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魔法つかいプリキュア! 第28話『魔法界の夏祭り!花火よ!たかくあがれ!』 [魔法つかいプリキュア!]

 このシリーズでも、毎年恒例の夏祭りがやってきました。ところが舞台は魔法界。そのため歴代で唯一「祭りで浴衣を着ていない」プリキュアに・・・。
 もっとも文化は違えど、夏祭りにかける想いは同じです。そして、補習メイト達の成長がはっきりと見て取れる一編となりました。
  
『今日は魔法学校の夏祭り!ワクワクもんだぁ!』
 ナシマホウ界と雰囲気は違えど、金魚すくいに的当て、色とりどりの屋台が並ぶ光景に、みらいは珍しそうに目を輝かせています。補習メイト達を加えた6人で夏祭りを楽しむみらい達。
 たこ焼きに似て非なる「ぽこぽこ焼き」を堪能したり、輪が意志を持っている輪投げを楽しんだり、ちょっとだけ違っても祭りの楽しさは魔法界、ナシマホウ界も変わりません。
 お祭りめぐりをするうちに、リコはジュン達が花火を打ち上げる大役を担うと知って驚きました。魔法界における花火は、特に優秀と認められた生徒に与えられる栄誉です。それだけにジュン、ケイ、エミリーは大いに張り切っています。

『きっと素敵だろうね、魔法界のみんなで見る花火』
 まだ見ぬ花火にみらいが想いを馳せていたところ、それを打ち砕く事態が発生。花火を打ち上げるために必要なドンドン花が、全て萎れています。天気が悪いと萎れる事もあるようですが、ここ数日は好天続きで、昨日までは大きく育っていました。花火中止もやむなしという空気が、生徒達の間に流れます。ドンドン花はこの花壇にしか咲かず、残念ながら他に咲いているところはありません。
 落胆する生徒達に、アイザック先生はパチパチ花なる野生の花があると切り出します。しかし博識なアイザック先生も実際に見た事は無く、そもそも実在するかも定かではありません。
『探しに行ってくる!』
 と、アイザック先生の説明が終わらないうちに、みらいは駆け出しました。以前訪れたペガサスの森に花が沢山咲いていた事を思い出し、そこならあるかもしれないと考えています。しかし花火を打ち上げるのは今夜。間に合うかどうか・・・リズ先生も流石に不安そうです。
『じゃあみらいは魔法の森へ行って。私は図書館で花の事を調べて連絡するわ』
 その空気を断ち切るように、リコも動き出しました。ジュンとケイはリコの調べものを手伝うと申し出て、エミリーはみらいとことはを乗せて魔法のじゅうたんを飛ばします。

 あの弱気で引っ込み思案だったエミリーが高所恐怖症を克服し、魔法のじゅうたんの運転免許を取るまで成長しています。ジュンも2年生になってから勉強を頑張るようになり、無数の本が並ぶ図書館内で、どこに何の本があるのか分かるようになっています。そして忘れ物女王と言われたケイも、必要な筆記用具一式をしっかりと準備しており、リコはその成長ぶりに驚きました。早速パチパチ花について調べ始めますが、書架には膨大な本があります。果たして時間までに見つけられるのでしょうか・・・

 魔法の森へ辿りつき、ことははペガサスにパチパチ花について尋ねます。ペガサスも具体的な在処については知りませんが、森の奥の洞窟に咲いているのではないかと助言してくれました。
 一方、リコ達は本を調べまくっていますが、膨大な文献を前に、そう簡単には見つかりそうにありません。それでもリコの諦めない姿勢は、挫折しかけていたジュンとケイに再びやる気を取り戻させます。
 そしてみらいがリコを信じた甲斐が実りました。魔法の森の洞窟に咲いているパチパチ花について記された箇所を発見、それを写して伝書鳩のようなデンポッポに託し、みらい達のもとへ送ります。

 洞窟に辿りついたものの、半信半疑のみらい達のところに、デンポッポが届きました。リコ達が送ってくれた本の写しを読んで、パチパチ花はこの洞窟に咲いていると確信。果たして洞窟内の陽が差す一角に、確かに花が咲き乱れていました。その中には、本に記されているものと同じ形の花も咲いています。しかし、色違いの花が三種類あります。本に載っている絵は単色で、肝心の色はわかりません。
 他の二種類はパチパチ花とはまるで異なる性質を持ち、丸一日中おしゃべりになるペラペラ花と、丸一日中眠ってしまうスヤスヤ花なる、まるで毒キノコのような花があると書かれている。さらに文献では見分け方が書かれている部分が汚れていて、読めません。

