SSブログ

ハートキャッチ第12話『ドッキドキです!プロポーズ大作戦!!』 [ハートキャッチプリキュア]

恋。洋の東西を問わず、過去から現在まで、そして未来に至っても
このやっかいな代物は男と女を悩ませるものです。
互いを想う気持ちは誤っていないのに、自信を無くして二の足を踏む男女。
彼らは拙く見えますが、まだ中学生のつぼみとえりかから見れば
紛れもない大人の恋愛と映ります。が・・・
  
ある日来海家から花咲家へ、バーベキューの誘いが入ります。
流之介パパが発案し、きれいな場所と評判の希望が森でのバーベキューに、
みずきママもお言葉に甘えてご一緒させてもらうと返答します。
丁度そこに花咲家に男性客が来店し、来海家にも女性客が来店しました。
フラワーショップ花咲を訪れた男性客、ピーサード利岡君は
彼女へのプレゼントの花を買いに来る常連客なのですが、今日は何やら浮かない様子。
一方のフェアリードロップを訪れた女性客、リサさんもまた沈んだ顔ですが、
思い悩んだ挙句、無謀な注文を口にしました。
『世界一愛される服を下さい!』
『永遠に咲き続ける花を下さい!』
利岡君も時を同じくして無茶な注文を口にし、両店主が戸惑いの声を上げました。

プリザーブドフラワー。咲きたての状態が続くように加工する技術で、
陽一パパは永遠とまでは行かないと前置きした上で紹介します。
今まで取り扱っていなかったのですが、この機会にやってみる、と乗り気の陽一パパに
利岡君はその注文をした理由を口にします。
『俺、プリザーブドフラワーの花束で・・・』

リサさんも、元カリスマモデルであるさくらママなら何とかなるかもしれないと、
藁にもすがるような気持ちで、世界一愛される服をお願いしていました。
傍らで一部始終を見守っていた流之介パパは、人から愛されるという事は、
見た目だけの問題ではないのでは、と優しく口を挟みますが、
それはリサさんも理解しています。しかし、ある願望に取り付かれた彼女は切実でした。
『私、どうしても可愛くなって、彼の気持ちを取り戻したいんです!』

『彼女の気持ちを取り戻したいんです!』
時を同じくして、利岡君もまたプリザーブドフラワーを求める理由、
プロポーズに使うため、一大決心で来店したという事をを告げました。
それを聞いて俄然張り切るつぼみと陽一パパ。
みずきママも様々なデザイン案を提示し、利岡君オリジナルを作ると意欲を出しますが、
花咲一家の意気込みとは裏腹に、利岡君は沈んだままのように見えます。
陽一パパは自身の経験から、プロポーズ前で緊張しているのだと察しますが、
つぼみが事情を尋ねてみると、別の理由が返ってきました。
最近彼女がよそよそしくて、悩んでいる、と。

『なるほど、彼氏が最近よそよそしいと』
一方リサさんも全く同じ悩みを打ち明けていました。
気のせいではないかと言われても、仕事が忙しいとの理由で会ってくれなかったり、
たまに会うことがあっても何か隠し事をしているようだと勘繰っています。
そんなリサさんにさくらママは、かつて流之介パパが付き合っているにもかかわらず
自身を置いて一年間海外に行っていた事を持ち出し、
心配する程の事でも無いと慰めますが、人それぞれ事情は異なります。
リサさんは、いつかこんな日が来るのではないかと思いつめ、
彼の心は既に他の人に移ってしまったのではと勘繰り、泣き出してしまいました。

ところが利岡君も同じような事を考えていました。
婚約指環を買うためとはいえ、ほったらかしにしてしまった事を気に病んで、
愛想を尽かされても仕方が無いと思い悩んでいます。
そんな折、枯れない花の事を耳にして、婚約指環と一緒に
永遠の愛の象徴として贈ろうと思い立ったのでした。

リサさんもまた、彼の事を諦めきれず、彼の心を繋ぎ止める為の服を選ぼうと考えていました。
『ファッションはいつだって恋する乙女の味方だよ!』
さくらママに促され、意気揚々とリサのコーディネートを始めるえりか。
その心遣いに礼を言うリサさんですが、それでも・・・

