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スプラッシュスター第37話『みんな仲間だ!明日にジャンプ!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

プロのお笑い芸人であっても、舞台に立つ前は恐怖を覚えると言います。
フレッシュプリキュアにオードリーが出演した際に、作中の彼らはそう語っていましたが
現実のお笑い芸人の皆様もウケなかった時の観客の冷たい反応を想像してしまう、
といった恐怖を押し殺しながら舞台に臨んでいるのではないでしょうか。
もともと芸人志望でもなく、付き合わされて漫才をする宮迫にとって、
本番が近くなるにつれて高まる緊張は耐え難いプレッシャーとなり・・・
またしても披露されるキントレスキーの迷言が彩る、文化祭本番編です。
 
今日から文化祭も本番です。校門前には「明日にJUMP!」のスローガンとともに
舞が手がけたモニュメントが建ち、咲たち2年B組ではホラーハウスの最後の準備に大忙し。
そんな中遅れて登校して来た咲に対して、
遅刻した奴はじごくに落ちると相変わらず寒い健太の駄洒落が披露されますが、
それに対する宮迫の突っ込みが冴えず、教室に重い空気が漂い始めました。
その重い空気は開場まであと3時間、頑張って仕上げましょうと加代ちゃんが払いのけますが、
宮迫が少々思いつめている様に見えるのが気になります。
しかし宮迫の変化には誰も気付かず、絶好調で頑張るというナリ!と
いつもどおり快活な咲を中心にホラーハウスの準備が再開されました。

結局コンビ名は「健太&サコッチ」に落ち着いたようで、
彼らの出番は最後、トリを務めるようです。
しかし体育館の特設ステージを見て怖気づいた宮迫を、
健太は将来ドーム球場等もっと大きなステージで講演すると豪快に笑いとばしますが、
宮迫の不安は募るばかりでした。

ゴーヤーンはキントレスキーに目的を忘れぬよう釘を刺し、
確実に勝つための策を練る事も必要だと忠告します。
しかしキントレスキーとしては姑息な手段で挑むのではなく、
真っ向勝負で戦う事に意味があるというこだわりは捨てません。
その姿勢こそが勝利への道を開く。
信念を貫くキントレスキーにゴーヤーンもある程度は理解を示していますが・・・
この一連の2人のやりとりは、浜辺で腕立て伏せをするキントレスキーにつき合わされ、
隣で顔を歪めて腹筋をするゴーヤーン、と妙にコミカルに描かれます。

さて、ホラーハウスは間もなく開場時間を迎えますが、
この期に及んで暗幕を吊るワイヤーが足りない事が発覚します。
とりあえず黒いガムテープで怪しげな仮面を吊った暗幕を支えようと試みますが、
残念ながら強度が足りず、大ピンチ。
そんな折、宮迫と健太のやりあう声が聞こえてきました。
こちらも大ピンチ、突然降りると言い出した宮迫に理由を尋ねる健太は、
その理由を理路整然と説明できない宮迫に苛立っています。
ビビっているわけではないという宮迫の、辞退の理由は明らかにされず、
飛び出す宮迫の後を追って行く健太。
そしてホラーハウスも開場時間を迎え、やむを得ず体力に自信がある咲が
ずっと暗幕を手で支え続けるという非常手段で乗り切る事になりました。

そんなこんなで開場したホラーハウスを訪れる子供達は、
怪しげな雰囲気漂う魔女の釜に、そして現れる魔女に一瞬ビビりますが、
『こんにちは~・・・』
舞が扮する魔女の迫力の無さに大笑い。
続いて子供達を待ち受ける墓地では何も現れずに拍子抜けして先へ進んでいきます。
本当はここでフランケンシュタインの怪物に扮した優子が驚かす手筈だったのですが、
先ほどの健太と宮迫の事が気になっていて上の空で、すっかりタイミングを外します。
続けて燭台に灯る蝋燭に照らされ、棺おけから出てくるドラキュラ仁美は
棺おけごと倒れて閉じ込められ、泣き声を漏らす始末。だめだこりゃ。
すっかり子供達はナメきって先に進んでいきましたが・・・

