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魔法つかいプリキュア! 第30話『魔法の自由研究!が、終わらな~い!!』 [魔法つかいプリキュア!]

 再開してから9か月。ここまでやっとたどり着きました。
 思い返せば昨年8月、3年ぶりに再開し、また感想を書くとは思わず、のんびりまったり続けるつもりで、気が付いたら3作並行・・・人生何があるかわからないものです。
 この一編を見返したのは、同じく9か月ぶりのこと。当時と変わった感想を抱くかもしれないと思いましたが、第一印象は強かったようで、「加筆修正」という形を取らせて頂きました。
 また、「東村山音頭」を連想した思い出は健在でした(笑)。
  
 校長にレインボーキャリッジのことを報告するみらい達。
 併せて今日でナシマホウ回に戻ることも報告したところで、校長室に補習メイト達が訪ねて来ます。みらいとリコに夏休みの宿題、自由研究を手伝って欲しいとのことですが・・・
『今、自由研究って言いました?』
 魔法界にも自由研究ってあるんですね。視聴者を代弁して、みらいが突っ込んでくれました。
 どうやら彼女達は自由研究の内容にこだわりすぎて、時間がかかってしまったようです。
 ジュンはみらいとリコに、エミリーはことはに、ケイはモフルンに、それぞれ助力を申し出ました。
 タイムリミットは、カタツムリニアが出る夕方までの間です。

『お・・・お手伝いって・・・』
『こういう事だったの・・・?』
 絵筆を手にキャンバスへ向かうジュンに命じられ、みらいとリコは苦しいポーズを取らされます。
『ファンタスティック!これがナシマホウ界で有名なバレエダンサーってやつだな』
 あの、ジュンさん。何か間違っている気が(笑)。しかも二人が動いてしまうと、某エルメェス兄貴のように厳しく注意します。
『Hey!そこ!動くんじゃねえ!』
 どうも彼女は絵筆を持つと性格が変わってしまうようで・・・

 エミリーは、ことはを練習台にしてヘアアレンジに挑戦します。
『私の研究は様々なヘアアレンジについて、はーちゃんの長くてきれいな髪で試してみたかったの』
 見事な花の形に仕上げたのも束の間、気付いたらサソリーナみたいな髪になりましたとさ。

 そしてケイは、モフルンに好きな食べ物などをインタビューしています。彼女のテーマは「モフちゃん大図鑑」。昔の怪獣図鑑みたいに絵入りで特徴が記されています。

 ジュンはどうもみらいとリコのポーズにトラストいかねぇようです。(使い方合ってますか?)
 アクロバティックなポーズを指定し、二人が転びそうになって踏ん張る姿を維持するよう要求。
『動くんじゃねぇぞ!!』
 泣く子も黙る女番長の面目躍如です。

 その頃、ラブーを取り巻く環境も変わり始めていました。
『遅かったな、シャーキンス、ベニーギョ』
 新たに目覚めた眷属の影が、ぐうたらなラブーにデウスマストのため積極的な行動を求めます。目覚めたばかりでプリキュアの事を知らない眷属達を、面倒くさそうにあしらうラブー。まだ焦りなどは見受けられません。が・・・

 ジュンの絵がようやく完成。果たしてどんな絵が出来たのか、キャンバスを覗くと、そこには芸術が爆発しそうなアヴァンギャルドな絵が!その絵にジュンが魔法をかけると、見事な像へと変化します。
『なんであの絵からこんな形になるのよ!?』
 先程のみらいに続き、リコが視聴者の想いを代弁してくれました。ところがジュンはまだトラストいかねぇ様子で、やり直します。
『アタイが描きたいのはもっとナシマホウ界のファッションや流行を取り入れたアートなんだよ』
 ジュンには夢がありました。魔法学校を卒業したら、ナシマホウ界のファッションや文化を勉強するために留学し、アーティストの腕を磨きたい―。
 ジュンだけではありません。ケイも忘れ物をしないようメモを取るうちに、見聞したことを綴ることに楽しみを見出し、それを活かせるような仕事をしたいと思うようになっています。
 そしてエミリーも、幼少時から抱いていたヘアメイクへの夢を具体的なものへと昇華させています。
『ケイに、エミリーまで・・・私は・・・』
 引け目を感じているリコに対し、みらいは単純に、純粋に皆の夢を評価しました。
『みんな夢があるなんて素敵だね!ワクワクもんだぁ!』