彼女と会うのが怖い。
利岡君は、彼女の心が離れているのでは、と思うと怖くなり、踏ん切りがつきません。
弱腰になっている利岡君に、みずきママが助け舟を出します。
彼女はいつも花を贈られて喜んでいた筈。
それは花がきれいというだけではなく、利岡君からの贈りものだからではないか、と。
そんな利岡君を、つぼみは彼女と一緒にバーベキューへと誘いました。

えりかもまた、リサさんを彼氏と一緒にバーベキューを誘います。
青系の服をコーディネートしてもらい、ほんの少し勇気を出してみてはと言う流之介パパ、
うちの服で彼はイチコロよ、と言うさくらママに、リサさんも初めて笑顔を見せました。
そして隣の店、花咲フラワーショップを、少し元気になって後にする利岡君。

砂漠の国。相変わらず姿見を前にポーズを決めるコブラージャさんは
熱心に見入るあまり近寄りすぎて鏡に頭を打ち付けますが、
その事よりも、人間界で肌が潤ってしまう事を案じていました。
我々からすれば、乾燥肌よりも瑞々しい肌の方が美肌だと思いますが、
砂漠の国の美意識は少々異なるようで、乾燥が肌を美しくするらしく、
さらに湿気で髪型がハネてしまう事に苛立ちます。
が、サバーク博士から指名を受けると一転、真面目に聞き入るコブラージャさん。
潤いをもたらす物を砂にしてしまえば良い、との意見を聞いて、出撃して行きました。

バーベキュー当日、現れたカップルを見て驚く両家一同。
ここで初めて、利岡君とリサさんが恋人同士だったと沸き返りますが、
当の2人は互いを素直に見つめあうことも出来ません。
バーベキューの準備が進む中でも、目が合っても目を逸らす等よそよそしい雰囲気に
ただすれ違って誤解しているだけだと苛立って口出ししようとするえりかを留めるつぼみ。
『プロポーズですよ!大人のラブロマンスなんですよ!』
いや、あまり大人のラブロマンスには見えませんが・・・
『恋は常識や理性を失わせてしまう、曲者なんです』
・・・単につぼみの憧れる恋愛像を述べているようにも見えますが、
あくまでそっと見守るべきだと力説します。
とは言ったものの、誤解を解くきっかけが欲しいとやきもきするつぼみとえりかの前に、
流之介パパが吊り橋へ行こうと持ちかけに来ました。

「吊り橋効果」とは・・・
―揺れる吊り橋の上で、恐怖感から高まる胸の鼓動を、恋と錯覚してしまう事―
民明書房「揺れる心にタワーブリッジ」より

つぼみはシプレとコフレを操って、鼻息荒く人形劇のように解説して一言。
『そして二人はFall in Loveなのです!』
素で楽しい一面を見せるつぼみにシャッターを切り、流之介パパも面白いと評します。
そして面白そうにえりかも追随し、流之介パパは2人を呼びに行きました。

そんなこんなで訪れた吊り橋からは見事な絶景を臨めます。
ここでも肝心の2人は互いに背中合わせで反対側の景色を見ていますが、
なんとか服を褒め、きっかけを作ろうとする利岡君。
ですがそれ以上進展せずにやきもきするえりかは、
下に降りて川の写真を撮りに行くという流之介パパに、つぼみと共について行きました。
うまく2人きりにする事が出来、橋上の2人を下から見守ります。
相変わらず差しさわりの無い天気の話題など、ぎこちない関係が続きますが、
ふと風で釣り橋が揺れた時、自然にいい感じになりました。
下からカメラ越しに見上げるつぼみとえりかは、流之介パパを先に返して2人の進展に見入り、
リサさんもフェアリードロップの服に勇気を貰い、意を決して想いを告げようとした、
まさにその時、空気を読まずにコブラージャさんが橋上に現れます。
2人とも心の花が弱っている事に目を付け、特に弱っているリサさんの心の花を抽出。
川の水と合わせてデザトリアンを生み出すのを見て、変身する2人。

リサさんの心境を表すように、涙を流しながら襲い掛かるデザトリアンと
徒手空拳の肉弾戦を繰り広げます。
デザトリアンが放つ無数の水の弾丸を、前回のカンフー?で払いのけるブロッサム。
その隙にマリンは懐に飛び込み、その体に触れてマリンインパクトを炸裂させますが・・・
体に触れていた腕が抜けなくなり、そのままデザトリアンの体内へと取り込まれていきます。
その体内を満たす水で呼吸が出来ないマリンのため、珍しくシプレとコフレが活躍。
竹筒を差し込み、水遁の術のように咥える事でとりあえずマリンは大丈夫ですが
河原に駆けつけた利岡君の前で、デザトリアンは心情を吐露し始めました。

