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ハートキャッチ第28話『サバーク史上最大の作戦!夏休みの宿題おわりません!!』 [ハートキャッチプリキュア]

私も子供の頃、せっかくの夏休みになぜ宿題があるのか疑問を抱いていました。
夏休みと宿題。切っても切れない関係はこの時期の題材になりやすく、
5GoGoとフレッシュ以外のシリーズに取り上げられていますが、
宿題の意義、宿題をする事の必要性を説く事と、
ほぼ全編に渡って反面教師となるえりかの描かれ方が目を惹きます。
ともすればだらけた休日を過ごしがちな我々社会人に対しても注意を促すような一編です。
 
とあるマンションの屋上でスナッキーたちを従え、優雅にくつろぐコブラージャさん。
階下の一室では母親に宿題やお手伝いをするよう注意されても馬耳東風、
友達と3人でゲームに興じる子供がいます。
業を煮やした母親はコントローラーを取り上げて冗談半分に
宿題しない子はデザトリアンになっちゃうと叱りますが・・・
数刻後、屋上のコブラージャさんは3体のデザトリアンを従えてご満悦です。
焼けるような暑さと夏休みの終わりに、必ず子供達が心の花を弱らせると睨み、
最強最高の作戦を自画自賛するコブラージャさん。
そして先ほどまで子供達が遊んでいた部屋には、転がる3つの球。
モニターは「GAME OVER」の文字を映したまま止まっています。

つぼみといつきに起こされて、寝ぐせのまま眠い目をこするえりか。
連日夜更かしして昼過ぎまで寝ているだけでなく、
食事にアイスクリームという緩みきった生活ぶりに、
夏バテすると忠告するつぼみといつきですが、えりかは夏休みなのだからと我関せずです。
見かねたもも姉も釘を刺し、これからゆりと宿題をしに行くところですが、
えりかはまだ手をつけておらず、さらに夏休みはまだあると危機感の欠片も感じさせません。
既に夏休みは半分以上過ぎていることを指摘されると
ようやくえりかはカレンダーを手に慌てた素振りをみせますが・・・
つぼみは読書感想文を残すだけ、いつきは全て終えているという現実に、
えりかの心の中で天使の戒めと悪魔の囁きがせめぎ合いますが、なんという事でしょう。
ハーティエルのような天使は敗れ、勝ったのは悪魔です。
この状況下でさらに宿題を先延ばしにて、
最終日に一気に片付けるというえりかに、皆はすっかり呆れています。

公園で遊ぶ子供達を横目に見ながら図書館に向けて外出する3人。
えりかはなぜ図書館行きなのかと不満そうですが、
読書感想文のための本を探しに行くというつぼみに渋々従います。
ところで普段からプライベートでもファッションや身嗜みに人一倍気を使っているはずのえりかが
今日はやけにラフな服装かつ、寝ぐせもそのままです。
指摘したつぼみといつきに対して、再び夏休みだからいいじゃない、と
まるで夏休みを免罪符のように使うえりかにまたしても呆れる2人。

図書館でもつぼみが手に取った本の分厚さに驚き、
その本を一晩で読んだことがあるといういつきにも驚き、
その度に大声を上げてしまい、周りの人たちに白い目で見られるえりか。
館内の至るところに目に付く「宿題」の文字を見て見ぬふりをして、
内心焦っているのではないかとコフレに図星を突かれて再び大声を上げてしまい・・・
館内中の白い蔑視の目玉攻撃を受けるえりかは、図書館と言う場所が似合いません。

図書館を出て、再び先ほどの公園脇を通りながら帰る3人。
『大体夏は暑くて勉強にならないから学校が休みなんでしょ?なのに何で宿題があるの?』
ある意味本質を突いているかのような疑問は、流石のいつきも答えられません。
そして、小学生達も遊んでいると言おうとして公園を見下ろすと、そこには誰もいません。
先ほどまで遊んでいる子供達で賑わっていたのに・・・
不気味に静まり返る公園。遊具の傍らに主を失くしたサッカーボールが転がり、
照りつける夏の日差しが明るいだけに、一層不気味さを際立てています。
果たして、デザトリアンが上空から襲い掛かってきました。
えりかに促されて変身する3人。
ところが今回のデザトリアンはまるで手ごたえがなく、ブロッサムの蹴りの一撃でKOされてしまい
出番が無かったと(先週もずっと寝ていましたが)拍子抜けするマリン。
しかしサンシャインは様子がおかしい事を感じ取ります。
突如として現れるデザトリアンの大群。3人はいつの間にか包囲されていました。