 もうすぐ日没。打ち上げの時間が迫っています。焦ってもうおしまいだと言うケイに、リコは花火の準備をしようと諭しました。
『おしまいになんてしない。だって魔法界のみんなで花火を見るなんて、すごく、ワクワクもんじゃないの!』
 お祭りの際、花火を楽しみにしていたみらいを思い出し、みらいの口癖を持ち出して語るリコの言葉に、弱気になりかけていたジュンとケイも、力強く頷きます。
『それにね、みらい達ならきっとパチパチ花を選ぶって信じてるから』
 ジュンとケイも、みらい達を信じます。一緒に補習を乗り越えた、仲間として。

 三種の花のどれが正解なのか、みらいには分かりません。でも時間はあと僅か。決めなければなりません。ことはが選択の手伝いを申し出て、エミリーは二人の選択を信じます。みらいがリコを信じているように。そしてことはとみらいが、一緒に選ぶ花は・・・

 間もなく花火の打ち上げ時間。ギリギリのタイミングで、黄色い花を携えたみらい達が戻って来ます。ところがその背後にラブーが現れ、雨雲のような異空間を作り出しました。みらいとことははエミリーの魔法のじゅうたんからその異空間に飛び込み、その様子を見上げていたリコもほうきに飛び乗り、異空間へと飛び込みます。
 そしてラブーが生成したウサギ?のぬいぐるみと的当ての弓矢を合わせたドンヨクバールに、サファイアスタイルで立ち向かいます。

 素体がウサギだからか?敏捷な動きで攻撃を仕掛け、身をかわしてくるドンヨクバールはなかなか手ごわい相手。それでも吸盤弓矢を顔面に食らったミラクルが、それをお返しとばかりに投げ返し、蹴り飛ばして形勢を立て直します。ところが輪投げの輪?でミラクルとマジカルは仲良く手足を縛られ、フェリーチェも輪に動きを封じられてしまいました。花火に間に合わせるべく、必死に振り払おうとする三人の目の前で、ラブーはパチパチ花を投げ捨てます。
『こんなもののためにか。人間はめんどくさいねえ』
 だからそう言う事は逆効果ですって(笑)。案の定、ミラクルとマジカルによる文字通りの「二人三脚」キックが、ドンヨクバールを蹴り飛ばしました。
『どうしてそんな状態で動ける?』
『気持ちが通じ合ってるからよ!』s
 気持ちが通じているのはミラクルとマジカル同士だけではありません。フェリーチェ、モフルン、ジュン、ケイ、エミリー、みんなと通じ合った結果、持ち帰ったパチパチ花です。
『だから・・・私たちは・・・』
『絶対負けない!」
 一斉に拘束を断ち切り、輪を逆に利用してドンヨクバールの動きを止めました。ラブーの追い打ちをサファイアスマーティッシュで押し留め、ドンヨクバールはフェリーチェが、エメラルドリンカネーションで撃退しました。

 いよいよ花火の打ち上げの時。ジュンに促されて、みらい、リコ、ことはも打ち上げ台に上がります。持ち帰った花が正解なのかは、打ち上げてみないと解りません。それでもジュンは、みらいとことはが同時に選んだという選択を信じています。
『ここまでみんなで力を合わせて頑張って来たからな』
 そしていざ六人で、打ち上げに挑みました。
『キュアップラパパ!花火よ上がれ!』
 見事パチパチ花が弾け、夜空を大輪の花が彩ります。生徒達が、リズ先生達が、人魚達が、ペガサス親子が、魔法商店街の皆さんが、そして校長が、その輝きを見上げました。
 潤んだ目で見上げるエミリー、誇らしげなジュンとケイ、彼女達もまた、達成感を噛みしめているようです。もちろん、ことはも、リコも、そしてみらいにも、ワクワクもんの思い出になった事でしょう。
『みんなの花火、綺麗だね』


 冒頭で触れた通り、今回はジュン、ケイ、エミリーの補習メイト達の成長が見て取れることが印象深いです。第16話で彼女達がナシマホウ界へやって来た際、高レベルの魔法を披露するという「成長」を伺わせる描写がありました。しかし今回見られる成長は、魔法の技術面ではなく、彼女達の人間としての成長です。
 その最たるものは、魔法のじゅうたんの運転免許を取得したエミリーでしょうか。いつもオドオドして引っ込み事案、内気で怖がりだった彼女が、自信に満ちたハンドル?さばきで見事にじゅうたんを操る様は感慨深いものがあります。
 ジュンもナシマホウ界で活躍する夢を叶えるために、まずやるべき事は勉強だと考えたのでしょう。やりたいことをするために、やらなければならない事をするという、プリンセスプリキュアではるかが主に挑戦することに、彼女もまた挑戦していることが見受けられます。
 ケイは、おそらく大元では「忘れっぽい」のは変わらないと思います。それを防ぐにはどうすれば良いかを考えた結果、あらゆる可能性を想定した用意周到さを身につけたのでしょう。その副産物が、「メモ魔」という結果に繋がったのかもしれません。

