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ハートキャッチ第35話『ワクワク学園祭!ファッション部はバタバタです!』 [ハートキャッチプリキュア]

かねてからファッション部が照準を合わせていただけに、
学園祭エピソードはSS以来となる準備編本番編と2回に渡って展開されました。
終始テンパり気味のつぼみとえりか、生徒会等との掛け持ちで忙しいいつきを中心に
かつて登場した生徒達も数多く登場して準備を盛り上げます。
一方、プリキュアシリーズでも極めて珍しい
「戦闘はおろか変身すらしない主役達」という冒険心も感じられる一編となりました。
  
学園祭を数日後に控え、中等部でも高等部でも、
あちこちで生徒達が放課後を利用して準備に勤しんでいます。
そんな中ゆりは何やら用事があるようで、ちょっと早めに帰宅していました。

あと3日とカウントダウンが書かれた黒板の前で落ち着かないえりか。
ファッション部長としてファッションショーの前に
いろいろとやらなければならない項目をメモを取りながら確認中です。
服はつぼみが大急ぎで作っているゆりの服を残すだけ。
いつきは生徒会長としての業務もあり、
としことなおみも学園祭実行委員のために退出。みんなとても忙しそうです。
あと3日なんて終わらない、と頭を抱えてテンパるえりかを力づけるつぼみ。
『ファッション部悲願の初イベント。必ずや私達の手で成功させましょう!
 いいえ、なんとしても成功させて見せます!!』
えりかは頼もしく思いますが、それも束の間の事でした。
『・・・多分』
自身無さそうなつぼみ。果たしてどうなることやら・・・

そうこうしているうちに、あと2日。
えりかはますますテンパり、つぼみは仕上がったゆりの服を持って高等部へと向かいます。
しかしもも姉に訊ねると、ゆりは既に帰宅した後でした。
もしかして中等部へ行ったかもしれないとの言葉で、急ぎ中等部へと駆け戻るつぼみですが、
頭上から呼び止める声に足を止めます。
声を掛けたのは番長、もとい番君。すっかり優しい目(誤解でしたが)をしていました。
いつの間にか美術部(漫研じゃなくて?)に所属した番君が出展する漫画のモデルを頼まれ
思わぬ時間をとられたつぼみは、次は昇降口でかなえに捕まります。
写真部のメイン展示をどうすればいいか相談を持ちかけられ、
学園祭の準備の様子を展示したらどうかと提案しました。
実際、準備にいそしむ生徒達は皆、生き生きしています。

その間にもえりかはテンパりまくり、
予定を確認しようと開いた手帳が自分の物ではないと気付いて教室へ向かいます。
そしていつきは生徒会室で大量の決済書類の山に判を押す仕事が待っていました。

教室へ手帳を取りに来たえりかは、クラスの出し物
「大正浪漫ハイカラ喫茶」
の衣装がパッとしないという意見を聞き、早速デザイン画を書き上げて提案します。
ファッション部の目的を忘れているえりかを心配するコフレ。
そしていつきは生徒会員に正門の看板の位置を確認して欲しいといわれて
ポプリを残して生徒会室を後にします。
残されたポプリは判を手にして・・・何やら嫌な予感がします。
いつきが戻った時、そこには滅茶苦茶に判が押されて散らばる書類がありました。
ポプリを叱るかと思いきや、いつきの為に判を押す手伝いをしたつもりのポプリを
優しく抱きしめてお礼を言います。

ゆりを探して校内を走るつぼみは、映画研究部の杉山君とぶつかりました。
映画研究部もまだ上映する映画が出来ておらず大変だと言葉を交わした後、
杉山君を見送ったつぼみは、ゆりに似た後姿の生徒を呼び止めて余計な時間をとり、
無情にも下校時間となりました。

