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第40話『夢の世界へご招待!?一泊二日闇の旅』 [ふたりはプリキュア]

子供の頃、いわゆる「お泊り」に行くのはとても楽しかったものです。
そんな「お泊まり」と、みんなで作る夕飯。そして女子中学生らしい「恋バナ」。
賑やかな宴が終わり、皆が帰った後の静かな夜に思いを馳せるなぎさとほのか。
そして夢の中での戦い。
2話後にシリーズ屈指の名場面が含まれるエピソードを控え、
楽しいお泊り会でにぎやかな前半とうって変わった後半の展開との落差が印象的な
なぎさとほのか、二人の絆を伺える一編です。
  
今週の土曜日はさなえさんが1泊で外出。
忠太郎もいるため、一人で留守番する事に何の不安も感じていないほのかですが、
誰かに泊まりに来てもらったら?というさなえさんの提案どおり、
なぎさに声をかけることにしました。

中間テストの成績のおかげで「勉強しろ」と言われ続ける家に帰るのが憂鬱だったなぎさは
『まさに渡りに鮒だよ』とほのかの誘いを嬉しそうに受けますが、
『渡りに船・・・テストに出たのに・・・』
と呆れるほのか。確かにテストの出来はイマイチそうです。
『わーいわーい!ほのかん家にお泊りだー!早く土曜になあれ!』
一目を憚らずに子供のようにはしゃぐなぎさを微笑ましく見送るほのか。

洋館では、食後に闇の力、光の力、石の力について三人が意見を交わしていました。
『全てを食い尽くす闇の力は、光の力になど負けはせん』
『だが闇の力を完全にするには、石の力が不可欠』
『そう、ジャアクキング様のためにね』
『そのためだけじゃない・・・』
「ジャアクキング様のため」と発言した翔子さんの後に、
何やら不敵な笑みを浮かべる結城先生。果たしてその意図は・・・?

そして土曜日。掃除、布団干しを済ませてお茶菓子を準備と、
ほのかはばっちりなぎさを迎える準備を済ませていました。
そして呼び鈴が鳴り、玄関の戸を開けるとそこにはなぎさだけでなく、
志穂、莉奈そしてユリ子まで来ていました。
前からほのか宅に来て見たかったと言う志穂、莉奈と、
途中でたまたまなぎさに会ってついてきたユリ子。
『どうせなら賑やかな方がいいかなあって・・・ダメかな?』
『まさか!大歓迎!』
予想外の来客に一瞬困ったようなほのかですが、皆を招き入れる事に異存はありませんでした。

離れにメップル、ミップル、ポルンを隠し、
『ここで静かにしてるんだよ』と注意するなぎさに
『わかったメポ』『わかったミポ』『わかったポポ』
と答えるも、この3匹がそんな事守れるはずはありませんでした。
早速いちゃつくメップルミップル。邪険にされて駄々こねるポルン。
騒々しさ極まりないいつもの光景ですが、今回はポルンの相手を
忠太郎が引き受けてくれました。第22話のような声を聞いてみたいところですが、
ポルンにとって良きお兄ちゃんのような存在になったようです。
が、所構わず忠太郎の背に乗ってはしゃぐポルンを目撃した志穂、莉奈、ユリ子。
『ねえ今忠太郎に何か乗ってなかった?ぬいぐるみみたいな』
『てゆーかてゆーかてゆーか、変な声聞こえなかった?ポポとか』
『忠太郎最近鳴くよ。ポポって』なぎさのあまりに無茶な言い訳に
『犬がポポ?興味深いわねぇ』と研究意欲を掻き立てられた?ユリ子。
この状況をごまかすため、ほのかは今日の夕飯をみんなで作ろうと提案し、
みんなで買出しに出かけます。

人参三本で398円、高い・・・と絶句する莉奈、ユリ子と、
大根、玉ねぎの選び方を志保に解説するほのか。
ところがなぎさは青果からいつのまにかいなくなり、
お菓子売り場で大量の菓子を買い込み、思わず引きつるほのかと志穂。
『子供とおんなじ』

買出しも終わり、張り切って料理に精を出す一同。
ユリ子は酢豚、志穂はカップケーキ、莉奈はポテトサラダを作っていましたが、
『それよりなぎさは、さっきから何してんの?』
『何って?応援だよ』莉奈に聞かれても悪びれもせずに答えるなぎさに
『応援はいいから、なぎさも手伝ったら?』と注意するほのか。
『自慢じゃないけど、私料理には全く自信ないから』
『自分の食事くらい自分で作れなきゃ、将来困るよ』そして、
『苦手だからって避けてたら、何も出来ないよ』と諭され、なぎさもようやく重い腰を上げました。
じゃがいもの皮むきも上手くできないなぎさですが、
初めから上手く出来る人なんていないとほのかに励まされ、再挑戦。
しかし普段から自炊をしている私が見て危なっかしい手つきのなぎさは
予想通り指を切ってしまい、ほのかに「PRE Q-BAN」という絆創膏で手当てされました。
『まるで親子ね』その様子を見て一様に呟く志穂、莉奈、ユリ子。

