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Go!プリンセスプリキュア 第26話『トワ様を救え!戦うロイヤルフェアリー!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 プリンセスプリキュア史上最小のスケールで贈る、夏休みのアクション小作!
 犬と鳥のタッグ VS セミ
 勝つのはどっちだ!?
  
 夏休みで生徒達が実家に帰り、ノーブル学園は静まり返っています。トワはパフとアロマを従えて散歩していたところ、微かに眩暈を覚えました。気のせいか、それとも・・・?
 本日はきららが仕事を終えるのを待って、そのまま天ノ川家にお泊りという予定です。誰もおらずガランとした寮は、トワにおてんば心を抱かせました。
『何だか逆に、少しワクワクしますわ』
 そのまま階段を駆け登り、踊り場で一回転した後、手すりを滑り降りて優雅に着地。
『実はこれ、一度やってみたかったのよね。普段はあまりこういうことできませんもの』
 トワは照れた笑顔を浮かべ、パフとアロマは、トワにもっと笑顔になって欲しいとの想いを抱きます。

 ところが部屋に戻ると、トワは倒れてしまいました。寒気がして喉が痛む程度だと言いますが、それは風邪というものです。きっと慣れない生活環境で疲れが出たのでしょう。
『こういう時はまず安静にして氷枕で冷やすロマ!』
 アロマは意外と適切に対処し、トワを寝かしつけます。心配かけた事を謝るトワにパフが寄り添い、氷枕に浸したタオルで冷やしますが、なかなか熱は下がりません。
 こういう時頼りになる筈のシャムール先生は、あいにくはるかが持っているパッドの中。取り急ぎ、アロマは、家族で買い物に来ているはるか、お兄様とクルーザーに乗っているみなみ、仕事中の楽屋にいるきらら、それぞれに電話連絡をつけました。シャムール先生も事態を察し、病気に効くハーブティを調合。それをアロマが取りに向かいます。
 
 アロマが出発した後、パフが一人で頑張ります。しかし濡れたタオルを絞る力も無く、冷えピタシートをはがそうとして失敗したりと、無力さを思い知らされます。それでもトワに毛布を掛け直したりと、自分に出来る事を懸命に行います。
 目を覚ましたトワは、ちっとも役に立てないと嘆くパフを、優しく撫でます。
『こうして一緒にいてくれるのがどれだけ嬉しい事か。誰かが居てくれるだけで、こんなにほっとするなんて』
 そしてアロマは全力で飛び続けてハーブティを受け取り、そのまま全力で取って返します。

 先日傷心旅行に出たシャットさんは、流れ流れて結局ノーブル学園へと辿りつきました。しかし絶望を集めようにも、ノーブル学園には誰もおらず、ゼツボーグも生み出せません。炎天下にセミの声が響く、見ているだけで暑そうな光景にヤケクソになったのか、そのセミに目をつけます。
『その僅かな夢さえも奪ってやるのみ!』
 セミが夢なんか見るのかと思いきや、本当に見ていました(笑)。広い空を飛び回るというセミの夢を絶望の檻に閉じ込め、セミゼツボーグを生成します。が・・・
『小っちゃッ!!』
 シャットさんは自分で作っておきながら、あまりの小ささに自分で突っ込みました。

 看病疲れでうたた寝していたパフの耳に、セミの鳴き声のようなゼツボーグの声が聞こえてきます。窓の外にシャットさんとゼツボーグの姿を見て、パフは覚悟を決めました。
『パフがやるしかないパフ!』
 社長の車で寮へと急ぐきらら、クルーザーを降りて走るみなみ、駅で電車を待つはるか。みんなが帰ってくるまで、果たしてパフは持ちこたえられるのでしょうか・・・?

 やかましいゼツボーグの前に、虫取り網を持ったパフがはせ参じます。パフが相手と見て肩透かしを食らうシャットさん。しかしトワが居ると知り、おびき寄せるためにゼツボーグをパフに向けてけしかけます。
 飛び回るゼツボーグを、虫取り網で捕まえようとするパフ。傍から見ると楽しい追いかけっこにしか見えません。狙いを外したパフにセミゼツボーグがおしっこ引っかけるというの戦いぶりに、
『な・・・なんという美しくない戦い・・・』
 シャットさんも引きつっていますが、パフは本気です。虫取り網を振り回し、セミゼツボーグを追いかけ回します。それを白金さんが洗濯物を干しながら見守っています。
『あらあら、楽しそうだこと』
 