『なぜ今日飛ばないのだ!?』
夕凪中を訪れたキントレスキーは、至る所にある「明日にJUMP!」の
スローガンに首を捻りつつ廊下を進んでいくと、宮迫と、追う健太とすれ違いました。
なんとか思い留まらせようとする健太に対し、嫌だと繰り返し取り付く島もない宮迫。
『いいぞ、若者は常に走り続けていくものだ』
・・・何か勘違いしていますが、キントレスキーは妙に含蓄のある台詞で
すれ違った健太と宮迫を見送りました。

ホラーハウスには他校の2人の女子生徒が来客します。
どさくさに紛れ込んで、怖がらせようとするフラッピとチョッピでしたが、
その愛らしい容姿が裏目に出て全く怖がられません。
しかし人魂のように飛び回るムープとフープに本気で怖がる女子生徒達を見て
フラッピはムープたちに妙な対抗意識を燃やしていました。
ちなみに桃園ラブちゃん女子生徒(C.V.沖さん)を怖がらせようとした
ブッキー加代ちゃん(C.V.中川さん)もまた仁美や優子同様に失敗しますが、
衝撃の展開はこのあとすぐ!
怪しげな仮面が吊られる一角に足を踏み入れた女子生徒たちは
不気味な雰囲気におっかなびっくり進んで行きます。
そんな折、不気味に蠢く仮面を見て心底悲鳴を上げて飛び出していく女子生徒達。
実際はその裏で支えていた咲が重さに耐えかねてモゾモゾ動いていたのが
仮面を不気味に動かし、さらに咲の周りを飛び回るアブを追い払おうとした動きが拍車を掛け、
まるで仮面に生きているかのような動きを与えていました。
彼女達の意図していないところで、ホラーハウスは成功を収めています。

ホラーハウスは一時小休止。
体育館裏で宮迫を説得する健太の下に、咲・舞をはじめ、
仁美、優子、加代ちゃんとホラーハウスの住人達もやってきます。
皆の問いかけに重い口を開く宮迫。
出たくない理由とは、家族に漫才をやるなどとは言っておらず、
家族の前で失敗する事を極度に恐れての事でした。
家族に晴れ舞台を見せてあげられるとの声の中で、舞だけは宮迫の心境に理解を示します。
前回モニュメント作りに多大なプレッシャーを受けただけに、
宮迫の怯える気持ちに同情しながらも、みんなが手を差し伸べてくれた事で
自分は一人ではないと感じ、その気持ちを込めてモニュメントを作った事を語りました。
女子達も改めて宮迫を応援し、健太も宮迫のために必ずフォローすると誓って
右手を差し出します。改めて握手を交わす健太&サコッチ。
その手の上にみんなが手を重ね、健太&サコッチは最後の練習へと向かっていきました。
そしてホラーハウス休憩時間も間もなく終わり、一足先に戻っていく加代ちゃん達。
咲と舞も戻ろうとした矢先、キントレスキーが立ちはだかります。

『麗しき友情か・・・』
友情自体を否定しないものの、一番大事な事は勝負に勝つ事だと言い放ち、
ケンシロウのように着衣を破って体育館裏にあった楽器をウザイナー化。
『幸いここは戦いの場に相応しい。緑の郷の奴らは体育館の裏で決闘するというではないか』
・・・何かを根本的に勘違いしているようですが、
ともかくブライト、ウィンディへ変身する2人。

