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プリキュア5 第17話『純情乙女の恋物語』 [Yes!プリキュア5]

前々作、前作の主人公であるなぎさと咲、そして今作のりんちゃんの共通点。
それはボーイッシュで活発、運動神経抜群、というのだけでなく、
一様に色恋沙汰に関しては純情乙女そのものだという点です。
更になぎさは藤P、咲は牛乳と、いずれも年上の涼やかな男性に憧れを抱くところまで共通し
それは今回のりんちゃんも同様です。
5人の中では気の強いように見えて、実は誰よりも女の子らしい一面も持つ
りんちゃんの淡い恋心の結末はいかに・・・?
  
増子さんの記事のおかげでしょうか、極端に品薄のナッツハウスから始まります。
このままでは売り物が無く、小々田先生とナッツは新商品の準備を考えていますが、
アクセサリーを作る器具はずっとりんちゃんが独り占めしていました。
滅多にアクセサリーをつけないというりんちゃんが
一心不乱にアクセサリーを作っている事に驚きの声をあげるのぞみ。
少々呆れ気味の小々田先生に対しても我関せず、
出来上がったアクセサリーに見とれるりんちゃんは、いつものりんちゃんとはまるで違います。

『きれいなブレスレットだね。これは君が?』
『これですか?ええ、自分で作ったんです』
『凄いねえ君は。スポーツ万能で手先も器用だし、そのうえこんなに可愛いなんて』
『やだぁ!何言ってるんですか♥そんなことないですよぉ♥』
鏡に向かって巧みに男女の声を使い分け、
一人芝居に興じるりんちゃんを呆気に取られて見るみんな。
ひょっとして部活や家の手伝いで疲れているのではないかとか、いつでも力になる、
などとすっかり気の毒な子を見るような目で見られ、りんちゃんは我に返って取り繕います。
そんな折、街の大時計が鳴り響き、りんちゃんは慌てて店番をするために家路に向かいました。
のぞみはりんちゃんの妙な素振りに、前にもこんな事があったと思い出そうとしましたが、
りんちゃんが大切な部活道具の入ったバッグを忘れている事に気付いて
みんなも何かおかしいと考えを巡らせました。

その頃ナイトメアでは・・・
ブンビーさんはギリンマ君に書類を差し出し、サインを求めます。
ギリンマ君はすっかり昇進の辞令だと思い込んで舞い上がりますが、
しかしそれは「辞令」ではなく「辞表」で、喜びから一転失望に変わり焦るギリンマ君。
・・・後のギリンマ君の運命を思うと、ここで辞めた方が良かった気もしますが・・・

さて、みんなでりんちゃんの家へ忘れ物のバッグを届けに行くと、
りんちゃんはヨン様似の青年の接客をしています。
小さな鉢植え一つなのに家まで届けるというりんちゃんに青年は当然遠慮しますが、
『私、これでも力持ちなんです』
先ほどのブレスレットをアピールするようなりんちゃんのお言葉に甘え、
配達をお願いして帰って行きました。
その後姿を頬を染めて見送るりんちゃんは、不意にのぞみに声を掛けられて慌てふためきます。

滅多にアクセサリーを付けないりんちゃんが、前にも同様の事があった時は、
確か好きな人が・・・と思い出すのぞみを大慌てで制するりんちゃん。
しかしその仕草から、青年に対して淡い恋心を抱いている事はみんなにも筒抜けです。
心置きなく配達に行けるよう店番を申し出るのぞみに遠慮がちのりんちゃん。
しかしみんなのフォローを受け、わざわざ着替えさせられて結局配達へ向かう事になりました。
そしてナッツからはりんちゃんが作った赤いブレスレットとおそろいの
青いブレスレットを手渡されます。みんなの好意を受けたりんちゃんは、
照れる事をやめて素直にお礼を言って配達に向かいました。
りんちゃんは、期待に胸躍らせて青年の家までの道を駆けて行きます。

