SSブログ

第45話『歌えさくら組!合唱は勇気を乗せて』 [ふたりはプリキュア]

ふたりはプリキュア全49話のうち、ごく普通の決して無くしたくはない
日常の学園生活が描かれるのは今回が最後となります。
前々回から少しずつ伏線を張られていた合唱コンクール。
私がリアル中学生だった頃は「大地讃頌」「ともしびを高く掲げて」などが定番だったため
まさかこの歌を合唱で歌うコンクールとは・・・?と今回は少し驚いたものです。が、
厳しい指導力でクラスをリードしてきたブッキー矢部千秋(CV中川亜紀子さん)と
「決して失くしたくはない」日常をテーマにしたエピソードです。
  
ベローネ学園を代表して西部地区合唱コンクールに出場する2年桜組の面々は
冬休み返上で登校して練習。夕方の下校時に、これもみんな音楽部の千秋が
愛のムチで引っ張って来てくれたおかげ、と張り切る一同の声ですが、
当の千秋は少し浮かない様子で、力なく頷いていました。

同じ日の夕暮れ。燭台にはまだ火が灯っておらず、夕陽が差し込む光のみに照らされた
暗い洋館の大広間で、前回現れたキリヤの存在を疑問視している結城先生。
・・・確かイルクーボの記憶を共有していた筈だったのでは・・・?
という重箱の隅を突くような事はとりあえず置いておき、
「全てを食い尽くす力の呪縛から逃れる」事を望む角澤。
「本当に進化しているのか」不安そうな翔子さん。そして
我々に残された時間はどの程度なのか。急がねば、と呟く結城先生。
彼ら三人も追い詰められるような危機感を持っていました。

なぎさとほのか、二人の下校風景ですが、前回のキリヤの事が気になっているためか
合唱コンクールで優勝できるかも、というなぎさの話にも上の空のほのかは
ちょっと気まずそうに途中で一人先に帰ってしまいます。
一人になったなぎさが町の楽器店に目を移すと、しきりに楽譜を選別している千秋の姿が。
『千秋!矢部千秋!』
ショーウインドゥに顔を押し付け、ヒロインにあるまじき潰れた顔で千秋を呼ぶなぎさ。
どうやら合唱コンクールでもライバル校になる御高倶女子はレベルの高い曲を歌うらしく、
それに対抗できる歌、今からレベルの高い歌を練習する時間は無いため、
簡単だけどインパクトのある曲を探していた千秋と一緒に
CD試聴コーナーでめぼしい曲を探し始めました。
千秋となぎさは色々な曲を試聴するも決めあぐねていましたが、
ふとなぎさがピンと来た曲を千秋に聴かせ、それを聴いた千秋も同意します。
その曲とは・・・

自由曲を変更する、という発表に騒然となるクラスメイト達。
今から練習して間に合うのか、今までの練習は無駄になるのかと
当然の如く反論が巻き起こりますが、
皆の言いたい事は分かるけれど御高倶に勝つため、と説得する千秋。
なぎさも千秋と共に説得に加わり、合唱に向いているかどうかは分からないけれど
ノリは良い曲だと件の曲をクラスメイト達に聴かせて見ました。
ラジカセから流れる「DATTE やってらんないじゃん♪」のフレーズに、
最初は怪訝そうでしたが、いつしか乗り気になってくる2年桜組の面々。
どうやらクラスの意志はまとまったようです。
ピアノ伴奏を担当している久々に登場の聖子
イントロの結構難しそうなフレーズをそんなに難しくないと弾きこなし、
職員室でその音を耳にしたよし美先生も中々やるじゃない、と評価していました。