その夜、えりかは夢の中でファッションショーの成功を見て
コフレの心配を他所に寝言で笑い続けます。
学園祭まで、あと一日。

あと一日となって、一人ますますテンパるえりかを他所に
今日も早く帰ってしまったゆりの代わりにほぼ同じ体型のもも姉に試着をしてもらいますが、
なんということでしょう。この期に及んで頭が通らない服でした。
しかし焦るつぼみ以下ファッション部員達を横目に、
えりかはとっさに首筋をカットして手早く繕い、仕上げなおします。
部員達だけでなくもも姉からもその手腕を評価されて、照れ隠しのようなえりか。
4時からのステージ練習には、合気道部に参加していたいつきも道着のまま駆けつけます。
腐れ縁のえりかとあずさが講堂で火花を散らした後の練習は、
練習にもかかわらずガチガチのつぼみ、道着のまま乱入して演武を始めるいつき等、
不安要素が募りますが、とにかく衣装も準備が整い、後は本番を待つだけです。
と思いきや・・・看板とポスターをすっかり忘れていました。
いつきの祖父に揮毫してもらう、今から作る、等喧々諤々の様相で焦るファッション部を
番君とかなえが訪れた事でつぼみは閃きます。
漫画家志望で絵が得意な番君に看板を、写真撮影が専門のかなえに
ファッション部の写真を撮ってもらい、それでポスターを作る事になりました。

一方映画研究会も締め切りが近い事に焦っていました。
上映中のフィルムに写りこんでいるクモジャキーの姿を見て、
撮った覚えが無いものが写りこみ、これでは上映会がブチ壊しだと頭を抱える杉山君。
いつのまにか傍らにクモジャキー本人が現れ、
その弱った心に目を付け、杉山君の心の花は映写機と合わせてデザトリアンと化します。

番君の手で看板も仕上がり、かなえによる写真撮影も終わり、
ファッションショーの司会は演劇部長のあずさに任せる等、
専門能力のある生徒達のおかげで順調にすすみ、後は照明係を探すだけ。
という段階でデザトリアンが、黄金バットのようにマントをなびかせて学校に現れました。
明日までに映画なんてできるわけないという発言で、杉山君が心の花を抽出されたと知り
いつきは校内放送で避難指示を、つぼみとえりかは変身の前にまずは生徒達を避難させます。
デザトリアンが暴れていても、番君達が近くにいるため変身できない2人。
クモジャキーもプリキュアがなかなか出てこない事に、恐れをなしたかと高笑いしていますが、
プリキュアはもう一人います。校舎の影で様子を伺っていたゆりが
単独、ムーンライトとして立ち向かいます。

番君達は初めて見る銀色のプリキュア登場に沸き、
間近でその活躍をカメラに収めようとするかなえ、あずさと番君も戦いの場へ向かいます。
『映画ガ間ニ合ワナイナンテ、学園祭ナンテナクナレバイイ』
喚きながら攻撃をして来るデザトリアンですが、
これしきで遅れを取るムーンライトではありません。
いとも簡単にあしらい、ムーンライトはデザトリアンに問いかけます。
『学園祭がなくなって、あなたは後悔しないの?
 本当にやりたい事は何なのか、自分で考えなさい』

劣勢なデザトリアンをダークブレスレットの力で強化し、
その体内に潜り込むクモジャキー。
両者のぶつかり合いで巻き起こる土煙から番君たちを下がらせて、
駆けつけたつぼみとえりか、いつきの前で土煙が晴れていきます。
そこには強化デザトリアンの一撃すら難なく片手で受け止めているムーンライトがいました。
全く問題にせずに強化デザトリアンを圧倒するムーンライトに
クモジャキーは負け惜しみのように心の花はもうボロボロだと言い放ちますが・・・
『決して枯れさせはしない。全ての心が満ちるまで、私は戦い続ける!』
ムーンライトのシルバーフォルテウェーブでデザトリアンは浄化され
クモジャキーもまた撤退していきます。

目を覚ました杉山君は、フィルムが無事と知りほっとします。
やっぱり明日の学園祭で発表したいと、映研の仲間と共に
みんなで見てもらう映画を作るために再び立ち上がります。
これで一件落着・・・と思いきや照明係がまだ見つかっていない事に大慌てのえりかですが、
照明係は映研としてのスキルを持つ杉山君が引き受け、今度こそ一件落着です。

そしてファッション部の部室へ向かうと、そこにはあの服を着てくれているゆりがいました。
とても似合っていると評され、まんざらでもなさそうなゆりは、
最近早く帰っていたのはこの服に合う靴を探していた為でした。
『ファッションショーみんなでがんばるぞ!』『オー!』
えりかの音頭で拳を突き上げるつぼみといつき。
流石にゆりはそこまでは出来ませんが、確かに仲間たちに囲まれています。


