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スプラッシュスター第32話『難しすぎ!ミズ・シタターレの宿題』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

”Never give up.”
篠原先生がソフト部員達に、健気に咲こうとするコスモスにかける言葉は
プリキュアシリーズの主人公達が、特にSSの2人が顕著に口にする
「絶対に諦めない!」です。
もう後が無くなったシタターレ姐さんはその篠原先生を利用して、
表題どおり咲と舞に難問をふっかけますが・・・
先生の安否が気遣われる緊迫した描写、そしてダイナミックなアクションが光る、
シタターレ姐さんの最期の戦いを彩るに相応しい一編です。
  
秋のリーグ戦も迫り、凪中ソフト部の練習の朝練も力が入ります。
篠原先生の厳しい指導の下、守備練習に汗を流す、咲をはじめとする部員達。
『Never give up!』
先生を中心に皆が一致団結し、部員達がランニングへと向かった後、
通りがかった舞は篠原先生がグラウンドの片隅に蕾をつけたコスモスに
水をあげているところを目にしました。
『Never give up...』
そう呟きながら水をあげる篠原先生は、先ほどまでの厳しい様子と打って変わって
慈母のような優しさを感じさせます。

一方こちらは後が無くなったシタターレ姐さん。
アクダイカーンに呼び出され、その無言の威圧感に脂汗を流しています。
跪く姐さんに、アクダイカーンからは太陽の泉の在り処を突き止めるまで、
目通りを許さないとの最後通告が告げられました。
いつもの高笑いも無く、姐さんはプリキュアを倒すと決意を固め、出撃していきます。

咲、優子、仁美のソフト部三人娘はハードな朝練のためかHR前に熟睡していますが、
篠原先生が教室に入って号令を掛けると即、目を覚ますあたり先生の指導の賜物です。
が、夕べ宿題で徹夜したのかと軽口を叩く先生の言葉で、
宿題をすっかり忘れていた事に気付く咲。
弁明も空しく、放課後までに提出するよう先生に念を押されました。
そのHRを見下ろすシタターレ姐さん。今回はお茶らけた様子はまるで感じられません。

昼休み返上で、舞に手伝ってもらいながら宿題を進める咲の下にやってきた篠原先生は
ソフトも勉強も同じだと、ネバーギブアップで頑張るよう励まします。
辛くても、挫けそうになっても諦めずに頑張ればいつか花開く。
篠原先生の大好きな言葉であるネバーギブアップ。
花開く、という表現に冒頭のコスモスの事を指摘する舞に、
先生は少々照れながらコスモスを育てていた経緯を語りました。
夏の暑い最中、懸命に耐えるコスモスの姿を部員達と重ね合わせ、
あの花が咲けばチームの皆の夢も叶うと信じて育て来た篠原先生。
おかげで花は今日にも咲きそうです。
花が咲いたら一緒に見ようと言う咲の申し出に、
先生も宿題を終わらせたらコスモスのところに集合、と約束します。
笑顔で教室を出た先生ですが、その背後からシタターレ姐さんが忍び寄り、
そして篠原先生と瓜二つの姿に変身して・・・

宿題を進めている咲と舞の元に、先生が急用で呼んでいると仁美が知らせに来て
篠原先生が待っているベランダへ向かう2人。
急用とは何なのか問う2人に振り向いた先生は、シタターレ姐さんの声で、
そしてシタターレ姐さんの正体を現して、太陽の泉の在り処を問い詰めます。
本物の先生をどうしたのか。その問いに対する答えをはぐらかし、
咲と舞が変身しようとする素振りを見せると、指を弾く姐さん。
学校が、その周辺が一瞬のうちに廃墟と化しました。
突然の出来事に呆然とする咲と舞。
シタターレ姐さんが再び指を弾くと、何事も無かったかのように元に戻る世界。
逆らったらどうなるか、という姐さんの脅迫に、
太陽の泉の在り処など知らないという2人ですが、今回の姐さんは引き下がりません。
知らないのなら見つけてくる様、篠原先生や凪中のみんなを人質に取って要求します。
『出来なければ・・・あなた達の大切な人たち。この世界が砂に埋もれることになるわよ?』
タイムリミットは4時。
そしてチャイムが鳴り、シタターレ姐さんは再び篠原先生の姿になって、
不敵に言い放ちます。次は英語。ワタクシの授業だと・・・

A beautiful woman asked her gently.
"How can I get to the fountain of the sun?"
She answered
"I don't know where it is. Even if I knew I would never tell you, never..."