練習が終わり、手ごたえを感じたように満足そうで下校する生徒達ですが、
まだ何か足りない・・・とつぶやきながら下校する千秋。
なぎさとほのかはそんな千秋の様子に、結構のめりこむタイプだから、
だからこそここまでクラスを引っ張ってきてくれたけれど、と案じていました。
懸念どおり、自室のピアノに向かって試行錯誤を繰り返している千秋。
アルトとソプラノのハーモニーはバッチリなのに、何かが足りない・・・
翌日、行く末を暗示するかのようにどんよりと曇った空の下集まってきた桜組の中に
千秋の姿は見えませんでした。とりあえず千秋抜きで練習を始める生徒達。
その頃千秋は、一人自室のピアノに不協和音を叩きつけ、苦悩していました。
その部屋には、五線譜の山が散乱していました。

降りしきる雨の中、ついに三日も練習に顔を出していないという千秋に、
クラスのみんなもうんざり気味、かつ本番も近い事に不安を募らせていました。
そんなクラスメイトたちのの心を繋ぎとめたのはほのかの千秋に対する評価でした。
まるで本職の指揮者のような厳しい練習の回想。
でも千秋がいたからこそ代表に選ばれ、そして厳しい指導だけでなく
自分に対して厳しい人だからこそ一人で頑張っているのではないかと皆を説得するほのか。
丁度様子を見に来たよし美先生も、最後まで矢部さんを信じてついていくかはあなた達次第と
助け舟を出し、そして生徒達のためにたこ焼きの差し入れを持ってきました。

家を訪れたなぎさとほのかに、完全にドツボに嵌ってしまったと打ち明ける千秋。
そんな千秋を励ますかのように肩を揉むなぎさと、練習の近況報告をするほのか。
皆千秋が戻ってくるまでパート練習完璧にしようと頑張っており、
なぎさとほのかが二人で口ずさむフレーズを聴いた千秋は、
ソロパートだ!と閃きました。
雨が降る中、千秋が合流して再開された練習。そして、
『夢がどきどきするときめき 夢見てるティーンエイジャー♪』
『ごく普通のそれが日常 決して失くしたくはない♪』
というなぎさとほのかのソロを導入したアレンジで、
ソロが入っただけでぐっとかっこよくなった、と皆の評価も上々でした。
当然ながらソロを任されたなぎさとほのかは戸惑い気味ですが、
ばっちり特訓してあげる、という千秋の愛のムチに目が点になるものの
再びまとまったクラスを象徴するかのようにいつしか雨は上がり、
冬の夕陽が優しく差し込んでいました。

そしていよいよ合唱コンクール当日。
緊張しているなぎさの肩を、先日の逆の構図で揉んであげる千秋。
ソロという大役を任された二人は、本番前に顔でも洗って落ち着こうと
控え室を出たところ、そこには翔子さん、そして角澤の姿がありました。
エレベーターに乗る角澤の後を追うなぎさと、階段を下っていく翔子さんを追うほのか。
肝心の二人がいないまま、間もなく本番の幕が上がろうとしていました。

なぎさとほのかの不在に戸惑うクラスメイトたち。
そんな中たまたま千秋と目が合ってしまったのか、
急遽志穂と莉奈がソロの代役を振られてしまいました。
その頃なぎさとほのかは二人の後を追って地下倉庫とおぼしき場所に来ています。
邪悪な気配が立ち込める中、突如開く空のロッカー。
そしてその裏から壁をブチ破ってジュナが姿を現し、応戦するために変身する二人。

誰でもいきなりぶっつけ本番でこんな大役を振られたら戸惑います。
『いきなりいきなりいきなりソロだなんて』
『ぶっちゃけありえない』
すっかり志穂と莉奈がテンパッている中、ベローネ学園2年桜組の出番がやってきました。

『もういいかげんにして!』『私達には時間がないの!』
ジュナに続いて天井を破り登場したレギーネの相手をしながら戦う二人。
その言葉にレギーネも、時間が無いのはこっちも同じ、と反論しながら戦闘が続きます。
 ♪だってやってらんないじゃん ファイターより乙女チックに
  GET YOU ラブラブモードじゃん 身も心もスイーツに溶けてみたいの♪
2年桜組の合唱をBGMに繰り広げられる激闘。
 ♪地球のため みんなのため それもいいけど忘れちゃいけないことあるんじゃないの♪
合唱しつつも、不安を隠しきれない志穂と莉奈。そして、舞台袖から見守るよし美先生。