ともかく料理は出来上がり、皆で食卓を囲み、オレンジジュースで乾杯。
その直後、マシンガンのように食べ始めるなぎさに呆れる一同。
それでも各々が作った料理は美味しく出来ており、
特にさなえさん譲りというほのかの肉じゃがが好評でした。
『勉強も出来て家事も出来て、おまけに可愛くて。雪城さん、男子に人気があるわけだよ』
『大人気だよ、みんな告白したくてもできないみたいだよ』
『そういうのって、宝の山っていうんだよね』
『ひょっとしてそれ、高嶺の花じゃない』
ともあれ、男子に人気があるけれども手の届かなそうなほのかには
好きな人がいないの?と水を向ける莉奈に、志穂、ユリ子も興味津々。
一瞬考えたほのかの答えは『いないよ』でした。
そしてユリ子の酢豚を褒めて話題をそらしたかのようなほのかの態度が気になるのか、
なぎさはその横顔を思わしげに見つめていました。

唐突に始まる、ほのかにとって忘れる事の出来ない人物との思い出。
駅での出会い。農作業中の応急処置。
『人の事・・・何も知らないくせに・・・偉そうな事を言うな!!』
そして、あの雨の中での告白。
『自分の宿命からは、逃れられない。どうあがいても・・・』

みんなが帰り、静かになった雪城家で、床に就くなぎさとほのか。
メップル、ミップル、ポルン、忠太郎も既に寝入っており、静かな月夜の晩でした。
『皆帰っちゃって静かだね・・・ほのか?』
ダブルベッド!?という疑問はとりあえず置いておき、
なぎさは隣のほのかの様子が気になるようでした。
誰もいない二人だけの夜。今までの事を思い出すように話す二人。
『不思議だね・・・私がほのかん家に泊まってることがさぁ。
 同じクラスなのにあまり話すこと無かったじゃない。プリキュアになる前は』
『そうね、ミップルやメップルと出会って、プリキュアになって、一年も経っていないのに
 ずっとなぎさと一緒にいる気がするね』
ピーサード、ゲキドラーゴ、ポイズニー姐さん、イルクーボとの戦いを思い出しつつ、
ほのかが思い出した「一番のピンチ」。それは
『あなたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!!』
『あの時は・・・ごめん』『そのおかげで、本当の友達になれた』
そして、光の園へ行ったり、ドツクゾーンへ行ったり、長老、クィーンと出会ったり。
いろいろな思い出を語る中、
『別れもあった・・・』そう呟くほのかに、ハッとしたなぎさは気になっていた事を訪ねます。
『ねえほのか、キリヤ君に会いたい?』
無言のほのかの反応を案じるなぎさに、ほのかは珍しく不安を打ち明けます。
『もし会えるなら凄く会いたい気もするけど、会いたくない気もする。
 私達、これからどうなるのかしら?』
そんな弱気のほのかを勇気付けるなぎさ。
『私、いるからね。私、勉強もイマイチだし、料理も出来ないし、頼りないだろうけど、
 でもほのかのそばにいるから』
『うん。ありがとう』

夜も更けて行き、いつしか眠りにつく二人。
ですが、美しかった満月が不気味に赤く輝き、ベルゼイが姿を現します。
邪悪な気配を察した忠太郎が威嚇するかのようにベルゼイに呻り、
忠太郎と一緒に寝ていたポルンも起きて二人を起こそうとしますが・・・

『何じゃこりゃ?私なんでこんな格好を?』
なぎさはいつの間にかドレスを着て、花畑に立っていました。
そこに現れる、白馬に乗った王子様のような藤P。しかも、デートの誘いです。
『夢みたい』感激するなぎさですが、
『夢だよ。これは夢なんだ』何か怪しげな藤Pの言葉も無理矢理納得していました。
『じゃあ、デートに出かけよう』
『せんぱーい、こういう時は、乗せてくれるんでは?』
一人馬を走らせて行ってしまった藤Pを追いかけてゆくなぎさ。
その頃忠太郎は雨戸を引っかき、ポルンは二人の名前を呼び続けていましたが・・・