 遊んでいるようにしか見えなくても、パフは真剣そのもの。転んでしまっても全然痛くないと、涙をこらえて我慢します。パフにゼツボーグが突進してきて危うし!とその時、トワにハーブティを渡したアロマが駆けつけました。両手?に持った棒切れで、ゼツボーグと渡り合います。
『あとはこいつを追っ払うだけロマ!』
『そんな犬もどき鳥もどきはとっとと始末して、トワイライトを探すのみ!』
 するとゼツボーグは脱皮して、一回り大きくなりました。ゼツボーグACT2.(違)

 はるか、きらら、みなみがようやく学園に到着。急いでトワのもとへ向かいます。
 その頃ゼツボーグの羽根が巻き起こす突風に、パフとアロマは苦戦しています。
『僕があいつを惹きつけるロマ。パフはその間に逃げるロマ!僕なら大丈夫ロマ!早く逃げるロマ!』
 世間ではそれを死亡フラグと言うのです。スケールの小さな戦いの中に、本気の信念が宿っています。しかしパフは逃げるのを拒否します。
『トワ様が言ってたパフ。誰かが居てくれるだけでほっとするって。だからお兄ちゃんと一緒にいる。一緒に戦うパフ』

 顔を見合わせ頷くロイヤルフェアリーの兄妹は、先ほど白金さんが干したシーツに目を留めました。
 パフがゼツボーグを「おしりペンペンパフ」で挑発し、東屋に誘い込みます。追って来たゼツボーグが東屋を出たところに、アロマがシーツを広げて絡め取り、作戦は見事成功!
 しかし倒したわけではありません。シーツを跳ね除けたゼツボーグが、再び襲って来ます。
『トワ様に手出しはさせないロマ!』
『絶対、絶対お守りするパフ!』
 その二人の強い気持ちが、新たな力を呼び起こしました。二人から不思議な光が放たれて、パフはメイドに、アロマは執事に変身します。
 そこにはるか達が駆けつけ、回復したトワも合流。先ほど二人を変身させた光がトワの病を癒し、全力で走って来たはるか達の披露も回復させています。元気になった四人が揃えばもう安心です。愛憎入り混じった表情でトワを睨み付けるシャットさん、その傍らの小さなゼツボーグを相手に、変身。

 プリキュア達を前にしたゼツボーグは再び脱皮。ゼツボーグACT3.(違)
 いつものサイズになったゼツボーグに四人それぞれ攻撃を畳み掛けます。しかし羽音が巻き起こす音波に反撃され、四人の動きは封じられました。シャットさんはちゃっかりヘッドホンで防御しています。
『こうすればいいパフ!』
 その時、ドヤ顔で耳を折り込んだパフが、アロマと連携攻撃を始めました。
『僕たちはロイヤルフェアリーロマ!絶対にプリンセスプリキュアをお守りするロマ!』
 急降下してくるアロマをパフがレシーブ。そのままアロマをゼツボーグへ突っ込ませ、体当たりをかまします。二人の頑張りに触発されたスカーレットのフェニックスブレイズで、ゼツボーグを撃退。
 檻から解き放たれたセミが、夏の空へと舞い飛んで行きました。

『ロイヤルフェアリーが真にプリンセスプリキュアのために役立ちたいと願った時、その姿がドレスアップする。そんな言い伝えがホープキングダムにあったけど、実際見たのは初めてね』
 先程の不思議な力について、シャムール先生が解説します。ロイヤルフェアリーの放つ癒しのオーラは元気を与えると言われており、それがトワを回復させたようです。
 とはいえ、トワの風邪が完全に治ったわけではありません。トワを気遣うアロマとパフ。二人は王女に仕える良き執事、メイドとなることでしょう。


 夏休みらしく、パフとアロマの活躍に和む一編でした。
 小さいお子様達からすれば、プリキュアは頼れるお姉さんのような存在のため、妖精達のほうがより等身大の存在になり得るものでしょう。ドキドキ!でのシャルル達の奮闘劇や、魔法つかいでのモフルンとはーちゃんの活躍など、妖精役が頑張る話は、子ども達にとってより応援しやすいものだと思います。
 それだけに、弛緩しすぎず緊張しすぎないゼツボーグとの戦いが絶妙でした。ゼツボーグに痛めつけられるような展開は観たくありませんし、かといってゼツボーグがパフとアロマにやられてしまうのでは脅威が伝わりません。一見遊んでいるようにしか見えないのに、当事者達が至って本気というさじ加減が上手いです。
 またお子様に取っては、「お母さんが熱出して寝込んでしまったらどうすればいいのか」を考える話になったと思います。実際お子様には今回のパフのように、タオルを絞ることも難しい筈です。そんな時、自分なりに「何かしよう」という気持ちが、親御さんにとっては嬉しいものでしょう。

