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スプラッシュスター第38話『アイドル誕生 日向咲!ってマジ!?』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

プリキュアの片方が離れて暮らす(かもしれない)事になるエピソードは
前作MHでなぎさの転校ほのかの渡欧と2回描かれました。
また、プリキュアの使命と自らの夢との板挟みに葛藤する話としては
うらら(5GoGo)、美希(フレッシュ)のエピソードがあり、
ある意味シリーズの伝統とも言うべきものになっています。
今回はその両方の性格を併せ持ち、咲と舞の関係や相変わらずのキントレスキー、
そして想像上とはいえ可愛すぎる咲のステージ姿も楽しめる一編です。
 
仁美と優子に手を引かれて走りながら下校する咲と舞。
仁美たちが急いでいるのは、浜辺でロケが行われており
アイドルの春日野うらら山口真理(C.V.伊瀬さん)と女優の清水亜紀を
生で拝みたいがためでした。やって来た海岸は既にギャラリーが埋め尽くし、
健太(と不本意ながら宮迫)も芸能事務所の社長にスカウトされようと訪れています。
本番が始まり、真理と亜紀の演技に見入っていた咲は、
"自らの夢を追うために町を出る真理と、その夢を応援し見送る亜紀"という展開に
思わず浮かんだ涙を拭おうとした折、カバンを落として音を立て、スタッフ達に注意されます。
その際中から転げ落ちたムープとフープをぬいぐるみとして誤魔化して笑う咲に
目を留めた芸能事務所の木崎社長は、何かを直感したように呟きました。
『可愛い・・・!』
ロケが終わり、お目当ての木崎社長を探す健太の前に木崎社長の方から現れました。
今度事務所に着て欲しいとの言葉に飛び上がって喜ぶ健太ですが、
その声が掛けられたのは健太の後ろにいた咲で、みんなが驚きの声を上げます。

帰宅した咲を待ちかねたかのように飛びついてきたみのり、
そして日向夫妻の耳にも既にお店のお客さんを通して
咲がスカウトされたという話が伝わっていました。
姉が芸能人になる事を単純に喜んでいたみのりに対し、
日向夫妻は現実問題としてこの町を離れて暮らすかもしれない事も視野に入れ、
咲がTVに出るのは嬉しいけれど、咲と離れて暮らすのは嫌だとみのりも事の重さを認識します。

ムープとフープも同様に、彼らが大好きなTVで咲の姿を見るのを楽しみにしていますが、
脳天気なムープ達にフラッピは苦々しく釘を刺します。
このままでは舞と離れることになり、プリキュアになる事も出来なくなると。
みのり同様に認識を改めて動揺するムープとフープ。
同じ頃、舞もまた自室でフラッピと語り合っていました。
咲が本気で芸能界を目指すのなら、送り出してあげるべきなのか、それとも・・・
先ほどロケで見た物語と同じ境遇が、咲と舞にも降りかかっています。

翌朝、舞は咲とその事について話そうとした矢先、
咲は登校時から生徒達に取囲まれてサイン攻めに遭ってしまい機会を失してしまいました。
教室でも咲の周りからは人が絶えることが無く、
咲の迷っているという言葉を「女優か歌手か迷っている」と
勝手に解釈した仁美と優子の想像が膨らんでいきました。

アイドルなら・・・80年代風アイドルのようなヒラヒラの服でステージに立ち
『みんなー!今日は私のために集まってくれて、ありがとー!』
妙に懐かしさを感じる台詞で客席に笑顔を振りまく咲は、
履き慣れないヒールの靴を折ってステージ上で転倒。
女優なら・・・ニュースキャスターの役としてカッチリしたスーツとメガネで決め、
ニュースを読む咲ですが、いかんせん「後悔先に立たず」を「あとうめ」と読んだ事もある咲の事、
つっかえつっかえ四苦八苦しながらようやくニュースを読み終えて呆れるスタッフ。
どちらも咲の特徴を掴んだ楽しい空想です。
しかし、そういう意味で迷っている訳ではないと言いたい咲は
なかなか本当の事を切り出す事ができません。
チャイムが鳴って入ってきた篠原先生までもが、クイズ番組で恥をかかないよう
もっと勉強するよう促す始末。咲が知らぬ間に、話はどんどん大きくなっていきます。

その話はついにキントレスキーの耳にも入る事になりました。
パンパカパンを訪れ、威嚇して迎えるコロネに一瞥を加えたキントレスキーは
すっかり常連客となっており、大量のチョココロネを買い占めていつもより来客が多い事を
大介パパに尋ね、咲がスカウトされた事を知ります。
最もキントレスキーとしては芸能界デビューよりも、「この町を離れる」事を
自身との勝負から逃げる事と判断し、咲を追いかけるべく店を後にして走り去っていきました。
せっかく買ったチョココロネを置き去りにして(笑)

放課後、ソフト部の練習でもギャラリーが絶えず、舞は結局咲と話せずじまいです。
しかし舞は、咲の気持ちが決まっていたら引き止めてはいけないのではないかと思い悩み
友達だからこそ咲を笑顔で送り出すべきなのではと考えていました。
そして練習が終わるのを待っていた舞の元に走ってくる咲。
その後ろからは大勢の生徒達が追っかけてきて、
咲に手を引かれるまま舞も一緒に走って夕凪中前の坂を下って行きます。
途中で何かを思いついた舞は逆に咲の手を取って別の方向へ走りました。
丁度駅に止まっていた電車に駆け込み、生徒達をやり過ごしてほっと一息。
他に乗客のいない電車も2人を乗せて動き始めます。

