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スプラッシュスター第48話『最終決戦!奪われた緑の郷!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

激しい攻撃の応酬、空中戦、飛び散るエネルギー弾などなど・・・
まるでドラゴンボールのような、プリキュア史上1・2を争う激闘が繰り広げられる今回。
これらももちろん大迫力で見ごたえ十分ですが、
本当の見どころは守るべきものを失った状態から立ち上がる場面の熱さと美しさです。
自然の尊さ、美しさを描いてきたスプラッシュスターシリーズ最終盤で、
ついに勢ぞろいする花鳥風月、4人の戦士が立ち上がります。
 
海上に立つゴーヤーンと浜辺で向かい合う4人。
ゴーヤーンは張り詰めた緊張を破り、
緑の郷に隠された太陽の泉を探し出すのは面倒だと漏らして
緑の郷ごと全て滅ぼすと言い放ちますが、
真っ先に反論するのは緑の郷の生まれではない満と薫。
『命の輝きに溢れているこの緑の郷を』『滅ぼさせはしない!』
負けじとブライト、イーグレットも追随します。
『私達の世界を・・・』『滅びの世界にはさせない!』
結局それか・・・うんざりだと言った感のゴーヤーンは
手始めにお前達から消えてもらうと宣言。激闘が、始まります。

浜辺の異変に気づき、大空の木から海岸へと急行するコロネ。
そこでは既に壮絶な戦いが始まっていました。
片腕で2人ずつを一度に吹き飛ばすウリアッ上ラリアートをかまし、
上空に飛んだブライト、ウィンディの足を掴んで振り回し、砂浜に叩きつけるゴーヤーン。
2人は上空のゴーヤーンを見上げると既にそこにはおらず、
背筋に走る悪寒に振り返ると、いつの間にかゴーヤーンが背後を取っていました。
しかしその更に背後から満と薫が攻め立てて窮地を脱し、
舞台を上空に移して4対1の激しい攻防戦が繰り広げられます。
しかしこの人数差でもゴーヤーンの強さが上回っており、
蹴り落とされたブライトは空中でウィンディと衝突して
2人とも町へ激しく叩きつけられました。
不敵な笑みを漏らしたゴーヤーン。しかし直後に満のハイキックが炸裂し、
間髪入れず下から薫も蹴り上げて、ゴーヤーンを追って満と薫の攻撃が畳み掛けられますが
ゴーヤーンは隙を突いて2人の足を掴み、勢いをつけて海へと放り投げました。
勝利を手にしたかのように、ゴーヤーンの雄叫びが響き渡ります。

しかし気配を感じたのか、ゴーヤーンが町を振り返ると、プリキュアはまだ倒れていません。
『私達はあなたなんかに』『絶対に負けない!』
力を集め、力を溜めて一気に町から飛び上がり、飛び掛ります。
時を同じくして満と薫も海面から飛び上がり、
町から、沖合いから、ゴーヤーン目掛けて突っ込みます。
その後も間髪を入れず、満と薫が、さらにウィンディが風の力を畳みかけ、
落ちまいと耐えるゴーヤーンと3人の力が拮抗する中、
その間にさらに上空へと飛んだブライトは、光の力をこれでもかと増幅して放ちました。
満、薫、ウィンディが瞬時に身をかわし、ゴーヤーンを直撃する光。
『行っけぇぇえええええええええっ!!』
立て続けの攻撃、そして巨大な光の力に、遂にゴーヤーンを押し切った・・・!?

衝撃で出来たクレーターを見下ろし、息を弾ませる4人。
しかし、まだ終わりではありません。ゴーヤーンが再び立ち上がると共に緊張が立ち込め、
瞬時に背後に回りこむゴーヤーンの動きは4人の誰もが捉えられませんでした。
背後から振るわれる拳が、続けて赤黒い光が4人を襲い、倒れた4人にゴーヤーンが迫ります。
『太陽の泉の在り処を・・・』言いかけたゴーヤーンを制して、
『太陽の泉は・・・』『絶対に・・・』『渡さない・・・!』
業を煮やしたゴーヤーンはとどめを刺そうと凄まじい力を滾らせます。

その危機に間一髪割って入るのはコロネ、そしてその背から立ち上るフィーリアです。
しかしゴーヤーンは王女の姿を認めて探す手間が省けたと、一気に全員を消し去ろうとします。
対抗するべくキャラフェの力を解き放つフィーリア。
2つの力がぶつかり合いますが、はずみでキャラフェそのものが海へと落ちてゆきました。
と同時にに海が光を放ち、それを見たフィーリアは狼狽します。
そしてゴーヤーンは全てを察しました。こんな所に隠すとは、王女も人が悪い、と。

