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第47話『最強戦士登場!っても~ありえない!!』 [ふたりはプリキュア]

角澤竜一郎、小山翔子さん、結城玄武。
ある意味運命に翻弄されたこの3人の人間の姿は前回が最後の登場でしたが、
ジュナ、レギーネ、ベルゼイとして登場するのは今回が最後。
ふたりはプリキュアシリーズも残り3話を残すのみとなり、
ジャアクキング、闇の3戦士、プリキュア3つ巴の決戦がドツクゾーンを舞台に繰り広げられる
前哨戦のような一幕です。
  
『全てを生み出す力が・・・』
『やっと私たちの物になる』
『これさえ手に入れれば我々も自由になれる』
万感胸に迫るといった様で、洋館から立ち上る光を見つめる闇の3戦士たち。
執事ザケンナーの2人が大変だ大変だと繰り返しながら寸劇を繰り広げる中、
「歯磨きしているパジャマ姿の結城先生」「ネクタイを結んでいる角澤」
「髪を梳る翔子さん」「三人集合写真をバックにした置時計」
「振り返る角澤と結城先生の2ショット」「缶を持っている翔子さんのポートレート」
といった、彼らの人間姿の写真が飾られている光景が映し出されました。

闇の3戦士たちが光に向かって気を集中している中、
大広間のガラスを蹴り破り、変身後の決めポーズでプリキュアが登場。
『あなた達の思い通りにはさせない!』
『あなた達にすべてを生み出す力を使わせるわけには行かないわ!』
それでも余裕たっぷりの3人の態度を見て、奇妙な不安を感じるブラックとホワイト。
よくよく見ると、目の前の光景はどこかで見たような光景で
積み上げられた家具の中心から伸びる光を取囲む闇の3戦士たち。
それは光の丘の祭壇と同じ状態でした。

このままでは全てを生み出す力が引き出されてしまうと危機感を抱き
3戦士に攻撃を仕掛けるプリキュアでしたが、3人に触れる前に弾き飛ばされます。
3人の周りには見えない力の壁が出来ており、なす術の無いプリキュアを
光に向かって気を集中させながら闇の力で縛り付けるベルゼイ。
そしてそのままベルゼイたちは呪文を唱え始めます。
番人の『やめろォーッ!やめてくれェーッ!(お前はノリダーか?)』という叫びも空しく
彼らが作り上げたという闇の呪文により、番人の持つプリズムホーピッシュが
呪文に反応して光を放ち始めます。

光の園の長老とクィーンも事態を察し、
このまま全てを生み出す力が闇の者の手に落ちれば世界のバランスが崩れ
闇の力に食い尽くされる前に全ての世界は破壊と崩壊の危機に晒される。
そう焦る長老を落ち着くようなだめるクィーン。
クィーン自らの命に代えても世界のバランスを保つという強い決意を秘めていました。
(後にマックスハートに繋がる伏線でしょうか)

彼らの所業にに気づいたジャアクキングもドツクゾーンで怒りを露にしていました。
あと少しで力が引き出されるという段になり、阻止すべく突撃するプリキュアでしたが、
時既に遅く、ベルゼイが最後の呪文を発すると光が三人に降り注ぎ・・・
割れる大広間の窓から漏れる力の奔流。
窓の外の森は既に無く、根こそぎ倒されて枯れた木が広がっていました。

『これで全てを生み出す力は我々の者になった』と満足そうなベルゼイに続き、
ほくそ笑むジュナ、レギーネでしたが・・・
ジャアクキングの怒りが炸裂。洋館の天井に穴が開き、そこから漏れ出す暴風に
吸い込まれてゆく三人。その後にプリキュアも吸い出されますが、
その勢いを利用してそのまま三人を追跡する決意を固めました。
静けさを取り戻した大広間にはポルンと番人が取り残され
『一緒に行くって約束したのにポポー!』
嘆くポルンの声が、がらんとした洋館に響き渡ります。

夕暮れのなぎさの部屋。主がいない部屋の外から夕飯ができた事を告げに
亮太が声をかけますが、まるでそこになぎさがいるかのように受け答えていました。
同様にほのかの部屋でも障子の外から、まるでそこにほのかがいるかのように
忠太郎をなだめつつ先に夕飯を食べていると告げるさなえさんの姿が・・・

その頃二人がいたのはドツクゾーン。
再び訪れても無味乾燥で殺風景。感慨も無くまた来てしまった、という二人の背後に
闇の三人の姿を認め、後を追う二人。

『こんな地の果てに連れてくるとは、ジャアクキング様もだいぶお怒りのようだ』
『ああ』『派手にやってるから』『では、行こうか・・・』
ジャアクキングの怒りを察しつつも決着をつけるためにその元へ向かおうとする三人。
その後ろに追いつき、ちょっと待ったコール!(古い・・・)
行く手を阻止しようとするプリキュアを無視するかのように歩き続ける三人に業を煮やし
攻撃を仕掛ける二人ですが、彼らが石の力を取り込んだせいか、まるで歯が立ちません。
それでも諦めずに「ここで諦めたら世界がめちゃくちゃになる」と立ち上がろうとしますが、
返り討ちに合い、ホワイトが、ブラックが倒されてしまいます。

