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Go!プリンセスプリキュア 第32話『みなみの許嫁!?帰ってきたスーパーセレブ!』 [Go!プリンセスプリキュア]

♪僕にも見える スイートハニー 遠く離れて イギリスに一人
 (中略)
 帰って来たぞ 帰って来たぞ キーミマーローがー♪
 
  
 厳戒態勢のもと、突然ノーブル学園にレッドカーペットが敷かれます。呆気にとられた生徒達が見守る中、リムジンが到着。みなみにはこの騒動の相手に心当たりがあります。
『やっぱり・・・キミマロ』
 リムジンから降り立ち、殴りたくなるような笑顔で花束を差し出す、いかにも世間知らずといったお坊ちゃまを見て、ため息をつきました。
『会いたかったよ!マイスイートハニー!』お前は岡田か

 キミマロと共にボディーガード達に囲まれて、教室へ向かうみなみ。それを見送るはるかたちに、生徒会メンバーたちが彼について説明します。以下、意訳。
  やめとけ!やめとけ!あいつは世間知らずなんだ。 
  『伊集院キミマロ』中学二年生。イギリス留学中。
  一応真面目で努力家でもあるらしいが、今一つ常識のない男。
  なんか世界有数の大富豪で、みなみの許嫁だと言う話だが
  空気を読まず強引に突っ走るくせに、些細なことで卒倒ばかりしているんだぜ。
  悪い奴じゃあないんだが、これといって自分では何もできない・・・線の細い男さ。
 キミマロは留学先の休みにかこつけ、みなみの顔見たさに専用機を飛ばして急遽帰国したのでした。
『でも、みなみん困ってるっぽくない?』

 みなみの椅子を引いてエスコートしたり、教卓に巨大な花を置いたり、それが大きすぎると言われても、
『僕のみなみへの愛に比べれば小さすぎるくらいです』
 と悪びれもせず堂々と言い放つ等、キミマロの行動は常軌を逸しています。こっそり様子を伺っているはるかたちは、みなみが困っているのを察しますが、同時にキミマロの熱意も感じ取りました。
『でも本当にみなみさんの事が好きなんだね』

 みなみがはるかたちと花壇の前でお花見ランチしようとしたところに、キミマロ登場。レッドカーペットを敷きテーブル等をセットさせます。
『キミマロ、元に戻してもらえるかしら?花と同じ目線でいただくランチは素晴らしいと言う事を、はるかに教えてもらったのよ』
 はるかもせっかく用意して下さったのに済みませんと頭を下げますが、キミマロにはみなみが地べたで食事をとるなど考えられない様子。それでもみなみはキミマロを一緒に誘います。その指先に、よほど注意しないと解らない程の傷を見たキミマロは大げさに騒ぎ、直ちに医療チームの手配を命じました。みなみが大げさだと一笑に付して傷を舐めるのを見て、キミマロは卒倒。逆に彼が医療チームの世話になったとさ。
『ちょっと大げさなところはあったけど、でもあれで意外と真面目で努力家だし、優しいところもあるのよ』
 呆れて見送るはるか達に、幼少時の彼を知るみなみは、ヴァイオリンやフェンシングの練習に真剣に臨んだり、チュロスをせいらやあやかと分け合う姿などを語り、ある程度彼の事を理解しています。

 キミマロは介抱されながら、みなみが変わった事を嘆いています。その原因が「取り巻き達」、特にはるかにあると判断して、様子を伺い始めました。
 まずは彼女達のバレエレッスンを窓からこっそり覗くと、おまわりさんこいつです体勢を崩したはるかに巻き込まれて転倒するみなみを見て、キミマロは確信しました。
『バレエに対してあれ程真剣だったみなみが、尻もちついてヘラヘラしているとは!やはりあの一年生はみなみにとって悪影響を及ぼしている!』
 天使のようなみなみに迫る悪魔のようなはるかを妄想。そしてボディーガード達にはるかの徹底調査を命じました。
 早速調査映像を、険しい顔で観るキミマロ。そこにははるかのドジっ子な所ばかりが映されています。
『やはり僕のみなみにふさわしくない!』
 ボディーガードの進言どおり、みなみからはるかを遠ざけることを決心しました。

