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フレッシュ最終回『笑顔がいっぱい!みんなで幸せゲットだよ!!』 [フレッシュプリキュア!]

一年は早いものです。イース様と出会ったあの日から少し遅れたものの、
こうして各話レビューを書くようになり
笑わされたり、燃えたり、萌えたり、泣かされたり、考えさせられたり。
フレッシュプリキュアシリーズとの、そして作中でも描かれる別れ。
寂しい事ではありますが、別れを明日へと繋げるためのステップにする事が大切だと思います。
一年間楽しませて頂いた、フレッシュプリキュア。本日ここに完結です。
  
前回のラスト、インフィニティを媒体としたメビウスの攻撃で倒れ、
立ち上がれないプリキュアとサウラー、ウエスターさん。
タルトとアズキーナが声を掛けても起き上がれず、
メビウスの管理網が倒れた彼女達に忍び寄ります。
「桃園ラブ。14歳。血液型AB型。身長159cm・・・」
各種データを採取され始め、続けて美希の、ブッキーの、
そしてラビリンス出身であるせつな、ウエスターさん、サウラーのデータに加え、
タルトとアズキーナのデータも採取されます。
データを採取することで管理する事ができる、秩序が戻るとほくそ笑むメビウス。

『ラビリンスの秩序を乱したプリキュアはこの私が管理した。正しい答えはただ一つ。
 それはこの私だ。私が真実だ。皆はこの私に従っていれば良いのだ』
塔の上、国民の前に巨大なホログラム映像として姿を現し、
呼びかけるメビウスに再び跪き、忠誠の言葉を口にするラビリンス国民。
ドーナツをもらった少女が戸惑う中、ひれ伏した国民達にメビウスの言葉が響きます。
『私が全て決めた世界なら、争いも悲しみも不幸も無い。
 私が管理統制した世界こそ、間違いの無い正しい世界なのだ!』

『その代わり、あなたが管理した世界には思いやりも喜びも幸せも無い』
そう反論し、立ち上がろうとするピーチに拘束を強めるメビウスですが、
抗うように反論するプリキュア達。そして、ウエスターさんとサウラーも。
誰かが決めるのではなく、自分達で悩み考える事に意味があり、
時には間違え、悲しみ、不幸になる事もあるけれど、
それを乗り越える事の出来る思いやりや喜び、幸せがきっと生まれる。
間違えたら何度でもやりなおせばいい、と。
『だから、こんなところでは終われないのだ』ウエスターさんに続けて
『ええ、絶対終わらないって、私信じてる』パインが、
『そうよ。だって私、完璧だから』ベリーが、
『最後の最後まで、精一杯頑張るわ!』パッションが続き、
『そして最後は、幸せゲットだよ!』拘束を断ち切るピーチ。
次々と拘束を断ち切り、立ち上がる一同。

「桃園ラブたちのデータ管理に失敗しました」
報告に愕然としたメビウスは逆上し、無数の分身を駆使して襲い掛かります。
キュアエンジェルとなったプリキュア達は空中でメビウスの分身と肉弾戦を繰り広げ、
下ではウエスターさんとサウラーが力を合わせて戦い、
メビウスの分身が倒される度に国民の管理データが消えて行きます。
徐々に自らの意志を取り戻してゆく国民達。
互いの後ろを守るように背中合わせで戦うベリーとサウラー(もうくっついちゃえば?)
追われるパインを援護し、パッションと共に戦うウエスターさん。
データがどんどん消えて行き、塔上の巨大メビウスも姿を保てずに消えて行きます。
『管理できなかったプリキュアたちのデータが、私の体の中を駆け巡る・・・消去されてゆく・・・』

無秩序な世界を統制するために作られたメビウスは、
この期に及んで自らが正しいという主張を曲げず、お前達のせいで無に帰すと
往生際の悪い台詞を吐きますが、
『あなたがしていた事は人々を騙し、意のままに操ろうとしていただけに過ぎない』
『だが、俺達はドーナツの味を知ってしまった。これからは自由に生きさせてもらう』
楽園エデンの園を創った神からすれば、
禁断の実の甘美な味を知った人間は、意志に反する愚者かもしれませんが
その結果、人間は人間らしく生きられるようになったとも言えます。
ドーナツの味を知った事で、管理されている楽園から、困難が伴うものの自由に生きる道へ。
自立の道を選んだサウラーとウエスターさんが総統に反論し、
そしてピーチは、メビウスに優しく呼びかけます。
あなたは幸せを奪う為ではなく、みんなの幸せのために作り出された筈だと。
『メビウス。あなたの幸せは何?』

しかし、ピーチの「愛」はメビウスには届きませんでした。
自分の幸せなどはプログラムには無い。あえて望むのならば・・・
『唯一管理する事ができなかったプリキュア。お前達を消し去る事だ!』
『やめてメビウス様!こんな事、こんな事良くないわ!』
プリキュアを道連れに自爆装置を作動させるメビウスには、
この期に及んでも「様」をつけて呼ぶかつての配下パッションの言葉も届きません。
爆発まで、あと60秒。
急ぎ脱出しなければなりませんが、まだシフォンが残っています。
シフォン救出に飛ぶプリキュア達ですが、
未だインフィニティのままのシフォンに跳ね飛ばされ、この手に抱くことが出来ません。
あと30秒。メビウスの高笑いが響き渡りますが、
それでも諦めないのがプリキュア。皆の想いをシフォンに届けるべく、想いを集めます。