『何デ夏休ミニ宿題ナンテアルンダ!?』
『宿題ナンテ、嫌イダー!』『宿題反対!』
一斉にシュプレヒコールを上げるデザトリアンの様子から、
ブロッサムは夏休みの宿題をやっていない子供達がデザトリアンになったと察します。
そして現れたコブラージャさんがデザトリアンたちをけしかけ、
ブロッサムとサンシャインは敵の輪の中に飛び込んで、
見事なコンビネーションでデザトリアンたちを蹴散らしていきます。
が、マリンは逃げ回るのがやっとの状態で、しかも息が切れ始めていました。
ブロッサムの援護で窮地は脱したものの、目の前に別のデザトリアンが立ちはだかり、
ラッシュを叩き込むマリンですが、途中で息が上がってしまい、
再び迎える窮地はサンシャインが助け出します。
しかしマリンへの追い打ちは止まらず、次いで迫る小さなデザトリアンを軽く見ていたマリンに
次々とデザトリアンたちが押し迫り、なんとかマリンダイナマイトで吹き飛ばすものの
いつもの力がでません。案の定、乱れた食生活による夏バテの影響です。

コブラージャさんは、宿題が嫌なら学校を無くせばいいとデザトリアンたちを巧みに誘導し、
デザトリアンたちは学校を壊そう!とシュプレヒコールを上げて小学校へと向かいました。
その際、言うに事欠いて中学校も(壊して欲しい)と、
プリキュアにあるまじき台詞を口にするマリンを他所に、
ブロッサムとサンシャインは小学校へと向かいます。
デザトリアン達は学校を壊せというシュプレヒコールを叫びながら小学校へ向けてデモ行進。
そして小学校へ辿り着き、壊そうとするデザトリアンはブロッサムとサンシャインが防ぎます。

『分かったような事言わないでよ!宿題で悩む気持ちなんてわからないくせに!』
『わからないね・・・嫌ならやらなければいいじゃないか』
マリンはコブラージャさんに意見したものの、逆にやり返されてまた流されそうになります。
コブラージャさんの思惑は、怠け心を煽って大きくし、学校を壊して学ぶ意欲を取り上げ、
子供達のやる気や、未来への希望を失わせて心の花を枯らし、
そして心の大樹も枯らし、世界中を砂漠化へと繋げる壮大なプロジェクト(?)でした。
コブラージャさんに対し、ブロッサムはなぜ宿題をしなければならないのかを反論します。
勉強する習慣を忘れないため、勉強の楽しさを思い出させるために宿題があるという言葉に
デザトリアンたちも感化され始めますが、この期に及んでマリンは相変わらずです。
勉強は楽しい?と疑問を抱き、コフレに苦言を呈されますが
その背後にデザトリアンが迫り危機一髪。
窮地はサンシャインがデザトリアンを倒して脱しますが、サンシャインもマリンに説きます。
『苦手なことから目を逸らして、言い訳をして、全力を出し切れない。マリンはそれでいいの?』
それでもまだ渋々といった感じのマリンですが、
デザトリアンたちが合体した巨大デザトリアンによってブロッサムとサンシャインが攻撃を受け、
まともに動けるのはマリンだけ、という状況に追い込まれます。
なかなか動かない萎えた心を奮い立たせるため、マリンも必死です。
『気合入れろ私ーーー!』
そんなマリンに対し、コフレはやる気が沸くような心の種、マゼンタの光の力を提供しました。

ピンク色の淡い光を帯び、まるでブロッサムとマリンを足して割ったような姿になるマリンは、
やる気を取り戻してデザトリアンを圧倒。
そしてエメリウム光線のようなポーズを取り、新たな技を出すかと思いきや・・・
披露したのは「おでこパンチ」という名の頭突きという、
ブロッサムのような姿に影響されているような技を繰り出します。
『みんなの気持ちは良く分かる。けど、学校壊しちゃだめだよ!』
学校なんて行くだけ無駄たとこき下ろすコブラージャさんに、マリンの心も我慢の限界を超え
ブルーフォルテウェーブを放ちます。
しかし大きなデザトリアンに対して力不足で、
追い打ちはブロッサムがピンクフォルテウェーブを、
そして締めは生徒会長がゴールドフォルテバーストで決めました。
『夏休みの宿題があるかぎりチャンスはある』
デザトリアンが倒されて苦々しげなコブラージャさんは、
テレビの前のお友達に向かってアピールしながら撤退していきました。
『まだ宿題をやっていない子供達よ!今度はお前達のところへ行くぞ!』

