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プリキュア5 第32話『りんちゃんのハッピーウエディング』 [Yes!プリキュア5]

この年になると年に数回は結婚式や披露宴の2次会に足を運びますが、
どんな式でも新郎新婦にとっては一生に一度(?)の大切な日である事には変わりません。
そのアクセサリーのデザインと言う重責を任されたりんちゃんは、
プレッシャーに苦しむものの、これからの人生を決定付ける転機となる重要な一編。
そしてまだ中学生の女子5人+ミルクが妄想する式のシチュエーションも楽しめる
シリーズでは初代のよし美先生以来となる結婚式エピソードです。
 
ショーウィンドウに展示されているウエディングドレスに目を奪われているりんちゃんは、
その店から出て来たまどかさんと鉢合わせました。
まどかさんが結婚?ではなく、結婚するのは友人の未来さんで、
本日は一緒に結婚式の打ち合わせに来ていたようです。
そして一緒にナッツハウスを訪れた未来さんは、あるブレスレットに目を留めて手に取ります。
それはりんちゃんがデザインしたもので、そのセンスを気に入った未来さんは、
結婚式で見につけるティアラのデザインをお願いしたいと切り出しました。
突然の話に、当然りんちゃんは戸惑いますが・・・

りんちゃんがプレッシャーを感じているのは、りんちゃん自身が結婚式に対して
強い憧れを抱いているからに他ありません。
りんちゃんにとっての憧れの結婚式とは・・・
『深い森の中に佇む、可愛いチャペル。
 純白のドレスに身を包み、そっと永遠の愛を誓い合うの・・・』

これぞ乙女の醍醐味、と想いを巡らせ、
『やだダーリンったら♥』などとすっかりあっちの世界へ旅立ってしまいました。
『でも、花嫁の心にはどうしても消せないもう一人の存在があったのです・・・』
唐突にこまちが妄想を始めます。今まさに挙式が始まろうとする時、
割り込んでくる男と愛の逃避行をするという、
Sound of Silenceが似合いそうなドラマティック?な妄想を披露しました。
うららに言わせれば結婚式はドカンと派手に全員参加型のエンターティメント、だそうで、
ド派手なライヴ形式の挙式を妄想しますが、
これはファンに暴動が起こりそうで新郎が気の毒な気が・・・(っていうか、ねーよwww)
そしてかれんは意外にも白無垢を希望しています。
格調高い日本の美を織り成して心が引き締まる、との事ですが、
相手を聞かれていつに無くモジモジと黙り込んでしまうあたり、
かれんもまだまだ15歳の乙女です。
そしてのぞみは沢山お色直しはともかく、ケーキを一人で食べられるのだと
あからさまな勘違いをしており、みんなからケーキは作り物だと教えられて落胆しました。
そしてナッツハウスにはもう一人乙女がいます。
ココとの結婚式を妄想しているミルクを、小々田先生とナッツは少々呆れ気味で見上げました。

ところが、そんな乙女達の楽しい妄想の世界とは裏腹に、
ガマオ君は職も無く、空腹という現実に途方に暮れていました。
そこにカワリーノが現れ、一緒に働こうと甘い誘いを投げかけます。
幹部になるのも夢ではないと言い含め、改めて仮面を渡して立去るカワリーノを見送った後も、
半信半疑なガマオ君の内に、降って湧いたような「幹部」の誘惑が徐々に広がっていきました。

りんちゃんはあれからずっとノートと向き合い、
何度もデザイン画を描いては捨ててを繰り返していました。
みんなとの昼食も取らず、夜も遅くまで机に向かうも思うようなものが描けず、
辺りには破り捨てられ、丸められた紙束が散乱しています。
それでも日中はきちんと店番を務め、その合間にも
店の花を見てデザインの参考にすべく描き留める等、余念がありません。
そんな折、こまちからまどかさん経由でりんちゃんが思い悩んでいる事を聞いた
未来さんが店にりんちゃんを訪ねてきました。

つがいのトンボが川面を飛ぶ秋の河川敷で、未来さんは
この間のみんなの色々なイメージの結婚式の話が面白かったと切り出し、
そしてりんちゃんに悩んでいる事を訊ねました。
正直にプレッシャーを感じている事を告白するりんちゃんに、
未来さんは大変な事を頼んでしまったと謝るものの、同時に嬉しさも感じていました。
そして自分達の結婚式は、みんなの想像のようなものではなく、
近しい友人達みんなで作り上げる手作りの式である事を語り、
大変だけど一生懸命準備してくれる友達がいる事に幸せを感じています。
だからりんちゃんが悩んでいる事、その気持ちが何よりも嬉しいとお礼を言いました。
りんちゃんはその言葉に、未来さんに幸せだと思ってもらえるようなティアラを作りたいと、
俄然やる気が湧いてきました。そしてその夜、りんちゃんのペンは順調に走り続けます。
そして難産の末にデザイン画を仕上げ、組み立ても丁寧に終えて、遂に完成しました。

挙式当日。屋外での立食パーティのような結婚式は確かに派手さはありませんが、
友人達の手作り感が伝わってくる和やかかつ心のこもったものを感じさせます。
まどかさんに促され、お色直しに立つ未来さん。
次のドレスでりんちゃんのティアラがお披露目となり、
控え室のりんちゃんは流石に緊張気味です。
ところが結婚式場のスタッフにはいつのまにかガマオ君が紛れ込んでおり、
お色直しに向かう未来さんを見て何やら悪巧みを考え付いたようです。