『私には自信が無い。だからユウトの愛は信じてるけど不安なの。怖くてしょうがないの』
リサさんの本当の気持ちを聞いて、自分と同じ事を感じていた事を察する利岡君は、
『恋だの愛だの、下らない感情に惑わされるな』
と言うコブラージャさんに反論します。俺達の気持ちは本物だ、と。
デザトリアンにプリザーブドフラワーと共に婚約指環を見せ、
チューリップの花言葉に込められた想いを、枯れない花に込められた想いを打ち明けます。
チューリップの花言葉は、永遠の愛。この枯れないチューリップに永遠の愛を誓う。
そして両手を広げて堂々と言い放ちました。
『リサ!結婚しよう!』
水晶の中に閉じ込められたリサさんは、その言葉を耳にして涙を流します。

そんな利岡君の姿に感動し、いつものように切れるのではなく
愛する2人に届けるためにピンクフォルテウェーブを放つブロッサム。
デザトリアンの体内にマリンがいるのにお構いなく、
慌てふためくマリンをよそに放たれたピンクフォルテウェーブですが、
そもそも殺傷力のある技ではなく、傷んだ心を癒す技。
デザトリアンと一緒にマリンもホワワワワン♥となり、
開放されたマリンは、とろけるようにうっとりと和んでいました。
『愛ってくせになるかも・・・』
そしてコブラージャさんは苦々しげに撤退していきます。

利岡君自らの手で元に戻ったリサさんは、先ほどの言葉を再び訊ねます。
『さっきの言葉夢じゃないよね?』
『ああ、夢じゃない』
リサさんをお姫様抱っこして、頷く利岡君は、続けて打ち明けます。
『結婚しよう』
『人を好きになるのって大変ですけど、素敵ですね』
感涙に咽ぶリサさんを見守りつつ、つぼみとえりかは想いを馳せます。
『やっぱ人間愛だよ愛』『本当、そうですね』
利岡君に抱きかかえられているリサさんの薬指には、婚約指環が輝いていました。

「昔 私は思つてゐたものだつた 恋愛詩なぞ愚劣なものだと」

プリキュアシリーズで大人の恋物語が描かれるのは珍しく、
よし美先生の結婚式等でも、当事者たちの心境に立ち入ったものではありませんでした。
その意味で特異な一編とも言えますが、
互いのすれ違いが高じて寂しさを募らせ、気持ちを確かめられずにやきもき。
そして想いに疑いが無いとわかった時、本心からの告白。
微笑ましいとは思いますが、この定番のような形式は個人的に少々苦手です。

互いの気持ちを畏れて前に進めない2人は、当事者以外から見れば滑稽な事は
つぼみやえりかにも後押しされている事からも伺えます。
また花咲夫妻や来海夫妻といった、既にプロポーズ→結婚という経験を経た先輩からの意見も
まともに聞くことが出来ないのは、自分に自信が無いだけでなく、
裏返せば相手を信頼できていないという事ではないでしょうか。
途中までのぎこちない2人が無理にプロポーズをしたとしても、最悪破綻したかもしれません。
そう考えると、吊り橋効果やコブラージャさんの襲撃は効果があったと思われます。
けれど私はこのような、危険に晒された2人の間に燃え上がる恋愛感情、
と言う展開も、個人的に少々苦手です。だから独身なのかもしれませんが・・・(苦笑)

そんな理由から、あまり良い評価を下せず申し訳ないのですが、
前回のカンフーが無駄ではなかったと感じる?描写や、
体内に取り込まれたマリンもろともピンクフォルテウェーブを躊躇せず放つブロッサム、
前作のヒーリングフレアーを受けたタルトのような感想を漏らすマリン等、
アクション描写はなかなか楽しめました。

しかし素直にこういう展開を受け入れられない自分に少々焦りを感じたのも事実です。
拙い恋愛、などと言いつつも、自分なら何が出来る?と自問自答してしまい
少々複雑な気持ちを抱かされてしまいました。

「昔 私は思つてゐたものだつた 恋愛詩なぞ愚劣なものだと
 けれどもいまでは恋愛を ゆめみるほかに能がない」
                            中原中也「焦燥」より
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。