 はるかが花壇に水をあげているところに、キミマロがやって来ます。
『花は美しいね。初めて会ったその日から、みなみは僕にとってまさに花のような気高き女神だった』
 幼い頃、とあるパーティーで出会った一輪の花のようなみなみに一目惚れして以来、年に一度のパーティで友愛(鳩山か)を育み、ノーブル学園で生活を共にする事になったと、お惚気話を披露。しかし彼女の気品と気高さに陰りが見え始めたと、変わってしまった事を嘆かわしく口にします。
『でも、今のみなみさんもとっても素敵だと思います』
『昔はもっと素敵だった!そう、彼女はまさに花々の頂点に凛と咲く素晴らしきレディだったのに!』
 そして、はるかに冷たく言い放ちました。
『人にはそれぞれ見合った居場所という者がある。君の場合、それはここでは無いのでは?』
 偶然通りかかったみなみが、二人のやりとりを伺っているとは知らず、キミマロは続けます。
『はっきり言おう。もうみなみに近づかないでもらいたい』
『私、みなみさんの傍にいたらいけないんですか?』
『それがみなみのためだ。君はみなみに相応しくない!』
 さすがのはるかも、面と向かってここまで言われてはショックを隠せません。そしてキミマロははるかを省みる事無く、その場を後にしました。

 キミマロの行く手を、怒りを露わにしたみなみが遮ります。
『はるかにあんなことを言うなんて、どういうつもりかしら。私への不満は私に言うべきだわ!』
 みなみの怒りが尋常では無いと見て、キミマロは慌てて弁明。
『僕は君に彼女のような取り巻きは必要ないと思って』
 その発言は、当然火に油を注ぐだけでした。
『あなたは相手の気持ちを考えていない。はるかは私の取り巻きじゃないわ。友達よ!!もう二度とそんな言い方はやめて頂戴!』
 そしてみなみはキミマロに愛想を尽かしたと言わんばかりに背を向け、立ち去ります。
『ごきげんよう』
 卒倒しかけるキミマロを、即座に支えるボディーガード達。少し一人にして欲しいと、キミマロは彼らを遠ざけました。

 『僕は身勝手だったのか・・・?』
 先程のみなみの言葉、はるかと一緒にいる時のみなみの笑顔を思い返しながら、キミマロは自問自答します。そしてはるかが『今のみなみさんもとっても素敵だと思います』と語った折の笑顔を思い出し、彼もようやく気が付き始めました。
 その矢先、突如現れたストップとフリーズによって、キミマロの「みなみと共に歩みたい」という夢は絶望の檻に閉ざされました。

 落ち込んでいるのははるかも同じ。先ほどのキミマロの言葉が突き刺さっています。その時ゼツボーグの気配を察し、駆け付けたみなみ達と共に変身。
 直後、フローラは文字通り猪突猛進。一人でゼツボーグに突っ込んで行き、あえなく返り討ちに遭いました。マーメイドの制止も聞かず、再び雄叫びと共に突っ込んでは返り討ちに。今度はフローラを気にした隙を突かれたみんなも巻き込まれてしまいました。
『すみません!私がいきなり飛び出したりしたから』
『さっきキミマロに言われた事を気にしているの?』
 偶然聞いてしまった事を謝るマーメイドに、フローラも焦っていた事を反省します。
『みなみさんのそばにいられるようにもっと頑張らなきゃと思って』
 ところが今は戦いの最中。相手の攻撃をスカーレットとトゥインクルが受け止めている間に、
『私に相応しいとか相応しくないとか、そんなこと誰が決めるのかしら』
 マーメイドは一歩踏み出し、フローズンリップルでゼツボーグの茨を凍らせ、破壊しました。
『はるかははるかのままでいい。私があなたと居たいのよ』