それぞれ4人の瞼の裏に浮かぶのは、愛らしいシフォンの姿。
タルトも、アズキーナも想いを寄せ、そして彼らも。
助けてくれた事の礼を言うウエスターさんと、今までの行いを詫びるサウラー。
ラビリンス国民達も想いを一つして皆の胸からハートが浮かび
そのハートを一つの大きなハートに束ねていくプリキュア達。
爆発まであと10秒。カウントダウンが響きわたる中、
『想いよ届け。プリキュア・ラビングトゥルーハート・フレッシュ』
攻撃のように放つのではなく、優しく迎え入れるように放たれるハートに包まれるシフォン。
3・・・2・・・1・・・
そして、爆発の時。

爆発し、崩れ落ちる塔から立ち込める煙の向こうからは、あの声が。
『キュアキュアプリプー♥』
煙が消え、晴れ渡る空の下でホホエミーナに守られるように
シフォンを囲む皆の姿がありました。
シフォンとして目覚めた事に、涙を浮かべて寄り添うプリキュア達。
そして、支配されていた様々な世界をホホエミーナの背に乗って巡ります。
各世界の住人達から凱旋を出迎えられ、その中には元の姿に戻ったスィーツ王国もありました。
『ようやったのぅ。タルト、アズキーナ。そしてプリキュアよ。ありがとう』
四ッ葉町へ向けて飛んでゆくホホエミーナに、労いの言葉を掛ける長老。

夕陽に照らされた、ダンスレッスンの公園に戻って来た一同を迎えたのはカオルちゃん。
『おかえり!ドーナツ食べる?グハ』
変わらないその姿に、帰ってきたことを改めて実感します。

『ただいま』
戻ってきた祈里の姿に、ペンを落とした尚子さん。駆け寄り、そして抱きつきます。
『お帰りなさい。心配したんだから』『しかし、無事でよかった。ハハハハハ』
相変わらず豪快な笑い声の正パパの声が響く中で、
涙を流して抱き合い、再開を喜ぶ母と娘。

美希と暫し見つめ合い、そして感極まったように抱きつくレミさん。
泣く母を、あやす娘は髪を撫で、お客さんをほったらかしにしていると指摘しますが、
涙が止まらない母と共に、涙を浮かべる娘。
『心配かけて、ごめんね、ママ』

食卓に4人分のお茶を用意して、娘達の帰りを待つ桃園夫妻。
熱いお茶に入れ直そうとしたときに、呼び鈴が鳴ります。
『お父さん!』『お母さん!』
玄関先で出迎えたあゆみさんに抱きつく2人の娘達。
『せっちゃん・・・ラブ・・・』『おかえり』
涙を浮かべた2人の娘は顔を上げ、帰ってきた挨拶を両親に告げました。
『ただいま・・・』

それから数日後、延期になっていたダンス大会の決勝戦が行われますが、
せつなからは別れを告げられていました。隼人さん、瞬と共にラビリンスへ帰る事を。
ラビリンスを笑顔でいっぱいにしたいという夢。それはせつなだけでなく、
元メビウス配下3人の夢でもありました。
国民一人一人が自分達の幸せを、未来を作る世界のために。
そう話し合っていたところに、渋る大輔を伴って裕樹と健人が登場。
無理矢理背を押してラブの前に連れ出し、例の返事・・・と口ごもる大輔。
空気を察した皆が次々と外していきます。
『ラブちゃん完璧(ブッキー)』『うまく行くって、私信じてる(美希)』
『しあわせゲットだよ(せつな)』『せいいっぱい頑張るよ(ラブ)』
それぞれの決め台詞を入れ替えてラブと大輔、2人の仲を後押しし、
『あまずっぺ~』
かつてこの台詞を発した隼人さんだけでなく、瞬も冷やかしながら退場しました。

『悪かったな。大事な決勝の前に』
『ううん、気にしないで・・・』
戦いや皆を引っ張るときとは違い、さすがのラブも乙女チックです。
最終決戦に臨む前の、あの時の返事は・・・
大輔を見つめ、目をそらし、再び見つめて目をそらす。
なかなか言葉が出ないラブを待つ大輔に、ようやく返された返事は
『言っわなーい!』
快活に決勝戦に向かうラブにそんな答えってあるかよ、と呆れたような大輔。
しかし、「仕方ねーな」という感じで、どこかほっとしたような顔を見せます。

そして始まる決勝戦。ダンスユニット・クローバーのダンスが始まりました。
舞台袖で口ずさむミユキさん。客席の隼人さんと瞬もノリノリ?で、舞台を見守る家族達。
そして結果は・・・見事優勝。
ミユキさんからトロフィを受け取ったラブが一言。
『これもメンバーの努力と、皆さんの応援のおかげです』