 と、みらいがワクワクもんになったところで再びジュンの職人魂に火が付きました。
 魔法学校の制服でバレエのポーズを決めても雰囲気が出ないと、白鳥の湖の衣装を要求します。ことはがそれに乗っかって、みらいとリコに魔法をかけるとあら不思議。白鳥の湖のバレエ衣装になりました。世のオジサン達が、いっちょめいっちょめ、ワーオ!とか連想してしまう姿に戸惑う二人。追い打ちを駆けるように、羽が勝手に羽ばたいて、二人の意志とは関係なく、飛び去って行きました。
『白鳥って!?』『こういうことじゃないし!!!!』
 何とかしようとすることはを、引き留める補習メイト達。
『今の魔法どうやったんだ?』『本当、びっくりした!』『もう一回見せて!』
 そしてみらいとリコの悲鳴が、空の彼方へ消えて行きましたとさ(笑)。後半へつづく。

 リズ先生がお花に水をあげているところに、白鳥みらいとリコが降って来ます。先生の魔法に助けられて、二人は無事に着地しました。同時に白鳥の呪縛?も解けて、魔法学校制服姿へ戻ります。
 リズ先生とお茶を囲み、補習メイト達の自由研究について語るみらい達。みらいはみんなが夢を将来の進路へとしっかり固めていることを凄いと評します。
『リコも立派な魔法使いになるって決めてるし。いいなぁ。私も何かやりたい事見つけたいよ!』
 みらいの発言は、素直にみんなを凄いと評したものです。しかしリコには耳が痛いものでした。
『立派な魔法使いか・・・ジュン達を見ていて気付いたの。私もみらいと同じだなって』
 みらいの問いかけに、リコは立派な魔法使いになった先に何がしたいのか、ぜんぜん決まっていない事の焦りを口にします。
 思い悩む妹に、姉であり教師であるリズ先生が手を差し伸べました。
『あなたにとっての立派な魔法使いって、どんな人なのかしら?』
 リコにとっての目標は、両親、そしてリズ先生です。しかしリズ先生が教師を目指すようになったのも、リコの存在ありきでした。

 幼い日、共に魔法の練習をしていた頃、教える事の喜びを知ったことでリズ先生はもっとたくさんの子に魔法を教えたいと夢見るようになりました。だからみらいとリコも、焦らず好きな事を探せばいい。リズ先生は、そう二人を諭します。

 思い悩むのはことはも同じ。みらいとリコをドタバタ劇に巻き込んだだけでは無く、自らの強大な魔力についても不安を抱いています。なぜ、自分はみんなのように一生懸命勉強せずとも強力な魔法を使えるのか。花を揺らす風が、ことはの不安を表しているようです。
『私、やっぱりみんなと違うのかな』
 しかし、そこにみらいとリコが戻ってくると、不安はどこ吹く風、たちまち元気になりました。
『2人が来たら元気になったモフ』
 先程の悩みを聞いていたモフルンも一安心です。

 不意に空が、暗くなりました。同時に現れたラブーがみらいとリコ、ことはだけを異空間に閉じ込め、卓とジュンの絵筆を合わせてドンヨクバールを生成します。お手並み拝見とばかりにシャーキンスとベニーギョの影が見守る中、ルビースタイルへ変身したプリキュア達の戦いが始まりました。
 ドンヨクバールがフェリーチェを襲い、ミラクルとマジカルにはラブーが立ちはだかります。
『どうだい?今日の俺はちょいとだけマジなんだぜ』
『返して・・・ジュン達の道具を返して!』
 圧倒的な強さを見せつけて勝ち誇るラブーに対し、ミラクルが言いたいことはただ一つ。頑張る人たちの邪魔をしないでほしい。それだけです。それだけだからこそ、妨害する者に対して強く訴えます。
『ジュンもケイもエミリーも、みんなやりたい事のために魔法の勉強を頑張ってるんだよ。邪魔しないで!』
 盟友が夢を守ろうとする姿を、マジカルはどこか悲しげな目で見上げます。