 マーメイドの鋭い蹴りが、ゼツボーグを海まで飛ばします。
『何の話か知らないけどさ、フローラはフローラでいいじゃん』
『そうです。二人はいつも一緒でしょ?それに何の問題があるのです?』
 トゥインクルとスカーレットの言葉に、ようやくフローラにも笑顔が戻りました。
 こうなればフローラとマーメイドの「ふたりはプリキュア」は圧倒的な強さを見せつけます。強く、美しい連携攻撃が、相手を海へ叩き落としました。
『確かにキミマロの言う通り、私は変わったかもしれない。でも私は今の私が好きよ。そして今の私があるのはあなたのおかげなのよ。だから余計なことは気にしないで。これからも友達でいてちょうだい』
 フローラは顔を紅潮させて頷きました。
『私もみなみさんと一緒にいたいです!
 上陸して突っ込んでくるゼツボーグを、トゥインクルとスカーレットが足止めし、仕上げは得喰らえスポワール。キミマロの夢を絶望の檻から開放しました。
 ・・・って、マーメイドの膝枕だとぉ!!!貴様の夢はずっと檻に閉ざすべきだったか!!
 キミマロが夢を叶えるにはまだまだ切磋琢磨が必要です。そして許嫁というのも彼が自称しているだけで、海藤家と伊集院家の間に交わされたものではありません。フローラは胸を撫で下ろしました。

 翌日、空港でキミマロは素直にはるかに謝りました。
『僕はみなみの事を考えるあまり、君の気持ちを考えていなかった。それをみなみが気づかせてくれたよ』
そしてみなみに向き直り
『君は変わった。だがそれも悪くない。今はそう思うよ』
『キミマロ・・・ありがとう』
 その笑顔が、キミマロのハートをズキューンします(古い)
『やはり君は永遠のマイスイートハニーだ!みなみ』だから岡田か貴様は
 いつかみなみに相応しい紳士になることを誓い、再びイギリスへと発ちました。


 変化を否定とみるか、肯定と捉えるか。キミマロとはるかの違いはここにあります。それを除けば極端な話、二人はみなみへの憧れを抱く「同志」と言っても過言ではありません。しかし実際は、両者には容易に埋められない大きな隔たりがあります。
 キミマロが幼き日のみなみに一目惚れした際、彼女はまだあどけなさが強く残る幼い少女でした。一年毎に少しずつ成長して、ノーブル学園で再会した時、すなわち一年生のみなみは、ちょっと厳しい表情を浮かべています。こころもちキミマロに向ける態度もやや硬く、近寄り難い厳しさが伺えます。それははるかと出会う前後の、第1話~第2話当時のみなみでもあります。今のみなみには、その当時では見出せなかった柔らかさがあるにもかかわらず、キミマロはそれを肯定的に受け止めていません。彼は自分にとって都合のいい「みなみ像」を抱き、それをみなみにも押しつけているということに気付いていません。
 彼が憧れているみなみとは、高嶺の花としての存在です。それに自分が釣り合うのかも省みず、ただ伊集院家と海藤家のセレブリティのみに注目し、家柄におんぶにだっこだと言う事にも気付いていません。最初に登場した際の殴りたくなるような笑顔(苦笑)からは、悪い意味でのイノセントさえ感じられます。
 特に最近見返したばかりのハピネスチャージプリキュアでの海藤裕哉とは、言葉のキャッチボールという点で対照的でした。裕哉のエピソードではフリスビーに象徴される相手への心配りが見て取れるのに対し、途中までのキミマロは会話のキャッチボール以前の問題です。はるかはおろか、みなみの気持ちさえも考えていない状態では、みなみと共に歩むという夢は、夢のまた夢です。