しかし、店に残るのぞみはりんちゃんが気になって仕方がありません。
見に行こうとしてはダメとかれんに釘を刺され、そっとしてあげようとこまちに言われても、
何も喋れなくなってしまうりんちゃんを気遣ってフォローしに行こうとします。
ココもかれんやこまちの意見に賛成だったのですが、
当のかれんが考えを翻して立ち上がりました。
『生徒会長として生徒のフォローをした方がいいと思うの』
真顔ながら面白半分にしか見えないかれんに続いき、
りんちゃんが何も言えなくなったら代わりに台詞を考えるとこまちが、
いつでもりんちゃんの代役を務めるとうららが立ち上がり、
店番をココとナッツに押し付けて、結局みんなでりんちゃんの後を追いました。

りんちゃんは青年の住むアパートに着いたものの、
ブレスレットに目を落として中々踏ん切りがつきません。
ドアの前でどのようにブレスレットを渡そうか、
一人色々と試してはどうすべきか思案に暮れるりんちゃんの様子を、
背後から見下ろすギリンマ君の姿が・・・
『愚かな奴だ。せいぜい期待するがいい。
 だが期待すればする程裏切られた時のダメージも大きいぞ』
辞表を破り捨てるギリンマ君の言葉は、
りんちゃんだけでなく、先ほど舞い上がっていた自分にも向けられているように思えます。

ついに決心し、深呼吸してインターホンを押そうとするりんちゃんは、
追って来たみんなが固唾を呑んで見守る中、やっぱりインターホンを押す勇気が持てません。
ドアの前で思案している内に、丁度窓を開けた青年と目が合いました。
りんちゃんは「仕事」として鉢植えを渡した後、
本当に渡したい「プレゼント」を渡そうとしますが、なかなか踏ん切りがつきません。
それでも精一杯の勇気を振り絞り、意を決して切り出そうとした時、
残酷な現実が明らかになりました。
青年の部屋にはブッキーお似合いの女性がおり、
とっさにブレスレットを隠すりんちゃんの胸の内を知らない青年は、
今までりんちゃんの店で花を買っていた理由を説明します。
『彼女の喜ぶ顔が見たくて、それで君の店で良く花を買っていたんだ』
目の前のカップルには少しも悪気はありませんが、
現実がりんちゃんの心を打ちのめす中、それでも精一杯平静を装い、
いつも花を買ってくれるお礼として、2人にブレスレットをプレゼントするりんちゃん。
そして花を買ってくれたお礼の言葉と共に、逃げるようにその場を離れます。
その後姿には青年の声も、のぞみの声も届きません。

夕暮れの公園でうなだれるりんちゃんの手首には、
先ほどまで手首を飾っていたブレスレットはもうありません。
店先での青年とのひととき、青年のために一生懸命アクセサリーを作った事、
同じデザインのものをナッツが作ってくれてそれとなく応援してくれた事、
そして、そのアクセサリーを「お似合いのカップル」に渡してきた先程の出来事・・・
うたかたのように消えた恋を思うと、自然と涙がこぼれてきます。
『私ったら、馬鹿みたい・・・』
一人涙を拭うりんちゃんに、ギリンマ君の影が迫り・・・

その頃「Fleuriste Natsuki」は、客のオバサマ達でごった返していました。
小々田先生とナッツ、2人のマダムキラー店員はその対応に大わらわです。しかし、
『何か、出た!』
そんな状態でも気配を敏感に察し、互いに頷きあう2人。

公園の噴水でギリンマ君と対峙するりんちゃんは、
落ち込んでいるときに現れたギリンマ君に怒りを露にします。
『舞い上がって何を夢見ていたのか知らないが、全部無駄に終わったな!』
『無駄じゃない!』
ギリンマ君に反論し、それとなく様子を伺っていたのぞみ達が割って入ります。
『人が人の事を一途に想うってことは、とっても大切な事なんだよ!
 全然無駄な事なんかじゃない!』

ギリンマ君に強く反論するのぞみに促され、りんちゃんも再び前を向いて
5人は変身して立ち向かいます。

今回ギリンマ君が仮面を被せる対象に選んだのは、先ほどの噴水です。
とめどない水の体のため、どこまでも大きくなって襲い掛かり、
噴出する水流は同じ水属性のアクアもろともミントとレモネードも吹き飛ばします。
単身、果敢に挑んだルージュもベンチに激しく叩きつけられ、
皆を気遣うドリームに、どんどん大きくなるコワイナーが迫ります。
『どうだ、現実は甘くは無い。お前らの期待通りにはならないんだよ!』
ギリンマ君の嘲笑う声を聞いたルージュは、歯を食いしばるように反論しました。
『絶望なんかしない・・・期待しすぎて失敗しても、失望しても、
 私はいつだって前向きでいたい!』