 しかしラブーとは話が噛み合いません。魔法を超越した力、ムホーについて自慢げに語り、ムホーに敵わない魔法はちっぽけな力だと、それを一生懸命頑張ることは無駄な努力だと扱き下ろします。
『魔法の勉強が、無駄な努力だなんて・・・』
 まるで自分の存在意義を否定されたように、マジカルは動揺します。
 その間も戦いは動いています。ドンヨクバールを蹴り飛ばし、返す刀でラブーへ挑むフェリーチェ。その攻撃を受け止めたラブーは、フェリーチェから何か違う力を感じ取っています。とはいえ、ラブーにとって魔法は忌むべき力。フェリーチェを一蹴しようとします。
『魔法はとってもワクワクもんなの!』
 ミラクルが割って入り、その攻撃を受け止め、言い返します。
『魔法の勉強は大変だけど、素敵なことがだくさんあった!私は、そんな魔法が大好きなの!』
 その時、ミラクルの想いに応じるようにレインボーキャリッジが輝きました。
 ラブーが怯んだ隙を付き、ルビーパッショナーレを叩き込むも、たいして効いていない様子。お返しとばかりにドンヨクバールをけしかけるラブーですが、今度はフェリーチェが迎え撃ちました。エメラルドリンカネーションでドンヨクバールを退け、ラブーも、見守っていたシャーキンスとベニーギョの影も引き上げていきます。

 カタツムリニアが出発する刻がやって来ました。
 みんなの自由研究も間に合い、また一時の別れが訪れます。
『リコ、向こうでも頑張ってね』
 リズ先生に励まされ、ちょっと照れたような複雑な表情を浮かべるリコ。そしてカタツムリニアが出発します。帰ったら学校だと元気いっぱいのみらいに対し、流れる車窓を寂しげに見送るリコ、どこか不安そうな表情のことは。彼女達の心の波紋は、まだ消えていません。


 まず「宿題をやり残したのはプリキュア」ではなく「サブキャラ」という点が、今までのシリーズとは異なり新鮮です。魔法学校に来ている以上、この流れは自然ですし、無理のないものです。
 そうすると今回をA面とすれば、B面的存在として、津成木一中の宿題を片付ける話にも想像が膨らみます。意外と優秀なみらいと、成績優秀なリコのことですから、こちらも苦労しているのは勝木さんとかかもしれませんが・・・

 補習メイト達についても個性が色濃く出た一編でした。花火打ち上げ回で彼女達の成長が示唆されていましたが、今回はより具体的な夢としてクローズアップされています。
 まず、ジュン。彼女が案外芸術家肌でこだわり気質だったというのが新鮮でした。ぜひとも美翔さんや黄瀬さん、七瀬さんあたりと絡ませてみたいものです。
 ケイのモフちゃん大図鑑、かわいいっすね。それ、宿題という域を越えて、普通に発売できるレベルに見えます。
"嗅覚は人間の1億万倍 琵琶湖に垂らした1滴のハチミツの甘い匂いも嗅ぎ分ける"
 などといった、昭和の怪獣図鑑みたいな内容だったりして・・・
 エミリーによるはーちゃんのヘアメイクも、きれいにまとめると思いきや、しっかりオチをつけてくれて安心しました(笑)。あれ、やっぱりサソリーナですよね。しかし、何故よりによってサソリーナ・・・???
 みらいとリコの白鳥バレエ姿も可愛くて眼福でした。ただ、正当なバレエというよりも、本文で突っ込んだように「東村山音頭(一丁目)」を連想してしまいまして(笑)

 そんな楽しい話の中に、きっちりと将来の夢を絡めてきた展開は、さすがプリキュアシリーズという感じがします。前作プリンセスプリキュアのように、夢を追う姿を描き、夢を意識させることによって主人公達に考えるきっかけを与える構成の妙は見事でした。
 そして、リコはナシマホウ界で過ごすうちに補習組に取り残されていることを案じておりましたが、その懸念が完全に解消されていないことが明らかになりました。それも魔法の実技ではなく、将来の夢という現実的な要素で思い悩むところが、等身大の中学生らしく見えます。
 そんなリコを、みらいやリズ先生が「後押し」でも「励ます」でもなく、ちょっとだけアドバイスを絡めて見守るところに共感が持てます。みらい自身も夢はまだありません。しかしそれを悲観する事なく、今回も常に前向きです。
「宿題もスポーツも自分の力で」というEDの歌詞の通り、結局自分の行く末は自分で決めるものですし、決めてこそ意味があると思いますが、そのための指針を提示する友人と姉が存在することは、リコにとってプラスになることでしょう。

