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5GoGo 第13話『悪夢のメルヘンワールド!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

その昔、ウルトラマンレオには「日本名作民話シリーズ」なるものがございまして、
桃太郎やかぐや姫、一寸法師なんぞを何でウルトラマンで見なきゃいけないんだろう、
などと幼心に感じた事がありました。
今にして思えば、民話や童話に親しむための布石として評価したいと考えています。
プリキュア5GoGoにおいても、ある意味名物となるシビレッタさんの童話シリーズが始まります。
記念すべき第一回の童話は、ピノキオ。嘘をつくと鼻が伸びたり、鯨に飲み込まれたり・・・
ストーリー通りだ!ストーリー通りだ!ストーリーどおりだァア!!(以下自粛)
  
シロップの目の前にはバラの花が広がり、手を伸ばせば届きそうです。
しかしその手が届くや否や、枯れ落ちる花弁。そしてバラの花はどんどん遠のいてゆき・・・
シロップはいつものような悪夢で目を覚ましました。
そして、悪い夢を紛らわすかのように大空を飛び回り、再び時計台へと戻ってきます。
シロップはどこでも飛んで行く事が出来ます。ただ一つ、キュアローズガーデンを除いて・・・

エターナル。新たなコレクションとして、珍鳥ナナワの剥製を館長に進呈するアナコンディさん。
館長も新たな収蔵品にはそれなりの満足を浮かべますが、
それ以上に価値のある物として改めてドリームコレットを求められ、
アナコンディさんは未だ手に入らぬ事を詫びて頭を下げました。
そんな彼女に館長は、一線を退いているシビレッタを使うよう指示を出します。
アナコンディさんは妙に難色を示しますが、館長の指示に逆らえる筈もありません。
立去る館長を、憮然として見送りました。

『いいな、お前達は。一緒に飛べる仲間がいて』
時計台の上、飛び立つ鳩たちを寂しそうに見上げて呟くシロップ。
『俺は、一人で飛ぶしか・・・』
『うわー、空が近いね!』
言い終わらぬ内にのぞみと小々田先生が、セレブ堂のケーキと紅茶を手土産にやってきました。
特に小々田先生の姿を見て、途端にぶっきらぼうな態度を取るシロップ。
そしてと境内の真下には・・・のぞみと小々田先生を追って、
くるみがまるで浮気調査の古女房のように(笑)身を潜めて様子を伺いながら、
今日はどのように登場しようかと腹黒い笑みを浮かべて企んでいました。

そしてエターナルの本に囲まれた部屋の主、キノコ頭の老婆がシビレッタさんです。
久々の出撃に大いに意気込み、机の上の本に手を伸ばしました。
その独特の戦術とは・・・

本から立ち上った黒い霧が時計台の上に現れ、
のぞみ、小々田先生、シロップは突如その中へと吸い込まれていきました。
そっと3人の様子を伺っていたくるみが慌てて後を追っても間に合わず、
時計台の周りを丹念に探しても、手掛かりは何もありません。

気がついた時、3人は深い森の奥の一軒家の前に居ました。
それだけでなく、シロップは帽子と吊りズボン姿に、
のぞみと小々田先生も古めかしい衣装に変わっています。
とにかく3人はこの世界から戻る方法を調べるため、一軒家へと向かいました。
家の中は、木の操り人形で埋め尽くされています。
そしてシロップは、窓に映る女性に気がついて振り返りました。
いつからそこに居たのか、星の女神と名乗る女性は、
シロップの心を見透かすように語り掛けます。
『あなたは今の自分が嫌で悩んでいますね?
 良い子になったらあなたの悩みを解決してあげましょう』
別に悩んでもなく、いい子になりたくも無い。
いつものように素っ気無く答えるシロップの鼻が、突如伸び始めました。
嘘をつくと鼻が伸びるといえば、ピノキオです。
のぞみと小々田先生はピノキオの世界に入ってしまった事を認識するも、
この世界は少し違う気がしますが、それもその筈。
ここは星の女神に扮するシビレッタさんが作り上げた、
シビレッタさんのルールで思い通りに動かせる世界です。

ナッツハウスでは、みんながのぞみと小々田先生の帰りが遅い事を心配していました。
それだけでなく、ココとシロップの間に、過去の因縁がありそうなのも気に掛かります。
その時、息を切らせてくるみが駆け込んできました。
今までのようなクールな振舞いは影を潜め、相当慌てています。
そしてくるみから黒い穴に連れ去られたと聞かされ、みんな顔を見合わせました。