ルージュの想いに答えるように、再び立ち上がるみんな。
迫るコワイナーは突如巨大化が止まり、水流も勢いが無くなっていきます。
いつの間にか駆けつけたココとナッツが噴水の元栓を締めたため、
これでもう大きくなる事も、水流攻撃を仕掛けることもできません。
激昂しココとナッツに襲い掛かるギリンマ君をレモネードフラッシュで牽制し、
ミントプロテクションで護り、その間にアクアストリームがコワイナーを足止めします。
そして純情乙女の炎の力、ルージュファイヤーと共にドリームアタックでコワイナーを撃破。
とうとう後が無くなってきたギリンマ君は焦りを口にして撤退していきます。

駅前のケーキバイキングの店に誘うのぞみ、新作映画の鑑賞を持ちかけるうらら、
水無月家での紅茶を勧めるかれん、
映画を観た後でケーキを食べて紅茶と一緒に和菓子を提案するこまち。
家路に向かう間、皆それぞれりんちゃんを気遣っていろいろと発言しますが、
もう落ち着きを取り戻したりんちゃんは的確に突っ込みます。
ケーキバイキングの店は今日は休みで、映画はホラーなのでパス。
ケーキの後に紅茶と和菓子はいくらなんでも食べきれないと突っ込んだところで、
改めてとんでもない事に気がつきました。
ここに全員いるということは、店番は・・・?
『何やってんの!?』
りんちゃんはため息を漏らすものの、みんなのおかげで元気を取り戻し、
みんな一緒に店まで走って行きました。


冒頭、りんちゃんとのぞみ、咲との共通点について触れましたが、
残念な事にりんちゃんの恋心が実ることが無いのが相違点となっています。
この後もローゼット伯爵(の幽霊)、百井京介(と思ったら正体は敵幹部)など、
線の細い年上の青年に一目惚れするも、いずれも実らぬ恋ばかり。
人は失恋を乗り越える度に大人になるとは言いますが、
りんちゃんに素敵な恋が訪れるよう祈らずにはいられません。
(りんちゃんは俺の嫁!と宣言するのはとりあえず控えておきます。)

そんなりんちゃんの繊細な恋心は、青年のアパートに入ろうとする時の表情、
一度引き返そうとして再び向かうなどの行動、
ブレスレットを渡そうとする際の迷いと決意が入り混じったような仕草など
細かい表情や仕草で見事に表現されていました。
なぎさも藤Pの前で、咲も牛乳の前では同様でしたが、
相手の事を良く知らないという事がりんちゃんの不安を増大しているように思えます。
そして冷静に考えれば、青年に彼女がいる事くらいりんちゃんにも察しがついた筈です。
鏡の前で一人芝居をしてみんなの痛い視線に気付かないのもそうですが、
「恋は盲目」とは言ったものです。

一方、今回はりんちゃんとギリンマ君の境遇がよく似ている事が挙げられます。
「期待すればする程裏切られた時のダメージも大きい」
「舞い上がって何を夢見ていたのか知らないが、全部無駄に終わった」
ギリンマ君の台詞はりんちゃんに向けられているようですが、
昇進と勝手に思い込んで失望に終わったギリンマ君自身が
自分に向けて言っている様にも思え、彼の境遇とも重ねて少々同情してしまいます。
しかし失敗・失望をバネに前向きであろうと奮起するルージュと、
失敗・失望を他人に重ね合わせて嘲笑うギリンマ君の姿勢の違いで
プリキュア陣営とナイトメア陣営の考え方を比較して描いていました。

ところで再見するまで、ブッキーであり加代ちゃんであり矢部千秋だった中川さんが
青年の彼女としてゲスト出演していた事をすっかり忘れていました。
実はフレッシュプリキュア以前の全シリーズに関わりがあったとは・・・
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