自分の人生を歩む第一歩として
ファションショー登場で新しい自分を見つけられると思わせます。

・・・ところで肝心のスリーサイズは(ry
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