ウザイナーを生み出したものの、最初からキントレスキー本人が攻めてきます。
2人もキントレスキーとの戦いで腕を上げたのか、
正拳突きから身をかわし、キントレスキーの動きを受け流しながら足払いなど、
戦いのテクニックも上手くなっています。
勝ち負けのつかないものは全て無意味。そう言い放つキントレスキーに
一生懸命やった事は心に残ると反論しながら戦う2人。
今まで見守るだけだった?ウザイナーがしびれを切らして襲い掛かろうとするのを
制するキントレスキーは、強烈な裏拳で2人を殴り飛ばします。
『先ほどの少年は失敗を恐れていた。それは失敗=負けの記憶が永遠に彼の中に残るからだ』
信念を曲げないキントレスキーの猛攻を受けながらも、
失敗は負けではないと、何度失敗しても挑戦できるかが大事と反論します。
ここで仕事させてもらえなかったウザイナーもしびれを切らして襲い掛かり、
危機一髪の状況で駆けつけたムープとフープの月と風の力で形勢逆転(笑)
楽器ウザイナーの放つ音波を風で逆流させ、
光の力でウザイナーを叩きのめし、そのままスパイラルスタースプラッシュで撃退しました。
そして、キントレスキーも見事なオチをつけて撤退していきました。
『次は必ず真っ向勝負で行くからな。今日はジャンプだ!』

ホラーハウスは成功裏に終わり、咲と舞たちは
文化祭のトリである健太&サコッチのステージを見に行きました。
少々固いものの、なんとかこなしている宮迫。
『一人きりだと不安だったり自信がなかったりするけど、みんなと一緒だと頑張れるんだね!』
宮迫の姿を前回の自分と重ね合わせたのか、そう語る舞に、
大切な人がいるから頑張れると応じる咲。
そして一緒に明日にジャンプだ!と笑い合う2人の前で、
健太&サコッチの漫才も終わり、客席の声に応じる健太と、
深々とお辞儀をする宮迫、の画で文化祭エピソードが終わります。
と思いきや、最後に健太のつまらない洒落に対する宮迫の深いため息、というオチが・・・


人が敗北する原因は・・・「恥」のためだ。人は「恥」のために死ぬ。
あのときああすれば良かったとか、なぜ自分はあんな事をしてしまったのかと
後悔する「恥」のために人は弱りはて敗北していく―エミリオ・プッチ神父

いきなりジョジョの引用で恐縮です。
今回キントレスキーは宮迫を見て「失敗=負けの記憶が永遠に残る」と発言しますが、
裏を返せば自分自身にも向けて言った言葉ではないでしょうか。
結果だけを見ればキントレスキーは登場以来失敗続きであり、負け続きです。
(キントレスキーに限った事ではありませんが・・・)
このような言葉によって己を鼓舞し、己を律し、失敗や敗北にも言い訳をせず、
次回に向けて再び挑戦しているようにも見えます。
最も、それは彼が否定した「明日にジャンプ」を肯定することにもなりますが・・・

ともあれキントレスキーの妙な発言は今回も強いインパクトを残し、
「なぜ今日飛ばない?」「今日はジャンプだ!」をはじめ
体育館裏での決闘、果てはジョジョファンにはたまらない「無駄無駄ァ!」等。
キントレスキー役の小杉さんはかつてジョジョ第3部の主人公、承太郎を演じておりましたので
ディオの代名詞のようなこの台詞の印象は強烈でした。
(もっとも、第43話でさらにジョジョファンを狂喜させる場面がありますが・・・)

キントレスキーとのバトルでは2人に直接のダメージを感じさせる描写が多々あり、
特に頭を蹴られたウィンディ=舞が頭を抑えて呻くなどの少々痛々しい場面がありました。
ごく初期にブルーム=咲がダメージを受けて苦しげな表情を浮かべた事がありますが、
イーグレット=ウィンディ=舞のこのような場面は珍しく、
どちらかというとアクションがソフトに描かれるSSでは異色です。

さて、「失敗」といえばホラーハウスも見事に失敗続きです。
笑われる舞、ボーッとしていた優子、棺おけが倒れた仁美、
つるべが落下して直撃した加代ちゃんなどなど。
本人が意図しないところでの咲のおかげで結果オーライで成功を収めましたが、
失敗を悔やんだり引きずっていない彼女たちと、
失敗したわけでは無いのに失敗を恐れている宮迫という構図は好対照でした。
失敗の描写があるからこそ、失敗してもいい、
失敗してもやり直せるという言葉が活きていると感じました。
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