シビレッタさんは3人にローズパクトを要求し、
傍らの人形の一体をホシイナー化。たちまち小屋を突き破って巨大化し、
可愛らしさのかけらもないピノキオのホシイナーが立ちはだかります。
ココとシロップを守るべく、変身するのぞみ。
シビレッタさんの書斎の本がめくれると、場面は浜辺へと移り変わります。
襲い来るホシイナーの拳と、掌から放たれる縄を避け続けるも、
ドリームも、ココとシロップもからめ取られてしまいました。
ところが3人ともドリームコレットを持っていないと知るや、
次にシビレッタさんはナッツハウスへと標的を移します。

かれんは慌てるくるみを落ち着かせ、事情を説明させます。
そして時計塔で黒い影に消されたと知り、まずは時計塔へと行って見る事にしました。
ナッツもドリームコレットを手に、みんなに続きます。
しかしナッツハウスの外に出た途端、
いつの間にか沖に浮かぶ小船の上に連れて来られて、
のぞみや小々田先生同様の衣装へと変っていました。
小船に迫り来る鯨のホシイナー、そしてその背に立つシビレッタさんの姿を認め、
4人とくるみは変身して立ち向かいます。

直後、ナッツはシビレッタさんに襲われ、いとも簡単にローズパクトを奪い取られました。
(さっさと引き上げれば良いのに、老骨に鞭打たずとも・・・)
そしてみんなは小船ごと鯨の口の中へと吸い込まれてしまい、
みんなで力を合わせても固く閉じた口はびくともしません。
ローズパクトを奪い取ったシビレッタさんは、再び浜辺のドリームの前に姿を現し、
ローズパクトを返すよう訴えるシロップを逆に甘言で誘い込みます。
自分の望みが叶うのならば、エターナルでもプリキュアでもどちらでも構わない筈。
シビレッタさんにそう言われても、シロップは返す言葉がありません。

シビレッタさんは続けてシロップの過去を口にし始めます。
シロップはパルミエ王国の生まれではなく、
気がついたら自分が何者なのかも知らず、以前の記憶を持たずに門の前にいた事。
そしてただ一人飛ぶことが出来るためにみんなと違うと考えて、
パルミエ王国にも馴染め無かった事。
どこにも居場所は無く、いつも一人きりだった事。
『そんなの、そんなのわかってるロプ!だからシロップは・・・』
『キュアローズガーデンに行きたいんだろう?』
図星を突かれて、シロップは反論する事が出来ません。
そもそもエターナルで運び屋をしていたのも、
自分の素性を知る手掛かりがキュアローズガーデンにあると信じての事でした。
シロップの経緯を初めて聞いた事を驚くドリームの反応を見て、
シビレッタさんは過去を話していない事は、
すなわちプリキュアを信用していないと揺さぶりをかけて
キュアローズガーデンに行ける様取り計らうと誘いかけますが・・・

『シロップは私達とキュアローズガーデンに行くんだよ』
話したくない事ならば、話さなくても良いけれど、
それよりもシロップはシロップであり、のぞみを信じてくれた。
ただそれだけで、のぞみ=ドリームはシロップを信じ、
一緒にキュアローズガーデンに行くと言い返します。
その態度がシビレッタさんの癇に障り、
このままローズパクトを持って引き上げる前に懲らしめると襲い掛かって来ました。
(だからさっさと帰ればいいのに・・・)

その頃、鯨ホシイナーに飲み込まれたみんなは頭上の穴に気付き、
潮吹きとともに鯨ホシイナーの頭から姿を現しました。
すかさずシロップが皆を受け止め、浜に6人の戦士達が勢ぞろいします。
そしてシロップはシビレッタさんに、エターナルとの決別を宣言しました。
『シロップはキュアローズガーデンを見つけるために、何があっても飛び続けるロプ!』
シロップはシビレッタさんが言うような操り人形ではありません。
自分の力で飛ぶ事と、その意志を持っています。
シロップの言葉に触発され、一斉にピノキオホシイナーに反撃開始。
みんなの攻撃を受けて海中に落ちたホシイナーが立ち上がる前に、
ドリームはすかさず飛びかかってシューティングスターをお見舞いしました。
ホシイナーは撃退されたものの、ローズパクトは未だシビレッタさんの手の内にあります。
しかし、シビレッタさんの前にミルキィローズが立ちはだかりました。
見事ローズパクトを奪い返し、シビレッタさんは凄まじい怒りの声を残して撤退。
そしてこの世界と共に、シビレッタさんの卓上の本が一冊、消えていきました。