命の源である海。その海こそが太陽の泉でした。
ゴーヤーンは太陽の泉を滅ぼすべく、巨大な暗黒球を作り出します。
それを見て怯えだすムープとフープ。泉の郷もあの力で滅ぼされたため、
フラッピとチョッピも早く止めるよう促しますが、
その間にも緑の郷の精霊がどんどん吸い寄せられ、海へと向けて暗黒球が放たれました。
太陽の泉が枯れる事は世界樹が枯れる事を意味し、
それは緑の郷も泉の郷も、二度と戻らなく事を示しています。
『そうはさせない!かけがえのない太陽の泉は』『私達が絶対に』
『守ってみせる!』
ブライトとウィンディは、ゴーヤーンに向けてスパイラルスタースプラッシュを放ちます。
食い止めるゴーヤーンもいつも以上の力を感じる程のものですが、
途中でブライトの、ウィンディの力がどんどん尽きて行き、
無情にもスパイラルスタースプラッシュは途中で止まってしまいました。
崩れ落ちるブライトを満が、ウィンディを薫が支えますが、
滅びの力に精霊が吸い寄せられて弱っていったために変身後の姿を維持できなくなり
その腕の中で咲と舞の姿に戻ってしまいます。
プリキュアのいない状況でゴーヤーンの暗黒球は太陽の泉=海を蝕み、
そして海は枯れ果て、地球は死の星へと変貌しました。

『鳥がいない・・・』
『花も咲いてない・・・』
荒野と化した世界。形を留めていたひょうたん岩も崩れ落ちます。
『緑の郷を・・・』『守れなかった・・・』
呆然とする満と薫に、ゴーヤーンは痛みも苦しみも滅んでしまえば全て無くなると
とどめを刺そうとしますが、満と薫はあくまで抗います。
2人がまだ力を残していたことに驚きつつ、ゴーヤーンは2人に警告しました。
アクダイカーンが命の炎を分け与えて作った存在である2人は力を出し尽くせば消えてしまう、と。
しかし2人は戸惑いもせず、抗い続けます。
あの時と同様の、神々しい輝きを放ちながら・・・
ゴーヤーンの一撃が振るわれ、宙を飛ばされていく4人。
『本当にしぶといですね・・・』
手ごたえを感じなかったのか、ゴーヤーンは4人を追撃します。

気が付いた咲と舞は、枯れた大空の木を目にして何も守れなかった事を痛感しました。
そして咲と舞を守るかのように倒れている満と薫に気付き、
涙を浮かべてその手を取りますが、満と薫は最期の力を使い果たしてしまったようです。
『緑の里の空は、どこまでも透明で、綺麗な青色をしていた・・・』
『そう思えるようになれたのは、咲と舞のおかげだから・・・』
満と薫、2人とも笑顔を浮かべたまま力尽きます。緑の郷を2人に託して・・・
咲と舞、2人の目からは大粒の涙がとめどなく流れ、
緑の郷どころか満と薫も守れない事を悔やみ、詫びる声が涙とともに漏れますが・・・

咲の涙が枯れた大地に落ちるのを見たフラッピは、何かに気が付きました。
涙の雫が落ちた、ほんの一握りの土を掘り出して、咲に見せます。
『咲、まだ土が残ってるラピ』
そしてチョッピも濁った空を見上げ、舞に示します。
『舞、まだ空があるチョピ』
花が枯れても、まだ花を咲かせる土がある。
鳥がいなくても、まだ鳥が飛べる空がある。
その言葉に咲は土を握り締め、舞は空に手を広げました。
ムープも雲の向こうにある月を信じ、フープも風が吹く事を信じると、
応じるかのように満が、薫が目を開きます。

「全ての物に生命が宿る」
大介パパの言葉を思い出した咲は、続けて沙織ママを、みのりを想い、
舞もまた弘一郎パパ、可南子ママン、牛乳和也を想い、
そして2人はクラスメイト達―健太、宮迫、仁美、優子、加代ちゃんを想います。
『みんなに会いたい・・・』
手を繋ぐ咲と舞は、この星に残っている全ての精霊、全ての物に宿る精霊に呼びかけました。
『お願い!私達に力を貸して!!』