シタターレ姐さん扮する篠原先生の流暢な英語が流れる授業中も、
咲と舞は気が気ではありません。
『日向!ボーっとしてるんじゃない!』
突如、咲を名指しする篠原シタターレ姐さん。
宿題は終わったのかと言う問いかけに口ごもる咲に、追い打ちを掛けるように言い放ちます。
『4時までに提出よ・・・』
迫り来る時間を表すかのように、教室に時計の針の音が響き渡ります。

時計は既に3時半を指し、残り時間はあと30分。
そもそもフラッピやチョッピ、ムープとフープにも太陽の泉はわからず、
かといって知っているとしても教えるわけには行かず、先生も心配。
屋上で悩む咲と舞のもとに、ソフト部の練習が始まることを告げに優子と仁美がやってきました。
2人の元気が無いのを心配した優子と仁美もまた、ネバーギブアップと元気付けて立去ります。
咲と舞の眼下には、放課後の楽しげな学校の風景が広がっていますが、
2人の答えは出ません。私達はいったいどうすれば・・・

篠原シタターレ先生の前に整列したソフト部員達。
これから校外ランニングなのですが、咲は1対1で特訓して欲しいと申し出て、
その意図に気付いたのか篠原シタターレ先生も了承して
他の部員達をランニングへと出しました。
『太陽の泉を見つけるという宿題は出来た?』
そう言いながら放たれる篠原シタターレ先生のノックを受け損ねる咲に、
ワタクシがあなた達の先生になってあげてもいい、と嘯く姐さん。
次いで放たれる打球はグラブを掠めて後方へと転がり、
生徒は生徒らしく従っていれば命だけは助けると、
それとも変身して勝負するかと問う姐さんは、3たびノックの打球を放ちます。
ボールは咲の真正面に飛び、受け止めた衝撃で転倒するも、
ボールはしっかりと咲のグラブに収まりました。

時間だ、答えを聞こう時計が4時を指し、答えを訊ねる姐さんに対して、
大地の力と大空の力で滅びの力を破る、と咲と舞の心は決まりました。
先生の姿をやめるシタターレ姐さんに、変身して立ち向かう2人。
今回はブルームとイーグレットへと姿を変えます。

地を割って水が噴出し、その水は巨大な龍となってウザイナーになり、廃墟と化す学校。
ウザイナーに攻撃を仕掛けようとする2人を、姐さんは軽々とあしらいます。
ブルームのパンチを、イーグレットのキックを掴み、
絶望と言う言葉の意味を教えてあげると上空に投げ上げ、
ブルームとイーグレットの後を追ってウザイナーが大きな体で体当たり。
廃墟どころか砂漠へと化す世界に力なく墜落するブルーム、イーグレット。
そのまま2人は砂漠に倒れ伏し、挫けそうになりますが、
砂漠にコスモスが枯れずに、しかし今にもしおれそうに残っている事に気が着きました。
あんなに小さな命が一生懸命に生きようとしている。
この砂漠の中ででも花を咲かせようとしている。
2人は先生との約束を思い出し、フラッピたちと共に立ち上がりました。
絶対に、望みは叶う。強い心を秘めて。

ムープの月の力とフープの風の力を得た2人は、いつも異常の気迫で圧倒します。
突進してくるウザイナーを捕まえて叩き伏せるイーグレット。
姐さんに反撃し、姐さんを捕まえて激しく叩きのめすブルーム。
たたきつけた姐さんに対して、あんたの理屈なんてどうだっていいと言い放ち、
先生と一緒にコスモスの花を見ると叫んでスパイラルハートスプラッシュを放ちます。
シタターレ姐さんは猛烈な水流で迎え撃ち、一度は姐さんの水流が優勢となりますが・・・
『私達はどんな時も絶対に諦めない。ネバーギブアップ!!』
ブルームとイーグレットが篠原先生に教えられたことを叫ぶと、
スパイラルハートスプラッシュは勢いを増し、水の奔流をかき消して
そのままウザイナーもろともシタターレ姐さんを直撃しました。
『宿題忘れた子は、いつか・・・おしおきよぉおおお・・・ッ!』