今回は賛否両論あるかもしれません。
学園エピソードを盛り上げ、戦闘不参加のつぼみ、えりか、いつき。
文化祭の準備に殆ど関わらず、そのかわり戦闘を盛り上げたムーンライト。
今までプリキュア5シリーズやフレッシュシリーズで全員が変身しなかった事はありますが、
いわゆる「主役」と位置づけられるのぞみやラブが変身しなかった事は無いと記憶しています。
つぼみ、えりか、いつきの3人が変身すら行わず完全に傍観者となり、
ムーンライトの一人舞台となる展開は、かなり意見が割れるのではないでしょうか。
学園祭の準備の描写に重きを置いたために尺が足りないという問題があったと思いますが、
私としてはこの展開を評価したいと思います。
極論を言えば、今回はあえてデザトリアンを出さず、
文化祭の準備だけでまとめても良かったかもしれません。
流石にいろいろ大人の事情でそれは難しいと思いますが、
今まで必ずみんなが(最低でも主役が)変身して戦うという流れに反したのは
水戸黄門が印籠を出さないようなもので、かなりの冒険だったと思います。

それにしてもムーンライトの強さは圧倒的で、まともに戦うのはまだ2回目にもかかわらず
一人でもまるで負ける気がしない安心感が凄いです。
そしてデザトリアンに対してかける言葉も、一見冷たく突き放しているようですが
相手の本音を理解した上で適切な言葉をかけており、
ムーンライトが現役で心の種を集めていた頃はこんな感じだったのかと想像が膨らみます。
(そしてコロンが心の種をプリプリプリ、と以下略)
ダーク様との戦いぶりからして、デザトリアンごときに遅れを取るはずがないのは当然ですが、
強化デザトリアンすら片手であしらう強さは少々強すぎるきらいもあります。
これから砂漠の使途側がどのような対抗策を持ち出してくるか期待したいものです。

戦闘ではムーンライトの一人舞台でしたが、
ストーリー上はつぼみ、えりか、いつきが3人ともキャラ立ちしている点も良いと思います。
頼まれたら嫌と言えないお人よしで、練習でもガチガチですが、とっさに妙案を思いつくつぼみ、
一人テンパり続けて珍妙な行動や発言が目立つものの、
ファッションに対しては適切な助言や優れた対応力を披露するえりか。
ファッション部、生徒会長、合気道部と3足のわらじを履く超多忙ないつき。
この3人と番君、かなえ、あずさの個性が絡み合い、
文化祭の準備という独特の高揚感が描かれていたと思います。

今までも文化祭関連のエピソードはありましたが、
今回は各所に張られたポスターや装飾が細かく、
良く注意してみるとスタッフの遊び心もあって色々発見がありそうです。
それだけに本当に文化祭の準備に励む生徒達の熱気が伝わり、
私自身学生時代の遠い記憶が蘇って来ました。

やや詰め込みすぎ観があるのは確かですが、
文化祭準備の楽しい忙しさと、新たな展開への挑戦を感じさせた今回は
記憶に残る一編になりそうです。
そして次回のファッションショー本番も楽しみにしています。
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やまぴょん

今回に限らず、ハートキャッチはいろいろと挑戦的で油断できないですね。3人が変身しないのは私も驚きました。ムーンライト強化(強調)という大人の事情もあるとは思いますが、私も今回の話は評価しています。

ハートキャッチにおけるプリキュアの役目には
1. 被害者のこころの花を取り戻す
2. デザトリアンからみんなを守る
の二つがあると思うのですが、今回、1をムーンライトが引き受けて、2は変身しなかった3人が(番君たちとともに)担ったという意味では、3人もプリキュアとしての役目をちゃんと果たしていて、それを変身せずに行った点はおもしろいと思いました。

それと、今回ムーンライトが一人で戦っているわけですが、以前のような孤独な感じを与えていない点も面白いと思います。才谷くんのときに「遅い」と叱責したときのゆりさんとはずいぶん変わったなという印象を持ちました。
by やまぴょん (2010-10-13 18:16) 

スティクス

>やまぴょんさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、1.と2.の対比がしっかりと描かれているのが面白く、
そしてチャレンジ精神が感じられましたね。
これは勝手な想像ですが、企画会議等でも
つぼみ達が変身すらしない事には意見が割れたのではないかと思います。
良い意味での挑戦は今後も期待したいですね。
コロンとの再会、そして2度目の別れを経て、
変わりつつあるゆりの心境も好印象で、
この物語がどのような展開を辿るのか楽しみですね。
by スティクス (2010-10-14 22:48) 

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