 誰かが居てくれるだけで安心すると、トワはパフに語っています。前回はうなされていた時にみなみが、その前は笑い方がわからないと思い悩んだ時にきららが、そしてはるかは絶望に呑まれかけていた時に、それぞれトワの傍らに寄り添ってくれました。
 トワが嬉しかった事をパフに伝える事で、パフもそれを理解し、逃げるよう促すアロマのそばにいるという選択をしています。こうした些細なところにも、トワとパフの成長を感じさせています。

 ところで冒頭で無邪気にはしゃぐトワの可愛い事!笑い方がわからないと言っていたのはどこのお嬢様だったでしょうと言いたくなります。
 トワが風邪気味だったこともあり、これも子ども心には「風邪ひいて学校を休み、両親が仕事に行ってしまった後の寂しくて不安だけれどどこかワクワクする気持ち」を描いているように思いました。みんなが学校に行っている時間に一人家にいる時って、このような高揚感があったと懐かしく思い出した次第です。

 シャットさんのセミを閉じ込めた後のノリツッコミや、その前後のヤケクソ等、突き抜けたネタキャラっぷりも楽しめました。セミを閉じ込めてみたら小っちゃかった、というネタでは、同じく虫をバッドエンドに染めたマジョリーナが生み出した小っちゃいアカンベェを思い出したものです。
 ただ「自由に空を飛び回る」というセミの夢には、少し切なさを感じました。あのセミは羽化して何日経ったのでしょう。セミの命は短いもので、なんだか儚い夢を見た気分です。
 もっとも、限られた短い命を自由に飛び回る事が出来たセミと、ディスダークに仕えて自由に制約があるシャットさんを比べると、どちらが幸福なのか考えさせられます。(ある意味傷心旅行に出ている時点で自由ですがw)

 そして今回から新EDがスタート。個人的にはプリンセスらしい優雅さ、気高さがやや後退したように感じられる事と、CGの表情がディズニーのように濃いことが気になり、前期の方が好きだったりします。とはいえ技術力の凄さには圧倒されますし、四人それぞれのソロパートが用意されて歌詞も変わるという発想は秀逸です。
「想いははるかかなた目指す」「みなみ風も心も映す」「夜空はキララ上がるハードル」「繋いだ手永遠(トワ)に信じて」
 と、個々の名前を折り込んだ歌詞や、フォントの色も四色あるというこだわりには脱帽です。
「今週は誰だろう」という、スマイルプリキュア以来となる楽しみが出来た事も評価しています。
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山口勝

久方ぶりにアロマ&パフ兄妹にスポットが当たったこの回。

夏風邪を拗らせたトワを守ろうと必死に頑張ったあの二人には、先ず本当に敬意を表したいですよ(もしかしたら、今年だってペコリンが頑張る話が出てくるかもです)。

必死になってまで頑張ったあの2人が、執事&メイド服姿になるのが、後半にカギを握るとは、この時は思いませんでしたね。

シャットは、クローズが一時退場して以降は完全にディスダークが誇るコメディリリーフとなってしまっておりますが、セミゼツボーグとはこういう形で対比するとはと思いました。

そして今回からEDが「夢は未来への道」になるわけですが、実は歴代のEDの中でも自分は断トツで好きだったりしますね。

by 山口勝 (2017-04-20 18:15) 

スティクス

>山口勝さん
普段守られたり、トラブルメーカーだったりする側が頑張る妖精の活躍回、結構好きだったりします。思えば私がミップルを見直したのも、イルクーボに立ち向かったりする話でした。
ペコリンが頑張る話も今後十分ありそうですね。個人的には長老の活躍を期待していたりします(中の人的な意味で)

>ED
私は少々マイナスな事を書いてしまい、気にしてしまったら済みません。決して「嫌い」ではないので、ご容赦下さいませ・・・
by スティクス (2017-04-22 17:36) 

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