『ミズ・シタターレは、元の姿に戻ったんだね・・・』
『うん・・・』
シタターレ姐さんが倒されると同時に降り注ぐ雨。
まるで名残を惜しむ姐さんの涙のような雨に打たれて、
どこか寂しそうに呟くブルームとイーグレットでしたが、
篠原先生の事を思い出して我に返りました。
2人で校内を探し回りますが、先生はどこにも見当たりません。
しかし咲は、本物の篠原先生と交わした約束を思い出して、あの場所だとあたりをつけます。

向かった先は、あのコスモスのある場所。
傍らには篠原先生が咲が来るのを待っていました。
感極まって先生に抱きつき、涙を浮かべる咲に戸惑いつつも、先生は優しく受け入れます。
丁度晴れ間が覗いて、ついにコスモスの花が花開いたところで、
宿題の事を咲に尋ねる先生。
いつの間に終わらせたのか、自信たっぷりで先生に宿題を見せる咲。
ですが・・・やり終えたものの間違いだらけ。
思わず見守っていた舞が頭を抱え、練習が終わったら英語の居残り特訓ということになり
肩を落とす咲ですが、綺麗な花を咲かせたコスモスに目線を向け
先生と共に凪中ネバーギブアップと誓って幕となりました。
凪中ソフト部を見守るようにコスモスの花が風に揺れ、
そして空には雨上がりの虹がかかっていました。


短髪でサバサバしており、頼りになる姉御肌といった感の篠原先生ですが、
今回見せる仕草や態度、表情は非常に女性的です。
コスモスへむける優しい表情、ソフト部を見守る厳しくも温かみのある印象により、
「厳しい」と「怖い」は異なるというのが、今回の篠原先生を見て感じた点です。
本物の先生によるソフトの練習や授業は確かに「厳しい」のですが、
その時の先生の表情と、シタターレ姐さんが化けた先生の表情はまるで異なります。
厳しい中にも生徒達への愛を感じさせる先生と裏腹に、
シタターレ姐さんの先生は、フレッシュプリキュア最終盤で現れた、
メビウスが化けたラブ、美希、ブッキー、せつなとイース様を思わせる悪人面でした。

そんな先生に化けたシタターレ姐さんは、今回ひとまず最期を迎えます。
鬼気迫る中にも愛嬌を感じさせるのは、演じる松井さんのアドリブらしき台詞の数々で、
冒頭アクダイカーンの前に跪く際の「暑い・・・」、
太陽の泉の場所を答えようとしないフラッピとチョッピに「黙れチョピ!」、
咲にノックを仕掛けたときの「わかりました先生♪(1オクターブ上で)」
といったノリは楽しく、だからこその姐さんの退場を惜しむ気持ちもこみ上げてきます。
極めつけは英語の授業のシーンで、姐さんが呼んでいる英文を訳すと
「美しい女性は彼女にそっと尋ねた『太陽の泉はどうすれば手に入るのかしら?』
 彼女は答えた『知らないわよ!知ってたって、あんたには教えない!絶対に』」
となり(意訳)、自分で美しい女性とさりげなく言っている事、
そして泉を巡るやりとりが語られており、細部の細かさも楽しめました。
もう一点、今回は咲が姐さんの名前を呼び間違えなかった事と、
その事を少し嬉しそうに受け止めている様も印象的でした。

ところで、本来幼児向け故にストレートに描かれていませんが、
篠原先生はこの世界から本当に姿を消していたと思われます。
姐さんに先生の安否を訊ねて、姐さんにそっけなく返された時の咲と舞の表情からは、
最悪の事態を想定しているようにも見えます。
あのまま咲と舞が敗れたら、先生は永遠に戻ってこないと感じているからこそ、
シタターレ姐さんをも上回る背水の陣で臨み、切り抜けられたのだと思いました。
枯れた世界で懸命に生きる花に勇気を貰うという展開はMH中盤戦でも描かれましたが、
それだけでなく大切な人を守りたい、大切な人に会いたいという想いがあるからこそ、
今回の展開の説得力が非常に強く感じられます。

惜しまれつつ退場したシタターレ姐さんに続き、次回からはまたしても濃い幹部が登場します。
歴代の敵キャラ髄一の武人、キントレスキー。
最近暑い日が続くので少々暑苦しい彼ですが、
SS後半戦を彩る名敵役の活躍を久々に楽しみたいと思います。
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