『あなた達に私達やミップル、メップルたちの世界をめちゃめちゃにする権利、無いでしょ!』
歩みだす3人の背にホワイトが問いかけ、
『あんたたちドツクゾーンの連中がやって来てからというもの、ずっと戦ってきた。
 一日だってあんた達の事忘れられる日は無かったんだから!
 部活の最中だって、誰かと一緒に笑ってる時だって、いつもどこかに引っかかってて、
 だから・・・だから早く終わらせて、全部終わらせて、もっと普通に、もっと普通の女の子として、
 自分らしく自由に生きたいのよ!』
ブラックも今まで押し殺してきた戦いばかりの心境を吐露します。
その二人の台詞に歩みを止め、振り返るジュナとレギーネ。
彼らには表情はあまり無いのですが、心なしか複雑な想いが伝わってくるようにも見えます。
『自由・・・』『いい響きじゃない』
『そうだ。ジャアクキング様に仕えている限り、絶対に我々の手に入らないものだ』
ふと彼らの胸の内を垣間見たような気がしたのか、意外そうにその発言を聞く二人。

ジャアクキングの怒りは増し、その影響で大地は裂け、海は割れ、
怒りの奔流に飲み込まれるように2つの星が姿を消しました。
クィーンも全力で闇の力を抑えているようですが、もはやクィーンにも
プリキュアを信じたい、信じる事だけしか出来ないようです。

そして怒りの奔流が押し寄せてきたかのような砂の津波に
闇の三人も、プリキュアも飲み込まれて行き、たどり着いた先はジャアクキングの前でした。
全てを生み出す力を渡せと迫るジャアクキングに正面切って反発する三人。
『我々はもうあなたの思い通りにはなりません』
『全てを食い尽くす力に蝕まれる事に耐えながら、戦い続けた挙句に消え去るのでは』
『何のために生まれてきたのかわからない』
『自分達の思うまま、自由に生きるつもりです』

業を煮やしたジャアクキングは三人の体ごと全てを生み出す力を飲み込もうと
嵐を巻き起こし、徐々に吸い寄せられていく三人。
後ろからただ暴風に耐えて見守るしかできないプリキュアの前で、
吸い込まれていく三人の体、石の力が一つになっていき・・・
そして暴風から何者かの手で救い出されるブラックとホワイト。

嵐が去った後、そこには三人が融合した姿、
灰色に輝くペプシマン巨人の姿がありました。
『今こそ我々がこのドツクゾーンの支配者となる』
『愚かな・・・』
対峙する巨大な闇の力と、石の力を取り込んだ生命。
そしてプリキュアを助け出したのは、キリヤでした。

前回が目の前の日常と回想、決戦に向けての決意と絶妙の構成だっただけに
今回はいささか冗長な観が否めず、間を持たせるのに苦慮しているような印象を受けました。
ひたすら光に向かって手を伸ばす3人や、うろたえるだけの番人。
ただ落ち着くよう促すクィーンと手をこまねいて見守るプリキュア、
解説を務めるメップルとミップルに、許さん許さんと繰り返すジャアクキング。
30分の尺を持たせるのが苦しい感じがしますが、それでも細部は良く作りこまれています。

まず冒頭、人間姿の3人のポートレートは、彼らなりに平穏な生活を楽しんでいた事を伺わせ
彼らの自由への戦いを応援したくなるような印象的な小道具です。
話の展開上、彼らを勝たせる事はできないのですが、それでも花を持たせてやりたい。
今回で退場となるジュナ、レギーネ、ベルゼイに対する製作側の愛情が感じられます。
ところで今まで「翔子さん」には惹かれても「レギーネ」には惹かれなかった私ですが、
やたらレギーネの形の良いヒップがクローズアップされ、不覚にも少し魅了されてしまいました。

闇の戦士たちに対してプリキュアが、特にブラックが言い放つ台詞は、
そっくりそのまま彼らの心境を表しているとも言えます。
「プリキュアにも三人の生き方をめちゃめちゃにする権利」は無く
「種として生まれからというもの、ずっと戦ってきた。プリキュアの事を忘れられる日は無く
 広間で談笑している時も、どこかに引っかり、だから早く終わらせて、全部終わらせて、
 もっと普通の人間として自分らしく自由に生きたい」
そう言い換えても全く違和感のない台詞。
彼らが真っ向からプリキュアに反論しないのは、それだけ「大人」だからでしょうか。
言い返したいのを飲み込み、戦いに赴く彼らが格好良く思えます。
ジャアクキングに対しても己の生まれた意味を自問自答し、
自由を勝ち取ろうとあがく姿を後ろから見つめたプリキュアはどう思ったでしょうか。
ここで彼女達の意見を聞いてみたい、と思いました。

残念ながらそれが最後の勇姿になってしまい、一つに融合してしまった3人ですが、
あくまで一人称は「我々」。
声はベルゼイのもので意志の主導権もベルゼイが持っているように見受けられますが、
姿は変われど思いは変わらず、といったところでしょうか。

どうしても闇の三人目線で見てしまうのでプリキュアについて殆ど語れないのですが、
印象的なのは途中に挿入されるなぎさとほのかの部屋のシーン。
彼女達は戦いに赴いているも普段と変わらぬ日常が流れており
その日常を守るために戦いに行っている。
穿った見方をすれば、二人が存在しなくても何事も無く平穏な生活が続いていく、
というブラックな解釈もでき、少し考えさせられる場面でした。

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