ようやく2人きりになり、舞は咲に本心を尋ねると、
答えはもう出ている、という咲の答えが返ってきました。
ところがその先を聞こうとした矢先、電車が不自然な動きを始めます。
運転席には誰もおらず、良く見ると電車を動かしているのは後ろから押すキントレスキーでした。
『行かせはせん!行かせはせんぞぉおお!』
ドズル・ザビの如く叫ぶキントレスキーによって押された電車が辿り着く先は車庫。
この電車で遠くに逃げようとしていた、と妙な誤解をしているキントレスキーに対して
せいぜい町外れにしか行けないという突っ込みを返すものの、話がかみ合わないまま
レールと電車が合わさったウザイナーを生み出すキントレスキーに対し、
今回はブルームとイーグレットに変身する2人。

元が重い電車だからか、ウザイナーの攻撃は一撃が重く、
精霊の光のガードの上からでも2人を押し飛ばす勢いがあります。
攻撃を畳み掛けるウザイナーにキントレスキーはもっと脇を閉めて攻めるよう指示。
反撃に回り、力任せに攻撃を叩き込むブルームと、巧みな投げ技で応酬するイーグレット。
ブルームは続けてキントレスキーを攻撃しますが
『遅いッ』
とシャアのように切り捨てられ、まだキントレスキーと対等に戦うまで至りません。
「プリキュアを鍛える」というキントレスキーの指示にブルームに襲い掛かるウザイナーから
精霊の壁を作って庇うイーグレットに対し、
電車ウザイナーは行先表示を「急行」に変えて素早いラッシュを叩き込みます。
一人精霊の壁で猛攻受け止め続けるイーグレットは、
なぜ今回この姿に変身したのか。その想いをキントレスキーにぶつけます。
初めて咲と変身し、何度も困難を乗り越えてきたため、
今回が最後になるかもしれない咲との戦いは、その想い出のある姿で戦いたいと。
一人守り続けるイーグレットに差し伸べられる手。
それは最後じゃない、と立ち上がったブルームのものでした。
『私はこの町が大好き。家族が大好き。舞も大好き。だからみんなと一緒にずっとここにいる
攻撃を受け止めながら、ブルームの言葉は次第に力強さを増してゆきます。
『泉の郷を元に戻してあげたい。満と薫にも会いたい!
 それに・・・私達プリキュアでしょ?』
ウザイナーを押し返し、月と風の力を得てスパイラルハートスプラッシュで撃退。
これからも鍛えてやると言い残し、キントレスキーも撤退しました。

戦い終わり、舞はようやく咲の「迷っていた」本心を聞くことが出来ました。
最初から芸能界に行くことは考えておらず、
木崎社長に何と断るかを迷っていたという発言に舞も胸のつかえが取れたようです。
『これからもずっと私達はプリキュアだもの!』
改めて握手を交わす咲と舞。
そして咲は沙織ママと一緒に木崎社長に頭を下げて話を断りますが、
実は木崎社長が目をつけたのは、咲のカバンから転げ落ちたムープとフープでした。
終わってみれば何のことは無い、見事にみんなが早とちりしていた事を笑い合いました。
咲と舞は、これからもずっと一緒です。


冒頭でも触れたように、転校エピソードはMHで既に2度描いているため、
新たなアプローチから咲と舞が離れ離れになる懸念を描いています。
そしてプリキュアを続ける事との板挟み(厳密には今回は異なりますが)は
後のうらら、美希へと受け継がれ、各シリーズでも印象深い作品となっています。
今回は芸能界へのスカウトという、子供にとっての憧れだけでなく、
それに伴う家族や親しい人たちとの別れという現実にも触れています。
夢を追うことは大切さを肯定しつつも、
夢だけでなく現実も直視する必要があるというメッセージを感じました。

振り回されている咲が中心のようで、実は舞の揺れ動く心情にスポットが当てられています。
仁美や優子、健太が決して咲の事を考えていない訳ではないと思いますが、
終始舞い上がり、浮かれている彼女達とは異なります。
夜の自室でのチョッピとのやりとりや、咲の練習風景を見下ろしながら
咲を引き止めるべきなのか、応援するべきなのかを悩む姿は
本当に咲の事を考え、本当に咲と信頼関係で結ばれている友達だからこそでしょう。
「人を元気付けたり、笑顔にできる才能」を見抜いてのスカウトと考える発言は、
咲の本質的な魅力をこれ以上無いほど端的に説明したものだと思います。
そして揺れる心情は戦闘中でも終始変らず、ブライト、ウィンディへの変身が続いた中で
あえてブルームとイーグレットの姿を選んだくだりは
最後になるかもしれないという舞の複雑な想いと相俟って印象的です。

それだけではなく、咲の芸能界想像図の可愛すぎる姿や、
随所にガンダムを思わせる?台詞を吐くキントレスキー。
フラッピの山口勝平さんが演じている、咲にサインをねだる男子生徒。
アイドルの山口真理を次作で女優志望のうららを演じる伊瀬さんが担当している、
等、いろいろと見返して気付いた点も多く、
咲と舞の関係を掘り下げつつも気軽に楽しめる要素が多い一編だと感じました。
(舞も大好き!とまで発言している咲はなかなか凄い事を言っていますが・・・)
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