目を覚ました際、学校にいる事を不思議がる子供達に、
暑さでボーッとしていたのではと強引に誤魔化すつぼみ。
しかしデザトリアン状態から元に戻ったものの、子供達はため息をつき、元気がありません。
そこに現れる先生に、子供達は何故夏休みなのに先生が学校にいるのか不思議に思いますが、
先生はいつみんなが来てもいいように出勤していると答えました。
その様子を見ていたつぼみは機転を利かせ、
先生と一緒に子供達が宿題を出来るよう取り計らいます。
教室へと向かう先生と子供達を見送って、えりかにも宿題を片付けるよう釘を刺すと
渋々ながらやっとえりかもやる気になりました。
そして大勢の子供達を助けたことで、大量の心の種を生むコフレ。
心の大樹は随分と元気になったようです。

つぼみといつきに手伝ってもらいながら宿題を始めたえりかは、
自力で答えを導く喜びを知りました。
千里の道も一歩から。そうつぼみが見守る前で、
この調子で全部終わらせると、俄然張り切るえりか。
いつきも優しく見守る中、宿題は一歩ずつ、確実に片付けられていきそうです。


なぎさ、のぞみといった、宿題や勉強が苦手そうな面子でも
今回のえりかほど夏休みの宿題に対して無気力ではありませんでした。
ともすれば子供向け番組の主人公にあるまじき態度や発言を繰り返す今回のえりかは
ブルーフォルテウェーブを放つ辺りまで、徹底的に反面教師のように描かれていました。
ブロッサムの言葉や、サンシャインの説得も耳に入らない程
えりかは物分りの悪い子でしょうか?
第一話の自己中心気味だった頃と比べて、えりかの成長もここまで見てきただけに
必ずしも完全無欠のヒロインではないのがプリキュアシリーズ特徴とはいえ、
あまりにもぐうたらな描かれ方はえりかが気の毒に感じられてしまいました。

とはいえ、反面教師という意味では効果的な一編だと思います。
言う事聞かないとデザトリアンになる、といった直後に本当にデザトリアンにされる子供達、
最後にテレビの前の子供達にメッセージを残しながら退散するコブラージャさん。
プリキュアであってもだらけた生活をしていると夏バテで力が入らないといった展開も
こうならないように子供達を戒め、ひいては大人に対しても乱れた生活を警告する内容です。
どちらかといえば朝形の私は朝食は毎日採っていますが、
夕食にポテトチップス一袋とビール3本といった乱れた食生活を送った日があったため、
しっかりとした生活を心がけようと気を引き締めたいと思います。

そして、夏休みの宿題は何のためにあるのかという子供達の疑問に
一つの答えを提示した点も評価したいです。
宿題自体は出されたものであっても、自分でやり進めて行かなくては決して減りません。
これは自ら勉強するという意欲を養うものだと思いますし、
メリハリのある生活を送るための訓練でもあると思います。
実際子供だった時はそんな事を考える余裕などありませんでしたが、
今振り返ってみるとそう感じました。

ところで冒頭の場面と無人の公園の場面に奇妙な恐怖を覚えたのは考えすぎでしょうか。
言う事を聞かずにゲームをしていた子供達を注意した母親は、
子供達がデザトリアンにされた後、どこに行ったのでしょう?
公園の場面でも、図書館へ向かう時には子供達に混じって
一緒に遊んでいた親らしき姿もありましたが、戻ってきた際には子供達もろとも
親達も姿を消していました。作品の内容故、決してストレートには描かれませんが
宿題をやれ、と口うるさい親に子供達が手を上げたとしたら・・・
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ぷりぷりキュア

28話のブロッサムの宿題についての名台詞が思い出せずにいまして,検索して出てきました。とても助かりました。
by ぷりぷりキュア (2010-09-03 15:42) 

スティクス

>ぷりぷりキュアさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
お探しだったブロッサムの宿題に対する考え方は、
中学生とは思えない程立派でしたね。
宿題をさまざまな問題と読み替えれば、私のような社会人に対しても
問題から逃げずに向き合うという教訓を与えてくれた、
含蓄のある台詞でした。
プリキュアシリーズは色々と考えさせてくれる名台詞も多いですね。
これからも宜しくお願い致します。
by スティクス (2010-09-03 22:42) 

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