ナッツハウスにいた面々はナッツハウスに、
時計塔にいた3人は時計塔に、それぞれ戻ってきます。
『私が居て助かったでしょ?思いっきり感謝しなさい』
くるみは恩着せがましくローズパクトを差し出し、
みんなが呆気に取られながらお礼を言った後、去り際にこっそりガッツポーズをしています。
『やった!今回もオイシイところで活躍できたわ!謎のヒロインはこうでなくっちゃ』
『ほう・・・?オイシイ活躍をする事が大切なのか?』
くるみの呟きを聞いてしまったナッツを誤魔化して立去るくるみ。
ナッツには、くるみの表情や考え方に心当たりがありますが・・・

時計台で、のぞみは改めてシロップに、一緒にローズガーデンへ行こうと約束します。
お前達とは違う、と相変わらず素っ気無いシロップに向ける
のぞみの気持ちは、同情などではありません。
そして気がついたらお腹が鳴ってしまったシロップに、
先ほどのケーキと紅茶を押し付けて小々田先生と共に時計台を後にしました。
その際、小々田先生はナッツハウスに空き部屋があるため
いつでも引越して来て構わないと言い残します。
シロップは相変わらず素直になれず、強がって不貞腐れたまま、ケーキを頬張りました。
『フン!うまいじゃないか』


今回初登場のシビレッタさんの能力に関してはお披露目というべきか、
私が記憶していた以上に、今回は物語の中の世界だという印象が薄く感じられました。
のぞみ達、そしてくるみ達がシビレッタさんの世界に引き込まれた直後こそ、
「嘘をつくと鼻が伸びる」「鯨に飲み込まれる」というピノキオのストーリー通りですが、
それ以外はシロップの過去、孤独を隠す内面を中心に描かれています。
もっとも、シロップが自分の心に嘘をついている事を
鼻が伸びるという表現で現すのは考えられていると感じました。

シロップは悪夢にうなされたり、みんなで飛ぶ鳩を羨んだり、
本当は寂しがりやにもかかわらず、妙な強がりで馴れ合いを拒んでいます。
ココ達やのぞみ達など、手を差し伸べてくれる人々が居るにも関わらず、
自分は一人だと寂しがり、それでいて本心を明らかにしません。
記憶も無く、ただ一人飛ぶことが出来たために、
最初はパルミエ王国の者たちからは奇異の目で見られたかもしれませんが、
「拒まれた」のではなく「拒まれたと思い込んだ」ために自分から壁を作ってしまったのが
シロップの抱く孤独感の元凶でしょう。
その壁に包まれてしまうと、差し伸べる手にも気付けずに悪循環に陥りがちです。
まるでかつての私自身を見ているようで、身につまされました。

そんなシロップに、ただ信じてくれたと言うだけで手を差し伸べるのぞみ、
損得関係無く支援を申し出る小々田先生は、
恩着せがましいシビレッタさんと比較して実に清々しく見えます。
シビレッタさんは「操り人形」などと見くだした言い方をしなければ
シロップを懐柔できそうだったのに、どうも年の功がさほど活きていないのは
反面教師として描くという趣旨だからでしょうか。
あっさりとローズパクトを奪ったのならさっさと引き上げて
みんなをピノキオの世界に閉じ込める事も出来たと思いますが、
それを言ってしまうとプリキュアとしてのストーリーが成り立たなくなりますので、
ピノキオではなくプリキュアのストーリー通りだ!と考える事にします。

恩着せがましいといえばもう一人、ラストのくるみも挙げられますが、
ここでは今までのクールな立ち居振る舞いとは打って変わって
無邪気な振舞いの方が印象に残ります。
どんなに外面を取り繕っても、内面まではそうそう変えられるものではありません。
薄々ナッツには素性を気付かれ、そして次回で遂にくるみの正体が明らかになります。
それにしても慌てふためいて時計塔の上を探したり、
ナッツハウスに駆け込んできた時の声には、何か何か何か聞き覚えがある気がしますが(笑)
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