桃園家を前に記念撮影。桃園親子とタルト、シフォン、アズキーナ。
そして短い間ながら、本当の家族として過ごした東せつながフィルムに収まります。
写真をお土産に帰国の途につくタルトたち。
クローバータウンストリートを見下ろす丘の上で何かを呟き、
ドーナツを手にラビリンスへ帰る東せつな、西隼人、南瞬。
蒼乃美希はファッションショーのステージに立ち、
山吹祈里は獣医を目指すべく勉強に励みます。
そして登校前。鏡を前にネクタイを締めて微笑み、階段を駆け下りて両親に挨拶し、
扉を開けて学校に向かう桃園ラブ。
『みんなで幸せ、ゲットだよ!』
ここにフレッシュプリキュア!の幕が降りました。

まず、素晴らしい最終回だったと思います。
私が思う良い最終回とは、全てをきっちり説明して片付けて終わるものと、
受け手に色々と想像の余地を残すものと二通り考えられます。
フレッシュプリキュアの最終回は後者。
ラブと大輔の関係に決着をつけないのも、
ラブと大輔は相変わらず素直になれずに口げんかばっかりしてるんだろうな、等
各々がそれぞれのフレッシュプリキュアの世界のその後を想像できると思います。

せつなは最後に、何を呟いたのか。
「さようなら」かもしれませんし「またいつか」かもしれません。
「さようなら」と「またいつか」で受ける印象は変わりますが、
今生の別れとまではいかずとも、そう簡単に行き来出来ないのではないかと思われます。
それでも後ろ髪を引かれることなく、夢に向かって帰る事を決意したせつなと、
送り出すラブ、そして桃園夫妻の姿からは、
ずっと一緒にいるだけが幸せではなく、離れていても心は一つ。
互いの夢に向かう事が幸せだというメッセージが込められているように感じました。

答えが一つではないというラストに対し、メビウスの考えは
0か1かで判断するコンピュータそのもので、白か黒か、単純です。
しかし人間の心や行いというものはそれだけでは断じることはできません。
「自分が悪だと気付いていない もっともドス黒い悪だ」
私が心酔する「ジョジョの奇妙な冒険」からの引用を度々用いて恐縮ですが、
メビウスの信念は本人に悪気が無く、正しいと思っているだけにありがた迷惑です。
敵であろうと共に幸せを探そうとするピーチの姿勢が理解できず、
ピーチの呼びかけに応じることができないメビウスには、
機械の思考から脱する事ができなかった憐れみを感じました。
もっとも安易に説得に応じてしまってはデスパライア様の二番煎じになりますので、
プリキュアを道連れに自爆、という判断はありがちながらもこれでいいと思いました。

想像力をかきたてられるとはいえ、一部消化されない伏線が残るのは少々残念です。
スイーツ王国に飛来したというシフォンの素性はいったい何だったのか。
「ああ、そんなのあったね」と、またも荒木先生風に流してもいいのですが、
そういえばダンス大会決勝戦出場チームも1つ足りないような気が・・・(笑)

ラブの身長と血液型や美希、ブッキーの血液型が明らかになるのも
ファンとしては楽しめました。ラブの身長が159cmとは、意外と背が高いですね。
血液型と性格との関連を全く信じていない私ですが、
ラブのAB型、美希のA型、ブッキーのO型というのは
一般で言われているイメージに割と合っている気がします。
と言うことは残ったせつなはB型でしょうか?(俺と同じだー!)

最後に坂本龍一「Ballet Mecanique」の歌詞を引用して、締めくくりたいと思います
「ボクニハ ハジメト オワリガ アルンダ
 コオシテ ナガイ アイダ ソラヲ ミテル
 オンガク イツマデモ ツヅク オンガク
 オドッテ イル ボクヲ キミハ ミテイル」
物語には始まりと終わりがありますが、作品の中の時間はいつまでも続くことでしょう。
モデル活動を着実と進めている美希、獣医を目指して勉強に励むブッキー
そしていつもの日常の中で快活なラブ。
せつなは仲間と共にラビリンスを再建すべく奮闘していることでしょう。
そんな彼女達の生き生きとした姿を、いつまでも思い描いていける。
この一年間、実に楽しかったです。

そして、来週からの新シリーズでは、どんな出会いが待っているのでしょうか。
まだまだ続くプリキュアの世界、新たな世界を期待しつつ、筆を置きます。
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通りすがりの人

こんにちは
丁寧な文章、楽しく読ませてもらっています。
こちらは最終回見て胸がいっぱいになり過ぎ、その次に激泣きして今は心にぽっかりと穴が空いたような感じです。
この穴はハートキャッチさんが埋めてくれるのでしょう、きっと。
by 通りすがりの人 (2010-02-03 01:37) 

スティクス

こんばんは。コメントありがとうございます。
私も最終回1回目の視聴時には、なんともいえない寂しさが込み上げて
心に穴が開いたようでした。
特に、ラブとせつなの別れが予想外だったので・・・
でもそれを前向きに捉えたいという気持ちに解釈してみました。
お互いに穴をハートキャッチが埋めてくれる事を願いたいですね。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
by スティクス (2010-02-03 23:44) 

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