『大自然の中での実験、一度やってみたかったのよね』
ほのかも花畑の中、実験に興じていました。
二種類の液体を混ぜると爆発して花が舞う事が気になるも、
『これって夢?そうよ。たのしい夢!うふふ』
と、なぜかほのかも無理矢理納得していましたが、そこに走るなぎさの姿が目に付きます。

どうやら同じ夢を見ていると気づく二人の前に現れる藤P。
『いい夢を、十分楽しんだかい?』急に真顔になり、俯く藤P。そして遠雷。
『消えてもらおうか・・・プリキュアのお譲ちゃん!』
ベルゼイの起こす地割れから走って逃げる二人。
夢の中なのでメップルもミップルもおらず、ただ逃げるしかできません。
ようやく忠太郎の体当たりで雨戸が開き、ポルンが寝室に入ると
なぎさもほのかもうなされています。
忠太郎が吠えてもポルンが読んでも起きない二人は、
夢の中で草に絡まれていました。

『大変だポポーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!』
どうしていいかわからず右往左往していたポルンがいつものように叫ぶと、
今回はブレスではなく、ミップルとメップルを夢の中に転送するという能力が発揮されました。
夢の中でとどめを刺そうとするベルゼイ。
間一髪のタイミングで二人の下にメップルとミップル到着し、変身する二人。

花畑の光景を荒廃した廃墟に変え、これがお前達の未来。
夢も希望も無い真の闇だと告げるベルゼイに立ち向かうプリキュア。
しかし二人がかりでもベルゼイにかないません。
『ここは闇の世界、私の世界だ。お前達の光の力など効きはしない』
そんな状況を打破すべく、マーブルスクリューを放つ二人。
例の如く受け止めるベルゼイですが・・・
『何故こんな力を引き出せるのだ?』
マーブルスクリューが効かない筈のベルゼイですが、
今回は二人の気迫に押し切られ、撤退していきました。

災いが去り、メップルとミップルにどうやって来られたのか訪ねますが、
当のメップルたちにもわかりませんでした。
そのころ現実の世界では、陰で奮闘していたポルンと忠太郎が安堵していました。
『疲れたポポ・・・』そんなポルンを優しく舐める忠太郎。

翌日さなえさんが帰宅した時、なぎさとほのかはまだ寝ていました。
しっかり手を繋いで寝てる二人を見て、お邪魔だったかしら?とばかりに
『まあ・・・♥』と寝室を後にする、意味ありげなさなえさんでした。

前半と後半で全く違った表情を見せる今回。
前半部は洋館での執事ザケンナーのドリフのコントのような寸劇や、
あっけらかんとしたなぎさの描写、みんなで囲む食卓など
明るい雰囲気に終始してストーリーが進みます。

それが後半に入るとうって変わって、今までのこと、これからのこと、
そして、キリヤのことを思い出す二人。
特にキリヤに関しては、前半でなぎさが指を怪我して絆創膏で治療するシーンがありますが、
この「絆創膏」はかつてほのかがキリヤを治療した時と同じもの。
寝床でキリヤの話をしている際、一瞬だけこの絆創膏にスポットが当たるなど、
小道具を上手く利用していると思います。

前半ではテストがダメ、料理もダメという点を印象付けるなぎさですが、
後半ではそんな私でもほのかの支えになる、という決意が伝わり、
二年間に渡るなぎさとほのかの関係の中でも屈指のシーンだと思いました。
今までは勝気でボーイッシュで体育会系ななぎさが不安を口にすることが多く
それをおっとり、お嬢様、文化系なほのかが支える、という構図が定着していたのですが、
そんなほのかが不安を口にするのは、
「好きな人」と聞かれて口にせずともキリヤを思い出したのか、
そしてもう会うことの無い別れを体験し、その辛さからでしょうか。
どうしても2話後の展開がインパクト強すぎて、正直今回こんなに密度が濃い展開だということを
すっかり失念していたため、新鮮な発見がありました。
この一連のやりとりで、「光と影」の描写も巧に使われています。
ほのかが最後に「うん、ありがとう」と言ってなぎさの方を向く時まで、
窓から差す月明かりはなぎさを照らしていてもほのかを照らしていません。
それが、ほのかが最後に向き直ったときにはじめて月明かりがほのかの顔に差す。
こういう細かい演出に作りこみの丁寧さを感じさせます。

そして洋館三人組。これからこの3人はある計画を持って動き始めることになるのですが、
その決意が初めてベルゼイ=結城先生の口から語られたのが今回。
まだ角澤も翔子さんも結城先生の真意を知らないためか不審がっていますが、
彼らの生きる道へ向かって動いていく後半戦がこれから本格的に始まり、面白くなってきます。
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