 しかし、単に彼を狂言回しの嫌味な金持ちキャラにしないところ、流石は「夢」を肯定するプリンセスプリキュアです。己を省み、悪いと思った事は素直に謝り、結果人間として成長する。こういう肯定的な物語だからこそ、視聴後も爽やかな後味を感じられました。
 今回のキミマロの発言の中で、最も問題発言だった「取り巻き」について。傍から見れば彼のボディーガード達は、主を立てる存在という点では、ドキドキ!のセバスチャンや、つい先日登場した立神家の執事・水嶌と共通するかもしれません。しかしセバスチャンや水嶌とは異なり、キミマロのボディーガード達からは主の過ちを糺そうとする姿勢が見受けられません。これでは彼らは「取り巻き」と言われても過言では無い存在です。もちろん彼らの職務に忠実な姿勢は見習うべきところですが・・・。
 その「取り巻き」と「友達」の違いを、キミマロはみなみに叱責されたことで痛感したのでしょう。みなみには「友達」のはるかがいます。そしてきららも、トワも、ゆいちゃんもいます。旧友のせいら、あやかに至っては、キミマロも幼少時からの付き合いで知る仲です。しかしキミマロには「取り巻き」はいても「友達」の存在が伺えません。ボディーガード達は「キミマロ」個人ではなく「伊集院」の家に従っているようにも見受けられます。それを痛感したからこそ、彼らの過保護から離れ、一人で自分を見つめ直そうとしたのだと思います。
 一人にして欲しいと言った後、キミマロは木の根の間に咲く一輪の花を見つめながら己を省みています。「伊集院」という大木に囲まれた、今にも折れてしまいそうな儚い花。それに自らを重ね合わせたのかもしれません。しかし花は儚くとも、一人で立派に咲いていました。ボディーガード達を遠ざけ、一人で自らの言動を省みる事で、彼もいずれは伊集院の家を背負って立つ、自立を象徴しているように見受けられました。
 ラストの空港のシーンでも、彼に常に付き従っていたボディーガード達が少し離れたところで見守っています。しかし荷物は未だにボディーガード達が運んでいます。人はそう簡単には変わり切れないもの。それでもこのわずかな時間で、殴りたくなる笑顔から、少しは男の顔になったところは彼を評価したいと思います。ただし、俺のみなみはそう簡単には渡さんぞ・・・

 キミマロがヴァイオリンやフェンシングの練習に熱心に取り組んでいたのも、穿った見方をすれば「みなみに良い所を見せたい」が動機だったかもしれず、せいらとあやかにチュロスを分けていたのも、同じ理由かもしれません。しかし、キミマロの本心はどうあれ、みなみはそのキミマロの姿勢を肯定的に評価しています。はるかが思い悩んだ際もそうですが、みなみは人間関係について「相手がどう思っているか」よりも「自分がどうしたいか」を優先して基準に置いています。しっかりとした基準があるからこそ、余計なものに惑わされず公正に判断が出来る。それがみなみの長所であり、大きな魅力だと思います。

 それにしても、今回こんなにキミマロについて書くことになるとは、我ながら思いもしませんでした(笑)。当初はみなみに比重を置き、負い目を感じるはるかを対比して書こうと考えており、キミマロについては添え物程度の予定だったのですが・・・それだけ彼が「濃く」作り込まれた存在だったと言えそうです。書いているうちに予想外の方向に進んで行くのも、また一興と言うべきでしょうか・・・

 どうせ路線が変わったならぶっちゃけます。
 ロリみなみん、特にフェンシングロリみなみん、かわええええええ(おい)
 今までも何度か登場していた幼少時のみなみですが、パーティであんな子とすれ違ったらキミマロでなくても一目惚れしてしまいそうです。
 天使のようなみなみと、悪魔のようなはるかの妙に独特な絵柄も楽しめました。あの悪魔はるかもデスピサロのように見えましたが・・・先日のロックといい、何かあったのでしょうか(考えすぎ)。
 ストップ&フリーズの登場時におけるムーンウォーク等、無機質なだけに個性を出そうという努力も見て取れました。変なポーズはこれからも定番ですし、初見時にはいまいち感情を向けられなかったこの二人についても、何かを感じ取ることができればいいのですが・・・
 そして個人的に、今回最もかわいいと思ったのは「結婚」という単語に照れまくっているゆいちゃんだったりします(笑)
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