控え室をノックする音を聞いたりんちゃん達が戸を開けると、
なぜかそこにはウエディングケーキがありました。そしてその後ろから姿を現すガマオ君。
安定した職を手に入れるため、面倒臭いのは嫌いだと毒付きながらも、
ウエディングケーキをコワイナー化しました。
『未来さんの大事な結婚式のウエディングケーキに、何て事するの!』
ティアラをココ達に預け、怒るりんちゃんに続いて変身する5人。

カワリーノが直々に用意した仮面のためか、今回のコワイナーはなかなか強力です。
キャンドルをミサイルのように飛ばしてプリキュアを苦しめる戦いぶりにガマオ君もご満悦。
柱の影に隠れていたココ達の近くにキャンドルが命中し、その隙にティアラを奪い取ります。
ティアラはみんなのお陰で何とか無事に取り戻し、
女の子を怒らせることに定評のあるガマオ君は、
5人に、特にルージュの闘志に火をつけてしまいました。
『あんたにはわからないの?今ここにあるものや、ここで行われている結婚式には』
『みんなの大切な想いがたくさん詰まってるんだよ!』
5人一丸となってコワイナーを押し返し、大事な結婚式を邪魔した事に
怒ったルージュのルージュバーニングがキャンドル攻撃を打ち消して、
続けてクリスタルシュートがコワイナーを撃退しました。
そしてガマオ君も巻き添えを喰らい、豪快に天井を突き破って飛ばされて行きました。

まどかさんの司会の下、お色直しを終えた未来さんの頭には、
幸せを呼ぶクローバー、シロツメクサをモチーフにした花冠が飾られています。
花屋らしいデザインを賞賛されて謙遜するりんちゃん。
挙式は参列者達の祝福の下、ケーキ入刀、そしてブーケトスと順調に進行して行きます。
最前列で虎視眈々とブーケを狙う5人。
ところがブーケは掴み損ねた5人の手の上を飛ぶうちにミルクに奪い取られました。
『これで次はミルクがココ様と・・・』
5人の殺気を感じて振り向くも、ミルクは乙女として一度掴んだ幸せを渡せないと
慌てふためきながら主張しました。
みんなで慌てるミルクを笑い合いながら、結婚式は無事に終わりました。



私はこれまで友人の挙式で、せいぜい2次会の幹事か受付係を務めたくらいしかありませんが、
これらの仕事でも大切な友人の人生の一イベントと思うと身が引き締まったものです。
今回のまどかさんのように大切な友人の新たな門出を祝福したいと思うのは当然ですが、
りんちゃんと未来さんは出会ったばかりです。
それでも寝食を忘れて本気で打ち込めるひたむきな姿。
「ひたむき」と言えば5GoGoのラスト直前であの人が口にする言葉でもありますが、
5の5人だけでなく、これまでの、これからのプリキュア達誰もが見せてくれる姿でもあります。
ともすれば惰性で動くことになりがちな三十代の中堅リーマンにとって、
少々眩しいものの改めて喝を入れられたような感じです。

今回5人が妄想する挙式の風景はそれぞれ楽しめるものの、
かれんのものを除いて現実には考えにくいものばかりです。
結婚式を「あこがれ」として捉えている少女達と、
現実の手作りの結婚式に奔走しているまどかさんや未来さんの間には
多少の温度差が感じられますが、そこには大人が子供を見守るような温かさが感じられ、
特に5シリーズではあまり見られない、少し年上の人々の目線で描かれています。

5人の中で一番の乙女キャラと言えるりんちゃんは
当初こそ結婚式というものに対する漠然とした憧れを抱いていますが、
これから続くシリーズでのりんちゃんの将来の夢を知っている今、
今回の出来事が自分の将来像を描くきっかけになるという点が目を惹きます。
憧れの存在でしかなかった結婚式の現実を知り、
漠然と思い描くだけだった将来の夢を固めるという点で、
特にりんちゃんにとっては重大な転機となる一編となりました。

一方、ガマオ君の存在はこの逆を行っています。
「夢」「憧れ」を語り合う5人に続いて登場した時は「失業」「貧困」を象徴し、
悩み迷いながらも自力で仕事を成し遂げ、夢への足がかりを築いたりんちゃんに対して、
面倒なことを嫌がりながら濡れ手にアワのように幹部への足がかりを作ろうとしていました。
ガマオ君だけが悪いとは一概に言えず、少々気の毒な役回りをさせられておりますが、
こうした反面教師がいてこそ教訓も引き立つのも事実です。
今回は立食パーティの一皿を平らげるという、
彼にとっては多少恵まれた場面もありましたので、多少大目に見てもらう事にしましょう。

とはいえ5人とミルクが妄想する理想の結婚式像は
筋金入りの乙女そのもののりんちゃん、「卒業」を思わせる妄想をめぐらすこまち、
芸能人らしいというよりも子供らしさが際立つうらら、意外性満点のかれん、
そして食い意地の張っているのぞみと、
それぞれの個性が見事に注ぎ込まれており、純粋に楽しめます。
(のぞみのお色直しの中に喪服のような着物があるのは気のせいでしょうか??)
そして普段ラフなジーンズ姿のまどかさんが唯一見せる白いスーツ姿も魅力的で、
華やかな結婚式らしく、気楽に楽しめる要素が散りばめられた一編だと思いました。
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