 そして三人が揃って成長を遂げた結果が、花火の打ち上げ役という大役を務める事に繋がったのでしょう。彼女達がいかに努力したのかは、共に補習を受けたみらいとリコなら感じ取れた筈です。
 みらいとリコは、花火の当事者ではありません。特にリコは、花火の担当にがいかに大変で、かつ栄誉ある役割だと知っているからこそ、それを掴みとった補習メイト達のために資料探しを頑張っています。当事者であるジュンとケイは一度投げ出しそうになっていますが、リコの姿に感化されて諦めずに再び資料探しを始めています。
 もちろんリコには、自分の思い出づくりという目的もあったと思います。「ワクワクもんじゃないの」という、みらいの口癖を引用してジュンとケイを励ます場面では、みらいが楽しみにしていた花火を、自分も一緒に見上げたいという気持ちが伺えました。

 アイザック先生の言葉が終わるか終らないかのうちに駆け出したり等、いささか落ち着きが無い、悪く言えば考えなしに突っ走るところが、みらいの特徴でもあります。成長したところは成長しても、根底では変わらないところがあります。それをプラスにするか、マイナスにしてしまうかは、本人だけでなく周囲の受け止め方にも依るところが大きいです。
『大丈夫!信じてるから。リコもきっと私と同じことを思ってるって』
 みらいのこの台詞には、根拠はありません。そしてことはと一緒にパチパチ花を選ぶ過程でも、同じく根拠はありません。しかし、根拠のない自信が時に状況を打破することもあります。
 また、慎重な行動よりも、状況を変えるためには大胆な決断が必要な時があります。リコ達が送った情報は、色が無い、見分け方がわからない等、不足かつ不完全でした。送る前に、もう少し調べようというリコを、ジュンは分かる事だけでも連絡しようと促しています。正確な情報よりも、「何とかしたい」という三人の気持ちが籠った情報だったからこそ、ことはとみらいは決断する勇気を持ち、エミリーはその決断を信じられたのだと思います。
 仮に花火が失敗に終わったとしても、みんなで掴んだ決断を彼女達6人は後悔しなかったと思います。

 アイザック先生は、実はパチパチ花について詳しく知っていて、あえてみらい達の行動力と団結力を試したのかもしれない、と見る事も出来ます。校長も対案を出せたのかもしれませんが、あえて生徒達に任せているようにも見受けられます。
『生徒達を信じよう』
 という校長の発言からも、生徒達の自主に任せ、その結果を尊重するというスタンスが伺えました。

 また今回はサファイアスタイルの敏捷性を活かした戦いぶりが映え、見応えのあるアクションが特筆モノでした。
 そしてドンドン花が萎れている等、前回のピーカンみかんと同様、平和そうな日常に少しずつ異変が忍び寄っている事を暗示させる等、次第に後半に向けて伏線が積み上げられています。

 ところで、この魔法つかいプリキュアのラストを知った身で見ると、
『来年はみんなでお店やらない?』
『私たちも次は三年生。魔法学校最後の年だし』
『おう、いいなそれ』
 という、エミリー、ケイ、ジュンの台詞が切ないものに思えてきました。これも先を知った状態での再視聴ゆえの感想でしょうか・・・

 そして次回は遂に、あのカオス回中のカオス回がやって来ます!私の文章は最近やたらと固いので、このあたりで一旦リセットできれば良いのですが(笑)
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MP

毎年恒例の「夏祭り回」。しかし!! 縁日自体は「金魚すくい」・「射的」・「綿飴」といったお馴染みのや、「ワームー投げ」や「ポコポコ焼き」といったナシマホウのをアレンジした、平々凡々な物なのに、魔法学校の制服姿で参加ってのは何ともアンバランスです。
(ポコポコ焼き、アカネとひかりが見たらどう思うか。ミキタンは食えるか!?)

そんな中、魔法界で花火を打とうとする事になり、その担当(ナシマホウで言えば「花火師」)は毎年の優秀生徒。それがジュンたち3人組がやる事になりました。あの3人、リコみらと出逢った事で出世しましたな。ところがその花火を放つ「ドンドン花」がしおれ、別な花「パチパチ花」を探す事に。ここにもデウスマストの影響が出たんですな。

その探す場面で、エミリーがみら・ことと共に魔法の絨毯で出発。高所恐怖症だったエミリーがまた出世です。
(魔法絨毯、ナシマホウの自動車みたいに免許が必要だ。下には「若葉マーク」もあった。魔法界ってのは年齢制限無いのか)

途中ラブーの妨害をくぐり抜け、ようやくパチパチ花を入手して花火大会。さすがにここはナシマホウとは大差は無いです。

次回はかつて「5」や「スマイル」でやった、あの童話が再々登場!! 更にこの回でやらなかったあの曲が、場違いにもかかわらず再登場です!!
by MP (2017-05-07 21:26) 

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