大空の木を中心に光り輝く大地と空。
月の力が、風の力が、大地の力が、大空の力が
それぞれを司るムープ、フープ、フラッピ、チョッピを中心に光り輝きます。
緑の郷に残された精霊の力が4人を包み込むと、
ブルームが、イーグレットが、
そしてブライトのようになった満とウィンディのようになった薫が光の中から姿を現しました。
『花が咲き』
『鳥は舞う』
『風が薫り』
『月は満ちる』
命の輝きに溢れる世界を取り戻すため、手を繋いで立ち上がる4人。
最後の戦いが、始まろうとしています。


まず、何といっても「凄絶」と言い切って良い程充実した戦闘シーンに目を奪われます。
これを文章で現す事の無謀さを痛感させられ、
本編の凄さの10分の1も伝え切れていない事が残念ですが、
私がこの描写を管々しく書き綴るよりも百聞は一見にしかずです。
一度もこのエピソードを見た事が無い方には、本編の視聴をお勧めします。
ソフトな描写が続いていたスプラッシュスターシリーズの戦闘は
後半から終盤にかけて凄まじい展開が続き、
シリーズ終了が決定した事で吹っ切れたのでしょうか。
本編そのものの内容の良さとも相俟って強い印象を残します。

しかし今回は前書きにも書いたとおり、世界が滅びた後の描写が素晴らしいと思います。
力を失った咲と舞を守るために、自分達が消える事を厭わず身を張った満と薫。
復活後の各エピソードで、咲と舞や緑の郷に対する想いが伝わってきますが、
今回は真っ先にゴーヤーンに反論したり、真っ先に守れなかった事を悔やみ、
力尽きる瞬間まで世界の美しさを知ることが出来た喜び、
咲と舞への感謝を口にしています。
その後すぐに「ブライト」「ウィンディ」として立ち上がる2人ですが、
その前に2度目の「死」を迎えたのだと考えました。
滅びの力で戦うダークフォールの戦士として、感謝を口にして「死」んだ後、
精霊の力で戦う戦士へと生まれ変わったのだと思います。

「絶対にあきらめない」が信条の咲と舞でも、
今回は本当にどうにもならない状況へ追い込まれましたが、
この2人を立ち直らせるのがフラッピとチョッピという点も印象的です。
MHでこれ以上立ち上がる事を強要できない状況になった際、
メップルもミップルもプリキュアと運命を共にする事を感謝しつつ涙しました。

この展開は感動的だったのですが、同じことはもう出来ません。
しかも立ち上がる事を強要するのではなく、枯れた大地が秘めた可能性、
濁った空にいつか鳥が舞う日を想起させて励ます展開は、MHと異なる感動を覚えました。
目に見えない可能性を秘めているからこそ美しい。
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を1つ隠しているからだよ」
ふと、「星の王子様」の名言が思い出されました。

「花鳥風月」が咲、舞、薫、満の名前のモチーフになっていた事は明白でしたが、
はっきりと本人の口で「花が咲き」「鳥は舞う」「風は薫り」「月は満ちる」
と言われると、改めて感銘を受けました。
ここまで非常に丁寧な背景で自然を描いてきたスプラッシュスターだけに、
自然の美しさを評する花鳥風月という言葉が違和感無く、自然に用いられています。
他にも「五行思想」をモチーフにした敵幹部たち、
北欧神話を下敷きにした、世界樹と泉といった世界観など
改めて良く練りこまれた設定だったと感じました。

ゴーヤーンが滅びを肯定する理由として、痛みも苦しみも無くなると挙げています。
フレッシュプリキュアのメビウスも同様の哲学を持っており、それは確かに正論で、
生きる事は楽しいだけでなく、同じかそれ以上の苦しみがありますが、
だからこそ生きる事は尊く素晴らしいものです。
ゴーヤーンの論理は苦しいこと、嫌なことから目を背けるものですが、
そうではなく、苦しみや悲しみと向き合い、あがく事が人生だと思います。
そして咲、舞、満、薫が見せる信念は、3年後の4人の後輩達も
同様に受け継いで管理国家の野望を見事討ち果たしました。

生きる事を肯定し、自然の営みを尊重し、世界の美しさを描いたスプラッシュスターも
あと最終回を残すのみとなりました。
すでに結末を知っていても寂しさを覚えますが、過去何度か書いたように
別れを惜しむだけでなく、別れを次へと繋げる事が大切だと思いますので、
咲、舞、満、薫、4人の最後の活躍を再び見届けつつ、
次のプリキュア5再見へと繋げて行こうと思います。
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