 特に努力しなくても強大な魔力を持つはーちゃんと、同じく強力なムホーを操るラブ―。この両者を、努力についての価値観を軸に対比させていることも目を惹きます。
 はーちゃん自身は自分の能力にむしろ不安を抱き、その理由を知ろうとする努力が随所に見て取れます。努力を無駄と切り捨てるラブーは老成し向上心を失った者、対してはーちゃんは好奇心旺盛で知ろうとする姿が向上心を持つ者の象徴に思えます。
「なんでもできる力」のように見える魔法であっても、知ろうとしたり伸びようとする努力の裏付けあってこそ、「なんでもできる」ようになるというメッセージが込められているように感じました。

 そのラブーに続き、今回はじめて存在が明らかになったシャーキンスとベニーギョ。この時点ではまだ影しか現れておりませんが、ラブーの龍田さん共々、速水奨さんと永遠の17歳さんという豪華キャストには当時驚かされたものです。速水さんは声聞いただけで誰だか分かるのが流石ですし、永遠の17歳さんはおっとりのんびり癒し系のイメージが強い方ですが、洋画吹き替え等でも見せる強い女というレパートリーもありますので、演技の幅の広さが凄いです。そして飄々とした中に恐ろしさを内包させる凄みが感じられる龍田さんと、ベテラン勢が色を添えるとよりストーリーが際立ちます。
 また、当時はこの3人(後に加わるオルーバもいますが)を束ねるラスボスはいったいどなただろうと気になったものですが・・・まあ、デウスマストについてはその時改めて書きましょう(苦笑)

 ナシマホウ界へ戻るカタツムリニアの中で、夕陽輝く車窓に向けたリコの眼差しは、まだ決まらない将来の事を考えているようにも見えますが、夏休みが終わってしまうという感傷を描いているようにも見えました。
「将来の夢」という解決されない問題は次回に持ち越されますが、夏休みの終了は今回限り。それもプリキュアが1年で交代する事を想えば、リコが作中で夏休みを楽しむのもこれが最後です。
 誰にとっても14歳の夏は1度きりですし、これから始まる私の40歳の夏(痛)も、私にとっては1度きりです。昨年のちょうど今頃に何を考えていたか、もう思い出せませんが、本日のことをきっかけに来年の同時期には今日のことを振り返ることができそうな気がしました。
 って、いい年して何言ってんだか・・・(苦笑)

 ジュンに脅されてポーズ取るみらいとリコ、サソリーナヘアーの次にツインテールになっていることは、そして東村山音頭もとい白鳥スタイルのみらいとリコ、など、可愛らしさが目を惹くところも多々ありました。
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MP

魔法界での夏休みラスト回。だがサブタイトルを見て「スマイル」を思い出しましたが、みら・リコではなく3人組というのが意外でした。

また「終わりなき混沌」側にも、シャーキンスとベニーギョという新勢力が登場(まだ声だけだが)。ベニーギョ役は井上喜久子さんで、「ハトキャ」の番慶子(ケンジのママ)以来ですが、シャーキンス役は速水奨さん。10年前公開「映画SS」に登場し、「ASDX3」でも「ブラックホール軍団」の一角として登場したサーロイン以来の登場です。「SS」といえばモフルン役の齋藤さんが日向みのりを演じてましたが、「映画SS」ではみのりは登場するも声無し、そして「DX3」ではここからみのりの声が無くなりました(この時点でプリキュア21名だし)ので、意外にも速水さんと齋藤さんのプリキュア共演は初です。

次回は新アイテム「レインボーキャリッジ」が登場した事で、プリキュア強化回、そしてラブー最後(実は最後では無いが)の戦いとなります。
by MP (2017-05-21 14:20) 

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