『あなた達にはわからないだろうけど、私達にとって大切なのは!』
『みんなで泣いたり笑ったり、そういう普通の女の子がすることなの!』
『それを邪魔されてたまるもんですか!』
戦いながら思いのたけを吐露するブラック、ホワイトに対して、
『ならば我々の邪魔もするな!』と反論するように突っ込んでくるジュナ。
そこに先ほどなぎさの荷物の中で目覚めたポルンの叫びが響き、
ブレス装着。今回は毎度お約束の速攻ではなく、合唱の風景。
そして続けられる格闘の後、放たれるレインボーストーム。
合唱の曲の中、ジュナとレギーネは退けられました。

とうとうソロの出番がやってきて、不安そうに合唱の中から歩み出る志穂と莉奈ですが
舞台下手のよし美先生の後ろに駆けつけるなぎさ、
上手のピアノの後ろから姿を現すほのかに気づき、そのまま合唱の列に戻りました。
笑顔で舞台袖から歩み出てくるなぎさとほのかに客席が騒然となる中、
 ♪胸がドキドキするときめき 夢見てるティーンエイジャー♪
 ♪ごく普通のそれが日常 決して失くしたくはない♪
なぎさとほのか、それぞれのソロが歌い上げられ、そして全員の合唱で締めくくられます。
客席のスタンディングオベーションに感激し、目を潤ませてお礼を言う千秋と、
大役を果たしたなぎさとほのかの笑顔で幕となりました。

と、今回は合唱コンクールに向けて張り切り、壁にぶつかり、
皆の力で乗り越える獣医志望の山吹祈里 クラス委員の安藤加代
音楽部の矢部千秋を支えるなぎさとほのか、という展開です。
練習や言動を見る限り、かなりワンマンかつ厳しい指導をしているように見受けられますが
それでもクラスメイトの反発を受けていないところをみると
ほのかが作中指摘したとおり、他人に厳しくともそれ以上に自分に厳しい姿勢を
皆に評価されているのだと思います。
そしてそれに結果が伴ったからこそ皆がついてきてくれる。
だからこそ展開上残念なのは、一人で責任を背負いすぎて練習を連絡なしで休む、
という姿勢はいただけません。クラスメイトに信頼されている千秋ですが、
相談相手としてクラスメイトを信頼していない?と穿った見方を感じてしまいます。
それでも本番後の表情と皆にお礼を言うシーンは
素直に彼女の感謝の気持ちを感じさせるので、詳しく描かなくても
視聴者側の解釈で色々と捕らえることが出来ると思います。
夕陽、曇り、雨、そして雨上がりと、クラスメイトと千秋の心境を象徴するような背景描写と
担任のよし美先生も含め、クラスが一つになって目標に向かうという
最後の学園エピソードにふさわしいものだと感じました。

ピアノの伴奏を担当している聖子は第18話以来の登場となります。
あの時はキリヤに想いを寄せる内気な少女でしたが、
まさかこんな達者なピアノの腕を持っているとは意外な特技を持っているものです。

改めて感じたのは、裏のテーマとして、闇の三人組の心境も
巧みに合唱とあわせて描いていることです。
彼らが求めているのもごく普通の日常であり、それを失いたくないからこそ
石の力を求めるためにプリキュアに挑んでくる。
戦いの中、ブラックとホワイトがジュナにぶつける
「私達にとって大切なのは、みんなで泣いたり笑ったり、そういう普通の女の子がする事なの。
 それを邪魔されてたまるもんですか」という言葉は、
そっくりそのまま彼らの言い分でもあります。
闇の呪縛から逃れ、静かに洋館で平穏な日常を過ごしたい。
お互い少しでも相手の目線に立つことが出来れば、
闇の三人組の運命もまた変わったものになったかもしれません。

次回は遂に闇の三人組がプリキュアに、そして運命に戦いを挑み
無印ふたりはプリキュアシリーズもクライマックスへ向けて動き出します。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。